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パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



こだわりのメルロー  Az. agr. Cà Olivassi :: 2019/06/20(Thu)

私のよく通うラディッキオの生産地の地区にて、小さなカンティーナがあるから見においで、と前々から誘われていた。ようやくお互いの都合が合い、訪問を。

ヴェネツィア県に属するノアーレの郊外、シーレ川をベースにする湧き水がこの土地の地中深くに巡らされている、きれいな水が豊富な地域。ここで小さな、約2haのみのブドウ畑を、それもほぼメルローのみにて持ち、それらを全てほぼ一人の手で醸造が行われている。ワインを作るのは、リーノ・トサット (Lino Tosatto) さんという、もともとこの土地で普通の農家として育った方。現在は普段は会社員として働き、ご自身の個人の時間はブドウ作り、ワイン作りに打ち込む。ブドウ畑の周囲には、彼の別の作物の畑、麦やトウモロコシの畑も広がる。

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ブドウ畑は自然に任せ、科学的な肥料などは一切排除している。現在、オーガニックの認定を取るための申請期間中だが、3年間の期間の後にはおそらく間違いなく認定マークが許可されるであろうはずだ。

整備された畑のメルローは、きれいに手入れされたグイヨー仕立て。葉も青々と元気に育ち、病気なども現在は見られる感じもなし。

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今はちょうど花がつくところ。

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収穫後は、カセットに並べ、45日間ほどの軽いアパッシメントが施される。その後、醸造作業に入り、アルコール発酵後は、50HLの木樽またはバリックにて30ヶ月、その後、瓶詰めして最低6ヶ月寝かせて商品となる。

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年間5000本ほどしか生産量がないので、全てが手作業。これから大きく生産量を伸ばしていくのか、というと現在はそのつもりもあまりないらしい。とにかくワイン作りが好きでその情熱が彼らを動かす原動力となっている。

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商品は2点のみ。「クアルテーゼ (qualtese)」はメルロー100% (IGP Veneto) 、「ラ・デチーマ (la decima) 」はメルロー95%、ラボーゾ5% (DOP Venezia) だ。

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このメルロー、非常に良い。深ーい真紅に適度な粘度。初めは甘い完熟したベリー系のフルーツの甘い香り、そしてだんだんと香りの要素が複雑になり、アルコールを感じる黒いベリー系の香りに。口に含むと口中に広がるふくよかさ、後にはほのかな程よい酸味も感じつつ、強すぎないタンニンもこれまた程よい。
時間を置いて飲んだらもっと変化が楽しめそうな、そして年月を経て寝かせておいたら、また面白い変化をしそうな良いメルローだ。

…と話しをしながら試飲をしながら畑を眺めていたらふと気づいた仕立ての違うブドウの木。少しばかりのリースリングだという。リーノさんの思惑は、今後少しずつ白ワインにも挑戦したい、らしい。

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このタイミングにて、「出しちゃおっかなー」といたずらしてる子供みたいな顔になったリーノさん。カンティーナの奥に入っていった彼の後に付いていったら、端っこにホコリにまみれた瓶の小さな山が。おもむろに一本をとりあげて開けてくれた。

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グラスに注がれたそれは、深い黄金色。粘度がしっかりしているので、糖度もアルコール度もそれなりのもの、と容易に想像できる。

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収穫後は24時間の皮とのコンタクトの後、皮を取り除き、カスとともに15日間のマチェラツィオーネが施され、その後さらにカスの大まかな取り除きも行って、4ヶ月。そしてアカシアのバリックにて18ヶ月。

金柑みたいな甘さと少し感じるほろ苦さ。熟成タイプのフォルマッジョに合わせたい。

なんでも、この床に転がっている2012年のものが数本しか在庫がないらしく、もったいなくて滅多なことがない限り、開けることはない代物なんだとか。私に気を使って言ってくれた分を差し引いても、嬉しい。

極少量生産の良品。いいワインだ。

最後に撮った写真は、造り手のリーノさん、そして彼を助けて、販売を担当するリッカルドさん。

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オリーブの花 :: 2019/06/15(Sat)

数年前から定期的に通っているフリウリのカンティーナは、ウーディネ郊外に位置する世界遺産の街、チヴィダーレ・デル・フリウーリにて、ワインオリーブオイルともにオーガニックの認定を受ける農家だ。
家族経営にて、約11haの自宅周辺のぶどう畑及びオリーブ畑、そして、近くの丘陵地帯に約2haのぶどう畑を持つ。

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整然と整ったぶどう畑は、非常に手入れが行き届いているのが見てわかる。それもぞのはず、年間を通してほんとに毎日の仕事は山のようにあるが、それをひとつひとつ丁寧にこなしているから。
私自身の興味もあり、頻繁に同農家には通い続けているなかで、お手伝いできることは積極的に参加している。おかげでいろいろなことを学ぶいい機会にもなっている。

今年は5月いっぱいまで低温で雨が続き、全体的に植物の成長が遅れている。野菜農家などは5月の種植え、苗植えの時期が雨続きであったこともあり、作業が非常に困難で遅れていることは、別農家からよく知ること。

このフリウリのカンティーナでも(もちろん彼らだけの問題ではないが)、今年は花がつくのかどうか…と非常に心配をしていたところ。

6月に入ったら、急激に夏がやってきて、ぶどうもオリーブも、グングンと成長をしている。オリーブは先週は蕾がついた状態だったのが…

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今週は一気に花が咲き、もうすでに終わりかけ。

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今年は実が少ないだろう…と予想していたが、花のつき具合からみると今年も結構な豊作な年になりそうだ。

ぶどうのほうも、もうすでにワッサワッサと葉がつき、ツルが伸びている。あっちこっちに伸び放題なツルを方向修正してあげたり、葉の密度を調整したりするのも大切な仕事。
実も花をつけはじめている。

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もうしばらくすると今年の収穫の予測もだんだんとたってくることだろう。

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継承語を学ぶこと :: 2019/06/12(Wed)

私の娘は現在11歳、数ヶ月で12歳を迎える。中学校一年生を今月で終了した。もう私のイタリア語力はとうに越しているので、宿題を手伝ってあげることもままならない状況ではあるが、どうにか毎日元気で学校に通い、友達もたくさんいて、楽しそうな毎日を過ごしている。なんとなく思春期も迎えつつある年頃にて、少々気難しくなってきたなぁ…とも感じているが、それも仕方がないのだと思う。

母親を日本人に持つ、という、ここでは一種の特異な環境にあり、学校では英語とフランス語を学び、そこに日本語も、となるとなかなかと大変。学校の宿題、学校終了後の午後の習い事、と毎日を多忙に過ごしているため、幼いときにはそれなりに継続していた日本語の勉強も、これは私の責任もあるが、少々なおざりになりつつある。

とはいえ、どうにか日本語のベースだけは保っていってほしい、と願う気持ちから、家庭での日本語での会話を無理やりに続行しつつ(もちろん私と娘間のみ)、月に一回の定期開催にて行われる同様な環境にいるヴェネトの子供達を対象とした「どんぐりの会」という自主サークルには、特別なことがない限りは出席するよう心がけている。

同サークルは、ヴェネト州内、パドヴァ、ヴェネツィア、ヴィツェンツァ、トレヴィーゾ、ヴェローナ県に住む、乳幼児から小学校に通う年齢の子供のいる家族が会員となり、現在は約30家族の会員により構成され、ミラノ領事館から日本の小学校の教科書を学年に応じて随時配布いただいている。

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当然のことながら、我が娘の日本語レベルは同年代の日本人の子供には到底おいついていない。とはいえ、そこにはあまり固執しておらず、楽しく日本語の環境に身を置くことを主眼としている。これは私のサボりからくる考えなので、正しくはないのだろう。とはいえ、本人の意識を保つためには、非常に良い機会と信じているがゆえ、会の運営にも積極的に参加するよう心がけてはいるのだが…。

6月の同会の開催は、夏休みに入ることもあり、月の初めに開催。いつもは学年ごとに分かれての授業を行い、その後は全学年を一斉に集めて日本の季節行事などに関連するレクリエーションの時間にあてている。
今月期に限っては、同会の保護者の尽力により、アメリカのブリンストン日本語学校にて、継承語を研究、実践されている小野桂子先生を迎え、保護者との座談会が企画された。

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継承語教育」とは、初めて耳にする言葉だった。

まずは、「継承語」とは何か。母語、継承語、現地語とは?という話から始まり、その教育的意義、継承語を学ぶ環境、その際のルール、そして私たち母親の対応法等々、様々な話題に触れながらその意味を知ることとなった。実際の実践における内容と、バイリンガル(またはそれ以上)の子供の教育を研究している学者の研究結果などを交えた裏付けのある内容に、思い当たること、そしてそうしたいと願っているが現実は…と、参加した母親たちが各人、頭のなかで様々なことを感じたことはいうまでもない。

日常に子供たちへ継承語を伝えていくうえで小さな積み重ねを続けていかなければならないことの重要さ、そして子供たちが単に言葉を覚える、という単純な意味以上のものがあることを短時間のなかでも十分に感じることができた。
母親が日本人だから、ということだけで日本語を習得できるのか、というと完全にノー。それの難しさは今自分達が十分に体験真っ只中。

小野先生が何度も繰り返し、強調し、そして私達も共感、いや、再認識したのは、子供に日本語を話してもらいたい、との思いやそれに準じる日本語の環境作りや日本語の勉強は、完全に親のエゴだということ。親が日本語を覚えてもらいたいと思っているから…。いやー、その通りだ。

そして、それだけではもちろん終わらない。大切なのは、それを踏まえた母親が、常に自信を持って話しかけ、行動すること。
ハッとした瞬間。




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春満載のヴェネト マンマの料理レッスン :: 2019/05/20(Mon)

たま〜にお問い合わせをいただいた際に開催してるヴェネトのマンマ料理レッスン。

この日は、2名の方からのお問い合わせにより、いつもお世話になっているロッサーナさん宅にて。テーマは「春の食材×ヴェネト料理」。

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この時期に外すことができないのは、真っ白い立派な白アスパラ

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これは前菜として、定番の卵のソースを合わせる。私の定番は、最もシンプルにフォークの背でつぶした茹で卵に美味しいオイル、塩、胡椒、アチェトを混ぜて茹でたアスパラに添えるもの。ロッサーナのレシピは、卵黄を丁寧につぶしてそこにマスタードを混ぜこんでクリーム状にしたものに、つぶした白身を合わせ、オイル、アチェト、そしてパセリなどを混ぜこんでいく。
丁寧に掃除したアスパラはしっかりと茹で、できあがったソースをたっぷりと添えていただく。

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プリモには、春のリゾットの定番「リーズィ・エ・ビーズィ(Risi e Bisi)」。ピゼッリ(グリンピース)を指す「ビーズィ」のリゾット。ヴェネト弁だ。

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実はヴェネトでのピゼッリの季節はもう少し先。とはいえ、街場の八百屋さんには、南から届いたピゼッリが山となって売っている季節だ。だから、もうこの辺りでも既にピゼッリの季節に入っている感がある。

ピゼッリを玉ねぎとともに炒めて火を通し、米を入れてから脇で温めておいたブロードを注ぐ。米がアルデンテな頃を見計らって火を止め、おろしたグラーナとバターを投入。そしてしっかりとマンテカートしてできあがり。
ピゼッリのホクホクした感が美味しいリゾットだ。

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セコンドには、オラータ(クロダイ)の紙包み焼。

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見ただけで美味しそうな彩りの鮮やかな食材をオーブンシートにで包んでゆっくりと火を入れる。各素材の風味がやんわりと包まれていて美味‼︎この魚が出てきた頃には、もうお腹がいっぱいなのだが、気づいたら完食していた。

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ドルチェには、トウモロコシの粉を入れたヴェネツィアの焼き菓子、ザエティでしめる。

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途中、プロセッコも何本も空け、グラッパで終了。お昼休憩で帰ってきたご主人のダニエレさんも途中参加し、とても楽しいレッスン&昼食会となった。

ご参加くださったお二方、そしていつも素敵なホスピタリティで迎えてくれるロッサーナとダニエーレ、皆さんに感謝です。




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今年は寒いアスパラのシーズン :: 2019/05/16(Thu)

5月半ばだというのに、雨続きで気温の上がらない日が続いている。春先に急に暖かくなったものだから、油断して暖かい衣類をクリーニングに既に出してしまったのを後悔する今日この頃。

この季節のヴェネトの食材といったら、アスパラがその筆頭。特に白アスパラに関しては、ヴェネトが最大の産地である。

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ことごとくトレヴィーゾ県に近いヴェネツィア県下にて、アスパラ生産者である農家を訪ねた。ここら辺のアスパラは、バドエーレIGPとして、産地呼称に指定されている地域でもある。DOPに認定されているバッサーノ産は最も有名だが、バッサーノ産のそれは白アスパラのみなのに対し、バドエーレ産には白も緑も両方ともIGPとして認定されている。

それぞれの良さはもちろん食す側の好みによるからなんとも言えないが、やはり特殊な白アスパラのほうが人気もあり、生産者側からみると高値がつくことから、白アスパラの生産のほうに力が入っている。

白アスパラは日光にあたると色がついてしまうため、春前に根にそって一列に土を持って畝をつくり、黒いビニールをかぶせてその中でアスパラを成長させる。ちょうど土の山に頭を出すくらいまで伸びたものを、収穫時期になると一本ずつ掘り起こす。

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なかなかの重労働で、もちろん早朝な作業なことと、畝のビニールをいちいち外してまた被せる。収穫には一本一本を人の手によって掘り起こされる、ということから、その分がもちろん価格に反映するのだが、土のなかで伸びるアスパラは繊細な味わいが特徴となり、それが特別感のある人気の理由のひとつでもある。

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とにかく、土のなかにいるアスパラは、日光に当たることはないのだから、土中にて感じるのはその気温の変化。気温がグンとあがるとアスパラもグンと伸びる。そして土は軽いもののほうがアスパラが上方にスッと伸びるのを手伝ってくれるので、乾いた砂地のほうがアスパラが育ちやすい。

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そんな条件が、今年は悪条件ばかり揃っているのだ。気温が上がらず、雨続きで土がいつも湿っている。

とはいえ、自然の力に半分以上頼るのが農産物であるゆえ、今年も例年よりも若干量が少なめだが、質のよい旨味のあるアスパラが毎朝収穫されている。

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でもこの美しい白色はやはり明るい光の下で見たいなぁ。





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イタリア好き Vol.37 VENETO編 :: 2019/04/27(Sat)

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すっかりブログも放置状態ではありましたが…

なんやかやとバタバタしているうちに、あっと言う間に5月。5月1日、イタリア好きのための雑誌《イタリア好き》がヴェネト特集として発刊される。

いい取材をしてるなぁ…と日頃から思っていた同誌。あるご縁があり、少し前からオンライン上ではお世話になっていて、この度ついに本誌の取材としてヴェネトにいらしていただいた。

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食の分野を自分の分野としてから、大学時代を含めるとはや30年!イタリアに腰を据えてからも有難くもその分野から離れることなく、また、自分の興味はさらに強くなる一方。特に自分の住むヴェネトへの愛着はイタリア人以上かもしれない、と自負している。そんななか、少しづつ少しづつ知り合いの幅を広げていくなかで、特に関心の強いのが、土地ならではの農産物。そしてその生産に関わる人々。
農産物が好きなのか、生産者が好きなのか…と自分でもよくわからない。

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イタリア人というイメージから発想されやすい、"いい加減、ルーズ"なんて言葉は勤勉なヴェネト人には通用しない。信念をもって、よりよいものをつくりだそう、と真面目に取り組んでいながら、それでいて力強く明るい彼らに非常に惹かれている。

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車の荷台には、ゴム長靴と作業用エプロン、手袋は常時し、特に仕事のアポのない日には半日でも出かける。行くたびに必ず何かを教えられる。それがなんとも心地よく、いつも初心を忘れずにいるように、という自分なりのやり方だ。

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こうして日頃からお世話になっている彼らを、どんな形で日本に紹介できるのかは、それぞれに違う。それが今回の取材は自分の惚れ込んだ食材やそれに携わる人々にスポットをあてられる絶好のチャンス。話をいただいた段階で、どんなにか嬉しかったことか。

1週間の取材のなか、時間に追われてヴェネトじゅうを走り回り、生産者本人へのインタビューに加え、車を運転しながら自分の知っている情報はできる限り話し続けた。

編集長、ライター、カメラマンという取材陣。なかなかついてくるポイントが面白くて、さすがだなーと思いながら、コーディネイトがうまくいけていたのか不安でもあった(今でも不安)。

取材が終わり、しばらくして送られてきた初校を見て、ほんとに感動。限られた小さなスペースのなかに取材中に聞いたり見たりしたことのなかの、ものすごいいいポイントが詰まっていたから。紙面上に笑顔でいる各生産者の表情と文章を読んでいたら、ほんとに涙が出るくらい嬉しかったから。

古き良きものばかりがいいのではない。土地ならではの個性を守るためには、新しいアイデアや技術はどんどん取り入れてよりよいものを作り出す。伝統を守る、ということは口でいうほど簡単なことじゃない。
全体に共通するスローガンみたいなものだ。

もっとああすれば…という思いは今も拭えないではないが、ほんとに素敵な仕上がりは、取材陣の感性の豊かさからくるものと思う。ほんとにありがとうございました。

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早く実際に手にとってページをめくってみたい!
今まで知っているヴェネトとはまた違うヴェネトが垣間見れるはずです。ぜひ読んでみてください!

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ラディッキオの収穫祭 33°Festa del Radicchio Rosso di Treviso a Dosson :: 2019/02/14(Thu)

ラディッキオの季節のピークももう最高潮を迎え、もうそろそろ終盤にさしかかっている。

1月最終週には毎年恒例の、この地域のほぼ最後となる収穫祭(サグラ)が、トレヴィーゾ県のドッソンという町で開かれた。今年は第33回目の開催となる。

会期は約2週間。その間、ラディッキオを使った料理が振舞われ、また土地の産物などを販売する小さな生産者たちなどが露店を出店する。

盛り上がるのは週末や夜。私は今年のサグラには、東京でこのラディッキオを輸入・販売してくださっている同僚3名、そしてそれをたくさん使ってくださってくださるレストランのシェフやスタッフの方々と参加する、という素敵なチャンスに恵まれた。

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参加した夜は、毎晩、主催者側で企画する特別な宴の場。毎晩趣向が変わるのだが、この夜を狙っていったのは、知り合いのシェフ二人による共演の夕食会であったから。地元でも有名な、いつも非常に質の高い料理を提供してくれる2店のシェフだ。

時間となりこの特別ディーナーの場に参加したのは約400名。ずらっと並ぶ長テーブルは圧巻。そしてみるみるうちにテーブルは予約客で埋まる。

料理はもちろん前菜から全てがラディッキオずくし。なんといっても外せない、リゾットは、続々とお替わりをお願いする声もあがる。

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ドルチェももちろんラディッキオで。地元のドルチェとして外すことのできないティラミスをラディッキオのリキュールを効かせた効果。

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夜がふけてくると、ステージではダンスパーティーなるものも始まる…流れる曲も自分が若い頃にさんざん耳にしていたひと昔前のポップ。そこに集うのは、もちろん若者ではなく、それなりの年齢のカップル…。それでもあちらこちらで笑いが絶えない夜はいつまでも続く…。

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そんななか、この夜の功労者を讃える会の締めが始まって、なんと、私たちにも特別賞などが与えられるハプンニングなども。

ラディッキオという土地の名産を通じて、土地の人たちが一同に会し、そして存分に楽しむ、というとても素敵な会。
来年はどんな形で参加できるのか、楽しみ!

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フリウリの情報ページ完成!《トゥット・フリウリ/ TUTTO FRIULI》 :: 2019/02/10(Sun)

ここ数年、とても興味をもって通っている、ヴェネト州の北側、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州。食文化もそこにある空気もなにもかもがこんなに近いヴェネトとはまたまた違う魅力のある州に、ヴェネトと同様に愛着を感じているところ。

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ヴェネツィアが支配した華やかさのあるヴェネト州とはかなり違う雰囲気をもつこの州のまだまだ探求すべきものあり!との思いから、情報ページを作成してみました。

初の試みとしては、オンラインショッピングを開設しています。まずは友人のワイナリーの商品から。欧州クロネコヤマト、イタリア支店のサービスのご協力を得て、ご自宅までお届けできるサービスです。

まずは、同ページに少しでも多くの方が訪問してくださることを願っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の情報ページ
「トゥット・フリウリ TUTTO FRIULI

トゥット・フリウリ TUTTO FRIULI

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ヴィツェンツァの希少なブロッコリー「ブロッコロ・フィオラーロ (Broccolo Fiolaro) 」 :: 2019/01/20(Sun)

ヴィツェンツァの西側にクレアッツォ(Creazzo)という地区がある。平野から少し小高い丘陵地帯にて栽培される特殊なブロッコリがある。
フォラーロと呼ばれる所以は、その特徴ある生産物の姿から。

地面に沿うようにして成長する主株から、細い子株がいくつも出る。これをフィオーイ(fioi)、つまりはヴェネト弁でフィリオ(figlio=子供)のことをいう。細く数多く成長する
細長い葉が食用部分になるのだが、これがこのブロッコリーの個性。その特徴から名前がついている。

生育場所は、標高150-250mくらいの丘陵地帯のみが質のよいブロッコリーのできる地区。平野から少しあがった場所にて、空気がより静澄である場所。南向きの日当たりのよい丘陵地が生育に関与する。土壌は砂まじりの泥質だが、ミネラル分に富む。

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この土地だからこそのこの環境にて仕上がるこのブロッコリーの美味しさの特徴である、クロッカンテ(コリッとした)で甘みが出てくる。

収穫の最盛期はその年の気候にもよるが、11月後半から1月いっぱいくらいまで。土地に霜がおりるらいのしっかりと低温を感じることで、葉の緑がさらに濃く、表面がまるでキラキラと輝くように、そしてシャキッとした最高のものとなる。
野菜はその適正な環境におかれて成長すると、見た目もより美しく、そして味はそれに比例するかのように、その野菜らしさが一層増すものだ。

収穫は、専用の大きなハサミで茎をザクッと切り、作業場にて、細い子株を切り揃える。

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この日に訪れた農家は、27歳の若いアルベルトが中心となり、その友人のエドワードとでこのブロッコリの生産および販売を数年前から本格的に始めた農家だ。

本格的に…というのも、この野菜自体はこの土地に古くから存在していたもの。小さな農家の畑の片隅で自宅用に栽培されていたくらいのもので、農家の数が減少していくのと同時に、この貴重な農産物もどんどんと作付け面積が減少していった。
それをこの二人の若者が、再度復活させようと着手したもの。500株の栽培を始めたのが2014年のこと。5年後の現在は、それが17000株の栽培にまで増えている。
なんでもこの地区にて、このブロッコリーを栽培する農家はたったの約10軒ほど。こういう若者が先頭にたって、地元野菜を盛り上げていくのは、とても素敵なことだ。

彼らの売り先は、直接レストランなどへの販売が主なもの。野菜の特徴をよく理解し、好んで使ってくれる料理店などが主な消費元だ。

アルベルトの家はもともとの農家であるので、祖父母も含めての農作業。すごい元気なおばあちゃんがはりきって作業現場を見せてくれる。

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そして、家の中に案内されたら彼のお母さんがちょうどブロッコリーを茹でているところだった。旬の一番美味しい時期のものを茹でておいて冷凍にして保存するため。

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大きな鍋に塩を加えて沸騰したところにブロッコリを投入。茹ですぎには注意といわれ、再沸騰したところで湯からひきあげる。

子株の根元に近い芯の部分。ここが柔らかくて甘くて一番美味しいところ。

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それを細かく刻んでオイルをかけて試食させてくれた。

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甘みが口の中にわーっと広がって、ブロッコリーらしい青っぽさと茎のクロッカンテさとが非常によい。
茹でたものをペストにしてパスタと和えるなどしても美味しいのだとか。

またの再会を約束して、夕暮れが一望できるお宅を後にした。
素敵な出会いに感謝。




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パドヴァの希少な土着品種ブロッコリー :: 2019/01/13(Sun)

野菜ってほんとに面白い。北イタリアに住んでいるから、寒い冬にはより寒い土地ならではのものが面白いのかもしれない。

最近知り合った生産者に、パドヴァ土着品種ブロッコリーがあることを知り、農家を訪ねてみた。

生産地域はパドヴァ南部。ヴェネトには、いくつかの土地固有のブロッコリーが残っているが、これもそのひとつ。

「Cavolo Broccolo Padovano (カーヴォロ ブロッコリ パドヴァーノ)」=パドヴァ産ブロッコリ

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ブロッコリーは、キャベツと同じ仲間のアブラナ科だが、この品種は言うなれば、一般によく知られるブロッコリとキャベツの合いの子のような形をしている。要は、開いた葉を持つのが特徴。色も、寒い冬野菜特性の、非常に濃い緑色。だが、株の芯のほうにいくと柔らかく甘みが増す。

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生食にはあまりむかないが、しっかりと火を通していただくのが良い。

低い気温にも耐性のあるもので、霜が降りくらいの氷点下にも耐える。だから、収穫期も遅く、11月の後半から。

それなりに長くパドヴァに住んでいながら、この種のブロッコリーがあるのを今日まで知らずにいたが、市場への出回りは非常に少ない、超希少な野菜
その昔は、出荷の際には、バッサーノのアスパラのように、細い柳の若い枝でこの野菜をしばって出荷していたのだとか。

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同品種を保護し、普及に努める生産者団体が存在し、この種のブロッコリーの生産農家では、交配による種絶滅を防ぐため、各農家にて収穫・出荷のシーズンを終えても、取種用の株を残しておき、開花させて種を保存しているのだそう。畑へは種まきではなくて苗植えをしているので、地元内の苗屋に種を持ち込み、苗まで成長させたものを畑に植苗する。

この日訪れた生産者は、オーガニックの認証を受けており、パドヴァ卸市場にもオーガニック専門業者として、約50生産者とともに協同組合を立ち上げている。

畑では、南部パドヴァ特有のラディッキオもあり、現在、畑にまだ残るものと、軟白工程中のものがあった。

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この地域の軟白工程は、水に浸すのではなく、とにかく日差しから避けて、適度な湿度を与えること。黒いブニールシートの内部には、温度を保つたけに干しワラがかませてある。
この土地に150年以上の歴史を持つ農家の家系という、彼らの話いわく、昔は牛舎の片隅に畑での収穫後のラディッキオが積んであったのが日常だったのだという。牛舎は動物がいるおかげで、真冬でも適度な温度と湿度が自然と保たれていた環境だったから。

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聞いても聞いてもお宝みたいなおもしろ話がとびだし、聞けば聞くほど面白い。土地ならではの歴史背景が垣間見られるのが、土地固有の生産物なのだと思う。



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