パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



フリウリの郷土菓子, グバーナ(Gubana) :: 2017/10/20(Fri)

フリウリの郷土菓子、というと真っ先に挙げられるのが、グバーナ (Gubana) だ。

のばした発酵生地にレーズンやくるみ、松の実、アーモンドやアマレッティなどのビスコッティを混ぜたものを広げ、それを巻いてぐるりと巻き込む。そしてオーブンで焼いた菓子。ずっしりとかなりリッチな仕上がり。

グバーナの発祥は、ウーディネ県のヴァッリ・デル・ナティゾーネ (Valli del Natisone) という小さな小さな町。少し先はもうスロヴェニアというイタリアの国境にも接する場所で、非常に独特の文化を持つ場所だ。

菓子の歴史としては、15世紀の頃、近隣の歴史ある町チヴィダーレ・デル・フリウーリにローマ法皇が訪れた際に振舞われたもの。

その渦巻きのような独特な形状は、「折りたたむ」という意味のスロヴェニア語「グーバ(guba)」からきたもの、とされている。実際、この土地では、スロヴェニア語が公用語のように使われる地域。イタリア語よりもスロヴェニア語のほうが強い地域に隣接している場所柄だ。

非常にリッチなこの菓子は、昔はこの地域ではハレの菓子として、ナターレや結婚式に食べられていたもの。現在では、土地を代表する菓子として親しまれている。

この土地で、グバーナを中心として菓子店を経営、そして地元を紹介する各種イベントで活躍すりスーパーシニョーラがいる。このシニョーラに晩秋の1日、グバーナを実際に目の前で作ってもらうレッスンを開催してもらった。

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生地は粉やバター、オイル、砂糖、酵母などを混ぜて練り、発酵させる。あらかじめ用意しておく中身は、しっかりとなじませる必要があり、約2日前には準備しておいたほうがよい。

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生地を成形し、その上に干しブドウなどたっぷりの中身をのせて広げ、手前からクルクルと巻き、さらに渦巻き状に巻きこみ、型に入れて再度発酵。

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その後オーブンへ。

この同じ材料を使って油で揚げたものはストルッキ (Strucchi) と呼ばれ、昔からこの地方では結婚式などのお祝い返しでもあるコンフェッティの代わりに使われていたとか。

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できあがりも上々で、満足のドルチェレッスンだった。

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補足‼︎
この地域には、小さな町のグバーナ屋さん…というか、いわゆるパン屋さんなのだが、グバナフィーチョが何軒かある。私の気に入りの一軒もここに。グバーナではここが一番美味い、と思っている。

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元気のいいおばちゃんが店番をしていて、何度か通ううちに、「そこら辺にあるストゥルッキ、つまんでいきなさい!」と言ってくれるまでになった(笑)。

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売店の横の支度部屋には、グバーナとストゥルッキの待機する部屋。

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このシンプル加減がとてつもなく、よい。




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フリウリのワインカンティーナ巡り :: 2017/10/19(Thu)

なんだか急にフリウリづいていて、約2週間にわたり、フリウリ・ヴェネツィア。ジュリア州のワインカンティーナの数々を巡ることとなった。1日2軒を連日回る。

今回のターゲットとされるのは、いわゆる《自然派ワイン》と呼ばれる名だたる生産者の面々。こんなにまとめて、それも有名どころを連日に渡り訪れることができることは、非常に有難いことで、このような機会を与えてくださった関係各位の皆様には大変に感謝をしている。

《自然派》と呼ばれる所以は、まずはブドウをつくる畑の管理上にて、農薬などの化学的な物質を一切使わず、自然の環境と共存していくこと。それは決して、そこにある環境に頼る、というわけではない。

そして、ブドウを収穫したら、瓶詰めまでの一切の作業もまた、化学的なものを使用せずにブドウ本来の力を使い、そしてその本来の味を出すこと。ここで、ブドウ自身の持つ、酵素や酵母の力を十分に発揮させるために、造り手の手による仕事がなされる。

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近年、この類のワインを《オレンジワイン》と呼ばれる傾向にあるが、それは、白ワインなのに、グラスに注がれたものがそれらしい色をしていないことから。
これは、ブドウ収穫後に通常ならばすぐに皮をはずして醸造に入る白ワインの製法とは異なり、皮をつけたまま発酵させる製法(マチェラツィオーネ)により、できあがりのワインに自ずと色がついてくることによるからだ。

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皮につけておく時間は数時間から数ヶ月まで、造り手の考え方によって様々。それぞれに考え方があり、それらに耳を傾け、その度ごとに納得。もちろんできあがったワインを飲みながらそのフィロソフィーを聞くのであるから、それらが一層、価値のあるものとなる。

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訪れた季節はちょうど収穫が終わり、この皮をつけて発酵している期間、もしくはそれも終了した頃の時期。今年は夏期には非常によい生育をしていたブドウたちだったが、9月初旬の収穫時期に続いた長雨の影響で苦労した、という話をあちらこちらで耳にした。

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また、このブドウ収穫時期も、各造り手により様々な考え方がある。同じ地域内でもそのタイミングが1ヶ月以上もずれる。

その後は別の容器(木樽またはステンレスタンク、またはテラコッタ製のアンフォラ)などに入れられて瓶詰めまで静かにゆっくりと熟成を進める。

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フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州とは、その州内でも地質や気候、そして歴史が大いに異なる州。

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それぞれにそれぞれの個性を生かしたワイン造りがなされており、多種多彩にて本当に興味の尽きない場所だ。

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お野菜たっぷり。ロッサーナのお料理レッスン :: 2017/09/10(Sun)

ブログの更新、全く手つかず…が続いていますが…

久しぶりにロッサーナのお宅で料理レッスンを開催。
今回のお題は、お野菜たっぷりのメニュー。ロッサーナと事前に打ち合わせ、彼女が家で普通につくる野菜主役メニューと、ヴェネツィアらしさ、ヴェネトらしさのあるメニューを選択し、この日のレッスンとなった。

この日に使用する野菜たち。色鮮やかで見ているだけで元気になる。

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手順もできあがりも写真に撮り忘れてしまったが、まずはこの時期、生のものが手に入る、ッファジョーリ(インゲン豆)を使って、ヴェネト風パスタ・エ・ファジョーリ。

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トマトは中をくりぬいて、パン粉などの詰め物をしてオーブンへ。

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色鮮やかなピーマンたちは、しっかりと煮込んでペペロナータに。

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美味しいキホンのトマトソースを…との要望に、丁寧に仕上げたトマトソースはシンプルにタリアテッレに和えた。本当に美味しかった。

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セコンドには、ヴェネツィア料理である、オゼーイ・スカンパーイ。もともとはスズメ肉の串焼きなのだが、今はそれに代わる肉類を合わせて串にする。この日は、豚、孔子、そして豚のバラ肉。串焼きというよりも、串焼き煮にする。表面を焼いた後にしっかりと火を入れて味を入れていくから。

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ドルチェはヴェネツィア名物のトウモロコシの粉の入った焼き菓子、ザエティを。

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そして、私の大好きなナスのフンゲッティ。ナスの皮だけを使う料理で、ヴェネツィアに昔から伝わるユダヤ料理だ。

皮を細く切って塩をしてしっかりと水分をとり、鍋で火を入れていく。はじめは強火でしっかりと表面に油をなじませるようにし、その後は蓋をして弱火にして焦げ付く寸前までしっかりと火を入れる。

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仕上がりはまるでフンギ(きのこ)の煮物みたいな見た目となることから「フンゲッティ(FUNGHETTI)」と呼ばれている一皿。見た目は地味だが、これはほんとに美味い。

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今回のお客様は福井県からお母様と娘さんのお二人。

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とっても素敵なお二人で、今回の旅はお母様の還暦のお祝いなんだとか。お料理好きのお母さんのために、娘さんが申し込んでくださった。娘さんもとっても素敵な女性で、世界あちこちで活躍するバイタリティあふれる人物。

素敵な時間を過ごさせていただいた、晩夏の一日。




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2017年のブドウ :: 2017/08/16(Wed)

昨年に知り合ったフリウリのワイナリー、ヴェンキアレッツァに、一年をかけて図々しく通いつめている。

寒さで手が凍えそうな時期の剪定から現在まで。時間の経過とともに変化していくぶどうの変化を見続けてきた。

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最初は枯れ枝のようだったぶどうの樹が花をつけ、実をつけ…

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そしてそれが大きくなり、色が変わりながら熟していく様子を非常に興味深く見ることができ、感慨深いものさえある。

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↓↓↓

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これらが変化の様子の一部。

今年のフリウリ地方は、春の終わりの霜までがおりる低温障害、その後は雹による被害等、ぶどうにとっては非常に災難の年。

私の通う、このヴェンキアレッツァというワイナリーは、幸いにも奇跡的に大きな被害を受けなかったが、近隣のカンティーナでは、壊滅的な被害を受けているところもある。

夏は暑く、ぶどうの実の完熟度も着々と進み、今年のヴェンデンミア(ぶどう収穫)は通常よりも早まるのだとか。

もうしばらくしたら作業開始の見込み。





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アマルフィのレモンを訪ねる :: 2017/07/14(Fri)

数年前に訪れたアマルフィのレモン農家を再訪。訪れたのは、この地でレモン生産農家を束ねている、コスティエラグルーミ (Costieragrumi)。この会社を引っ張るのが、同地で有名なお菓子職人を従兄弟に持つ、カルロ氏。

久しぶりに戻った作業場は、前と変わらず…以前にも増して活気のある現場。たくさんの人が鮮やかな黄色いレモンの選別、箱詰め、運送…と忙しく働いている。この時期は生産量が年間で最も多い時期なので、多忙な毎日という。

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作業場に一歩足を踏み入れると、酸味を帯びた甘いレモンの香りがいっぱい。

カルロ氏とは話さなければならぬ事項がいくつかあるものの、この日は同社が企画するレモンツアーに参加することにした。

40年も前のオンボロバスにデンマーク人御一行さまと一緒に行動。

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30分ほどバスを走らせたこの日のレモン農家はラヴェッロの一家。断崖絶壁のレモン畑には、トータル約1000本のレモンの木がある。

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断崖絶壁ゆえ、日当たりは最高によい。年間を通して温暖な気候、海からふきあげる澄み切った空気、強い太陽の日差し。オーガニックを催行するにはうってつけの環境。

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ヴェッスーヴィオの近いこの地、土壌は灰分が多く、ミネラル豊富。そして水はけのよさが質のよいレモンをつくりあげる。自然の力で育つ産物だ。

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もの凄い急斜面を1時間以上もかけて歩き、暑さからもうダメーとダメだしを出したところでタイミングよく休憩タイム。
レモンの絞り水と、レモン三昧のおやつで休憩。

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アマルフィのレモンの特徴は、中の身の部分よりも皮にあるといってもよい。シーズンにもよるのだが、今の時期水分は20%ほどしかなく、他はしっかりした厚みのある皮に覆われている。それが酸っぱいだけでなく、甘みと少しのほろ苦さがある。このまま薄くスライスし、少し塩をかけて美味しいオリーヴオイルをかければそれだけで一皿になるもの。

この地でのレモン栽培は決して楽なものではない。代々受け継がれてきた農家の畑とはいえ、若い世代の農業離れが続いているとのこと。今回訪れた農家のおばあちゃんも、レモン栽培に一番必要なのは、レモンへのパッシオーネ(情熱)だ、と熱く語っていた。

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リーズィ・エ・ビーズィ(Risi e Bisi) :: 2017/06/04(Sun)

初夏のヴェネト料理のひとつがこの一皿。「リーズィ」はヴェネト弁で「リーゾ=米」、「ビーズィ」は同じく訛りが入った呼び方で「ピゼッリ=えんどう豆(グリンピース)」のことを指す。だから、この皿の日本語名は「米とえんどう豆」。つまりは、えんどう豆のリゾットのこと。

5月後半から6月初旬にかけては、ピゼッリの露地物が出回るようになる。もっと早い春先から、メルカートでは鞘付きの生ピゼッリが店頭に並ぶようにはなるが、これは南伊産。南伊産が悪いわけではないけれど、やはり採りたて新鮮な地元産の美味しさは格別。

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鞘をむいて生で食べたときのジューシー感が違う。だから地元産が出てくるとわんさかとそれを入手し、鞘をむいてビニール袋へ。一年間分を冷凍保存する。

旬の美味しさを味わうのに、最も代表的なメニュー、リーズィ・エ・ビーズィ。むいた鞘はブロードとして使用すると一皿の味わいの凝縮度が違うので、一部は玉ねぎやセロリ、ニンジンなどと一緒に水から煮出して。

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むいたピゼッリは玉ねぎと一緒に軽く炒めて、ブロードを加えしっかりと火を通す。基本的には、リゾットには、米を加える前には具材がしっかりと火の入った状態まで持っていくこと。

そして米を加え、表面にしっかりと火を入れ、ブロードを加えていく。表面がいつもブロードでひたひたの状態になるように常に気をつけ、水分が少なくなってきたら随時つぎ足す。

約15分ほどだろうか。お米に火が入ったところで火を止める。バターとおろしたグラーナを入れ、そこで一気にマンテカーレして仕上げ。

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ヴェネツィア風には「アッラ・オンダ」に。皿に盛ったときに米の表面が波(オンダ)をうつように仕上げるのが理想的。




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バドエーレのアンティーク市 :: 2017/05/12(Fri)

大好きなアンティーク市。日曜となると、どこかの町で必ず開かれているので、時間があるときは散歩がてらに出かけたりしている。

毎月第1日曜に開かれているのは、トレヴィーゾ県のモルガーノ市バドエーレという町のアンティーク市。小さな町ではあるが、町の中心の広場が、非常に特徴的。半円を囲むように造られた建物の中心が広場になっていて、そこで様々なイベントなども開催される。毎月開催のアンティーク市もここで。

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ここ、結構な掘り出しものが見つかる場所でもある。

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可愛いところで、引き出しの取っ手。

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こちらは、30年代の野菜水切り器。もちろん現役で使える。保存状態もよく、とっても可愛い。

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アジのあるワインオープナー。

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よーく探すと何か出てきそう。玉手箱を開けるときみたいな感覚に陥る。(玉手箱は開けたことはないけど…)

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これは、アイロンなんだそうだ。鉄の部分を熱くして使用する。

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このアンティーク市の出店は約200店舗。その歴史は1689年にさかのぼる、というのだから、由緒正しきアンティークな歴史ある骨董市なのだ。

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それにしても、何時間居ても楽しい…💕

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モエーケを食べる :: 2017/05/06(Sat)

モエーケとは、ヴェネツィアのラグーナ(潟)で採れる脱皮ガニのこと。季節が非常に限られていて、春先の2週間ほど、もしくは秋口にそれにお目にかかることができる。

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とても高価なものなのだが、それもそのはず。朝に脱皮したものしか、モエーケとして扱うことができないから。市場では、生きたままを1kg60ユーロなんて高額な価格がつくこともある。

なので、レストランで「モエーケがある」と勧められて食べるのはいいが、結構その価格に驚くことも。1匹10ユーロ弱、なんてこともヴェネツィアでは珍しくない。1皿10ユーロではなく、1匹だから。

それでも、この特別感ある季節もの、年に一度くらいは食したい。モエーケは生きたままを購入する必要がある、というのも、その下処理に由来する。

まずは、ボウルに卵を溶きほぐし、生きたままのモエーケをそこに漬ける。つまりは彼らに卵液を吸わせるのだ。
半日以上置いておいても生命力の強いものは、まだ生きていたりする。それでもこうして数時間、卵液に漬けておくと、カニのお腹のなかは卵液でいっぱいに。

その表面に粉をまぶし、油で揚げる。お腹のなかにたっぷり吸った卵液が油の熱で膨らんで、中はしっとり、表面はカリカリっとなったものを、熱々のうちにいただく。

春先の至福。

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この日は、ヴェネツィアの料理の師匠であるアダさんの御宅にて、ヴェネツィア料理三昧のお昼。

この日のメニューは、このモエーケのフリットに、春の野草、カルレッティのリゾット。

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そしてアダさんの伝説ポルペッテ(揚げた肉団子)。

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お手製バッカラ・マンテカートは、手でしっかりとマンテカートして。決して機械など使いません。

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シンプルでクラッシック、そして最高に美味しいアダさんのお料理。いつもありがとう。




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バドエーレ産アスパラガス I.G.P. :: 2017/05/04(Thu)

ヴェネトの春はアスパラのシーズンが真っ盛り。有名なものは、先日も触れた、バッサーノ産白アスパラDOP。だが、その他にもヴェネト州内にはアスパラの有名産地がいくつもある。

そのうちのひとつが、トレヴィーゾ県のバドエーレ・ディ・モルガーノ (Badoere di Morgano) を中心とした地区。「バドエーレ産アスパラガス (Asparago di Badoere I.G.P.)」の生産地区だ。この土地は、シーレとドーゼという2つの清流からなる土地。私の通うラディッキオの生産地を覆う地域でもある。

生産地呼称であるIGPに指定されているのは、トレヴィーゾ県(12コムーネ)、ヴェネツィア県(1コムーネ)、パドヴァ県(2コムーネ)にかかる地域。
ここでは、緑と白の両方のアスパラともブランドのついたアスパラとして出荷される。

私の通うラディッキオ農家、ベッリア家は、上記の生産地区のうちのヴェネツィア県のスコルツェという地区に位置する。アスパラ生産に関しては、ここ数年さらに力を入れて栽培しており、畑の面積も、特に白アスパラの栽培面積を増やしてこの季節は朝早くから大忙しで収穫作業が行われている。

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朝の畑の収穫が終えて作業場へ集められるアスパラは、洗浄がされ、太さを選別。そののち、1kgの束をつくる台の上で丁寧に束がつくられる。

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アスパラの命である穂先は扱いをデリケートに。見た目も重要視されるので、まっすぐで太さを均一にされたそれらがきれいに整然と並ぶようにされ、長さを測ってそこでカット。

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冷蔵庫を覗いたら、まるでお宝箱のように、美味しそうなアスパラがどっさり。

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ベッリア家のマンマ、ファビオラさんがアスパラ料理をお昼にご馳走してくれた。茹でたホワイトアスパラには、ホワイトアスパラのクリームをかけてダブル・ホワイトアスパラ料理にて。

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96歳のベッリア家の重鎮、エッリアさんも健在。家族に囲まれ、いつも悪戯されつつも、笑顔で元気に過ごしています。

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バッサーノのホワイトアスパラ :: 2017/05/01(Mon)

またこの季節が巡ってきた。
農産物の品質表示としてヨーロッパ基準となる、生産地呼称の最高値であるD.O.P.を冠することのできる野菜というのは、イタリア国内でもそう多くはないのだが、アスパラのなかでは唯一それを冠しているのが、バッサーノ産白アスパラだ。

収穫時期は3月19日のサン・ジュセッペの日から6月13日のサンタントニオの日まで、という規定がある。もちろんその時期を外しても収穫・出荷はできるのだが、D.O.P.マークの規定はそう決められている。

毎年この時期になるとバッサーノ界隈によく出向くことになる。今年から、生産組合のリーダーとなったパオロさんと知り合うこととなり、彼の畑に足を何度か運んでいる。いつもだと、組合のリーダーはそれなりの年齢をされたおじさんが多いのだが、今回のリーダーは若い。いろいろと新たな取り組みを企画しているらしく、とても頼もしい感じだ。

畑の収穫は朝早い。なぜなら、太陽の光を浴びてしまうと、白いアスパラに色がついてしまうから。畑の畝には、一本ずつに黒いビニールシートが被せられており、収穫の度にシートをはずし、地表に頭を出したアスパラを掘り起こし、またシートをかぶせる。この作業が春先の3ヶ月間毎朝続く。

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アスパラは地中にて、温度を感じて成長する。暖かい時期ともなると、1日に15cmも伸びるのだそうだ。

収穫したものは、作業場に移されて太さなどを選別し、綺麗に掃除される。

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そうじされたものは、1kg用の筒にきれい並べて、柳の若い芽で縛る。イタリア語ではサーリチェというが、ヴェネト弁ではストロッパと呼ばれ、こちらのほうが通常語。

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そして長さを22cmに切り、一束が完成。

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この後、集積所に持ち込まれ、重さ、見た目の美しさなどの検査を受けてタグがつけられ市場に出回る。

この地でこのホワイトアスパラを有名にしているのは、この土地ならではの土壌から育まれたもの。この地域は、北部に位置するドロミーティを背景としたアルト・アディジェ州より流れこむ清流、ブレンタ川の恵みを受けた土地。ミネラル分を多く含み、川岸の土砂などの多い水はけのよい砂利地、そして山から吹き込む湿度を溜め込まない風通しのよさ、などの自然的な環境が影響している。まさしく自然の優位性を背景に、白アスパラ生産の最適地として存在するもの。

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もうしばらくは楽しめる代物。春先のヴェネトの味覚の代表選手。



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