ここ数年、とても興味をもって通っている、ヴェネト州の北側、
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州。食文化もそこにある空気もなにもかもがこんなに近いヴェネトとはまたまた違う魅力のある州に、ヴェネトと同様に愛着を感じているところ。

ヴェネツィアが支配した華やかさのあるヴェネト州とはかなり違う雰囲気をもつこの州のまだまだ探求すべきものあり!との思いから、
情報ページを作成してみました。
初の試みとしては、
オンラインショッピングを開設しています。まずは友人のワイナリーの商品から。欧州クロネコヤマト、イタリア支店のサービスのご協力を得て、ご自宅までお届けできるサービスです。
まずは、同ページに少しでも多くの方が訪問してくださることを願っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の
情報ページ「トゥット・
フリウリ TUTTO
FRIULI」
トゥット・フリウリ TUTTO FRIULI
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2018年が明けました。明けましておめでとうございます。
パドヴァの街は毎年恒例のイルミネーションが点灯し、毎年ながらしみじみと綺麗だな〜と感慨に浸る時期でもあります。



旧年中にお世話になりました皆様、新しい出会いやチャンスを与えてくださった皆様、そして、はるばるパドヴァまで足を運んでくださった皆様、そして同ブログを訪ねてきてくださる皆様に、改めて御礼申し上げるとともに、新たな2018年がよき一年でありますこと、心よりお祈り申し上げます。
たまに(かなりしょっちゅう)くじけそうになりますが、私自身も、信じるべき方向に向かうべく…よき年にするのも自分の力、と信じて…。
本年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

パドヴァより 白浜亜紀
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チーズの鑑定士の会、ONAFの活動として、不定期ではあるが、様々なチーズの試食会を開催している。興味あるものや自分のスケジュールに合わせて参加するのだが、12月の年末に開催されたこの日のテーマは「Bianco e Blu」=「白と青」。つまりは白カビと青カビのチーズの勉強会。

オナフのヴェネツィア支部の開催であり、ヴェネツィア県下のミラーノという町にあるトラットリアを会場に企画された。
集まったのは、40名ほど。少し遅れて到着したら、顔見知りの多いテーブルに私のために一席空けておいてくれたのを見て、かなり嬉しかった。
さて、まず運ばれてきたのは、トレヴィーゾ県タルツォ (Tarzo) という町のカゼイフィーチョ(チーズ製造所)のグリッロ・ディ。コルマヨール (Grillo di Colmajor) 。名の由来は、このカゼイフィーチョの近くの丘陵地であるコル・マヨール (Col Mayor) から。この丘陵地で育てられた牛の生乳でつくられるチーズ。周囲がデリケートなよいカビがつき、中のパスタは非常にクリーミーで滑らか。甘みと軽い旨味はバターを思わせる…。

そして、珍しい水牛の白カビチーズ、フィオッコ・ボルゴルーチェ (Fiocco Borgoluce) 。水牛の飼育もしている、やはりトレヴィーゾ県のスセガーナ (Susegana) という町のカゼイフィーチョのもの。パスタはこれも非常にクリーミーで旨味あり、そして少しだけ酸味を感じるところが特徴。凝固には、野菜系の酵素を使用している。
そして、これも珍しい、アイルランド産の青カビのブリー。ウィックロー・ブルー・ブリー (Wicklow Blue Brie) 。周囲の薄い白カビで覆われた内部のパスタは非常に濃厚。そして青カビ特有の個性的な風味あり。デリケートさと強いインパクトとが共存しているようなチーズ。
合わせたワインはアルト・アディジェのソーヴィニオン。しっかりとした香りと味わいの深い北らしいボディのあるソーヴィニヨンだ。

その後に続くブルーチーズは、ブルー・ディ・ブファラ (Blu di Bufala) 。ロンバルディア州ベルガモ県下のカゼイフィーチョから。これも水牛の乳からつくるブルーチーズで、クリーミィでありながら、ホロホロと崩れるような口当たり。酸味をしっかりと感じるもの。

そして、クロツィエル・ブルー (Crozier Blue) 。これもアイルランド産。風味がかなり凝縮しているが、ブルー特有の強さよりも全体が非常にバランスがとれているところが特徴。アイルランドでは珍しいブルーチーズとして非常に評価が高いもの。
最後は、ヴェルデ・ディ・モンテガルダ (Vede di Montegalda) 。
ビオロジコのチーズでヴィツェンツァ県下のもの。牛と山羊のミックスの乳からつくられる。皮の部分もしっとり感あり、カビは緑/青がかった、熟成がかなり進んだ感じだ。乳の香りと、そこにスパイシー感も。
状態もよく、珍しいチーズの試食。非常に興味深いもの。
その後は、ラディッキオのサラダとリゾットがサービスされる。

このリゾット、「リゾート・コエ・セコエ (Risoto coe Secoe)」という超ヴェネツィア弁な名前の、ヴェネツィア料理のリゾット。

ヴェネツィアの古いレシピで、現在はあまり見かけることはない、珍しメニュー。メニュー名のセコーエ (Secoe) は、このリゾットの材料となる、牛の脊椎部分を含めたひき肉のことをいう。独特の味わいを出すためなのだが、この部位を入手するのが大変で困難、という意味も含める。
チーズを味わった後のリゾットとしては、なんだか濃厚すぎた…けど、美味しいので完食。
この夜も珍しいチーズを、興味を共にする仲間と時間を共有できたこと、とてもよい一夜だった。
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フリウリの郷土菓子、というと真っ先に挙げられるのが、グバーナ (Gubana) だ。
のばした発酵生地にレーズンやくるみ、松の実、アーモンドやアマレッティなどのビスコッティを混ぜたものを広げ、それを巻いてぐるりと巻き込む。そしてオーブンで焼いた菓子。ずっしりとかなりリッチな仕上がり。
グバーナの発祥は、ウーディネ県のヴァッリ・デル・ナティゾーネ (Valli del Natisone) という小さな小さな町。少し先はもうスロヴェニアというイタリアの国境にも接する場所で、非常に独特の文化を持つ場所だ。
菓子の歴史としては、15世紀の頃、近隣の歴史ある町チヴィダーレ・デル・フリウーリにローマ法皇が訪れた際に振舞われたもの。
その渦巻きのような独特な形状は、「折りたたむ」という意味のスロヴェニア語「グーバ(guba)」からきたもの、とされている。実際、この土地では、スロヴェニア語が公用語のように使われる地域。イタリア語よりもスロヴェニア語のほうが強い地域に隣接している場所柄だ。
非常にリッチなこの菓子は、昔はこの地域ではハレの菓子として、ナターレや結婚式に食べられていたもの。現在では、土地を代表する菓子として親しまれている。
この土地で、グバーナを中心として菓子店を経営、そして地元を紹介する各種イベントで活躍すりスーパーシニョーラがいる。このシニョーラに晩秋の1日、グバーナを実際に目の前で作ってもらうレッスンを開催してもらった。

生地は粉やバター、オイル、砂糖、酵母などを混ぜて練り、発酵させる。あらかじめ用意しておく中身は、しっかりとなじませる必要があり、約2日前には準備しておいたほうがよい。

生地を成形し、その上に干しブドウなどたっぷりの中身をのせて広げ、手前からクルクルと巻き、さらに渦巻き状に巻きこみ、型に入れて再度発酵。

その後オーブンへ。
この同じ材料を使って油で揚げたものはストルッキ (Strucchi) と呼ばれ、昔からこの地方では結婚式などのお祝い返しでもあるコンフェッティの代わりに使われていたとか。


できあがりも上々で、満足のドルチェレッスンだった。

補足‼︎
この地域には、小さな町のグバーナ屋さん…というか、いわゆるパン屋さんなのだが、グバナフィーチョが何軒かある。私の気に入りの一軒もここに。グバーナではここが一番美味い、と思っている。

元気のいいおばちゃんが店番をしていて、何度か通ううちに、「そこら辺にあるストゥルッキ、つまんでいきなさい!」と言ってくれるまでになった(笑)。

売店の横の支度部屋には、グバーナとストゥルッキの待機する部屋。


このシンプル加減がとてつもなく、よい。
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トレヴィーゾの郊外、サン・ポーロ・ディ・ピアーヴェ (San Polo di Piave) という場所にある、カンティーナ。地名通りにこの辺りは、ピアーヴェ川によって作られた土壌。
この地に1958年より代々続く家系にて、現在はワインの醸造、それをベースとしたリキュールを主な生産物ている一家で経営している。
彼らの敷地は自然公園として、州から認可を受けつつ、敷地内にある古くからの建物は、ロカンダ(宿泊施設)とレストラン・オステリアが併設され、また庭での結婚式などのイベントなどにも対応できる複合型施設となって現在に生きる。
現オーナーは3代目のアドリアーノ氏。たまたま同社の商品を購入するきっかけがあり、どうせなら…とダメもとでカンティーナ訪問を申し出たら、快く引き受けてくれた。

出向いたら、アドリアーノ氏が早速振舞ってくれたのが、同社のリキュールを使ったスプリッツ。ヴェネトにいると、毎日のように見かけるオレンジ色のカクテルは、同社のバールに行くと、彼らの主力製品である、ガンブリヌスという赤いリキュールとなって提供される。


爽やかな花や香草とチェリーの甘さのある、あくまでも自然の風味。これはイイ‼︎
その後、4代目となるジャンマリアさんに案内され、ブドウ畑へ。

あまり見たことのないような高さのある樹の形だ。品種は地元種のラボーゾ (Raboso)。この形は「ベルッセラ (Belussera)」といい、このピアーヴェ川流域では非常に普及した形だそうだ。ただし、最近ではあまり人気なく、ほぼどこの農家もこの形をやめていく傾向にあるのだとか。作業面、作業性、生産性などがその理由。

ワイン畑の横には、ジャンマリアさんのひいおじいさんの住んでいた家が残されている。同社の起源。
家の壁には、40年代まで使用されていた商品ロゴが描かれている。

さて、ブドウは収穫され、醸造作業に入る。実際のワイン作りはここから少し離れた新地があるとのことで同地では見られないのだが、熟成したワインが運ばれ、20種以上のハーブと、チェリー、きび砂糖を加える大切な作業は全てここで行われるのだとか。配合は企業秘密にて、一家の手によるもののみ、という。

そして、熟成庫へ…

外から見るとこんな感じ。

おおまかにいうと、3年間ラボーゾとして寝かされたものは、ここでハーブ、砂糖などを加えられ、さらに3年間の熟成期間に入るそうだ。

年間を通して温度、湿度ともにコントロールすることなく、自然の環境のままでいられる貴重な場所は、このまま熟成室として使用され続ける。
酸味も強く、男性的なラボーゾが、砂糖などが入るのだから当然なのだが、女性的な飲み物へと変容するのが面白い。


カンティーナ訪問の後は、同社のオステリアにて食事。

同社ラボーゾと合わせたのは、「ラディッキオと豆」という一皿。
ラディッキオを温かいインゲン豆のペーストでいただいた。
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