パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



フリウリの、フリウリらしき温かい料理 『サーレ・エ・ペーぺ(Sale e Pepe)』 :: 2016/12/17(Sat)

お世話になっている、オーガニックワインの生産者、Venchiarezza (ヴェンキアレッツァ)の若き醸造家ルカにお昼に誘われ、連れていってもらったお店が、ここ。

土地の料理をすごく生かしてそれでいて田舎臭くない…(とは言っていないが)、とお勧めだから是非行こうよ、とお誘いを受けた。
はい、もちろんお供させていただきます…。

彼のカンティーナから少し山側にあがった静かな坂道に目指す店。店構えがとってもいい感じ。

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看板がとっても可愛い。

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店内の写真を一枚も撮っていなかったけれど、とても温かな感じのお店。そのままキッチンに案内されて皆さんに挨拶して席に着く。

ここの料理は “cucina di territorio (クチーナ・ディ・テッリトーリオ)”がコンセプト。つまりは、土地の恵みを生かした土地のお料理。土地で採れたものを生かして、少しだけ現代風にアレンジされた郷土料理を再現する。彼らが手をかけている畑でとれた野菜を使用していることは、もちろんのこと。

イタリアではここのところよく耳にする “kirometro zero (キローメートロ・ゼーロ) “を実際に実践している。この意味するところは、生産物を確かな場所(人)から、そしてその土地のものを利用する、という意味を含む。

お料理は口頭で説明され、一番初めに出てきた皿が、パンのスープ。名前忘れてしまった。
残りのパンを利用した、この土地のポーヴェロ料理。豚のラルドの風味が効いている。

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アンティパストに選んだのは、アリンゲ(ニシンの塩漬け)を加えたサラダ。ヴェネトやフリウリでは、バッカラと並び、保存のための魚として非常に馴染みの素材だ。

そして、フリウリ特有ともいえるだろう。甘いフルーツを使用した一品。これは、スジーナ(プルーンの一種)やリンゴなどを加えたスープ。食べてみたらザラザラとした粉末状が、これはポレンタを入れてスープ全体にもったり感を出したもの。
食べた感想は「食べるピンツァ」。いわゆる、ポレンタに乾燥フルーツを入れて焼き上げた、ここらへんのドルチェ。これにはルカも同感。

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セコンドは、ウズラと栗のチョコレートソース。チョコレートソースに興味があり、頼んでみたが、チョコラート・フォンデンテをベースにした少し濃厚なソース。ウズラと栗との相性ぴったり。

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それぞれに合うワインには、地元のリボッラ・ジャッラとレフォスコを。

平日なのに、常連さんの家族連れや、外国人などでいい感じの客入り。

食事後に少し街の散策を…とチヴィダーレの街を案内してもらう。小さな小さな山あいの街は、ユネスコの世界遺産に指定されている。

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街の入り口の橋からは、素敵な水辺の景色。水が驚くほど透明で、びっくり。ルカ曰く、もっともっと水の綺麗なとっておきの場所があるのだとか。幼いときから夏場の子供達の川水浴場になっていた場所らしい。

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街の頂上に位置する礼拝堂からの眺め。この日は気温が低くて一面霧にて、遠くが見えなかったが、天気のよい日には、彼の住む場所から向こう〜の山までがくっきりと見えるのそうだ。

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穏やかなのに、しかも純粋なパッションはこんなところで生まれるんだなぁ…としみじみと考えた一日だった。

ありがとう。


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新しくて美味しいローマ 『レトロボッテガ (Retrobottega)』 :: 2016/10/09(Sun)

少し前になるが、ローマのお店の備忘録。
最近とても評判のいい、こちらのお店を訪問。

ローマの中心地の路地。間口の狭いその店を入ると、カウンターが縦に伸びるモダンな空間。

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着席するには、カウンターが断然お勧め。シェフの動きを目の前に見ることができる。

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まず、席に着いたら各ポジションに設えた引き出しを開けて、自分でテーブルセッティング。そして、メニューは店内の黒板と、カメリエーレからお勧めなどを聞いて。早めの時間だとシェフ及び料理人さんに尋ねるなどすると、さらによし。

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私が選んだものは、お魚料理。あまりお腹が空いていなかったため、セコンド一皿に完結しようと考えたので。
メルルーサの一種の大型のお魚(名前は忘れてしまった…)にルコラのソースを添えたもの。弾力のある肉質に、さっぱりと仕上げたソースが添えられる。見た目の爽やかさもよし。

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それに合わせたワインのチョイスは、これもセルフサービス。冷蔵庫に入っているワインを自分でセレクトして、グラスへ(もちろん、注いでもらう)。ワインのチョイスもなかなか素敵で、地元ワインに限らず、イタリア全土、そしてオーガニック、フランスの発砲等々、数は少ないものの、よい品揃い。

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で、ここでさらりと終わりにするはずが…前菜のパーツの前のカウンターを陣取ったので、料理を待ちながら、目の前でつくられる前菜の皿が非常に興味深くて、セコンド終了した後に、アンティパストへ逆戻りすることにした。

選んだものは、森のキノコと題された皿。マリネなどされたキノコを盛り合わせられた一品で、一皿のなかに様々な食感を盛り込んだもの。

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これは所謂ヴィーガン向け料理。アンティパストからドルチェまで、それぞれに必ず一品はヴィーガン料理が設定されている。
もちろん私はヴィーガン信仰者ではないのだけれど、このお皿、とても楽しめる一品。

その後、結局ドルチェまで食べることに。
マスカルポーネのドルチェ。上にのっかっているのは、コーヒーの寒天。ティラミスの変型版みたいなのだが、これも目と舌で楽しませる、楽しい一皿。

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料理をみているとなんだか日本料理にかなり影響をされているようで、シェフの日本料理に対する興味がそのまま皿に反映されている。
アンティパストのピーマンのグリルなどは、まるで赤身の寿司のよう、定番料理の子牛のトンナートのソースには、味噌を隠し味に使う、等。おまけにこの長いカウンター越しに料理作業が見えるのは、完全に割烹風だ。

とにかく今のローマの繁盛店のひとつとして君臨しているこの店、予約は受け付けていないので、早めの時間、もしくは遅めの時間をずらして訪れるのがベター。

またぜひ行きたいお店のひとつ。

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Retrobottega
Via della Stelletta, 4 Roma
T: 06 68136310
http://www.retro-bottega.com




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ボローニャ散歩 :: 2016/07/06(Wed)

ボローニャの街をゆっくり歩いたのは、だいぶ久しぶりのこと。
普段のヴェネトで感じる香りとは少々趣を異して、なんだか新鮮。

なんといっても街中に並ぶ食料品店のハム、フォルマッジョの迫力。

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そして、エミリアならではのパン。味わいには自分の地元で食べるものと変わりないものもあるが、その形が面白くて、思わずあっちこっちにカメラを向けたくなる。

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でも、実は個人的には、このパンの食感はあまり好みではないのだが、この地元っ子にはやはり〝コレ〟でなくてはならないんだとか。

そして、そして、卵入り生麺のパスタ類。

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お米のトルタ。

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なんだか溢れんばかり、な感がある。

夜は地元のトラットリアへ。定番のボロネーゼは勿論のごとくいただいたのだが、セコンドでいただくボッリートがなかなか。

牛、子牛、豚などの様々な部位の茹でたものを、カメリエーレがカレッロ(ワゴン)を引いてテーブルを訪ねる。好みの部位を頼んで、いくつかあるサルサをかけていただく、シンプルながら滋味深いメニュー。

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お腹のなかが随分と肉肉しくなった数日…(笑)




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ピッチョーニ(野生の鳩)のロースト ウンブリア風 :: 2016/05/15(Sun)

週末ウンブリアの旅にて再訪したのはテルニ県にあるモンテッキオという丘の上の街。オリヴィエートとトーディの間にある小さな街の周囲は、連なる丘に這うようにしてオリーブ畑が広がる。日当たりよく、風通しもよい、健康なオリーブの育つ環境は天からの賜物、という。

ここで小さなアグリトゥーリズモを開くのは、息子のマリオさんが数年前にテレビ番組で勝ち得た賞金を利用して再生した古い家屋を再生させて宿泊施設にしたもの。

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お母さんとその息子さん、と娘さんで切り盛りをする小さな施設。決して豪華でエレガントな雰囲気ではないけれど、田舎ならではの温かい快適な空間を造り出している。彼らのオスピタリティと、そしてウンブリアの自然の相乗効果。

私がここに数年前にお世話になってから、もう一度戻りたい‼︎と強く思っていたのは、この環境と、そしてここのお母さんがつくる美味しい料理をまた食べたかったから。

今回は2泊したので、夕飯は2回ともここでいただいた。一泊目には、お皿てんこ盛のトリュフの効いたタリアテッレとマリネした豚肉のグリル。単なる肉のグリルではない、美味しくするお母さんの一手間がその秘訣。

この夕食中にいろいろ話していて、翌晩のメニューが決定。

この地方で昔から食べられている野生のピッチョーニ(鳩)のロースト。楽しみにしていてね、と言われて翌日を迎える。

近隣の街散策などを終えて午後に一休みしようとここに戻ってきたら、もう夕飯の仕込みが始まっていた。

食事のサーラには、大きな暖炉が置いてある。これはもちろん暖をとるためであるが、同時に、重要な調理用の釜になる。

ここにゆっくりゆっくりとまわしながら火を入れていく。薪の火加減が必要。

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ゆっくりと焼いているうちに鳥の脂が落ちてくるので、下には受けを置いてその旨味たっぷり脂も捨てずに。この料理用には、長くて浅い銅鍋を下に置いておくのが伝統なのだとか。両端に近いところ2箇所に溝があり、そこに脂がうまく溜まるようになっている。

釜の上方に見える細長い銅鍋が、それ。

じっくりと何時間もかけてローストしたものは、その脂と、そこに黒オリーブ、ケイパー、セージ、ローズマリー、赤ワインなどで仕込むソースとともに焼いた肉の仕上げをする。

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なんともこってり、ボリュームある仕上がり。滋味たっぷりな味わい。
野生(とはいうものの、これは食用に飼育されたもの)鳥は白身肉ではなくて旨味ある赤身肉。それに負けない…というよりもしっかりと絡み合う濃厚なソース。

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奥深い味わいと時間をかけて丁寧に作ってくれるお母さんの愛情がたっぷり。

この肉料理の前に、前回も食べて忘れられないミネストラ(スープ)が。レンズ豆や大麦、ほか野菜がたっぷり入り、この土地のオリーブオイルで仕上げたもの。これが旨い‼︎

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このお母さん、働きものでお料理上手。料理人なんて呼ばないでーとご自身は謙遜するが、シンプル&素朴な料理を間違いなく美味しく料理する彼女の腕前は、周囲にもよく知れ渡っているらしく、週末のお祝い事などの昼食会をよく頼まれるのだとか。

私たちがこの宿を後にした日の昼食会も40名のお客様だとかで、朝の5時から仕込みが開始していた。「もう、これが最後!」とは言っていたが、頼まれたら断らないんだろうな…これからも。

朝早起きのお母さんは、起きたらまずはお客さんのための朝食のケーキ類を焼くのが1日の日課。

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毎朝新しいケーキが増えて、それも朝からの楽しみ。何よりの贅沢だ。

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Casale di Mario
Via Todi 41, 05020 Montecchio (TR)
Tel: 0744. 951280





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ウンブリアへの旅 :: 2016/05/14(Sat)

週末にマルケ州に住む親戚の子供のコムニオーネに参加のため、それにかこつけてミニ旅行。

数年前に泊まったことのあるウンブリアのアグリトゥーリズモに前々からまた戻りたいなーと考えていたこともあり、この機会に、今回は家族とともにそれを実行に移すことに。

自然のなかの静かな平和なあの場所に戻りたくて…そして、シニョーラの美味しいご飯がまた食べたい‼︎の一心のもとに。

ちょっと懐かしいその建物は、また私たちを温かく迎えてくれて、変わらぬ笑顔のシニョーラとこの施設の持ち主である息子さんに再会した。

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とにかく、周囲がオリーブの木に囲まれて見晴らし最高の場所。ウンブリアのオイルの産地であることもあり、見渡す限りのオリーブ畑と向こうに見える山の中腹に遠くに見えるトーディ、オリヴィエートの街。

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そして周辺散策にてマイナスイオンをたっぷり吸って、身体の芯から元気を養う。

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美味しかったご飯のお話はまた次の機会にして、彼らのつくるオリーブオイルを購入するつもりでいたけれど、昨年2015年のものは、売る分はもうすでに完売。とのことで、オイルは別の搾油所のものを購入した。

近隣にあるオリーブオイル博物館。その昔、この土地で使われていたオイル搾油のための道具が展示されている。

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とてもシンプルだけれど、よく考えられている精巧な造り。興味深し…

山を登ったり降りたりしながら隣の街へ…と車の燃費の悪そうなイタリア中部らしい土地柄。とにかく丘陵部に覆われたこの地方。周囲の景色は緑の丘が何層にも遠くまで連なり、その起伏がこの土地の自然の風景を自ら造り出している。
そして、近くの丘の街、トーディへの散策。

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小さくてとても可愛いその街のこれまた可愛らしい食堂にて軽くお昼を。

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いただいたのは、この店オリジナルの変わりラザニア。重ねて焼くのではなく、くるくる巻いて蒸したものを薄く切ってトマトソースをかけたのだそう。

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私はスペルト小麦と野菜のミネストラ。

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トーディの街の入り口にあるサン・フォルトゥナート教会。

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13世紀にゴシック様式となる工事が開始、14世紀半ばのペストの流行により工事は延期。最終的な完成は15世紀始めとなるが、正面ファザードの上部は未完成のままのような感あり。正面の大きな前庭のような緑の草で覆われた、上り坂の上に建つ美しい姿が非常に印象的。

内部は主祭壇後ろの後陣に見える縦に長いステンドグラスが静閑として清潔感を感じさせるもの。

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その階下には、この地の出身で詩人であり修道士となったヤコポーネの眠る碑が納められている。

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ゆっくりと街散策を楽しんで、心身ともに充電完了。





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