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パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



フリウリのお菓子「ストゥルッキ (Struchi)」 :: 2018/08/02(Thu)

フリウリを代表するお菓子といったら「グバーナ(Gubana)」。発酵させた生地にアマレティ、干しブドウ、クルミなどをグラッパに浸した中身を巻き、それを再度発酵させてからオーブンで焼いたもの。

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ヴァッレ・デル・ナティゾーネ(Valle del Natisone)という小さな村が発祥の菓子で、この界隈では「グバーナフィーチョ」と呼ばれるグバーナ専門もしくは得意とするの菓子店やパン屋が点在する。

グバーナのあるところにはこの「ストゥルッキ」も必ずや存在する。というのも、材料を同じくしつつ、仕上がりは焼くのではなく、油で揚げたもの。それと同様なものを茹でるやり方もある。

グバーナ自体が本来は、この地方のナターレ菓子として広く知られており、ストゥルッキもその傍らに置かれることが多い。
なにかのお祝いの席などにもグバーナが登場するのは稀ではないが、いわゆるコンフェッティといわれる祝いの席に居合わせた人に配るお礼返しみたいな菓子の変わりにこのストゥルッキがこの地方では使われる。

この地域でグバーナを専門に製造するヴァレリアさんにグバーナ講習をたまにお願いしているのだが、この日はストゥルッキも…ということにて、その作り方を披露してもらう。

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生地はもちろんグバーナのそれと同様。発酵させた生地はのばして、彼女の場合はラビオリの型の上に広げる。

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あらかじめつくってあるグラッパがたっぷりと浸った中身は、グバーナで使うものよりもより細かく混ぜ合わせて、作業しやすいように丸めたものを用意する。

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それを型のひとつひとつのくぼみに乗せ、再度上から生地をのせて切り込みに沿って切り離す。

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今の暑い時期にこれをつくると、切っていると同時に生地もまたさらに発酵が進んでくるので、切り口が開いてしまうため。これらは丁寧に指でおさえつける。これをしないと、油の中で中身が出てきてしまうから。

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鍋にたっぷりの油を入れ、じっくりと油で揚げてできあがり。

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揚げ菓子なので、比較的日持ちのするグバーナに比べてこちらは早めに食べてしまったほうが美味しい。

試食用に用意してくれたグバーナとともにいただく。

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少々夏らしさには欠けるが、焼き、揚げともに違う美味しさ。甘酸っぱさがほんのりと口に広がる。




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トルタ・ズブリソローナ(Torta Sbrisolona) :: 2016/07/18(Mon)

ズブリソローナ(sbrisolona)とは、マントヴァからヴェネトにかけてのお菓子。
その名は、この菓子の状態がボロボロとくずれやすいというブリーチョラ(briciola)ということ、手でボロボロにする、というズブリーチョラ(sbriciola)からくる。

各地によって親しまれている呼び名が異なり、ズブリソローナはマントヴァの呼び方、ヴェネトにくるとフレゴロッタ(fregolotta)、スフレゴロッタ(sfregolotta)、ロゼゴータ(rosegota)などという。後者の名の由来もほぼ全て同様。

主となる材料は、この辺りで多く栽培されるトウモロコシの粉。ポレンタ用だが、菓子用には、さらに細かく挽いたフィオレット(fioletto)というものを使う。

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このフィオレットと小麦粉を合わせ、バター、荒く砕いたアーモンド、卵、そして豚の脂であるストルットを加えてよく混ぜ合わせる。タルト生地であるパスタ・ブリゼーをつくるような要領で、粉と脂をホロホロとした状態にしっかり混ぜ合わせることが肝心。

そして、それを薄く広げる。高さをあまり出さないように薄く広げることが、仕上がりの口当たりに影響することもあり、それがまた、この菓子の形状、状態の特徴でもあるから。

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つまりは、表面も内側もしっかりと火が均一に、割ったときに中がしっとり、という状態にしないように気をつける。

焼き上がりは薄い円板状。この菓子の正しい食べ方は、決してナイフで切ったりすることなく、その名の通りあくまでも手で割って食べること。フェッテ(fette)ではなくペッツィ(pezzi)で食べるのが正式。

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スフォリアテッラと職人技 :: 2015/08/02(Sun)

ナポリの代表的な郷土菓子のひとつである『スフォリアテッラ』。その起源はアマルフィ海岸沿い(アマルフィ近く、コンカ・デイ・マリーニ)にあるサンタ・ローザ教会付属の修道院とされている。

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非常に厳粛な修道院であったが、クチーナ(調理場)のみは、施設外とも出入りが許されていた唯一ともいえる場。
同施設では、独自の畑、ワインを製造するためのブドウ畑も保有しており、パン焼き用の窯も設置され、ほぼ自給自足の生活が可能であったといえる。

1600年代のこと。調理場で食事の給仕の後、余った小麦の粒を牛乳の中に混ぜ込んでおかれたものを料理人が見つけ、試しに乾燥フルーツやレモンのリキュール、砂糖を加えたのだが、それが後の同菓子の中身となるもの。

そして、これを包む生地は、小麦粉にストゥルット(豚脂)と白ワインを加え、形状は修道士のかぶる帽子(カップッチョ)を表現した。

修道院長は、焼きあがった目新しい菓子を非常に気に入り好んだことから、修道院の外部へも広まり、同地区の人々、そして、隣接の教会・修道院にも広く伝わり始めた。サンタ・ローザ(聖ローザ)の名のもとに、同地にてよく知られた菓子となる。

1800年代に入り、ナポリの食堂(オステリア)の店主であるパスクアーレ・ピンタウロPasquale Pintauroが、当時、既に知られていた「サンタローザ」という菓子を初めてレシピ化することとなり、同菓子が改めて正式(?)に一菓子としての存在を露わにする。

その後さらに修正・改正を加え、クレーマ・パスティッチエラ(カスタードクリーム)とアマレーナ(スミノミザクラの実のシロップ漬け)を上に載せるなどしたものが、現在にも残る『サンタ・ローザ』。

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さらに彼は現在のスフォリエテッラの『リッチャ』に見られる特徴的な三角形を体系づけた、とされてはいるが、ここら辺の真相はなんだか危ういものらしい。

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こちらは、同生地で後からクリームをつめこむ”コーダ・ダッラゴースト”。形がアッラゴースト(=ロブスター)のコーダ(=尻尾)のようだから、この名で呼ばれている。

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ということで、昨年からなんやかやと縁のあるシェフのもとに、このスフォリアテッレの製造現場を訪ねる。今回はある企画のもとにて、ナポリじゅうのスフォリアテッラを訪ね歩いたが、非常に時間と手間と技の必要な同菓子を、実際に店でつくっているのはごくごく少数に限られているのだという。

生地の材料を合わせ、のばす。それを寝かせてさらにのばす。…と簡単に書くが、この行程中にもさまざまなポイントが隠されている・・

それをさらに寝かせた後、またまた特殊な手法に生地を薄くのばしながらロール状に。

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さらにさらに寝かせたあと、ここからがまたすごい!男性2名によりこのロールをさらにひっぱってのばす。こうして同菓子特徴の薄~い生地ができあがる。

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それを1cm厚さに切り、三角錐状に成型する。

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まさしく職人技にて目の前でみるみるうちに御馴染みの形が現れ、そこに事前に用意しておいたセモリナとリコッタベースのフィリングを詰め、そして端を閉じる。

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手品をみているようにスムーズに作業が進み、できあがりの形を目にすることとなるが、ここまでの作業は、熟練の技と経験があってできるもの。

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この菓子をよく知り、そして愛する人たちにより守られている伝統だ。

大好きだったこの菓子がより一層いとおしく思えた瞬間。そして、ナポリの街中に多く並ぶこの菓子を今まで以上に品定めする“眼”が備わった瞬間でもあった。貴重な体験をさせてくれたシェフに感謝!




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パスクアのチャンベッラ :: 2015/04/05(Sun)

今日はパスクア。

パスクアを前にして丸いドーナッツ型のチャンベッラをつくりました。

パスクアのシンボルである卵をたっぷり使うのがパスクア風。

粉にアーモンドの粉、レモンやオレンジの皮、アニスのリキュールバターを加えてリッチな生地。

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オーブンでしっかり焼き上げ、冷めたら表面にはちみつを塗って、アーモンドのスライスや粒糖、そしていろいろカラーのチョコレートを。

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中心に卵型のチョコレートを添えてあげて、春らしくカラフルになってテーブルへ。

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パスクアには各地にそれぞれのお菓子の形があって、どれも卵を主体にリッチな仕上がりにするのが特徴。春、そして生命のシンボルを表現しているものだから。

コロンバという鳩の形を模した大きな発酵菓子も一般的に有名だけれど、ここヴェネトでは、フォカッチャ、フガッサと呼ばれる、丸くて大きな上部が膨らんだ発酵菓子がこの時期によく出回る。

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見た目は素朴、食べても素朴だが、甘くてシンプル、ふわふわなお菓子とは全く食感は違うけれど、これがあって、春がやってくる。

Buona pasqua!




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カステルフランコの人気お菓子屋さん『FRACCARO』のパネットーネ :: 2014/12/04(Thu)

トレヴィーゾ県、カステルフランコ・ヴェネトCastelfranco Venetoという町にて1932年創業のお菓子屋さん、『フラァッカーロ(FRACCARO)』。

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今もどこのパン屋さんも同様、パン製造とともに焼き菓子、特に発酵焼き菓子などもつくっているが、同店の創業もパンからスタートし、菓子中心へと転化してきた。

ヴェネトでは、ナターレやパスクアなど、大切な年間行事のあるときどきになると、フォカッチャと呼ばれる甘い膨らんだパンケーキのようなものが頻繁に食べられる。この店を地元で有名にしてきたのは、このような発酵時間の長い特殊な焼き菓子。地元菓子を土地の人たちのためにつくってきた、という流れにて、地元に愛される菓子店に発展。

このフォカッチャ、パネットーネなどは、自然酵母を使った伝統的製法にて、現在に至るまでこの店の評判を支えているものでもある。

この日のお目当ては、ここのパネットーネ。ナターレが近づいて、店内はパネットーネ一色になっている。

今年の目玉はこちら。

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10月後半に開催されたトリノのサローネ・デル・グストの会場にて、スローフードに認定された素材をたっぷり使い、そして店に伝わるオリジナル自然酵母を使ってのパネットーネにて、賞を獲得したもの。
トリノで見た時は、「あー、もうパネットーネか…」と思っていたけれど、もうすっかりシーズン真っ最中…。時の経つのは早いなぁ。

賞を獲得したのは、まあ、使用素材を集めたから、と言われればそれまでのことなのだが、それを抜きにしても、同店のパネットーネ、とってもよくできていると思う。生地の密度としっとり感、そして甘さと香り。

パネットーネはピンキリあり、1個1kgのもので3ユーロそこそこで販売している大手メーカーのものもあれば、個店レベルでは10倍にもなる。それでも、評判の店や評判のパスティチエレの店、各種ガイド本などでランクづけされているもの等々、旨いパネットーネを一度味わうと、今度はあそこのも試してみたいわ…ということになる。

パネットーネの旨さの決め手はまずは生地の旨さ。基本の基本。各店で永い年月子供を育てるように、愛情と手間を惜しまずに、毎日毎日世話をしてあげて保持している天然酵母。リエヴィト・マードレがその店を支えている、といっても過言でもない?!
そしてたっぷりと使われる具材の美味さ。カンディーティと呼ばれる、フルーツの砂糖漬けが混ぜ込まれるが、これが非常に味にも左右するものでもある。

さて、他にも店内には、クラッシックなものから変わり種まで、パネットーネの種類は実に豊富。

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地元のカステルフランコ産のラディッキオを使ったものもある。

自宅用には、簡易包装のものを。お財布にも優しい。また食べるべきものが増えてしまった…食べきれるかな…

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同店、最近、店舗を改装したばかり。店内にショップを設け、広々としたモダンな店に変身した。製造現場も裏手に控えている。

この日はパンも売り切れていたけれど、パンや生菓子類の対面販売コーナーや、

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ピッツァは、地元ならではの馬肉のスフィラッチ(ジャーキーみたいなもの)の載ったものなんかも。

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パニーニも可愛らしい。

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アルティジャナーレの良さを生かしつつ、守備範囲を広げつつ…でもいつまでも地元のお菓子屋さんであるべき、とは、オーナーのルカさん。

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Pasticceria FRACCARO
Via Circonvallazione Ovest, 25/27 Castelfranco Veneto (TV)
Tel; +39.0423.49142






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