パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



お野菜たっぷり。ロッサーナのお料理レッスン :: 2017/09/10(Sun)

ブログの更新、全く手つかず…が続いていますが…

久しぶりにロッサーナのお宅で料理レッスンを開催。
今回のお題は、お野菜たっぷりのメニュー。ロッサーナと事前に打ち合わせ、彼女が家で普通につくる野菜主役メニューと、ヴェネツィアらしさ、ヴェネトらしさのあるメニューを選択し、この日のレッスンとなった。

この日に使用する野菜たち。色鮮やかで見ているだけで元気になる。

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手順もできあがりも写真に撮り忘れてしまったが、まずはこの時期、生のものが手に入る、ッファジョーリ(インゲン豆)を使って、ヴェネト風パスタ・エ・ファジョーリ。

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トマトは中をくりぬいて、パン粉などの詰め物をしてオーブンへ。

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色鮮やかなピーマンたちは、しっかりと煮込んでペペロナータに。

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美味しいキホンのトマトソースを…との要望に、丁寧に仕上げたトマトソースはシンプルにタリアテッレに和えた。本当に美味しかった。

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セコンドには、ヴェネツィア料理である、オゼーイ・スカンパーイ。もともとはスズメ肉の串焼きなのだが、今はそれに代わる肉類を合わせて串にする。この日は、豚、孔子、そして豚のバラ肉。串焼きというよりも、串焼き煮にする。表面を焼いた後にしっかりと火を入れて味を入れていくから。

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ドルチェはヴェネツィア名物のトウモロコシの粉の入った焼き菓子、ザエティを。

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そして、私の大好きなナスのフンゲッティ。ナスの皮だけを使う料理で、ヴェネツィアに昔から伝わるユダヤ料理だ。

皮を細く切って塩をしてしっかりと水分をとり、鍋で火を入れていく。はじめは強火でしっかりと表面に油をなじませるようにし、その後は蓋をして弱火にして焦げ付く寸前までしっかりと火を入れる。

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仕上がりはまるでフンギ(きのこ)の煮物みたいな見た目となることから「フンゲッティ(FUNGHETTI)」と呼ばれている一皿。見た目は地味だが、これはほんとに美味い。

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今回のお客様は福井県からお母様と娘さんのお二人。

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とっても素敵なお二人で、今回の旅はお母様の還暦のお祝いなんだとか。お料理好きのお母さんのために、娘さんが申し込んでくださった。娘さんもとっても素敵な女性で、世界あちこちで活躍するバイタリティあふれる人物。

素敵な時間を過ごさせていただいた、晩夏の一日。




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モエーケを食べる :: 2017/05/06(Sat)

モエーケとは、ヴェネツィアのラグーナ(潟)で採れる脱皮ガニのこと。季節が非常に限られていて、春先の2週間ほど、もしくは秋口にそれにお目にかかることができる。

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とても高価なものなのだが、それもそのはず。朝に脱皮したものしか、モエーケとして扱うことができないから。市場では、生きたままを1kg60ユーロなんて高額な価格がつくこともある。

なので、レストランで「モエーケがある」と勧められて食べるのはいいが、結構その価格に驚くことも。1匹10ユーロ弱、なんてこともヴェネツィアでは珍しくない。1皿10ユーロではなく、1匹だから。

それでも、この特別感ある季節もの、年に一度くらいは食したい。モエーケは生きたままを購入する必要がある、というのも、その下処理に由来する。

まずは、ボウルに卵を溶きほぐし、生きたままのモエーケをそこに漬ける。つまりは彼らに卵液を吸わせるのだ。
半日以上置いておいても生命力の強いものは、まだ生きていたりする。それでもこうして数時間、卵液に漬けておくと、カニのお腹のなかは卵液でいっぱいに。

その表面に粉をまぶし、油で揚げる。お腹のなかにたっぷり吸った卵液が油の熱で膨らんで、中はしっとり、表面はカリカリっとなったものを、熱々のうちにいただく。

春先の至福。

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この日は、ヴェネツィアの料理の師匠であるアダさんの御宅にて、ヴェネツィア料理三昧のお昼。

この日のメニューは、このモエーケのフリットに、春の野草、カルレッティのリゾット。

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そしてアダさんの伝説ポルペッテ(揚げた肉団子)。

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お手製バッカラ・マンテカートは、手でしっかりとマンテカートして。決して機械など使いません。

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シンプルでクラッシック、そして最高に美味しいアダさんのお料理。いつもありがとう。




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ヴィツェンツァにて料理レッスン :: 2017/03/21(Tue)

私個人の活動のベースとして続けている、地元マンマの料理レッスン。今回は少々イレギュラーにて、私の主催するものではないものの、個人レッスンにおつきあいする機会を得て、お客様をお連れすることに。

場所はヴィツェンツァの中心地にほど近い場所で料理サロンを主宰されている、ペルラさん。恰幅のよいシニョーラだ。

ヴェネト料理というテーマで実は行くまでメニューさえも知らされずに伺ってしまったのだが…そういえば、こんなメニューもいいね、と改めて思う素朴ヴェネト料理を何品か披露していただいた。

冬に美味しいヴェルゼを使ったミネストラ。しっかりと火を通すことでしっかりと甘さが出る。そこに相性のよいサルシッチャを加えて一緒に煮込む。ここに少しだけ米を入れて仕上げ。米は入れなくともよいのだが、リゾットになるほどの量ではない、あくまでもミネストラの具材としてくらいの少量を加えることで、なかなかとよい感じに仕上がる。温かな素朴な冬の一皿。

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ベルギーチコリには、地元のアジアーゴの若いのをたっぷりのせてオーブンへ。

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パスタは、カソンツィエール・アッランペッツォ(Casunziel all’ampezzana)。ヴェネトの北端にあたるコルティーナ・ダンペッツォで有名なパスタ。

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卵の入らない生地を丸くくりぬき、ビーツとジャガイモのつぶしたものを合わせて半円形にしたパスタ。セージとバターでいただく。そういえば、こんなメニューもあったなー…と改めて思う。

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同じパスタ生地を使って即席ほかパスタメニュー。ソースは、バジリコがベースのペスト・ジェノヴェーゼなのだが、これ、ラザニア用に大きく切り分けられたパスタ。ラザーニア・アペルタと呼び、つまりはパスタを重ねてオーブンで焼きあげるラザーニアではなくて、茹でた生地を皿の上で重ねただけ、の一皿。

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シンプルだけど、けっこうイケる。この生地とサルサ・ジェノヴェーゼの相性もなかなかよくてとても美味しくいただいた。



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マントヴァ風モスタルダをつくる :: 2016/10/24(Mon)

ピリリと辛いマスタードの香りがジャムに加わったような独特の風味。モスタルダは北イタリアを中心に各地で特に冬場に活躍する、一種の薬味的なもの。

甘く煮たフルーツの仕上げにマスタード液を数滴加える。砂糖の量と砂糖の力でフルーツ自体の持つ水分を取り除くことによる、いわゆる保存を目的とした、保存食品の一種だ。

使用するフルーツは、リンゴ、ナシ、オレンジ、アンズ、メーラ・コトーニャ等々…。基本的に樹で熟すフルーツを使うのが一般的。

なんでも、樹で完熟できずにいた果物を美味しく利用するために考えられたものだとか。固くて甘みが出ないこれらは、砂糖をたくさん使って煮込むジャムにしてもそれほど美味しくならない。そこで仕上げにマスタード液を加え、料理の添え物に利用したのが始まりだという。

なので、上記の果物も生食したときに柔らかく甘いものよりも、比較的早熟な固いものを利用したほうが、仕上がりがうまくいったりもする。もちろん、素材の本来が良いものを使うことで、結末もそれに相応していくことはいうまでもないのこと。
メーラ・コトーニャのようなものは、、もともと生食用のリンゴというよりは、加熱向き。モスタルダにはうってつけの食材でもある。

そして、モスタルダとして知られているものには、各地それぞれに馴染みのスタイルがある。

私の住むヴェネトでは、仕上がりは果物の形を呈していない。すべて潰してドロドロになっているものに親しみがある。

有名なクレモナのモスタルダは、果実の形をそのまま残して使うもの。形を残すから、小さな実を具材に盛り込んでいく。キンカンなども使われる。

そして、この日につくったのは、マントヴァ風モスタルダ。材料には、ナシやリンゴ、メーラ・コトーニャがよく使われるが、これらを小さく切って形を残しておくのがここの土地流。

まずは、固めのナシを準備。1cm角くらいに切ったそれらは重量を量り、その半量の砂糖をまぶして12時間置く。

こうすると、浸透圧の関係で、12時間後にはかなりの水分が外に出る。その水分のみを取り出すい、鍋にかける。沸騰させて約5分、表面の気泡がブツブツと大きくなった頃を見極めて火からおろす。

しばらくそれを冷ましたら、ナシの入っていたボウルに再度戻す。そして再度12時間置くと、さらに水分が外に出てくるので、もう一度同じ作業を繰り返す。

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これが、砂糖をまぶしたばかりのものと、12時間後に液を火にかけたものとを合わせたもの。

モスタルダは砂糖で煮込むもの、と思っていたが、この日にマントヴァ風モスタルダを教授してくれた料理家のステファニアは、果物自体には火を通さない。間接的に火を通すことにより、果物の形を残しつつ食感も残す。だから火からおろしたばかりの熱々の砂糖液を加えないように、必ず冷めるまで待つ。こうしないと果物が熱に負けてしまうから。

ただし、それも使うフルーツによって方法を変える必要がある。硬い皮付きのオレンジなどを使用する場合には、熱い液をかけて皮にやんわりと火を通すようにするほうが仕上がりがよい。

さて、この煮こぼしを3回ほど繰り返したら、そのまま冷まし、瓶に入れた際、または入れる間際にマスタード液を数滴加える。よく混ぜて蓋をし、最低2週間。2週間後に蓋を開け、マスタードの風味が足りないようであれば、再度数滴。

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モスタルダは辛いもの、という認識が私にはあったのだが、辛いだけのモスタルダはそれはそれまで。マスタードの風味が非常に大切。これを香りを残し、風味豊かに仕上げるか否か、が美味しいモスタルダになるかどうかの決め手となる。

ちなみにマスタード液は、通常、薬局にて販売されているもので、まるで香りのエッセンス、媚薬のような小さなスポイトつきの小瓶に入っている。

できあがるモスタルダは、やはり地元の食材や料理と組み合わせるべし。マントヴァのそれも同様。質のよいグラーナ・パダーナに添えるだけで、いいアンティパストになる。セコンドや、セコンドの後の口直し的に使われる場合もある。

そして、マントヴァ独特のトルテッリーニに欠かせない隠し味ともなり得る。
カボチャの産地でもあるこの地域は、カボチャのトルテッリが有名。甘くて美味しいカボチャに、少し辛味のあるモスタルダを加えるのが、マントヴァ風。

茹で上がりはセージとバターを絡めて食べると最高に美味い。

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これから迎える寒い季節、肉のローストやらボッリートを食べる機会が増えるのだが…これらとの相性は抜群。これらの肉料理とモスタルダとは切っても切れない関係。脇役ではなくて引き立て役、という感じかな。

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今年の冬は、ボッリートに合わせるべく、絶対に手作りモスタルダを作るぞ‼︎と堅く決意。




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ヴェネツィアの市場でお買い物の後は… :: 2016/10/16(Sun)

私自身も非常に楽しませていただいている、ヴェネト各地に住むマンマとの料理レッスン。この日は、東京からの仲良し母娘さんからのご参加で、ヴェネツィアのマンマ、アダさんとのヴェネツィア料理レッスンを開催した。

アダさんとのいつもの待ち合わせ場所は、リアルト橋のたもとの市場。

参加いただく方によっては、あらかじめメニューを打ち合わせしておく場合と、アダさんとの場合には特に事前にメニューを決めずに、一緒に市場をまわってメニューを決めながら季節のものを購入するパターンもある。

この日は後者の方法にて。まずは彼女がいつも立ち寄る魚屋さんへ。

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今の季節は、甲イカの小さな柔らかなのが出回る時期なため、オーソドックスにイカのスミ煮をスパゲティで。イカのスミ煮は定番ながら、不動な人気のメニュー。

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他にスカンピやら、この時期のヴェネツィア人の大好きな前菜、マザネーテ。小さなカニを生きたまま調理する。脱皮したての柔らかくて丸ごと揚げて食べるモエーケの、殻が固くなったもの。モエーケほど食べられる季節が限定されていないので、ヴェネツィアの庶民的食べ物。

八百屋さんには、この季節のきのこやら、出始めのラディッキオやら…いつもの通り色鮮やかな店頭。

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この日はあれも、これも…とアダさんがとても張り切って、ヴェネツィア風子牛のレバー(フェーガト・アッラ・ヴェネツィアーナ)もやろうよ、ということでお肉屋さんにも立ち寄り、新鮮なレバーを用意してもらうなどして、アダさん宅へ移動。

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イカやスカンピの処理を丁寧に教えてもらいながら、ゴソゴソ動いているマザネーテは鍋に入れられてそのまま火の上へ…

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茹で上がりは一つずつこれも丁寧に掃除をしてオイルとプレッツェーモロ、塩で味をつけていく。

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アダさんの秘伝のレシピ、肉のポルペッテ(揚げた肉団子)も急遽メニューに入れてくれたので、同時に肉団子作りも着々と進む。

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あれよあれよと小さな台所で手際よく料理を続けていたら、あっという間に美味しそうな料理がテーブルいっぱいに。

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ヴェネトの、そしてヴェネツィアの料理とそれにまつわる季節の素材、そして地元のワインの話など、話は尽きることなく…あっという間に数時間が経ち、この日もたくさんのことを学んで楽しく過ごさせていただいた。

ありがとね、アダさん💕

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