パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ミラノの新メルカート・サンタ・マリア・デル・スッフラジョ Mercato di Santa Maria del Suffragio :: 2015/12/29(Tue)

メルカート=市場とは、通常、野菜や果物、肉、魚、チーズ類、ハム類等を扱う店舗が集結したもの。イタリア各地・各町に根付いた日常の食事に直結する、庶民の台所となる場所である。つまり、あくまでも日常の食事に直結する場所。

もともと地元色の強いイタリアでは、各地のメルカートを覗くとその土地の産物やら土地料理を想像することができる。さらには、季節感や行事感、そして町自体の活気など。

メルカートのよさは、常に対面販売形式。ものを購入する際には、必ずや一言二言の会話があり、ここで美味しい調理法や他情報を仕入れることが可能。お馴染みさんだと、そこにお互いの近況報告やら、もっと単純に、お互いの存在を確かめあうことのできる場所。

とはいえ、生活様式も変化しているし、簡便性を考慮すると、なんでも一度に手に入るスーパーマーケットや、郊外型の大型ショッピングセンターなどで買い物を済ます機会も非常に増えた。…というより、もうそっちのほうが主流になってしまっているかも。

私自身だって、チェントロのメルカートは大好きな場所ではあるけれど、車の乗り入れられないチェントロは少々不便を感じるのし、そうなると買い物をする頻度は、スーパーマーケットのほうが多いという事実。

とはいえ、お買い得品も多数あって、スーパーで買い物をする利点はあるものの、反面、購入する食品の出処や生産元の確かさが希薄になりやすくもなる。と、まあ、いい面とそうでもない面が両者存在する、ということだ。

最近では、そんなこんなに対抗するかのごとく、食品の安全性を強くアピールする動きも非常に活発化。生産者を明らかにし、さらには地元である優位性を利用して新鮮で確かなものを消費者の手に、という意を表す《km0(キロメートル・ゼロ)》という言葉が日常語になったこともそのひとつの例といえる。いわゆる《地産地消》的な考えだ。

2015年の暮れにオープンしたミラノの新しいメルカート。もともとミラノの公共メルカートであったのだが、長年営業することなく置き去りにされていた建物を、新たな息吹を吹き込んだものだ。いわゆる、メルカート・コペルト、屋根つきのメルカートで、こういう施設形態の場合、メルカートは終日を通じて営業が可能なスタイルとなる。

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同施設の特筆すべきは、その発案者。ダヴィデ・ロンゴーニ(Davide Longoni)氏。独自のフィロソフィを持つパン職人。製パンを通じて、素材やそれを取り巻く環境などに、非常に敏感な人物。

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彼の提案するパン、焼き菓子類、そしてピッツァ類などが並び、さらにはジェラートやガストロノミーアとして、質のよいチーズ類、ハム類の販売もある。

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八百屋には、トロピカルフルーツなどもおき、そして、野菜を中心とした惣菜も多く置かれている。それらは、サラダ類、煮込み料理、オーブン料理などバリエーションも豊富。

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ペスケリア(魚屋)は、ヴィアレッジョのバッカラで有名なSCHOONERの出店。素材の購入はもちろん、黒板に書かれたその日のおすすめメニューに注目。

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彼の音頭取りのもとに、確かな生産者及び製造者、販売者が提案する食材と、それらを使用した惣菜の展開。施設内は飲食のできるスペースも大きくとられたいわゆる飲食一体型メルカート。

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こういうスタイルのメルカートででは、フィレンツェの中央市場2階スペースの充実した飲食コーナーからこういった動きが出ているとも思われるが、いわゆる、メルカートという名を呈した新しい食事処的な感覚が強いように思う。

営業時間も朝食のできる朝7時半から、夜が23時まで利用可能、おまけに日曜日も夕方まで営業する、という、イタリアでは比較的稀な都市型食事処。

今後、イタリア各地でこういったスタイルのメルカート、いや、飲食施設が増えるのではないかなー、と思っている。





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美味しかった!コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ :: 2012/02/24(Fri)

料理名に土地の名前がついて正式名称となる料理っていうのは、意外と少ない。もちろん、何かの料理に○○風とつけて土地感を出すものはあるが、土地名がそのまま料理名として一般に通用する料理として知られているいくつかのイタリア料理の皿のひとつが、この料理。

衣をつけて油でじっくりと焼いていく料理だが、肉は柔らかい仔牛肉を使う。よく知られているこの料理では、たいていが肉は薄く(薄いといっても煎餅みたいには薄くない)て皿にどどーんとはみ出すかのように出す郷土料理的なものもあるが、先日ミラノで訪れたこの店のコトレッタ、ものすごく繊細で美味しい。

メニュー名はコトレッタCotolettaではなくて、コテレッタCoteletta。そして注釈でミラノ風コトレッタとはあるが、わざわざ仔牛のインパナート(パン粉をまぶした料理)とメニューのまた書き(つまり、または、ということ)にしてある。なんかいわくつきそうだ、と期待して注文した。

15分くらいかかるから、と言われて辛抱強く(結果的にはあっという間だったが)待っていたら、出てきた皿は想像していたものとは違って、上品な皿。2㎝くらいに厚く切った肉は中がほんのりピンク色。まぶした衣もしっかりと肉に密着して、上に粗塩がかかり、傍にはカボチャのピュレが添えてある。

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火の入れが抜群で肉は柔らかくてコトレッタ・アッラ・ミラネーゼの印象が完全に変わった。

店はミラノのチェントロからちょっとだけはずれたところにある場所。店内は非常にいい感じの濃い木目とアンティークな感じ。天井が高いので空間が十分にあり、地元の良質の常連さんの通う店だ。

ついでに、この日にいただいたアンティパストはビーツのトンナート、サフランの雌しべのリゾット。どれもすごく洗練された皿。

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この日食事をご一緒した知人に、いい意味で期待を裏切る皿が出てくる、と言われた意味がよーく解った。これは絶対にお気にいりの店になる!!

これは最後に食べたドルチェ。カフェのグラニータの上にふんわりマスカルポーネベースのムース、そして上には超クロッカンテのカカオのチャルダ。このドルチェはすごく新鮮だったが原形はオーソドックスなイタリアンドルチェ。

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店はなんだかいつも閉まっているような感じだが、迎えてくれるのは暖かい笑顔。

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ミラノのジェラテリア :: 2011/12/03(Sat)

ローマに引き続きミラノでも数店のジェラテリアを視察。さすがミラノだけあり、予めの下調べしただけでかなりの店舗数。
事前にアポのあったお店の視察後、いくつかを廻るが、やはりどこもスタイリッシュな雰囲気のある店になっている傾向強し。

チェントロから少しはずれた人気店。『Il massimo del gelatoイル・マッシモ・デル・ジェラート』。

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チョコレートのバリエーション10種。カカオ含有量の違い、さらにペペロンチーノやオレンジなどのアクセントを加えたものなど。濃厚だが、後味すっきりのいいジェラート。おまけにショーケースの半分を占めるフルーツベースのものも、新鮮で美味しい。

店内で座っているおばあちゃん2人に「ご近所さんなんですか?」と尋ねたら「近所じゃないんだけど、ここのジェラート美味しいからわざわざ食べにくるのよ。」と、まるでこの答えを待ってました、と言いたくなるような(この状況では)模範的解答が返ってきた。

赤×黒×白を基調とした店内はモダンなすっきりとしたスタイル。店内装飾設備もかなりしっかりめ、とは、↓登場の有田氏。

ドゥオーモほど近く、もの凄い混雑になっているのはチョコレート専門を謳ったジェラテリア『Cioccolati italiani』。

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店のスタイルや品揃えを見る限り、正しくはジェラテリアではなくてカフェの部類に入るのだろうが、ここの売りはカウンターの売り子の後ろの蛇口から流れるチョコレート。このチョコレートにも3種のバリエがあり、さらにコーンにジェラートを乗せる前にそのチョコレートを入れるかどうかを尋ねられる。または、カップで注文する場合、上にかけてもらうテもあり。

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丸いブリオッシュを温めてジェラートをのせ、そこにチョコレートをかけてもらう、というのがこの店の目玉らしい。
このチョコレート、店員は足で踏んで出したり止めたりする。イタリアの手洗い場によくあるアレだ(表現が悪い)。
店員の愛想なし、マニュアルっぽい動きと返答、忙しさに訳分からなくなっているのが一難。

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そのなかでもミラノで50年近く、一徹にスタイルを変えることなくジェラートを作り続けるのが『La bottega del gelatoラ・ボッテガ・デル・ジェラート』。もはや異色に近いことになっている感あり。

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店の雰囲気も全く今どきでない。一見頑固そうな店主でジェラート職人のジュリネット・カルデッリGiunetto Cardelliさん。

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シンプル&クラシカル。美味しいジェラートに必要なのは、いい素材といい機械、と言い切る。
その店内奥に見える厨房には、ジェラートの機械が並ぶ。それをじーっと見ていた今回のお伴の方は、長崎のお菓子屋さんの有田さん。長崎に6店舗を有するお菓子屋さんであり実業家ともいえる。

中に見えたイタリアのジェラート機械では最も有名な某メーカーの機械。彼はこれに目が釘付けになっていた。なんでも本やら写真やらで見たことはあるけれど、実際に生で見たのは初めて、ましてや現役でいるなんて!!とかなり興奮ぎみ。

店主のカルデッリさんに尋ねたら、急に笑顔になってさあさあ、と厨房に入れてくれ、実際に機械を動かしてくれた。回る羽の部分がむきだしなこのタイプは、きっと事故があったのだろう、現在は製造されていないが、彼はこの機械でなければできないジェラートがあるんだよ、と話す。そのひとつは、たまたま私が食べた梨のジェラートに砕けたチョコレートが入ったもの。チョコチップでもなく、不揃いに混ぜこむ仕上がりには不可欠。
「今度は午前中に見においで、そうしたら実際に製造している場面が見れるから。」と言っていただいた。

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ミラノのパスティッチェリアL’Antica Arte del Dolce da ERNST KNAM :: 2011/11/30(Wed)

ミラノ市内のパスティッチェリア。外から見える店内の美しく豊かさを感じるお菓子たち。

店内に入ると色鮮やかに整然と並ぶ24種のチョコレートが目に入る。フルーツや香辛料などを組み合わせた斬新なバリエーションのチョコレート。

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メインのショーケースは伝統的かつ洗練された菓子がこれも整然と。袋詰めの焼き菓子も非常に豊富。

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シェフはErnst Knamエレンスト・クーナム氏。店名でもあるシェフの名はもちろんイタリア人ではなく、1963年ドイツ南端のTettnang生まれ。ドイツホテル学校を卒業し、レストラン勤務後菓子店へ。2年後さらに2年間は軍のレストランサービスを経験後、スコットランドの星付きレストランにて。その後はロンドンの2つ星店、ジュネーヴの2つ星店を経た後、1989年イタリアへ。グアルティエロ・マルケージ氏のもとにて菓子部門シェフとして1992年まで。この間にスイスの菓子コンクールなどに参加、各種賞を受賞。

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1996年より同店を立ち上げ、菓子店として、またケータリングサービスを開始。彼のサービスに冠した名は“La nuova Arte del Catering”=“生新なケータリング・アート”

自店開店後も現在に至るまで菓子職人として、ヨーロッパ各地のコンクールに出場し続け、自らの技術の進化を図っている。

訪れた日の翌日には東北支援チャリティーディナーの開催が予定されていたらしく、日本人の私たちに非常に友好的に親切にしていただいた。
シェフのカラーである鮮やかなバイオレットは、エプロンにも店の包装にも使われていて、偶然にも同色のショートブーツをはいていた私の足元を目ざとくキャッチ。

またゆっくりと訪問したいミラノの菓子店。

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L’Antica Arte del Dolce
Via Anfossi 10, Milano
Tel;02.55194448


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Trattoria La Pesa @Milano :: 2011/11/28(Mon)

ミラノでの食事。地元のトラットリアで食事をと思い、出かけた先がここ。近くまで行ってタバッキ(タバコ屋)の前でたむろしていたオジサン達に店の場所を尋ねたら「ここの道を少し行ったところ。ミラノ1最悪の料理店!!」と言われ、いい感じ。もちろんジョークだから。

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中に入ったら、こちらも平日の夜だと言うのに満席。赤い格子のテーブルクロスがいい感じ。超忙しそうに働くカメリエーレに前の客が立ち去った後すぐのテーブルを片づけるから待ってて、言われ待ちながら他のテーブルの上の料理を眺める。着席したのは小さなテーブルでちょうど厨房の入口の見える場所。バンコに並んだ洗い場待ちしている多数のグラスがこの夜の繁忙加減のサイン。

メニューはどれもこれも美味しそうで迷ってしまうが、そういえば、今までミラノに来ても食べたことがなかった超定番料理を頼むことに。コトレッタ・アッラ・ミラネーゼとオッソブーコ。セコンドにこの2品を頼んだらカメリエーレは(実際はオーナーだったが)大きくうなずきながらウインクして厨房へ。

出てきた定番料理2品。コトレッタは肉に衣がしっかりついてカリカリ・サクッ!ではなく、しっかり味もついてしっとり感じ。

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オッソブーコの煮込みは野菜をたっぷり使って煮込んだ優しい味。たっぷりとリゾット・アッラ・ミラネーゼにのっかってきた。

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セコンドの前に頼んだカルチョッフィのサラダ。とニョッコ・フリットとサラミやハムの盛り合わせ。

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食べていたらふらふら~と出てきた、同店厨房で働くS氏。同店では6年の勤務、現在セコンド担当だそうだ。オーナーのマッシモ氏と厨房にて。

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Trattoria la pesa
Via fantoni 26, Milano
Tel;02.4035907

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