パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



フリウリのワインカンティーナ巡り :: 2017/10/19(Thu)

なんだか急にフリウリづいていて、約2週間にわたり、フリウリ・ヴェネツィア。ジュリア州のワインカンティーナの数々を巡ることとなった。1日2軒を連日回る。

今回のターゲットとされるのは、いわゆる《自然派ワイン》と呼ばれる名だたる生産者の面々。こんなにまとめて、それも有名どころを連日に渡り訪れることができることは、非常に有難いことで、このような機会を与えてくださった関係各位の皆様には大変に感謝をしている。

《自然派》と呼ばれる所以は、まずはブドウをつくる畑の管理上にて、農薬などの化学的な物質を一切使わず、自然の環境と共存していくこと。それは決して、そこにある環境に頼る、というわけではない。

そして、ブドウを収穫したら、瓶詰めまでの一切の作業もまた、化学的なものを使用せずにブドウ本来の力を使い、そしてその本来の味を出すこと。ここで、ブドウ自身の持つ、酵素や酵母の力を十分に発揮させるために、造り手の手による仕事がなされる。

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近年、この類のワインを《オレンジワイン》と呼ばれる傾向にあるが、それは、白ワインなのに、グラスに注がれたものがそれらしい色をしていないことから。
これは、ブドウ収穫後に通常ならばすぐに皮をはずして醸造に入る白ワインの製法とは異なり、皮をつけたまま発酵させる製法(マチェラツィオーネ)により、できあがりのワインに自ずと色がついてくることによるからだ。

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皮につけておく時間は数時間から数ヶ月まで、造り手の考え方によって様々。それぞれに考え方があり、それらに耳を傾け、その度ごとに納得。もちろんできあがったワインを飲みながらそのフィロソフィーを聞くのであるから、それらが一層、価値のあるものとなる。

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訪れた季節はちょうど収穫が終わり、この皮をつけて発酵している期間、もしくはそれも終了した頃の時期。今年は夏期には非常によい生育をしていたブドウたちだったが、9月初旬の収穫時期に続いた長雨の影響で苦労した、という話をあちらこちらで耳にした。

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また、このブドウ収穫時期も、各造り手により様々な考え方がある。同じ地域内でもそのタイミングが1ヶ月以上もずれる。

その後は別の容器(木樽またはステンレスタンク、またはテラコッタ製のアンフォラ)などに入れられて瓶詰めまで静かにゆっくりと熟成を進める。

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フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州とは、その州内でも地質や気候、そして歴史が大いに異なる州。

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それぞれにそれぞれの個性を生かしたワイン造りがなされており、多種多彩にて本当に興味の尽きない場所だ。

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2017年のブドウ :: 2017/08/16(Wed)

昨年に知り合ったフリウリのワイナリー、ヴェンキアレッツァに、一年をかけて図々しく通いつめている。

寒さで手が凍えそうな時期の剪定から現在まで。時間の経過とともに変化していくぶどうの変化を見続けてきた。

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最初は枯れ枝のようだったぶどうの樹が花をつけ、実をつけ…

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そしてそれが大きくなり、色が変わりながら熟していく様子を非常に興味深く見ることができ、感慨深いものさえある。

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これらが変化の様子の一部。

今年のフリウリ地方は、春の終わりの霜までがおりる低温障害、その後は雹による被害等、ぶどうにとっては非常に災難の年。

私の通う、このヴェンキアレッツァというワイナリーは、幸いにも奇跡的に大きな被害を受けなかったが、近隣のカンティーナでは、壊滅的な被害を受けているところもある。

夏は暑く、ぶどうの実の完熟度も着々と進み、今年のヴェンデンミア(ぶどう収穫)は通常よりも早まるのだとか。

もうしばらくしたら作業開始の見込み。





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アマルフィのレモンを訪ねる :: 2017/07/14(Fri)

数年前に訪れたアマルフィのレモン農家を再訪。訪れたのは、この地でレモン生産農家を束ねている、コスティエラグルーミ (Costieragrumi)。この会社を引っ張るのが、同地で有名なお菓子職人を従兄弟に持つ、カルロ氏。

久しぶりに戻った作業場は、前と変わらず…以前にも増して活気のある現場。たくさんの人が鮮やかな黄色いレモンの選別、箱詰め、運送…と忙しく働いている。この時期は生産量が年間で最も多い時期なので、多忙な毎日という。

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作業場に一歩足を踏み入れると、酸味を帯びた甘いレモンの香りがいっぱい。

カルロ氏とは話さなければならぬ事項がいくつかあるものの、この日は同社が企画するレモンツアーに参加することにした。

40年も前のオンボロバスにデンマーク人御一行さまと一緒に行動。

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30分ほどバスを走らせたこの日のレモン農家はラヴェッロの一家。断崖絶壁のレモン畑には、トータル約1000本のレモンの木がある。

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断崖絶壁ゆえ、日当たりは最高によい。年間を通して温暖な気候、海からふきあげる澄み切った空気、強い太陽の日差し。オーガニックを催行するにはうってつけの環境。

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ヴェッスーヴィオの近いこの地、土壌は灰分が多く、ミネラル豊富。そして水はけのよさが質のよいレモンをつくりあげる。自然の力で育つ産物だ。

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もの凄い急斜面を1時間以上もかけて歩き、暑さからもうダメーとダメだしを出したところでタイミングよく休憩タイム。
レモンの絞り水と、レモン三昧のおやつで休憩。

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アマルフィのレモンの特徴は、中の身の部分よりも皮にあるといってもよい。シーズンにもよるのだが、今の時期水分は20%ほどしかなく、他はしっかりした厚みのある皮に覆われている。それが酸っぱいだけでなく、甘みと少しのほろ苦さがある。このまま薄くスライスし、少し塩をかけて美味しいオリーヴオイルをかければそれだけで一皿になるもの。

この地でのレモン栽培は決して楽なものではない。代々受け継がれてきた農家の畑とはいえ、若い世代の農業離れが続いているとのこと。今回訪れた農家のおばあちゃんも、レモン栽培に一番必要なのは、レモンへのパッシオーネ(情熱)だ、と熱く語っていた。

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伝統守るプロセッコのカンティーナ『グレゴレット (Gregoletto)』 :: 2017/04/07(Fri)

先日訪れたプロセッコの生産者、グレゴレット。

1600年から続く家族経営のカンティーナ。グレゴレット家全ての関係者がこのカンティーナを支えている、古くて温かく、そして非常に質のよいワインをつくる。

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訪問時にも顔を出してくださった、90歳のルイジ・グレゴレット氏は、2016年にFIVI (Federazione Italiana Vignaioli indipendenti) の”今年の優秀ブドウ栽培者 (Vignaiolo dell’anno) ”に選ばれた人物でもあり、現役。

生産するワインは、フリッツァンテ、スプマンテ、白、赤、と計14種あるが、この日にはプロセッコと白はマンゾーニ・ビアンコ(Manzoni Bianco)、ヴェルディーノ (Verdino) などを試させてもらう。

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プロセッコの売れ筋である、エクストラ・ドライもよかったが、気に入ったのは、酵母を瓶の中で一緒にしておくスル・リエ(Sur lie)のもの。香りがまろやかで気泡も細かく、柔らかな味わいがある。

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試飲時には、地元のサラミやら奥様が用意してくださったお手製の焼き菓子やらが用意されていて、なんだか楽しい…

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ここら辺の土地は、丘陵地の続く場所。プロセッコの産地として知られるコネリアーノ(Conegliano)、ヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)、ヴィットーリオ・ヴェネト(Vittorio Veneto)を結ぶ三角地帯のほぼ中央にこのカンティーナは位置する。

彼らの畑に連れて行ってもらった。ちょうど若芽が出始めた時期。日当たりよく風通しのよい斜面にブドウの樹が整然と並ぶ。

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となんだか時間の経過を忘れてしまいそうな、穏やかな自然空間だ。

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CANTINE GREGOLETTO
31050 Premaor di Miane (TV) – Italia
Tel.: +39 0438 970463
www.gregoletto.com




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パドヴァ郊外のオーガニックワイン『モンテヴェルサ (MONTEVERSA) 』 :: 2017/03/26(Sun)

パドヴァの南側にあたるエウガーネイ丘陵地帯。ヴェネト州の平野部分の中心にある穏やかな丘陵地帯。

ここで2010年以降、オーガニックのワインを製造するカンティーナがある。少し前に訪れた、小さなワインの展示会で知り合い、一度見においで、と誘われていてようやく実現したこの日。

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同丘陵地帯は、パドヴァーニにとってのちょっとしたお庭的な場所で、車を少し走らせると穏やかな自然をたっぷりと味わえる場所として非常に親しまれている。ワインやオリーヴオイル作りも盛んで、小さな生産者が点在する場所。

私も何度も足を踏み入れている地ではあるが、この日に到着した先は、今までのなかで一番といっていいほど、素敵な場所だった。

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カンティーナは丘陵地のちょうどてっぺんに位置する。360°見渡す限りのパノラマの全てが彼らのぶどう畑。日当たりと風通し抜群のこの環境では、オーガニックワインを作るには最適な場所だ。

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全部で約26ha。整然と、しかもよく手入れされた畑は、彼らのワイン作りに対する愛情が表されているようだ。

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作られるブドウは白はモスカート、シャルドネ、グレーラ、そしてマンゾーニ。赤はメルロー、カベルネ。

全品目4種のワインをつくるが、年によっては、上記の品種の単品種をつくったりすることもある。
ブドウ畑をひと通り見せてもらった後に、デグスタツィーネ。

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モスカート・セッコのものから。微炭酸でとても爽やか。レモンのような爽やかさ、バジリコ、セージなんかのハーブ系の香り。泡が細かくて非常にエレガント。

他は白品種のブレンドとマンゾーニの単一品種。マンゾーニってそれほど味わったことはなかったけれど、なかなかと面白い。すっきりとしたなかにボディを感じ、甘みやうまみも十分。ほのかな後味のアーモンド香。

赤ワインに関しては、なかなかと興味深し。バリックに納められたものは、ブドウの畑ごとに分けられる。バリックも3種。新品のバリック、2から3回の使用済みのもの、そして大型のものをメルローとカベルネとで分けられている。これらを瓶詰めの際にブレンドしているそうだ。

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この日はバリックからそれぞれを試飲させてもらうことで、それぞれの特徴がよー分かる面白い体験。

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それにしても、このカンティーナを守るこのジョヴァンニさん。ものすごい敏感な舌の持ち主。醸造家の方たち皆にあてはまるが、この後にご一緒したお昼の間も、彼のデリケートな味覚に関心するばかり…

パドヴァ郊外のこの地域のワインは、やはり触れる機会が多いのだが、今までなかなかお気に入りに巡りあったことがなかったのだが、ここは個人的にも大好きなワインと環境、そして素敵な人たちに会えた素晴らしい体験だった。

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