パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



2017年のブドウ :: 2017/08/16(Wed)

昨年に知り合ったフリウリのワイナリー、ヴェンキアレッツァに、一年をかけて図々しく通いつめている。

寒さで手が凍えそうな時期の剪定から現在まで。時間の経過とともに変化していくぶどうの変化を見続けてきた。

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最初は枯れ枝のようだったぶどうの樹が花をつけ、実をつけ…

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そしてそれが大きくなり、色が変わりながら熟していく様子を非常に興味深く見ることができ、感慨深いものさえある。

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これらが変化の様子の一部。

今年のフリウリ地方は、春の終わりの霜までがおりる低温障害、その後は雹による被害等、ぶどうにとっては非常に災難の年。

私の通う、このヴェンキアレッツァというワイナリーは、幸いにも奇跡的に大きな被害を受けなかったが、近隣のカンティーナでは、壊滅的な被害を受けているところもある。

夏は暑く、ぶどうの実の完熟度も着々と進み、今年のヴェンデンミア(ぶどう収穫)は通常よりも早まるのだとか。

もうしばらくしたら作業開始の見込み。





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アマルフィのレモンを訪ねる :: 2017/07/14(Fri)

数年前に訪れたアマルフィのレモン農家を再訪。訪れたのは、この地でレモン生産農家を束ねている、コスティエラグルーミ (Costieragrumi)。この会社を引っ張るのが、同地で有名なお菓子職人を従兄弟に持つ、カルロ氏。

久しぶりに戻った作業場は、前と変わらず…以前にも増して活気のある現場。たくさんの人が鮮やかな黄色いレモンの選別、箱詰め、運送…と忙しく働いている。この時期は生産量が年間で最も多い時期なので、多忙な毎日という。

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作業場に一歩足を踏み入れると、酸味を帯びた甘いレモンの香りがいっぱい。

カルロ氏とは話さなければならぬ事項がいくつかあるものの、この日は同社が企画するレモンツアーに参加することにした。

40年も前のオンボロバスにデンマーク人御一行さまと一緒に行動。

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30分ほどバスを走らせたこの日のレモン農家はラヴェッロの一家。断崖絶壁のレモン畑には、トータル約1000本のレモンの木がある。

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断崖絶壁ゆえ、日当たりは最高によい。年間を通して温暖な気候、海からふきあげる澄み切った空気、強い太陽の日差し。オーガニックを催行するにはうってつけの環境。

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ヴェッスーヴィオの近いこの地、土壌は灰分が多く、ミネラル豊富。そして水はけのよさが質のよいレモンをつくりあげる。自然の力で育つ産物だ。

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もの凄い急斜面を1時間以上もかけて歩き、暑さからもうダメーとダメだしを出したところでタイミングよく休憩タイム。
レモンの絞り水と、レモン三昧のおやつで休憩。

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アマルフィのレモンの特徴は、中の身の部分よりも皮にあるといってもよい。シーズンにもよるのだが、今の時期水分は20%ほどしかなく、他はしっかりした厚みのある皮に覆われている。それが酸っぱいだけでなく、甘みと少しのほろ苦さがある。このまま薄くスライスし、少し塩をかけて美味しいオリーヴオイルをかければそれだけで一皿になるもの。

この地でのレモン栽培は決して楽なものではない。代々受け継がれてきた農家の畑とはいえ、若い世代の農業離れが続いているとのこと。今回訪れた農家のおばあちゃんも、レモン栽培に一番必要なのは、レモンへのパッシオーネ(情熱)だ、と熱く語っていた。

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伝統守るプロセッコのカンティーナ『グレゴレット (Gregoletto)』 :: 2017/04/07(Fri)

先日訪れたプロセッコの生産者、グレゴレット。

1600年から続く家族経営のカンティーナ。グレゴレット家全ての関係者がこのカンティーナを支えている、古くて温かく、そして非常に質のよいワインをつくる。

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訪問時にも顔を出してくださった、90歳のルイジ・グレゴレット氏は、2016年にFIVI (Federazione Italiana Vignaioli indipendenti) の”今年の優秀ブドウ栽培者 (Vignaiolo dell’anno) ”に選ばれた人物でもあり、現役。

生産するワインは、フリッツァンテ、スプマンテ、白、赤、と計14種あるが、この日にはプロセッコと白はマンゾーニ・ビアンコ(Manzoni Bianco)、ヴェルディーノ (Verdino) などを試させてもらう。

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プロセッコの売れ筋である、エクストラ・ドライもよかったが、気に入ったのは、酵母を瓶の中で一緒にしておくスル・リエ(Sur lie)のもの。香りがまろやかで気泡も細かく、柔らかな味わいがある。

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試飲時には、地元のサラミやら奥様が用意してくださったお手製の焼き菓子やらが用意されていて、なんだか楽しい…

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ここら辺の土地は、丘陵地の続く場所。プロセッコの産地として知られるコネリアーノ(Conegliano)、ヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)、ヴィットーリオ・ヴェネト(Vittorio Veneto)を結ぶ三角地帯のほぼ中央にこのカンティーナは位置する。

彼らの畑に連れて行ってもらった。ちょうど若芽が出始めた時期。日当たりよく風通しのよい斜面にブドウの樹が整然と並ぶ。

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となんだか時間の経過を忘れてしまいそうな、穏やかな自然空間だ。

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CANTINE GREGOLETTO
31050 Premaor di Miane (TV) – Italia
Tel.: +39 0438 970463
www.gregoletto.com




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パドヴァ郊外のオーガニックワイン『モンテヴェルサ (MONTEVERSA) 』 :: 2017/03/26(Sun)

パドヴァの南側にあたるエウガーネイ丘陵地帯。ヴェネト州の平野部分の中心にある穏やかな丘陵地帯。

ここで2010年以降、オーガニックのワインを製造するカンティーナがある。少し前に訪れた、小さなワインの展示会で知り合い、一度見においで、と誘われていてようやく実現したこの日。

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同丘陵地帯は、パドヴァーニにとってのちょっとしたお庭的な場所で、車を少し走らせると穏やかな自然をたっぷりと味わえる場所として非常に親しまれている。ワインやオリーヴオイル作りも盛んで、小さな生産者が点在する場所。

私も何度も足を踏み入れている地ではあるが、この日に到着した先は、今までのなかで一番といっていいほど、素敵な場所だった。

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カンティーナは丘陵地のちょうどてっぺんに位置する。360°見渡す限りのパノラマの全てが彼らのぶどう畑。日当たりと風通し抜群のこの環境では、オーガニックワインを作るには最適な場所だ。

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全部で約26ha。整然と、しかもよく手入れされた畑は、彼らのワイン作りに対する愛情が表されているようだ。

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作られるブドウは白はモスカート、シャルドネ、グレーラ、そしてマンゾーニ。赤はメルロー、カベルネ。

全品目4種のワインをつくるが、年によっては、上記の品種の単品種をつくったりすることもある。
ブドウ畑をひと通り見せてもらった後に、デグスタツィーネ。

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モスカート・セッコのものから。微炭酸でとても爽やか。レモンのような爽やかさ、バジリコ、セージなんかのハーブ系の香り。泡が細かくて非常にエレガント。

他は白品種のブレンドとマンゾーニの単一品種。マンゾーニってそれほど味わったことはなかったけれど、なかなかと面白い。すっきりとしたなかにボディを感じ、甘みやうまみも十分。ほのかな後味のアーモンド香。

赤ワインに関しては、なかなかと興味深し。バリックに納められたものは、ブドウの畑ごとに分けられる。バリックも3種。新品のバリック、2から3回の使用済みのもの、そして大型のものをメルローとカベルネとで分けられている。これらを瓶詰めの際にブレンドしているそうだ。

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この日はバリックからそれぞれを試飲させてもらうことで、それぞれの特徴がよー分かる面白い体験。

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それにしても、このカンティーナを守るこのジョヴァンニさん。ものすごい敏感な舌の持ち主。醸造家の方たち皆にあてはまるが、この後にご一緒したお昼の間も、彼のデリケートな味覚に関心するばかり…

パドヴァ郊外のこの地域のワインは、やはり触れる機会が多いのだが、今までなかなかお気に入りに巡りあったことがなかったのだが、ここは個人的にも大好きなワインと環境、そして素敵な人たちに会えた素晴らしい体験だった。

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ブドウの樹の冬支度 :: 2016/12/11(Sun)

今年の夏頃に偶然に訪れた、フリウリのカンティーナ『Venchiarezza (ヴェンキアレッツァ)』。

その時に試飲させていただいたワインの印象と、それを作る若い醸造家、ルカ・カポララーレ (Luca Caporale) 氏の情熱と人柄がとても印象深くて、その後も何度か連絡を交わしていた。

ひょっこりと時間が空いた1日を、久しぶりにカンティーナを訪れることにした。
朝晩が急激に気温の下がるこの季節特有の、辺り一面霧で真っ白な高速道路を飛ばして約180km北上。

目的地は同カンティーナのある、チヴィダーレ・デル・フリウーリ。

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着いた頃はすっきりとした快晴。畑では、冬支度中の作業が進んでいた。

夏の終わりから秋にかけてのヴェンデンミア(ブドウの収穫)を過ぎ、仕込みが済んでカンティーナ内に静けさが戻った頃に行われる作業。

来年の生育に必要な新芽を残すようにしながら、元気に伸びた枝を適度なところで切り落とす。

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余計な栄養を他に分散させることのないようにするための、大切な作業。こうすることで冬の寒さをじっと待ち、春の芽吹きの時期になるまでじっと大地の栄養をゆっくりと吸収させて強い樹にする目的がある。

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こうして四季の気候の変化にナチュラルに従うことが、病気にも負けない強くて健康な樹を作り上げていくことに繋がる。

剪定(ポタトゥーラ)は、経験値がモノを言う、というほどに、左右に大きく伸びた枝をバッサバッサとすごい勢いで次々と切り落としていくのだが、来年伸ばすべき枝を即座に見極め、そして芽を残す。

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こうして年が明け、春の空気を感じてきたな…という時期となると、再度、その年に成長をさせる新芽を整理しながら、枝を樹と垂直に、大地とは平行に張られた針金に沿わせるようにくくりつけていく。

これが、いわゆる”グイヨー方式”。生育の方法は何種類があるが、それは生産者が土地と品種をみて、それに適した方式を採用する。

ちなみにグイヨーのなかでも、枝を一方にだけのばす”シングル方式”と2本の枝を左右対称になるようにのばす”ダブル方式”、さらには、その枝をアーチを模るようにするものもある。

これは、その形から”カップチーノ方式”。司祭のかぶる丸い帽子をイメージさせることから。

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カンティーナは小さな田舎町…なんて言っちゃいけないが、土地に長く根付いたものであり、基本的にはルカ氏が一人で切り盛りしているのだが、忙しい時期などは、近所の農家の人たちが率先的に手伝いにきてくれるのだとか。お互いに手を貸し合い、お互いの持つ機械なども共有しながら運営が行われている。

この日も助っ人・ダヴィデ氏が黙々と作業を続けていた。

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カンティーナの中に入ると、今年のヴェンデンミアのもmのがタンクに眠っている。
今年の赤は特に非常にいいものができるとか。

今の状態のものもタンクから直接飲んでみる。それぞれのブドウの性格が手に取るように解る、貴重な体験。

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ちなみに、ラインナップとしては、
白は ピノー・グリジョ、シャルドネ、トカイ・フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ソーヴィニオン。
赤は レフォスコ、スキオッペッティーノ、カベルネ、メルロー。

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ここに定期的に弟子入りすることを心に決めて、また霧のなかを(おまけに真っ暗)家路に着いた。








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