パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



アクイレイアの古代遺跡 :: 2016/08/13(Sat)

ヴェネトから北部へ、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州に入るすぐ、ウーディネ県のアクレイア(Aquileia)。ここは、ローマ時代の古代都市として、当時の遺跡地域が現在も一部見られ、また聖堂を含め、世界遺産に指定されている。

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紀元前より植民都市として街が形成され、ここを拠点に現在のボローニャやリミニ等、現在の中部イタリアへの街道が建設され、軍事的にも交易的にも重要な都市として発達してきたもの。

当時の都市の遺跡は、街を囲む壁や建物等々、その時代後石材を持ち出されてしまったために現在に残されるものはほぼないのだが、現在の地面よりも低い位置にあったその当時の遺跡が掘り起こされており、その面影を見ることができる。

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当時の建物の様子が見て取れる。床部分はモザイクで装飾され、各部屋は各部屋は意外と小さく分割されているのが解る。壁や、もちろん屋根などは残っていないが、2000年以上も昔の人々がどんな風に生活をしていたのか…この敷地横にあったとされるアレーナ(競技場)跡は緑の草に覆われた広い空間となっているだけなのが、眼を閉じると…想像の域を超えるものだったのだろう。

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発掘はもちろん現在見られるものが全てではない。が、古代ローマ時代最大の都市だったのでは、との推測もされているほどだ。

当時は造幣所もあり、ガラス工芸、ワインの製造なども盛んだったとか。

礼拝堂には、動物や幾何学模様など、色彩も美しい特に精巧なモザイクは、強い信仰心ゆえ、なのだろう。

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その後、時を経て時代はローマ帝国下となると、現在のトルコに向かう街道の出発点となったり現在のクロアチア・イストリアの沿岸都市を結ぶ重要な要所となる。

5世紀にはいると、この地は聖堂を構えていたことから、ゲルマン人の侵入・包囲、さらにはフン族、アッティラの侵入により街が破壊される。それにより、ここからラグーナに散ったことが、ヴェネツィアのオリジナルはこの街から流れてきた、ということが知られている。その際に聖遺物を納めた先が、ヴェネツィアのラグーナにある島、トルチェッロ島だ。

大聖堂はローマ帝国下に建築されたものがオリジナル。その後13世紀までに何度かの再建などを経て現在に残るもの。

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訪れた時間はミサの時間であったため、聖堂内の主要部には立ち入れなかったのだが、入り口付近で見た、床のモザイクの素晴らしさは、鳥肌がたつほど。

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今回は旅の途中の休憩に、夕方遅くに立ち寄ったのみだったのだが1日かけてゆっくりと再訪すべき場所。また来よう。





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フリウリへ1日遠足 :: 2016/06/30(Thu)

少し前からフリウリの美味しいワインを訪ねる旅を計画していた。ようやくそれが実現。車で行くと大した時間もかからないのだが、いくつかめぼしいワインのカンティーナを目的に、知人と朝から出発した。

ウーディネを囲む地域の白ワインをまわるのが今回の旅の趣旨。

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ここら辺は、その昔トカーイ(Tocai)とよばれていた地産ワインが有名。ハンガリーの同名種との競合に、奇しくも負けてしまったという経緯がある。数年前からフリウラーノと変名されてしまったが、地元ではやはり旧名トカーイのほうが馴染みがある。

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他、その名のごとく、少し黄味がかった色が特徴のリボッラ・ジャッラ。深い味わいのしっかりとした白ワイン。有名なものは、もう少しスロヴェニア方面に行く丘陵地帯のものだが、この品種のもつ独特のしっかりとした甘いフルーツのような香りが…

これは土着品種のスキオペッティーノ(Schioppettino)。房が大きくたわわに実るのだそうだ。

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土地ならではの砂利の多い土壌は水はけよく、大昔に川の流れが運んできた栄養分を土壌深くに携えていること、そんなこともあり土地がもともと湿気を含まない健全な風通しのよいことから病気などの影響を受けやすい等々で、健やかなブドウが育つ。

シェルドネやソーヴィニオンなどの、いわゆる一般品種も土壌と気候、そして造り手の手によるものだろう、非常に質の高いものに巡りあうことができて、感激に近いものあり。飲む前に感じる香りと口に含んだ際に口いっぱいに、そして鼻にぬける香りがとってもピュア、個人的にはそんな印象をもつ。

そして、知らなかったのだが、ここら辺は少量ではあるが、とても品質のよいオリーヴオイルも採れるのだとか。

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お天気にも恵まれ、比較的穏やかな平らなブドウ畑をいくつか見せてもらい、中世のお城などにも案内してもらいながら、1日がゆっくりとだが、忙しく(アポがあったので)過ぎていく。

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お昼には、カンティーナで教えてもらった近くのレストランにて。サンダニエーレのお膝元ですので、薄く切ったプロシュットをいただいた。

20ヶ月と36ヶ月の熟成のもの。切りたての美味しさはハムの本場で食べるからこそ。とろけるようなうまさ。

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そして、季節はずれのフリーコ。ここのは玉ねぎなし、ジャガイモとフォルマッジョのみ。なんだかこれは重すぎて…食べきれずにお土産に。

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4姉妹健在! ウーディネ郊外の温かい宿 :: 2014/11/18(Tue)

数か月前に訪れたウーディネ郊外、ファガーニャのアグリトゥーリズモに再び戻ってきた。

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一番の目的は、ここで地元料理を学ぶこと。

このアグリはお母さんとその4姉妹で経営している。一番下の妹が元気な男の子を産んだばかり、にて、今回は3姉妹しか会えずじまいだったが、お父さんとなった飼育係の婿殿も含め、久しぶりの再会に、とっても嬉しい滞在となった。

400年以上にもなる建物を改造したアグリ。宿泊と週末のレストラン経営と、他もろもろの活動で、姉妹それぞれの役割を分担しながら、家族皆でこのアグリを守っている。

料理レッスンでお願いしたメニューには、地元の野菜やここならではのハーブやらフルーツなどをそこここに盛り込んだ内容。

緑のラディツキオを使ったニョッキ、カッターで刻んだラデッキオもソースに使用し、色といい味わいといい、他にはない一皿。見た目はほうれんそうのニョッキ?!と思いきや、口に含んだときの香りが全く別物で格別。上にのせた削った燻製のリコッタがこれまた一風味を足してくれて、まとまった一皿に。

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この豚ヒレ肉料理には、ペラルゴニウムPelargoniumという食用のゼラニウムの葉を使う。庭の野草もふんだんに使用。

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もちろん、フリコFrico。欠かせない地元伝統料理。定番料理とはいえ、正しいフリコとは?という定義もある。

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この日の料理担当は双子の姉妹の一人、マルゲリータ。手際のよい彼女の仕事は観ていて非常に気持ちがよい。

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このアグリ、ガチョウを300羽ほど飼育している。週末のレストランは、これらのローストやらが出されるし、

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この豚さん達は、精肉、サラミ・ハム、そしてこのアグリが生産するペスタットという脂と刻んだ野菜の腸詰に使用される。ちなみに、これはスローフードに指定されている食材だ。

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豚さんは今年の春に子豚の仕入先を変えたら、それはもう肉のよくとれるいい豚さんに成長してくれるそうで、嬉しそうにそんな話をしてくれた。

他にはロバ(食用/ペット)、ヤギ(ペット)、ベトナム豚(ペット)など。

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敷地内には、リンゴ、サクランボ、プルーンなどの果物の木、野菜類、ハーブ類などが育てられている。

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↑これは、北イタリアの冬野菜。カルド。ちょうどこの日は茎を黒いナイロンで覆い、軟白させる作業中だった。

これらは彼女たちの手によっえて、ジャムやら惣菜などに形を変え、販売もされている。
朝食には、そのジャムを使ったヨーグルトなど。身体の芯から元気になりそう。

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いろいろと今後のプラン案などのアイデアももらい、充実の滞在。

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周辺のこだわり生産者さん達も健在なり。

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また近いうちに戻りたいな~、と思わせる場所のひとつ。




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フリウリ料理レッスン :: 2014/06/10(Tue)

リクエストしたレッスン内容は“コテコテ”のフリウリ料理。

素朴でシンプルな内容と素材オンパレードの郷土料理をアグリの料理担当である女性シェフ、マルゲリータに教えを受ける。

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まずは、フリーコ。詳しくは⇒こちら

そして、自然のエルバ(野草)をたっぷり混ぜ込んだフリッタータ。

使ったのは、メリッサ(レモンバーム)、バジリコ、フィノキエット、ローズマリーノ、エルバ・チポリーナ、そしてシレーナ(シラタマソウ)。地元ではスクロピットと呼ばれるものだ。

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すべてを合わせて刻んで、卵に混ぜ込んで両面を焼き上げる。

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プリモ・ピアットには、地元のパスタ、キアルソンスcjarsons。いわゆるラビオリなのだが、中の詰め物が甘いものが入る。
これも各家庭にオリジナルなリチェッタがあるそうなのだが、彼女のリチェッタによると、茹でたジャガイモ、にタマネギ、干ブドウ、シナモン、そしてミントと砂糖が入る。

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半月状に成型し、茹でてバターで絡めて仕上がりに燻製リコッタを散らしていただく。器にしているのは、ジャガイモの入っていない、フリーコ。

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そして、オルゾ(大麦)とファジョーリと野菜たっぷりのズッパ。こういうの、だ~い好き。

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自家製の太いサラミをしっかり炒めたたっぷりのタマネギとアチェトでの軽い煮込み。
これは完全に冬場の料理で、冬らしいしっかりとした仕上がりなのはもちろんだが、冬季のまだ生っぽくて柔らかくジューシー、ムッチムチな状態のサラミがこの料理に向く。

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ドルチェはこの旅で何度も目にした、グバーナgubana。

発酵させた生地に干ブドウやクルミ、松の実、アーモンドなどをたっぷりと合わせたものを巻き込んで焼く。非常にリッチにて、食後よりも朝食にちょうどよい感じ。

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いくつか味見をしたけれど、これはマルゲリータの自然酵母でつくったこのグバーナが最高に美味しかった。

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ラッテリア・ディ・ファガーニャ Latteria di Faganga :: 2014/06/09(Mon)

ファガーニャという地でつくられるフォルマッジョ。ラッテリアと通称されるもので、今回訪れた先のチーズ製造所は1923年創業にて、当時からの伝統製法を守り続けている。

このフォルマッジョの一番の特徴は、生乳から直接製造に入る工程だ。

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生産過程には最初の高温殺菌の工程をせずに、そのままフォルマッジョ作りに入る。大きな銅鍋でゆっくりと加熱。凝固材を加えてしばらく置き、塊ができ始めたら均一に切る。

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さらに熱を加えて温め、時間と温度と状態を目と手の触感にて型づめ。

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大きなカゴにできたてホヤホヤを詰めておおまかな成型と、水抜き。

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時間を見計らい、布に包んで、今度は縁のみの型にはめてさらに水抜き。何度か上と下をひっくり返す。

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その後、内側にFagangaの文字とマークのついた型に入れて、フォルマッジョの縁に文字を入れる。もちろんここには日付も入っている。

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ここで最後の形づくりとして端をナイフで切り落としながら大きさを同一にするために出てきた端切れは、土地の料理、フリーコに使われるもの。

翌日にはこれが塩水のプールにてしばらく置かれ、そして熟成。

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食べ時は30日以降。熟成度により、60日、90日…とそれぞれの旨さの価値がある。

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次々と訪れる地元の人たちの客足も絶えることなく、地元に超密着したカゼイフィーチョだった。

私も自宅用に、と数種買い求めたが、パドヴァに戻ってから訪れたフリウラーノの知人にお土産にしたら、大感激のうちに喜ばれた。やはり、土地のものを食べて故郷を強く感じるのは、皆一緒。




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