パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



バッサーノの地元種ブロッコリー Broccolo di Bassano :: 2018/02/09(Fri)

バッサーノ・デル・グラッパは白アスパラガスが有名な産地ではあるが、この冬の寒い時期のここの土地ならではの産物がある。それが、バッサーノ産ブロッコリー。

バッサーノの半径5km圏内のみで栽培されるもので、見た目はカリフラワーのようだが、色は少し黄色味がかっていて、小さく、非常に身が密で味が濃い。畑では、大きな葉にその姿を隠すように生育していくが、この葉の部分も捨てずに食べる部分だ。

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収穫時期は11月の中旬から4月ごろまで。背後にはドロミーテの山麓を控える地域だが、その山麓からふく冷たい風により、気温の低い場所であるが、このブロッコリーの特徴としては、マイナス8℃までの低温にも耐えるという土地ならではの野菜だ。

寒い冬の日に畑に収穫に出かける。専用の鎌を手にし、一株一株の成長の様子を確認しながら茎の根元部分から採る。

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大きめのものも小さめのものもあるが、それぞれに好みで美味しい。

この日に私が訪れていた農家は、この地でオーガニックの野菜をつくっている農家。対面販売とオーガニック野菜の共同購入団体、地元のレストランとに直接販売しているため、消費者との距離が近いこともあり、常にお客さんの顔を思い浮かべながらの収穫なのだそうだ。

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ここの農家では、四季折々の野菜を多品目栽培をしているので、各季節の地元野菜がいろいろと見れて楽しい場所。

畑では、もうそろそろ名産のアスパラの畑作りの準備もそろそろ…というところだ。

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ブロッコロ・フィオラーロ (Broccolo Fiolaro di Creazzo) :: 2017/12/01(Fri)

ヴェネト州ヴィツェンツァ県クレアッツォという丘陵地帯のみにて、非常に限定された地域で生産されてる非常に希少価値のある野菜。正式名称は、「ブロッコロ・フィオラーロ・ディ・クレアッツォ (Broccolo Fiolaro di Creazzo)」。

「フィオラーロ」という名は、この野菜の根元の部分から細く数多く伸びる茎(子株)のことを指している。「子供」というイタリア語「フィーリ (Figli)」がヴェネト訛りとなり「フィオーイ (Fioi)」と呼ばれたことに由来する。

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生産時期は冬。収穫は、畑に霜が一度降りてから、とされており、寒さが増せば増すほど甘みが強くなる。

産地であるクレアッツォは、平地よりも少し小高い地形のいわゆる丘陵地帯。寒暖の差が激しく、それが野菜の旨味を増すための要素となる。そして、その土地の土壌。灰分の多い砂地は、水を含むことによりしっかとした土となり、ブロッコリの根をしっかりと支える。ミネラル分豊富な土の栄養をしっかりと吸収し、特殊ともいえる個性のある味となる。

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畑のある場所は平地から少し上がり、なんとも静かな穏やかな場所。ゆるやかに広がる起伏のなかに続く畑は不思議な光景に思える。

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この時期はようやく旬を迎えた時期。収穫・出荷も忙しい時期に入った。大きなトラックに収穫した株が山積みされて作業場へと…一日に何度も往復する。

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株は水のなかできれいに洗浄されながら、一株一株が人の手により箱詰め作業がされる。

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株ごと出荷される場合には、形を揃えて。

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また、完全なか可食部のみの場合には、細い茎を揃えて束にして箱詰めへ。

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この子株からのびてきた葉の部分がとくに香りよく、野菜の一番美味しい部分として使われる。

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寒い時期の野菜ならではの緑の濃い、ゴワゴワした、質感のある野菜だ。

使い方としては茹でてからしっかりと炒め煮にしてコントルノ(付け合わせ)とするのが最も一般的で他、スープや、パスタ、リゾット、ピッツァのトッピングに…等、様々に使用可能。






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ゴリツィアのラディッキオ Rosa di Gorizia(ローザ・ディ・ゴリツィア) :: 2017/11/25(Sat)

自分の住むヴェネトの冬といったら、ラディッキオに尽きる。何種もあるラディッキオのなかで特に個性的であり、特別感のあるトレヴィーゾ産のラディッキオをおいかけて何年にもなるが、ここ数年気にかかっていたフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のゴリツィア産のラディッキオをようやく訪れることができた。

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それは、ローザ・ディ・ゴリツィアと呼ばれるもので、その名のごとく「ローザ(薔薇)」のような形状が特徴。色は本物の薔薇のように深い真紅、そしてその形も薔薇の蕾から花のような形状をしている。

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生産者もごく限られた農家のみがこの生産物を生産しており、その規模も非常に小さい。地元の人に聞いても、その存在自体はもちろん知ってはいるが、生産者を知る人は結構少ない。

それもそのはず、生産量が非常に少なく、そして野菜としては、野菜と思えないくらい高価な代物のため、なかなか地元の市場にさえ出回ることがない。生産者もそれをよく知っているからこそ、アルタ・クチーナを目指し、ターゲットもかなり絞り込んでいることにもある。

11月の中旬、冬野菜であるこのラディッキオはまだ出荷ができない状態。霜がしっかり降りるくらいの気温がぐっと下がらないと熟してこないから。

とはいえ、私の一番の興味の先でもある、畑に連れて行ってもらった。普段みているトレヴィーゾの農家とは違い、格段に畑が小さい。そして、土は石ころだらけ。鉄分が多いこの土地ならではで、硬い土壌だ。

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この土壌だからこそ、根がたくましく土中にしっかりと、太く伸びていく。

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夏前に種まきをし、畑は雑草が生えてもそのまま、そして夏の終わりごろにその雑草を刈り取り、その時期から太陽の光を浴びさせて成長を促す。

冬の訪れを感じ始め、気温が下がり始めると、この野菜の特徴である、葉がしっかりと巻き込んできて色がより深く鮮やかに変化してくる。

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畑から収穫後は、しばらく冷暗所に置かれてから出荷となるのだが、その作業は前述の通り、畑での完熟がまだ先のため、この時期にはまだ準備ができていない。

畑から掘り起こしてもらった、ローザ・ディ・ゴリツィア。小さな花のような葉の下に、たくましく伸びた茎が非常に印象的。

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この野菜自体、とても小さくできあがるもので、ひとつが30から50グラムくらいのものも出荷されるのだとか。そうなると、皿の上にそのもの丸ごとをデコレーションするように使うことになり、それらは星つきの有名レストランの有名シェフなどからも引き合いのあるほどの希少価値なものらしい。

この希少生産物はオイル漬けなどの商品にもなっている。もちろん、これらも結構な値段がつく。
しばらくしたら最終の生産工程を見に訪れる予定。

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希少価値な生産物を作る生産者はやっぱりもの凄い情熱家で、朝早く会ってお昼すぎに別れるまで、お互いに喋りっぱなしだった…




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ラディッキオの季節到来 :: 2017/11/02(Thu)

またやってきた。寒い冬は好きでないけれど、寒い冬ならではの食材がヴェネトにはある。数年前から関わっているラディッキオ。今年もようやく本格始動。

ラディッキオは、チコリの仲間でその色と形が非常に特徴的。正式には、ラディッキオ・ディ・ロッソ・ディ・トレヴィーゾ(Radicchio Rosso di Treviso)といい、いわゆる、トレヴィーゾ産赤ラディッキオ。これは原産地呼称であるI.G.P. が冠される。この地区内でもこの生産物のなかで数種類のバリエーションがあり、まず9月中旬以降より I.G.P. がつくのは、早生種のプレコーチェ種、11月中旬以降より出荷される晩生種のタルディーヴォ種、そして変形種のヴァリエガート種というのが出回る。

今の時期に出荷が盛んになるのが、プレコーチェ種。

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私の通う生産者は、ヴェネツィア県下にあるベッリア家という農家。
数年前に知り合い、今は日本にも出荷をしているのだが、知り合った頃よりもいつもいつも進化を続ける前進的な農家だ。

畑には出荷待ちの野菜たちが収穫を待っているところ。

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作業場では、朝早くから忙しく出荷作業が続く。誰もが手を止めることもなく、次々と箱詰めまでの作業をこなす。

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ほろ苦い野菜、としてよく言われるのだが、そんなことはなく、適切な土、水、気候でつくられたものは、苦味が表面に感じることなど決してない。野菜の甘みの後ろにあるほんのりと感じる苦味のようなものがほどよく、他には決してない野菜なのだ。

個人的にはもう少し後に出てくるタルディーヴォ種が、自分にとっても特別なものとして、また、もちろん私だけではなくて、土地の人たちにとってもいろいろな意味で大切なものとして育まれている。
現在はまだ出荷できるまでには時期尚早。。。

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94歳で現役であるベッリア家のおじいちゃん、エッリア氏が庭先でハシリのタルディーヴォ種の仕事をしていた。

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タルディーヴォ種に関しては、収穫から出荷までが非常に特殊な手順を踏む。これはまた季節がきた時にでも…




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ピエモンテのヘーゼツナッツ《ノッチョーラ・トンダ・ジェンティーレI.G.P.》 :: 2017/10/26(Thu)

ノッチョーラ(ヘーゼツナッツ)の産地を訪問する機会に恵まれた。行った先は、産地呼称I.G.P.が冠されるピエモンテのランゲ地方、クーネオ県の近辺だ。

この地域で生産されるヘーゼツナッツは、トンダ・ジェンティーレ (Tonda Gentile) という品種で、I.G.P.に指定される品種もこの一種のみ、とされている。

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同種の特徴は、非常に硬い殻に覆われた身はぎっしりと密。全体の40-50%が身の重量とされている。

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この地でヘーゼルナッツの使用用途とすると、多く使われるのは、お菓子であるが、この地域の質の良さは世界一ともされ、その希少価値は誰もが認めるところだ。

この地でヘーゼツナッツの生産が盛んになったのは、19世紀に入ってからのこと。この植物とこの地域の気候との相性がよく、質のよいものが栽培されることなったのと、お菓子製造がこの時期に大きく発展・進展したこととが重なる。

ピエモンテの有名お菓子(チョコレート)メーカーなどの考案したヘーゼルナッツのクリームの入ったチョコレート《ジャンドゥイイオット》などの功績もかなりあるのだろう。

この生産地区に入ると、見渡す限りにヘーゼツナッツの木々。整然と並んだそれらの合間には、まだ植樹したばかりの若いものも多く見かけられる。

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WIFIも繋がらないような山々を登ったり下ったりしていくつの農家を回って、いろいろな話を伺う。土について、肥料について、剪定について、品種について…

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ちょうど収穫の終了したばかりの時期で、どこの農家の庭先にも、山に積まれたヘーゼルナッツが。

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作業場では、焙煎や殻剥き、選別、袋詰め…と黙々と作業が続いてもいる。今年は夏に雨が異常に少なかったことから、例年にないほど身が乾燥しているのだとか。殻をむいても剥ききれずに薄皮が残ってしまうのは、珍しい現象だともいう。

作業場内は、香ばしい香りでいっぱい。こんなにモリモリヘーゼツナッツを食べたことはない!というくらいの量を…まるで柿の種を食べるかのように…食べさせてもらい、何箇所かで食べているうちにやはりそれらにも質の違いなどが分かるように(なった気がする)。

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普段とはちょっと違う風景と、生産物をみて、なんだかまた興奮ぎみにヴェネトへ戻る。




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