パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



お米の収穫祭@イーゾラ・デッラ・スカーラ :: 2017/10/23(Mon)

ヴェネト州を代表するコメどころ、そこがヴェローナ県下のイーゾラ・デッラ・スカーラ (Isola della Scala) 。

私の住むパドヴァ以北では、あまり馴染みのない、広大な農地の広がる場所。ヴェネト州のなかでも南側に位置し、イタリア一の大平原であるパダーナ平原の中心部にあたる部分であるだけに、ひとつの農地が大きい。
ここは、米の産地であり、ロンバルディア州とエミリア・ロマーニャ州と州境に位置するところで、これまた独特の食文化を持つ地域だ。

この地で収穫される米は、ヴィアノーネ・ナーノという品種。ナーノ(小さい)という言葉の意味からも想像される通り、米粒の非常に小さい品種で、どちらかというと日本の米に形が近いような気がする。

この地が稲作が適しているのは、広大な平野とここで湧き出る清澄な水が豊富なこと。同品種の米は、原産地呼称であるI.G.P.が冠されるのだが、その呼称をつけるにあたり、水田に鯉などの淡水魚を放つことも記載されている。淡水魚は他に、淡水のサメ、ウナギなども含まれている。

これらが根や茎につく害虫駆除に一役買うのだ。農薬などの化学的物質に頼らない自然農法のひとつ。

この米の特徴は、アミド含有量が高いため、粘りのない仕上がりのリゾットができあがること。この町のリゾットは、イゾーラ風リゾット (Risotto alla Isolana)といわれ、非常に独特の調理法をとる。

それは、鍋にあらかじめ温めておいたブロードを用意し、そこに決めた量の米を一気に投入する方法。通常のリゾットの作り方だと、米を先に炒めた鍋にブロードを少しずつ足していくのだが、ここではそれが逆となる。この方法をピロータ風といい、ピロータ(米の脱穀をする人)がこうしていたことから。つまりは、米の脱穀作業中に作業しながらお昼を用意する際に、作業時の忙しいなかに鍋の側でいちいち米をかき混ぜたりすることができなかったことから。だから、このリゾットは蓋をして、炊き上がりまでそのまま放っておく。ピラフを作るような調理法をとるのだ。

そして、お決まりの具材はタスタサル(Tastasal)。生サルシッチャ(生ソーセージ)の中身が具材となる。ここに、ローズマリーとシナモン、そしてこの土地の産物である、グラーナ・パダーナをたっぷりと加える。

今年も9月には、この土地の毎年の恒例である大きな米の収穫祭が開かれた。

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このリゾットを食べるために、数年前から付き合いのある、お米の生産者のブースへ。

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名物のこのリゾットを美味しくいただいてきた。

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お祭りということもあり、彼らの仲間の他のブースを訪ねたりもして…最後は名物タスタサルを購入して家路につく。

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この地域では、お肉屋さんに行くと普通にみかけるこの代物、パドヴァではほぼ見かけることはない。これもまた、地域性のよく出る食材のひとつでもある。




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チーズの祭典「フォルマッジョ・イン・ヴィッラ(Formaggio in Villa)」 :: 2017/04/28(Fri)

毎年この時期に開催される、ヴェネトのチーズほか、イタリア各地のチーズを主役としたイベントが開かれる。今年は7回目。毎年会場を点々としている感あり、今年はヴェネツィア県のサンタ・マリア・ディ・サーラ(Santa Maria di Sala)の、17世紀のヴェネツィア貴族の建物。ヴィッラ・ファルセッティ(Villa Farsetti)を会場とした。

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会期は4月22日から25日までの4日間。イタリア各地のチーズの生産者たちがずらりと並ぶ。端から味見なんてしていると、もうお腹がいっぱいになってしまうので、気をつけながらじっくりと観察。ピン、ときたものは即試食し、気に入ったら即購入。単純にとっても楽しい。

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なかで、チーズのラボラトーリオ。アジアーゴとグラーナ・パダーナに関しての講習会も。

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カステルマーニョ。

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カプラ(ヤギ)のチーズの3年熟成もの。これは非常に特殊。トリュフのようにしてパスタの上に削って使ったりもする。

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ワインの試飲、サラミの試飲、そして最近超流行りのクラフトビールの出展多数。

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楽しいんだけど…ほぼここ数年、このイベントに参加しているが、今年はちょっとイマイチだったかなー。
理由は、入場料無料はいいのだが、内部の試食…いや、試飲がほぼ全て有料。人の流れを考えていない構造に非常に歩きずらい…

いや、ただ単に、もっといろいろ試して飲みたかったのに、それができなかっただけで、少し欲求不満…なだけなわけじゃない。

いやいや、これだけのフォルマッジョを一同に味わえる、なかなか面白い企画。チーズの会仲間たちと散策する充実の休日だった。




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SIGEP2017 ジェラート・菓子・パン製造業展示会 :: 2017/01/30(Mon)

ここ数年ほど恒例の仕事となっている、毎年1月中旬にリミニにて開催されるジェラート・菓子・パン・コーヒー業界の展示会であるSIGEP(シジェップ)を今年も訪れた。

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今年38回目を数える同展示会は、一層の規模を拡大し、今年の出店者数1250社、来場者数は約208,472人。国外からの来場者は170カ国から41,827人とされ、昨年比+29%なのだそうだ。

この展示会をみると、特にジェラート業界に関わるブースが大半を占め、イタリアという国のジェラートに対する執着みたいなのがよく見て取れる。ジェラート王国とはいうものの、よくもジェラートだけでこれだけのビジネスが成り立っているのか、という感じ。

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ジェラートのフレーバーの材料から、機械、店舗設計、ショーウインドウ及びその周辺機材、パッケージや小物、コーンなどの副素材…に至るまで、実に様々な観点からのジェラートビジネスが成立している。

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ジェラート全体も非常に多様化してきてはいるが、全体的に感じるのは、ナチュラル志向。ブースの造りやジェラート自体のフレーバーの新商品なども、自然の味を意識したものが非常に多い。イタリアではもはやかなり浸透しているヴィーガンを謳うものも数多く出展。

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私は、常にジェラート及び菓子関連の機械に携わることが多く、この展示会でもほぼメインの訪問先は機械製造メーカーだ。

各メーカーとも、この展示会に合わせた新商品発表をすることも多く、馴染みのメーカーを訪ねては、今年の新機能の説明を受けつつ、従来の問題の解決に…とザワザワとした展示会会場ではある程度の制限はあるものの、宿題を少しずつ片ける。

そして、ここ近年、料理業界、菓子業界とも、料理人のテレビ出演等にて、有名スターシェフが続々と台頭。この展示会でも多くの料理人があちこちでデモンストレーションなどを行って、有名人ともなると、ものすごい人だかり。

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とにかく、会場内の熱気がすごくて、ブース間の移動だけで相当疲れる。
とはいえ、人の多さに圧倒されながらも、今年も年初めの大展示会が無事終了。




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豆の展覧会 『レグーミ, ケ・パッシオーネ! (Legumi, che passione!)』 :: 2016/11/29(Tue)

豆…インゲン豆というだけで、世界にどのくらいの種類があるのだろう。なんでも、25年間その土地で育ったものには、その土地の名(もしくは好みの名)を自由につけ、いわゆる一品種となり得るとかいうことで、その種類はもはや数えきれなくなっているのだとか。

そんな豆のミニ展覧会が開かれたのは、ストラ (Strà) という、ヴェネツィア県にある町。

スローフード協会との連携により、約190種に及ぶインゲン豆の展示とその解説がされている。想像よりも、非常に素朴な展示会で、広場の中心に置かれた長テーブルにテーブルクロス、そこに展示される豆類は、ジャムの瓶などを利用して…と、なんだか文化祭っぽいノリ(笑)。

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そして、ヴェネト州を中心とした、伝統的土地の品種を守り続けているインゲン豆の種の紹介と販売などのテントなど。

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そのなかでも個人的に購入もしてみた豆数種。

ファジョーロ・ジャレット (Fagiolo gialèt)。
ヴァル・ベッルーナ (Val Belluna) という、ヴェネト州の北部にてつくられる豆。15世紀ごろよりこの辺りで栽培されていたものらしい。

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小さくて黄色いのが特徴で、皮が非常に薄いので、非常にデリケートな味わい。乾燥豆は、戻すのに最低12時間、火を通すのに最低40分というので、大きさの割には調理に時間がかかるようだ。だけど、そのデリケートな味わいは、なんでも、これをピュレのようにして、その上にさっと火を通したエビなどを載せると、とっても良いのだとか…やってみよう。

そして、こちらはヴェネトを代表するD.O.P.のの産地呼称認定を受けているファジョーリ・ディ・ラモン (Fagioli di Lamon)。つまり、ラモン産インゲン豆。

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ヴェネト州とフリウリ州の境目くらいの54㎢くらいが原産地といわれている。戦後はこの地域の」一大産物として、700軒もの農家がいたとも。地域を支えてきた重要な産物でもある。

この土地の高低差の大きい昼夜の温度差が良質な豆を作る。5月3日のサンタ・クローチェの日が種植えの日、と規定されているのも、土地ならではの伝統を感じるもの。ラモン産のインゲン豆として認められているものには、スパニョレト (Spagnolet)、スパニョール (spagnol)、カローネガ (Calonega)、カナリーノ (Canalino)という4つの品種がある。

もうひとつは、ファジョーロ・ヴェルドン (fagiolo Vredòn)。産地はトレヴィーゾ県の中心から少し北側の地域。薄い緑色をした、なんだか大豆みたいな豆。デリケートな風味とのことにて、茹でてサラダに、ミネストラに…など。

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豆好きな私としては、いろいろと試してみたく、ちょうどミネストラの美味しい季節にもなってきたこともあり、楽しみだ。

…と、屋台をささーっと見ながら歩いていたら、なんだか見覚えのある店構え。パドヴァの広場にいつも出ている顔なじみの乾物屋台だった。

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日曜日までお疲れ様です。Buon lavoro!!!




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製糖工場の町の甘いお祭り『フェスタ・デッラ・ドルチェッツァ』 :: 2016/11/28(Mon)

パドヴァ南側の郊外に、ポンテロンゴという町があり、ここは、イタリア最大規模の砂糖の工場がある。イタリアでは誰もにおなじみのパッケージの砂糖を生産している工場だ。

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ここで町の守護聖人のお祭りにひっかけて、数年前から、この一大生産物も巻き込んだフェスタが開催されるようになった。

田舎町のお祭りだから、もう町中あげての…と言わんばかりに、町の中心地から続く川沿いを、屋台がずらり〜と並んで、町中の人たちは間違いなくこの期間中はここら辺に集結しているのでは?的な感じのする、町の恒例一大行事。

ポンテロンゴという町の名は、ポンテ=橋、ロンゴ(ルンゴ)=長い、という意味があり、この町の真ん中を流れる、バッキリオーネという大きな川にかかる長い橋がこの町の目印だったことから、と言われている。この周辺は川の流れがあちこちに見られる場所で、ヴェネツィア共和国の時代から、川の流れに沿うようにあちこちに様々な産業が栄え、そして川を利用してヴェネツィアへ運んでいた、という歴史がある。

お祭りはいろいろなプログラムがあるのだが…
お祭りテントの中に入ると、着色された砂糖を使った大きなデザインを製作中。

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砂糖の直売所では、いくつかのカゴ詰めされた各種砂糖詰め合わせの販売やら、その横では、綿あめをつくってくれるおばさん。

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子供向けのプログラムには、ピッコリ・パスティチェリ(小さなお菓子屋さん)と題して、ビスコッティの生地をのばして型抜きをさせてくれる。

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甘いお菓子にちなんだ、町のお祭り。素朴な空気の流れる手作り感いっぱいの町のお祭り。
ちょっと遅く出向いてしまって、製糖工場見学など、興味ふかい企画を逃してしまったので、また次の機会に。

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