パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



SIGEP2017 ジェラート・菓子・パン製造業展示会 :: 2017/01/30(Mon)

ここ数年ほど恒例の仕事となっている、毎年1月中旬にリミニにて開催されるジェラート・菓子・パン・コーヒー業界の展示会であるSIGEP(シジェップ)を今年も訪れた。

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今年38回目を数える同展示会は、一層の規模を拡大し、今年の出店者数1250社、来場者数は約208,472人。国外からの来場者は170カ国から41,827人とされ、昨年比+29%なのだそうだ。

この展示会をみると、特にジェラート業界に関わるブースが大半を占め、イタリアという国のジェラートに対する執着みたいなのがよく見て取れる。ジェラート王国とはいうものの、よくもジェラートだけでこれだけのビジネスが成り立っているのか、という感じ。

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ジェラートのフレーバーの材料から、機械、店舗設計、ショーウインドウ及びその周辺機材、パッケージや小物、コーンなどの副素材…に至るまで、実に様々な観点からのジェラートビジネスが成立している。

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ジェラート全体も非常に多様化してきてはいるが、全体的に感じるのは、ナチュラル志向。ブースの造りやジェラート自体のフレーバーの新商品なども、自然の味を意識したものが非常に多い。イタリアではもはやかなり浸透しているヴィーガンを謳うものも数多く出展。

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私は、常にジェラート及び菓子関連の機械に携わることが多く、この展示会でもほぼメインの訪問先は機械製造メーカーだ。

各メーカーとも、この展示会に合わせた新商品発表をすることも多く、馴染みのメーカーを訪ねては、今年の新機能の説明を受けつつ、従来の問題の解決に…とザワザワとした展示会会場ではある程度の制限はあるものの、宿題を少しずつ片ける。

そして、ここ近年、料理業界、菓子業界とも、料理人のテレビ出演等にて、有名スターシェフが続々と台頭。この展示会でも多くの料理人があちこちでデモンストレーションなどを行って、有名人ともなると、ものすごい人だかり。

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とにかく、会場内の熱気がすごくて、ブース間の移動だけで相当疲れる。
とはいえ、人の多さに圧倒されながらも、今年も年初めの大展示会が無事終了。




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豆の展覧会 『レグーミ, ケ・パッシオーネ! (Legumi, che passione!)』 :: 2016/11/29(Tue)

豆…インゲン豆というだけで、世界にどのくらいの種類があるのだろう。なんでも、25年間その土地で育ったものには、その土地の名(もしくは好みの名)を自由につけ、いわゆる一品種となり得るとかいうことで、その種類はもはや数えきれなくなっているのだとか。

そんな豆のミニ展覧会が開かれたのは、ストラ (Strà) という、ヴェネツィア県にある町。

スローフード協会との連携により、約190種に及ぶインゲン豆の展示とその解説がされている。想像よりも、非常に素朴な展示会で、広場の中心に置かれた長テーブルにテーブルクロス、そこに展示される豆類は、ジャムの瓶などを利用して…と、なんだか文化祭っぽいノリ(笑)。

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そして、ヴェネト州を中心とした、伝統的土地の品種を守り続けているインゲン豆の種の紹介と販売などのテントなど。

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そのなかでも個人的に購入もしてみた豆数種。

ファジョーロ・ジャレット (Fagiolo gialèt)。
ヴァル・ベッルーナ (Val Belluna) という、ヴェネト州の北部にてつくられる豆。15世紀ごろよりこの辺りで栽培されていたものらしい。

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小さくて黄色いのが特徴で、皮が非常に薄いので、非常にデリケートな味わい。乾燥豆は、戻すのに最低12時間、火を通すのに最低40分というので、大きさの割には調理に時間がかかるようだ。だけど、そのデリケートな味わいは、なんでも、これをピュレのようにして、その上にさっと火を通したエビなどを載せると、とっても良いのだとか…やってみよう。

そして、こちらはヴェネトを代表するD.O.P.のの産地呼称認定を受けているファジョーリ・ディ・ラモン (Fagioli di Lamon)。つまり、ラモン産インゲン豆。

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ヴェネト州とフリウリ州の境目くらいの54㎢くらいが原産地といわれている。戦後はこの地域の」一大産物として、700軒もの農家がいたとも。地域を支えてきた重要な産物でもある。

この土地の高低差の大きい昼夜の温度差が良質な豆を作る。5月3日のサンタ・クローチェの日が種植えの日、と規定されているのも、土地ならではの伝統を感じるもの。ラモン産のインゲン豆として認められているものには、スパニョレト (Spagnolet)、スパニョール (spagnol)、カローネガ (Calonega)、カナリーノ (Canalino)という4つの品種がある。

もうひとつは、ファジョーロ・ヴェルドン (fagiolo Vredòn)。産地はトレヴィーゾ県の中心から少し北側の地域。薄い緑色をした、なんだか大豆みたいな豆。デリケートな風味とのことにて、茹でてサラダに、ミネストラに…など。

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豆好きな私としては、いろいろと試してみたく、ちょうどミネストラの美味しい季節にもなってきたこともあり、楽しみだ。

…と、屋台をささーっと見ながら歩いていたら、なんだか見覚えのある店構え。パドヴァの広場にいつも出ている顔なじみの乾物屋台だった。

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日曜日までお疲れ様です。Buon lavoro!!!




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製糖工場の町の甘いお祭り『フェスタ・デッラ・ドルチェッツァ』 :: 2016/11/28(Mon)

パドヴァ南側の郊外に、ポンテロンゴという町があり、ここは、イタリア最大規模の砂糖の工場がある。イタリアでは誰もにおなじみのパッケージの砂糖を生産している工場だ。

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ここで町の守護聖人のお祭りにひっかけて、数年前から、この一大生産物も巻き込んだフェスタが開催されるようになった。

田舎町のお祭りだから、もう町中あげての…と言わんばかりに、町の中心地から続く川沿いを、屋台がずらり〜と並んで、町中の人たちは間違いなくこの期間中はここら辺に集結しているのでは?的な感じのする、町の恒例一大行事。

ポンテロンゴという町の名は、ポンテ=橋、ロンゴ(ルンゴ)=長い、という意味があり、この町の真ん中を流れる、バッキリオーネという大きな川にかかる長い橋がこの町の目印だったことから、と言われている。この周辺は川の流れがあちこちに見られる場所で、ヴェネツィア共和国の時代から、川の流れに沿うようにあちこちに様々な産業が栄え、そして川を利用してヴェネツィアへ運んでいた、という歴史がある。

お祭りはいろいろなプログラムがあるのだが…
お祭りテントの中に入ると、着色された砂糖を使った大きなデザインを製作中。

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砂糖の直売所では、いくつかのカゴ詰めされた各種砂糖詰め合わせの販売やら、その横では、綿あめをつくってくれるおばさん。

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子供向けのプログラムには、ピッコリ・パスティチェリ(小さなお菓子屋さん)と題して、ビスコッティの生地をのばして型抜きをさせてくれる。

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甘いお菓子にちなんだ、町のお祭り。素朴な空気の流れる手作り感いっぱいの町のお祭り。
ちょっと遅く出向いてしまって、製糖工場見学など、興味ふかい企画を逃してしまったので、また次の機会に。

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サラミの品評会とTECNO&FOOD PADOVA :: 2016/11/24(Thu)

パドヴァ・フィエラ(パドヴァ展示会)にて2年に一度開催される食のスペシャリスト向けの展示会が開催された。その名も TECNO&FOOD。
15回めの開催となる今年の見どころは、今年で5回めとなる、フィンガー・フードの大会。そして、最近のイタリアの展示会の一種の流行りでもある各種”SHOW-KOOKING”。

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…とはいえ、かろうじて小さなイベントは見たものの、これら大半の見どころの開催日は行くことができずに、ほぼ、目玉イベントを見逃し、最終日にようやく足を運ぶ。

この日の目的は、イタリア産サラミの品評会。

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Accademia delle 5Tなる団体の主催による、北イタリアを中心とし、すでにいくつかに絞られた各地のサラミの生産者による、サラミの紹介とその品評会だ。

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チーズやワインなど、イタリアならではの食や食べ物に関して、それぞれにその品定めをする法があり、その基準や表現方法など、ある種の一定の基準の評価方法はいろいろな機会で触れてきた(現在進行中でもある)。
が、サラミに関してもそんな基準があることを知ったのは、今回の目から鱗。

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サラミの原料ともなる豚の飼育から始まり、なぜその土地でこの仕立てとなるのか、サラミの太さや紐の縛り方にまで、今さらながらなるほど〜と思わせることがたくさんあることを発見。

冷蔵庫のない時代に、肉の保存を目的としていた腸詰めだからこそ、の考え方が基本。翌年の屠殺の時期まで大切な賜物である食物を、無駄なく食するために、人間の手でできる方策を考えたことから、生まれるべくしてできあがった産物だ、ということも。

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例えば、同じ生産者でも太いサラミと細いサラミとを作り分ける。
肉をミンチにして、塩や香辛料、ワインなどを混ぜて腸詰めにする。細いものは1ヶ月足らず、太いものは9-10ヶ月にも及ぶ食べ頃の差が生じる。こうして食べ頃の時期をずらすことで、約1年間、一頭分の豚肉を大切に食べる、ということだ。そのために、混ぜる香辛料の内容や量、紐の結び方、そしてもちろん大きさなどを調整していく。

単純なことかもしれない。が、自然の流れに沿うように、畜肉を無駄にすることなく人間の食料として大切にしてきた歴史を感じとることのできる要素でもある。大げさかもしれないけれど。

そして、それを評価する側のコメントをずーっと聞いていると、熟成の方法、環境により、サラミの仕上がりの良し悪しが。自然の気候に逆らうことなく熟成を進めなければいけないからこそ、その管理が大切になる。ましてや、ここ近年の気候の変化などの影響から、自然環境に置くだけではひと昔前のようにはいかないこと、なども。

急激な熟成による内側と外側の食味の違いなどが生じる、とかカビの生え方、または乾燥具合が変わる、など。

う〜ん、なかなかと深いサラミ談義に興味深し、な1日。サラミのエスペルト(スペシャリルト)の話しっぷりがかなり奥深くて、これにも釘付け(笑)。

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おこめの収穫祭 Fiera del Riso :: 2016/10/01(Sat)

ヴェネト州の南側、ロンバルディア州との境にある、イーゾラ・デッラ・スカーラ (Isola della Scala) という町は、イタリアをも代表するお米の産地として知られている。

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特にこの土地に根付いた土着品種のヴィアローネ・ナーノ (Vialone Nano) 種がこの土地の米作を有名にしている。産地呼称である I.G.P. にも指定されていて、この品種の米はこの土地以外で生産されることはない。

同地での米作は500年ほども昔に遡るといわれており、ヴェネト州のなかでも南側はイタリア最大の広大の平野であるパダーナ平原にかかることもあり、広々とした田園風景が特徴的。ヴェネト北部とは全く雰囲気の違う光景、農地の規模も北側と比較すると大きく異なる。

収穫が終わる9月の後半には、毎年この地で開かれるお米の収穫祭が盛大に開催される。その年の収穫を皆で分かち合うため。

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今年のそれは、50回目を数え、会期はなんと3週間にも及ぶ。その間に様々なイベントが開催され、来場者も特に週末などには歩くのも大変なほどの混雑に。

私が訪れたのはある日曜日のお昼。この収穫祭は実は3度目なのだが、今年はちょっと目的が違う。昨年から一緒に仕事を始めた、生産者に挨拶に行くのが主な目的。

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彼らのブースに到着したら、ブースに設置された大きな鍋でリゾット作りに励むスタッフたちに歓迎された。

お米の産地であるから、そこにはやはりこの土地ならではのリゾットがある。それが、イゾーラ風リゾット (Risotto alla Isolana)。

いわゆる、サルシッチャという、生サラミの中身のみ、つまりは腸詰する前の状態の肉を具材に使う。

肉は豚と牛のミックス。ここに胡椒やニンニクなど、他調味料をきかせたもの。これらは先にバターでしっかりと調理しておく。ローズマリーの香りを加えることは欠かせない。

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鍋にはブロードが温められ、そこに米を投入。通常のリゾットであれば、米を先に炒めるところだが、ここでは逆。
ブロードも少しずつ足していく方法ではなくて、予め使う量が鍋に入っている状態だ。

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これをいわゆるピロータ風リゾット (Risotto alla Pilota) といい、その昔、米の脱穀作業をしていた人々(ピロータ)が、忙しい作業中に手をかけることなく、昼食の準備をこうしてやっていたことから。つまり、鍋に材料を放り込んで仕上げるリゾットの作り方のことを指す。

なんだかまさしく男の料理。

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ただし、この方法で美味しくリゾットが仕上がるのは、この土地の品種であるヴィアローネ・ナーノ種だからこそ。アミドの含有量が高く、粘りがなくパラパラな状態に仕上がるのは、この品種ならでは。

さて、蓋をして米が半分くらい火が入っところに、肉を投入。

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再度蓋をして、ブロードの水分が米にしっかり浸透したところで、グラーナ・パダーナ、バターを加えて仕上げる。香りの仕上げはシナモン。

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ここでは、作業性のこともあり、おろしたグラーナに予めシナモンを混ぜておいたものを使用。

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できあがりの熱々をいただく。肉やスパイス、ローズマリーやらの香りが複雑に混ざり合う。うーん、美味い‼︎

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ちなみに、この肉のことをここの土地では、タスタサル (Tastasal) と呼び、土地の肉屋では普通に手に入るもの。こんなに近いのに、食文化の違いを感じる。

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来年度はぜひお米の生産を1年に渡って追ってみたいなぁ…などと考えてもいる。

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