パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



素敵な空間『イ・サーヴィ』 :: 2017/03/24(Fri)

私が日頃からお世話になっているラディッキオの農家の地域、つまりはトレヴィーゾ県とヴェネツィア県の境目くらいの郊外。ここで数年前から機会があれば通っている気に入りの店がある。

『I Savi (イ・サーヴィ) 』というこの店は、周囲はほんとに何にもなくて、道を走っていても気づかないかもしれない。ちょっと奥まったところに、しかしながら畑の真ん中にある一軒家レストラン。
古い建物をレストランに改造したもので、高い天井とアンティークとモダンを調和させて非常に素敵な空間。

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ここでこの日は、ラディッキオの農家を訪問されたお客様をお連れして、急遽ラディッキオづくしメニューを注文した。

まずは、ラディッキオとナシ、かぼちゃの種を合わせた前菜。甘さとちょっぴり脳の奥に感じるようなほろ苦さ、そしてシードオイルの独特な香りがとってもバランスよし。

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続いては、この地で獲れるマスをシェフが燻製にしたものに、ラディッキオのマリネを合わせた前菜。

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この土地はシーレという川が流れる、そして地下から湧き出る水のある、豊富な清い水をベースとした土壌。その水を利用した、淡水魚の養殖場がある。そこで養殖されるマスは綺麗な水のおかげで臭みのなく、脂身も適度な質のよいマスが獲れる。

甘酸っぱくマリネしたラディキオと相性は抜群だ。

そして、ラディッキオのリゾット。米の炊き具合もバッチリで、美味しいリゾット。

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同じくシーレの養殖場からの黒鯛のローストに、グリルしたラディッキオを添えたメインディッシュ。

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ドルチェには、ダークチョコレートのジェラートに、ピスタチオのソースを合わせたもの。そこにラディッキオのジャムを添えて。上にささっているのは、ラディッキオの葉を一枚まるごとキャラメリゼしたもの。いろんな要素が詰まっているのに、一皿のまとまりがとてもよい。

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ラディッキオ料理、奥深し…

Ristorante I Savi
Via Spangaro, 6, 30030 Peseggia di Scorzè VE
Tel 041.448822
http://www.isavi.it/



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レナート・ボスコの発酵ピッツァ :: 2016/12/28(Wed)

発酵ピッツァ、なんて言葉はおかしい。ピッツァは発酵させるものだから。

でも、ここで食べる、コレは、決してピッツァではない。かくしてパンでもない。フォカッチャとも違う。
発酵生地のスペチャリテ。今や研究者とも呼ばれている。

ヴェローナ県下の小さな町にある彼の店は「Saporè(サポレー)」。
平日の昼食なのに、最低2回転はする繁盛ぶり。それも、彼の織り出す発酵生地メニューをいただくため。客層もいい感じ。

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たくさんあるメニューを端から読んでいたら、お勧めされたのが、各種タイプを少しずついただくデグスタツィオーネ。

友人と二人で出かけたため、これで即決にて具材やトッピングなどを決めて、しばらく待つと…

まずは一皿目。
「Mozzarella di Pane (モッツァレッラ・ディ・パーネ)」

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新作。
モッツァレッラの水をパン(…と呼ぼう)の生地に使用し、焼いたのではなくて、蒸して仕上げる。
生地はふんわり柔らかく、そしてモチモチとした弾力。
トマトソースがさらりとのって、皿には数種のスプラウト。

そして、「Crunch (クランチ)」。

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表面がカリッカリの鉄板焼きタイプ。これはパニーノ風に中に具材がはさんである。
この具材が、かぼちゃ、ヴェルゼ、ほうれん草と、リコッタ。カリカリの生地に野菜とリコッタの優しい甘い味がものすごくよく合う。
これは絶品。

3皿めが、これはもうびっくり。「Aria di Pane (アーリア・ディ・パーネ)」。

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天然酵母を使用したもの。表現し難い食感。とろけるようなパルマ産生ハムとブッラータがこれまた絶妙。
完璧な生地のきめ細かさと、柔らかさ、弾力、かみごたえ…芸術的。

もう一皿注文しようかと悩んだ挙句、ドルチェを注文。

ストゥルーデルのビッキエーレ(グラス)スタイル。

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と、ヨーグルト・グレーコ(ギリシャ式ヨーグルト)。はちみつとくるみ、アーモンドが添えてある。

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カフェには美味しいこだわり、伝説のジャマイカ・カフェ。

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そして、お家に連れて帰ってきた、パンドーロ。2016/2017年の年越しは、これに決定。

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Saporè
Via Ponte 55/a
San Martino Buon Albergo (VR)
Tel. 045 8781791




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アジアーゴのとっておきレストラン『La Tana (ラ・ターナ)』 :: 2016/12/09(Fri)

ヴェネト州のヴィツェンツァ県にあるアジアーゴ。アジアーゴ高原として、標高約1000m(平均)に位置し、アルトアディジェに隣接する土地。自然の広がる雄大な高原の風景が広がるこの地は、冬はスキー、夏は避暑地としてハイキングやサイクリングなど、リゾート地として知られている場所。

私の住むパドヴァからは高速道路を使えば、1時間ちょっとでアジアーゴの中心地まで到着することもあり、年間を通して個人的にも率先して出かけていく場所でもある。そして、何より、この土地のチーズ、『アジアーゴ』の本場でもあることから、好みのチーズ製造所の直売所などに、新鮮で美味しいチーズを買うためだけに、ドライブがてらに出かけることもある。

ここで、昨年よりミシュランの星を一つ獲得した評判の店があるとのことで、ある休日のお天気の良いランチをとるために出かけた。

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アジアーゴらしい風景…なだらかな緑の草原が丘となって連なる中腹にたつ赤い建物。その名も『カーザ・ロッソ(赤い家)』。この名で通称され、親しまれている建物の一角が目指す店。

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『ラ・ターナ(La Tana)』

入り口は写真で見える、正面(正面はバール、オステリアになっている)ではなくて、その横に続く隠されたようにあるドア。店に入るには、呼び鈴を押して中から開けてもらうシステム。中に入るガラスで覆われた店は、屋外の風景が一望できて、ぬけるような空間。

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明るい木目を基調とした、清潔感ある素敵な空間だ。

メニューがサービスされて、どれにしようか、と吟味する。メニューには、大きく分けて2種類あり、地元の伝統料理をベースにした”テッリトーリオ(Territorio)” と、シェフのアイデアなどを存分に盛り込んだ“プロジェット(Progetto)”とに分かれている。

まずは、お通し。

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酸味や甘み、旨み、そして食感の違いなどをいろいろな法でまとめた前菜。
店の周囲で採れる野草を煮出したお茶のようなものが添えられる。

そして、メニュー内、どれもこれもが興味深く、どれにしようか、と選んだのが…

リー・ド・ボーのローストに、テーブルにてチーズの製造時に出るホエーをさっとかける。優しい酸味が全体を引き締める。そしてその上にはさっくりと揚げたカーヴォロ・リッチを添えたもの。
味も食感もバランス非常によし。

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リコッタの入ったフワッフワのニョッキ。ほうれん草を混ぜ込んで、セージの香りをつけたバターをかけ、ストラヴェッキオ(長期熟成の)アジアーゴを添えて。

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こちらは、塩を効かせたメルルーサと柔らかく煮たトリッパの意外な組み合わせ。ジャガイモのピュレと野草のソース、トロペーアの赤タマネギの甘酸っぱいマリネを添えて…

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皿の上で表現される野菜たちも、店の畑で採れたものをふんだんに使うところも面白い。

デザートには、全粒のポレンタを牛乳とハチミツで炊き上げた、生温かいものの下に薄く焼いたポレンタのカリカリと、冷たくて甘いバニラのジェラートが隠されている。

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その名も『La mosa-Latte (ラ・モーザ・ラッテ)』。

見た目はシンプルだが、口の中でいろいろなものがミックスする美味しい驚き。とはいえ、ヴェネトの子供達は、おやつにこんな甘いポレンタを食べることを彷彿させる、いわゆる馴染みメニューの改訂版。
プレゼンテーションも、素朴な器で。面白い名前がついていたけれど、忘れてしまった…

そういえば、口直しにこんなものも。パッションフルーツのジェラートに、人参の皮ごとコンフィ。カルダモンの葉のピュレを添えてあるが、人参の上は、なんと味噌ソース。

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仕上げのミニ・ドルチェにも余念なく、お腹いっぱいなのに、見事に完食。

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メニューには、皿数にて何種類かに分かれるコースメニューの"メニュー・デグスタツィオーネ"もあり、その場合には、ソムリエおすすめの各料理とそれに合うワインの組み合わせを楽しむこともできる。これは非常にお得と思う。

そうそう、ワインの種類も数多く、料理とワインの美味しいおすすめを聞くのもまた楽しい。

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とってもいい店です。

牛さん達も寒さのなか、栄養補給中。この時の気温、約1℃。

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お疲れ様です。




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切り売りピッツァ”ピッツァ・タリオ” BONCI(ボンチ)@Roma :: 2016/12/07(Wed)

昨今のイタリア・ピッツァ事情は動きが非常にあって、注目分野でもある。ピッツァはローマ式?それともナポリ式?という、好みの2分化に合わせて少々異なる視点で新たなピッツァ分野を広げているものが、通称「ピッツァ・タリオ(切り売りピッツァ)」と呼ばれるピッツァ。

文字の通り、店頭で切り売りするピッツァなのだが、ひと昔前(もちろん現在もその多くだが)の安い立ち食いピッツァというイメージからかけ離れるもの。

私の住むヴェネトには、その分野のピッツァにおいて、非常に著名な料理人(あえて、ピッツァ職人とは呼ばない)が点在している。そこでは素材や原料、発酵、そしてそれを食する空間を提案し、人気を博し、今やあちらこちらの取材やイベントなどでもひっぱりだこ。

そんな分野のなかに君臨する一店が、ここ、ローマのガブリエレ・ボンチ(Gabriele Bonci)の『Pizzarium(ピッツァリウム)』。

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店は着席する場所はない。店頭に並ぶピッツァを注文し、紙製の皿に乗せられたそれを、店頭のテーブルで立ち食い、または持ち帰るシステム。

彼のこだわりとは、ピッツァはピッツァにして、ピッツァではならず。ピッツァを単なるピッツァとして見ずに、ひとつの料理とみなす。

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だから、使う粉、酵母、そしてトッピング要素に関するすべての材料は、生産者の顔を知っているもの。ナチュラルさを売り物にした、切り売りピッツァなのだ。

その日のメニューは店内の黒板に。

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試してみたのは、フリッジテッラをトッピングしたもので、トマトソースなしにて、生地の旨さがよく解る。

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しっかりとして噛み応えありながらも、中はもっちりとして発酵がうまく進んでいる生地は、粉の風味もいきている。表面はしっかりと」したクロッカンテ。ピッツァというより、フォカッチャという感もある。お腹いっぱいの時に行ってしまって、ソースの乗ったタイプを食べなかったのが、大後悔ではあるけれど…

店内は、使用している粉の販売や、ピッツァにつきもののビールなどもある。ビールはもちろん、小さな生産者のこだわりのクラフトビールが数種並ぶ。

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彼の著書も、もちろん。

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ひとつの観光名所にもなってしまうほどの、人気店。時間によっては、店前にいっぱいの人だかりになることもある。

そんなこともあり、ガラスケースに並ぶピッツァの回転もよく、いつも焼きたての新鮮で美味しいものが食べられるのは、人気店ならではの利点ともなる。

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ピッツァとしては決して手頃な価格帯ではないものだが、一度足を運ぶべし、ピッツァ店。

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PIZZARIUM
Via Tronfale, 30 Rpma
06.39.731454




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パドヴァの丘の上のレストラン Ristorante Alla Vigna(リストランテ・アッラ・ヴィーニャ) :: 2016/08/16(Tue)

ミラノに住む友人夫妻がヴェネトでの所用の際にパドヴァに立ち寄ってくれ、夏の夜を共にした。普段から何かとお世話になっている友とそのご主人。再会を楽しみにして選んだ店がここ、パドヴァの丘陵地帯、エウガーネイ丘陵地区にある丘の上のレストラン「リストランテ・アッラ・ヴィーニャ(Ristorante Alla Vigna)」。

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パドヴァ郊外には、いわゆる、アグリトゥーロズモ的な郊外型の素敵なレストランが結構たくさんある。週末や、美味しいものを食べたいときなど、街中に出かけていくよりも車で少しだけ外に出るだけで、穏やかな風景のなかでゆったりとした時間が過ごせる場所がある。

そして、パドヴァの南側に位置する、ローマ時代からのテルメ(温泉保養地)であるアーバノ、モンテグロットからは至近距離。

この日もそんな店のうちの一軒へ。

日中は猛暑ともいえる日、日の暮れ始める夜8時頃を目安に出かけていくと、そこは数度は平野よりも温度が低いのだろう。カラリとした湿気のない日だったため、ひんやりとした夜風がとても心地良し。

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この一帯はワインの産地でもある。高台にある店からは、広がるぶどう畑とさらに向こう側に見える街の様子がとても美しい。

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この季節はやはりテラス席がいいよね、ということで、店前に設置されたテーブルを選び、メニュー選び。街中と違い、この店の雰囲気にしてはヒジョーにお得感満載な料理の価格と、そしてもちろん地元料理が並んでいることもあり、期待が高まり…

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選んだものは、ヴェネトの家庭料理、豚のミルク煮。でもとっても繊細に仕上げてある。

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他、ホロホロ鶏の詰め物をしたローストやら(絵柄的には極似だけど)、バッカラのヴィツェンツァ風煮込み。などなど…

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これらのセコンドに、たっぷりの野菜のコントルノをつけてもらい、地元のメルローを頼んで、ちょうどよい腹具合で終了。

美味しい料理を素敵な人たちとともにテーブルを囲むささいなひと時。これも真夏の夜の思い出の一コマだ。

Ristorante Alla Vigna
Via Vallorto, 23 -35038 Torreglia Padova -
Tel. 049.5211113




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