パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



フォルピfolpiを茹でる。 :: 2009/09/30(Wed)

フォルピfolpi(単数形はフォルポfolpo)はタコを指す。正しい(?)イタリア語はポルポpolpi(ポルポpolpo)。ここヴェネトでは通常、前者で呼ぶことが多く、スーパーや魚屋での表示もヴェネト風。

ヴェネツィア周辺では、茹でてアンティパストなどにして食べる場合が多い。柔らかく茹でただけでも、それ自体が持つ独特の歯応えと磯の香りはたまらなく美味く、冷えたプロセッコなどの格好の供となる。

キオッジャの魚市場で手に入れたそれらをやはりアンティパストとして調理。

胴体の中身のワタ部分と目、口を取り除いた後、沸騰した湯の中で茹でる。湯に入れる際には頭(胴体)を足で覆うようにして持ち上げ、足先を湯に垂直に浸してから全体を湯の中へ沈める。茹であがりの良い形を保つためには、この投入時のひとつのポイントだ、と料理担当のアントニオ氏。

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1時間ほど茹でた後は湯に浸したまま自然に粗熱がとれるのを待つ。こうすることで仕上がりも柔らか、そして鮮やかなタコ独特の鮮やかな色が出てくる。

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これを丁寧に縦に4等分に切り器に盛り付け、塩、コショウをしてからオイルとアチェットをかけ、刻んだセロリを加えてフォルピのアンティパストとして。加える白アチェットをほんの少し多めにするのが仕上がりの締まりの良さへ。ここで加える酸味はレモンでは絶対にいけない。白アチェットにするのがヴェネツィア風、とは地元出身の彼の力説。

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魚介のアンティパストとして、他に茹でたカノッキエ(シャコ)と、イカの詰め物をしたグリルとともに。


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マラネッロのポレンタFarina di Maranello :: 2009/09/29(Tue)

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ここヴェネト州はポレンタの消費量が大変多い地域。セコンド・ピアットの皿の盛り合わせにポレンタを添えることは大変に馴染みなスタイル。

そこに使われるポレンタにも特にこの地域で知られている品種で質の高さで知られているのが、黄色いマラネッロmaranelloと白のビアンコペルラbiancoperla。

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マラネネッロは赤みがかった濃い黄色と甘みのある風味が特徴。
調理には、湯を沸かした鍋に塩をし、そこにポレンタをサラサラとふりいる。サラサラとふりいれるそれはダマになるのを防ぐためだが、よく“雨が降るように”と表現される。
そして弱火にかけ、最低40分間木べらで鍋底にくっつかないように木べらでひたすらかき混ぜながら、仕上げていく。これにはやはり火のあたりが柔らかく熱伝導率のよい銅鍋が適当。大きなポレンタ用の銅鍋を吊り下げ、大きな木べらをまわす光景などは、サグラやそういう類のイベントなどでよく見かけることがあるが、昔ながらのヴェネトの田舎の庭先で見られる光景。

ヴェネトでもヴェネツィアでは、ポレンタは白いものが習慣。これもトウモロコシの品種のひとつでもともと白い実のもの。

ポレンタは今やスーパーなどではインスタントのもので3分で仕上がるものもあるが、やはり時間をかけてゆっくりと加熱していくものとは風味に格段の差が出る。

ポレンタと料理との組み合わせで1700年代のヴェネツィアに残る文献にポレンタを料理しながらの歌がある。料理名や動詞もヴェネツィア弁で書かれているので、読んでいても語尾が鼻から空気がぬけるような勢い。

―ポレンタにフォルマッジョを入れろ-ポレンタを触れ(触って固さを確かめろ)-ポレンタを焼きつけろーポレンタとサルデ(イワシ)-ポレンタとラルド-ポップコーンにも-ポレンタをクロスティーニに-そしてザレッティ(トウモロコシ粉を使ったヴェネツィアの焼き菓子)-





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サグラ・デッラ・ズッカSagra della zucca :: 2009/09/28(Mon)

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収穫の秋、この時期イタリアでは各地で様々な収穫祭(サグラ)が開かれる。その土地で収穫される農産物の豊穣を喜ぶ地元の祭り。

この日曜日、パドヴァ西側に位置するエステEsteという町においてカボチャの収穫祭が開かれた。

町の中心のピアッツァにたてられた屋台には、おなじみの食用の緑色をしたカボチャから観賞用の彩とりどり、形も様々なものまでが山積みになって売られている。またこれこの時期に盛んに収穫されるパタータ・アメリカーナ(日本でいうサツマイモ)や、今の季節のハシリともいえるヴェネト特産の野菜、ラディッキオなどもみられる農産物の展示即売会風となっている。

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毎度のことながらサグラでの楽しみは、仮設テントのレストラン。カボチャ祭りであるから、カボチャといえば、カボチャのリゾットを楽しみにして行ったのだが、あいにく売り切れ。
そこで、私たちの注文したのはカボチャのラザニア。ヴェネトでは、ラザニアのことを“パスティッチョ”というので、これはカボチャのパスティッチョ。
ピュレにしたカボチャとベシャメルを組み合わせてパスタと重ね、チーズをのせてオーブンで焼いたもの。

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まだまだ暑い日中は、このパスティッチョと冷やされた軽い赤ワインとで。これで3ユーロ。

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カゼイフィーチョ・モランディ・オリアーノ :: 2009/09/27(Sun)

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パドヴァ郊外にあるアングイラーラ・ヴェネタという町にあるチーズの生産場、カゼイフィーチョ・モランディ・オリアーノCaseificio Morandi Oriano。4世代目のご主人、オリアーノ・モランディ氏を中心に、5代目を受け継ぐであろう娘さん3人とともに、チーズ作りに励んでいる。

同製造所は大変に小じんまりとはしているが、毎日彼らの手により丁寧に作業が行われており、できあがりのチーズの風味は格別。併設の売店には、近所の人たちがチーズをごっそりと買っていく姿が後を絶たない。

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今ではチーズの製造工場というと大型の工場で、温度管理や衛生管理などもコンピューターで操作されるところも多いが、ここはまさしく人の手によるところ。

現場から2kmほど離れた場所に彼らの所有する牛や羊、山羊の放牧場があり、そこで搾乳された新鮮な乳が運ばれ、朝5時半から作業が始まる。

作られるチーズはカチョッタ(牛)、ペコリーノ、ミスト・ペコリーノ(牛/ヤギ)、リコッタ、モッツァレッラなどなど。

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作業場に一歩足を踏み入れると、生温かい乳の匂いがプンと鼻をつく。独特の乳の匂い。穴あきの容器に入れられ、水ぬきの作業中のまっ白いできたてのチーズが並び、横ではリコッタの作業中。それらの目のさめるような白さはなんとも形容し難い。そして、まだ生温かいそれはふんわりと甘く、とてもデリケートな風味。

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午前10時にはおおまかな作業を終え、作業場をきれいに洗い流し、11時すぎにモッツァレッラをひっぱって成型、午後には水きりをしているチーズの上下を入れ替えてさらに水切り後、塩を加える作業がある。

こうして毎日単調だが、日々変わる気候や、季節による状態の変化、乳のでき具合などを確認しながらの作業はやはり確かな職人の目が必要になる。

自分たちのつくるチーズを誇らしげに説明してくれる彼らの素朴さがとても印象的。

今日からヴェネトの食材と料理を学びに来てくれた横浜で料理教室を主宰するKさんと、ミラノへ赴任しているMご夫婦、そして愛犬くるみちゃんとの訪問。

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アンドレア・パッラーディオAndrea Palladioの育った場所 :: 2009/09/26(Sat)

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ヴェネツィア共和国時代の最も重要な建築家の一人であるアンドレア・パッラーディオAndrea Palladioは、1508年にパドヴァで生まれた。

パドヴァで幼少を過ごした後、ヴィチェンツァにて活動をしていたので、ヴィチェンツァ、郊外も含め、歴史的に価値ある多くのヴィッラ(貴族の別荘)や教会、建造物が残されており、世界遺産に指定されているものも多い。
シンメトリの建築法と柱やアーチなどが特徴的(専門的なことは詳しくないので書けないが)の彼のデザインは、アメリカのホワイトハウスのモチーフとなったことでも有名。

その生家のあった小さな通りがスペーコラからほど近い川沿いの通り、パリア通りborgo della pagliaにある。ここで15年間育ったらしい。
2008年に生誕500年を記念し、ここに小さな記念碑が設置されているが、大変に地味。

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