パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



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バカラ・アッラ・ヴィチェンティーナBacalà allaVicentina :: 2009/10/31(Sat)

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ヴィチェンツァの名物といったら、誰もがこの料理名を挙げるだろう。バカラとは干したタラのこと。ガッチガチのこれを水で戻して料理する。
正しい表記はBaccalàで、cが2つ重なるのだが、ヴィチェンツァではあえてBacalàとcをひとつしか表記しない。
というのも、ここヴェネトで使われるバカラは正確にはストカフィッソStocafissoといい、タラを寒風干しにしたもの。対してバカラbaccalàは塩漬けしてから乾燥させたもの。ヴィチェンツァでは、伝統的にストカフィッソを使うのだが、これの違いを言い分けるためにcをひとつ除いてバカラbacalàと呼んでいる。

このバカラはノルウェーからやってくるもの。その昔、ヴェネツィア貴族のピエトロ・クゥエリーニPietro Queriniがノルウェーのロフォーテル島でこれを発見し、ヴェネツィアに持ち帰ったのは1432年のこと。ヴィチェンツァはヴェネトの中でも内陸に位置し、新鮮な魚が高価で入手困難だったという地形からヴィチェンツァのヴェネツィア貴族たちが食したことからこの地での伝統料理として根づくこととなった。

基本的なリチェッタは、
1kgストカィッソ、500gタマネギ、1ℓオリーヴオイル、3-4アンチョビ、1/2ℓ牛乳、50gおろしたパルミジャーナまたはグラーナ
ストカフィッソは2-3日水に漬けて戻し、骨をとる。タマネギとアンチョビを炒めたところにストカフィッソ、オイル、牛乳、グラーナを加えて静かに煮続ける。

年中食べられる料理ではあるが、けっこうヘビーな煮込み料理なので、やはり寒い季節になるとより美味しく感じる皿。

写真の皿はヴィチェンツァのチェントロにある、とても雰囲気のいいオステリアにて。

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Osteria Il Cursore
Str.lla Pozzetto, 10
Tel; 0444323504


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ラディッキオ・ディ・キオッジャRadicchio di Chioggia :: 2009/10/30(Fri)

パドヴァから東へ40kmほどの距離を行く。向かう先はヴェネツィアの特徴的な地形、ラグーナ(潟)に位置する町、キオッジャ。郊外へと進むにつれ、周囲は畑の広がる風景へと変る。
キオッジャは漁港町として知られているが、周辺は農業も盛んな地域。タマネギ、ニンジン、セロリなどの基本的なものから、春先のアスパラガス、秋から春先まで収穫が続くラディッキオが代表的な産物として知られている。

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秋が日に日に深まるこの時期には、ちょうどこの季節に収穫が始まるラディッキオの畑には作業中の光景が見られるようになる。このラディッキオという野菜は、イタリア国内でもヴェネト州でのみ栽培されているもので希少価値の高いもの。原種をチコリとし、ほろ苦く紫と白の鮮やかなコントラストのある葉を持つ。

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さらにはヴェネト州内でも地域により形が違い、ここキオッジャのものはラディッキオ・ディ・キオッジャとしてI.G.P(保護指定地域表示)に認定されている。
畑では黒味がかった緑色の葉を広げて育つが、収穫後、室に入れて日差しを遮ることで中心部は赤くなり、それを食用とする大変珍しい収穫方法をとる。だから、市場で目にするこれらは新鮮、というものはあり得ない、ということだ。

その特徴はその丸い形。葉は他の地域で生産されるラディッキオよりも比較的柔らかいので、サラダに生食される場合が多い。


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プロシュット・ヴェネト・ベリコ・エウガネオProsciutto Veneto Berico Euganei :: 2009/10/29(Thu)

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ヴェネト州でもD.O.Pに指定されているプロシュットがある。それが、ヴェネト州南西にあたるモンタニャーニャMontagnanaという町を中心にしたベリコ・エウガネイ丘陵地帯で生産されている。

モンタニャーナという町で1919年よりサラミ工場として創業を始めたアッティリオ・フォンターナAttlio Fontanaは、現在3代目となる会社と同名のアッティリオ氏を中心とした3人の兄弟で、このプロシュット・モンタニャーナを作り続けている生産者である。

今回ここを訪れたのは3度目。建物内に一歩足を踏み入れると肉の熟成した匂いをすぐに感じる。

当然のことだが、何度訪れてもプロシュット作りの工程のシンプルさには感心せずにはいられない。基本的には塩をして寝かせ、その塩を洗って干す、というだけのもの。

簡単に工程を辿ると…
①塩漬け(0-4℃、15日間)→塩を落として→②乾燥(0-4℃、3ヶ月)→③洗浄;40℃の湯でまわりの塩、血を洗い落とす→④乾燥(18-20℃、1ヶ月)→⑤ストゥッコを肉の切り口に塗る→⑥乾燥、熟成

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ちなみにストゥッコとは、米粉と豚の脂を混ぜたもので豚の足の固い皮のない部分、つまり肉の切り口の表面にこれを塗って壁をつくり、肉の乾燥しすぎを防ぎ肉の旨みを内部に保持するためのもの。以前は米粉ではなく小麦粉であったが、時間の経過による縮みや虫がつきやすい、などの問題から2年ほど前から米粉に移行した。

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熟成期間は約16ヶ月。プロシュットとして食することが可能なのは12ヶ月以降だが、ここでは最低でも16ヶ月以降のものを出荷する。顧客によっては熟成の進んだものを好む場合もあるので、その要望にも応じて出荷している。

これら、製造中の記録はその都度、詳細に記録されており、各プロシュットにはそれぞれに作業日が添えられている。これを目安に移動、確認、出荷がされている。

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熟成が進み出荷が近づいてきたものは、常に風味の確認がされるのだが、この確認作業は全て人の感覚による。使われるのは馬のスネ骨。これが唯一の道具。このスネ骨のスティックを決まった5箇所に刺して、その都度匂いを確かめる。5箇所とも全て熟成度が確認されたものから順に出荷体勢となる、というわけだ。この嗅覚はこの職に長く関わる職人の感覚によるもの。そしてこの馬の骨も、現在これだけに技術が発達してとしてもこれ以上のものは未だに開発されていないらしい、貴重なもの。何が特別かというと、刺した箇所の匂いをすぐに感知し、そしてそれに続いて別の箇所の肉を差しても前後に匂いを残さない、唯一のものだという。

その昔、プロシュット作りは肉の保存目的のためにされていたもの。季節、つまり自然の力を最大限に利用して作られた賜物である。冬前に肥えた豚を冬の間中食べるために施された手法なため、本来はちょうど今の時期ぐらいからプロシュット作りが始まっていた。

現在ではもちろん冷蔵などの技術が発達していたり、生産上の問題などから一年中作られているものである。が、基本的には製造中に何度か温度を変えた部屋を移動するのは、この季節を強制的に冷蔵庫としてつくりあげている、ということ。

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このプロシュットの認定証は、ヴェネツィアのシンボル、ライオンが刻印されている。日本には輸入はされておらず、イタリア国内でもヴェネト州を中心に販売、ドイツへは輸出されているという。

モンタニャーニャのプロシュットの特徴は、塩を極力抑えていることから、肉の甘さが格別。薄く切って口にのせるととろけるように美味い。

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カゼイフィーチョ ポンテ・ディ・バルバラーノCaseificio Ponte di barbarano :: 2009/10/27(Tue)

パダーナ平原に位置するこの地域は、様々なチーズの生産地でもある。DOPに認定されているものとして最も代表的なものは、グラーナ・パダーノGrana Padano、そしてアジアゴAsiago。

パドヴァ県を過ぎ、ヴィチェンツァ県に入ったところにある大きなチーズ工場のひとつが、このポンテ・ディ・バルバラーノ。ベリチ丘陵地帯Colli Bericiの麓にあるここは、比較的大規模にチーズ作りをしている製造所。

大きな製造現場であるだけに、その売店も規模が大きく、ヨーロッパの観光客のツアーバスも止まるほど。

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グラーナ・パダーノは直売ということもあり、値段もかなりお手頃。熟成18ヶ月で8.2ユーロ、24ヶ月ものでも8.9ユーロ。パドヴァの市場で買うよりも2割ほど安い。
アジアゴに関しても3~4割安で購入できる。こういう場で好みの量を切り分けてもらうと美味しさ感もかなり違う。スーパーなどでビニールのパック詰めしたものとは風味が格段に違う、と個人的に思っている。

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ここでは大きなショーケースに様々なチーズが販売されている。もちろんここで製造されていないものや他州のものもある。が、ここまで足を運んでくる客の多くはグラーナとアジアゴを購入。

10月の最終週の週末はここのフェスタが開催され、工場内も解放されるようだ。

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サグラ・デル・フォルポSagra del folpo :: 2009/10/26(Mon)

サグラ・デル・フォルポSagra del folpo

“フォルポ”とは、ヴェネトの訛りで“ポルポ(=タコ)”をさす。パドヴァの東側に隣接するノヴァンタ・パドヴァーナNovanta Padovanaという町にて毎年恒例の秋祭りがあり、その祭りの意とするのは、このタコ祭り。

なぜここがタコの祭りを行うのかというと、その昔ヴェネツィアの貴族たちがこの地にヴィッラを持っていたことから、ここにはヴェネツィア人が多く、彼らの食生活が強く根付いていることから。ラグーナ沖で獲れるタコは彼らの代表的な食べ物のうちのひとつ。

町の中心に近づくと車も渋滞が始まり、綿あめを持った子供たちの姿が見られるなどして祭りの雰囲気が遠くからでも感じられる。
町のメイン通りは両脇に屋台が開かれ、洋服や日曜雑貨類を売る店が軒を並べている。その間を歩く通行人の量は大変に多く、普通の速度では決して歩けないほどの賑わい。特に大した特別さはないものの、これだけの人が繰り出しているのを見ると、地元にはなくてはならない秋祭りだということが判る。

さて、私たちの目的はただひとつ。茹でタコを食べること。

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たくさんある屋台の中でもこの祭りの名称ともなるタコを売る店もあちこちに。そのひとつに的を絞り、近づいてみる。

たいていの店では、大きなステンレスの中で茹でられたタコとその横には大きなボールに入ったボヴォレッティ(食用カタツムリ)やら、小さなカニ、マッツァネッテMazzanetteなどが並んでいる。これらは茹でてオイルとたっぷりのニンニクとプレッツェーモロ(パセリ)を混ぜたもの。ボヴォレッティは楊枝で中をくりぬいて、マッツァネッテは殻をむいて中身を食べる。

ちなみに同じような形でモエカmoecaと呼ばれるヴェネツィアで見られる小さななカニは、脱皮したてのもので柔らかく殻ごと食べられるが、こちらは殻は固くて食べられない。モエカは非常に短い季節に少量出回る季節限定の希少価値があるもの。それだけに値段もそれなりだが、対してマッツァネッテは庶民の食べ物といえる。手もオイルとニンニクでベタベタになりながらそれをガリリッと食べるところもそれらしい。

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主役のタコは、というと店の人から茹で上げられたタコを鍋の中からつまみ出してもらう。重さを量って、一口大に切ってもらいそこにプレッツェーモロをたっぷりと刻んだオイルソース(サルサ・ヴェルデ)をたっぷりとかけ、温かいところをいただく。食べるのも店の後ろに設置された長テーブルで立ち食い。ワインもプラスティックの容器に並々と注いでもらい、それを片手にこれらをかぶりつく。柔らかく茹でられたタコは磯の味がして、なかなかの美味。

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