パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



コーダ・アッラ・ヴァッチナーラCoda alla vaccinara :: 2009/12/31(Thu)

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ローマの伝統料理。牛または仔牛のコーダ(尾)をトマトでじっくりと煮込んだ料理。ローマのトラットリアではよく見かけられる馴染み料理。

1929年にアダ・ボーニAda Boniによって書かれた『ラ・クチーナ・ロマーナLa cucina romana(ローマ料理)』に、ひとつのリチェッタがある。
ある女優がある家の夕食に飛び入りすることになった際に肉のブロードをとっていたものの2次利用として仕上がった料理だとされている。

つまりは、肉やコーダを野菜と茹でてブロードをとり、それに茹でたパスタでプリモ・ピアット。そしてその後、肉だけは取り出され、ニンニクやタマネギ、ニンジンをラルドまたはプロシュットの端きれで炒め、トマトを加えて肉をさらに煮込む。これでセコンド・ピアットのできあがり。
家庭料理の延長の料理なのだろうが、リチェッタの基本は肉は茹でたものを煮込むことのよう。肉の臭み取りにも、筋の多い部位の利用法としても理にかなっているのかもしれない。

レストラン料理としても基本的なリチェッタはほぼ同様だろうが、煮込みにとても時間を要する料理。

リチェッタの一例。
ラルド(豚の脂)またはグアンチャーレ(豚のほほ、あごの部分の肉を塩漬けにしたもの)とともに流水でよく洗い血を取り除いた牛のコーダ(尾)を焼きつける。そこにタマネギ、ニンニク、クローブを加え、水を加えて沸騰。沸騰したら水は除き、そこへ白ワインを加えて蓋をして4時間。
ここでトマト水煮を加えさらに1時間。さらにコーダが再び隠れるくらいの水を加え約3時間。この際に香りづけのセロリも加える。
スパイスにシナモンやナツメグを入れるリチェッタなどもある。

ローマの美味しいもの屋の集まるテヴェレ川周辺のトラステヴェレTrastevereにて、コーダの煮込みを食べる。

そして、ローマにきたら食べなきゃいけないものは、ブカティーニ・アマトリチャーナ。グアンチャーレとトマトで煮込んだソースを穴のあいたパスタ、ブカティーニと合わせる。最もオーソドックスな組み合わせ。このひと皿になくてはならないのが、ペコリーノ・ロマーノ。ローマ周辺でできる羊のチーズをおろしたもの。
そしてトリッパ・アッラ・ロマーナ(トリッパの煮込み)。

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行こうと思っていた目的のオステリアはナターレでお休み中。営業していた『ダ・チェンチアda Cencia』で遅い夕食だったが、美味しくいただいた。
以前ここには日本人のコックさんが働いていて、帰国後同名のトラットリアを四谷3丁目に出しているらしい。

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Ristrante 『da Cencia』
Via della Lungaretta (Trastevere), 67, Roma
Tel; 06. 5818434



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  1. 料理・素材
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ストゥルッフォリ struffoli :: 2009/12/30(Wed)

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ナポリのナターレには欠かせないドルチェのひとつ。
粉、卵、バター、砂糖を混ぜた生地を5-10㎜の小さな球状にして油で揚げ、それを鍋で温めた蜂蜜にからめたもの。
たいていは大きな器に山に盛り、コンフェッティ(砂糖をかためたもの)やアラザンをふりかけてある。それを端から自分の器に取り分けていてだくのだが、つまみ食い様に端から手で一粒、または数粒ずつ食べるのが美味い。もちろん、止まらなくなる。
フォークやナイフで食べずらそうに食べていようものなら、周囲のあちこちから「手でいいのよ、手で!!」とヤジもどきの声がかかる。

オリジナルはナポリではなく、ギリシャからの伝来。紀元前の南イタリア、シチリアに古代ギリシャ人が移民してきたマーニャ・グレーチャMagna Grecia(マグナ・グラエキア)の時代には、これと同様なものがもうすでに食卓にあがっていた、ともされている。その起源は大変に古いもの。

ナポリのあるカンパーニャ州では、このように、ストゥルッフォリと呼ばれるが、州を超えると呼び名が変わり、これと同様のドルチェが存在する。

モリーゼ、マルケ、アブルッツォ州そして一部ウンブリア、ラツィオ州では“チチェルキアータcicerchiata”、バジリカータ、カラブリア州では“チチェラータcicerata”などなど。

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このシーズン、ナポリとその周辺の町ではパスティッチェリアのショーウインドウはこのドルチェが必ず置かれている。
リチェッタは基本的に同様だが、やはり店により、そしてもちろん各家庭により少しづつ違うのがおもしろい。

私の気に入りはやっぱり義母のつくるそれ。たっぷりの蜂蜜に絡めてあるのに湿っぽくなく、いつも表面がクロッカンテ(カリカリッとしている)。彼女いわく、絡める際の蜂蜜の温度と絡め方に秘密があるらしい。素材も製法もいたってシンプルだが、味わいの違いが出るのはおもしろいこと。

それにしても、ナポリの喧噪はいつ訪れてもすごいものがある。駅から降り立った瞬間に感じる空気、匂い。独特なものがあり、なんだか香港か台湾、南のアジアに来た感覚。
行き交う車のクラクションやその走りっぷり、道端のゴミ、人の顔つきや服装。。。どれをとっても北部とは全く違う様相。

それでも何年か前は車が走る大きな道路を横切るのが怖かったはずが、縦列に走る車の間をうまく横断できるようになったのは、少しはこの空気に慣れたのかも。

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  1. Dolce/ドルチェ
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プレセーペPresepe :: 2009/12/29(Tue)

プレセーペ(またはプレセーピオpresepio)はナターレシーズンの飾り付けとして知られているもので、特にナポリでのそれが有名なもの。ナポリの方言ではプレセッビオpresebbioともいう。
この時期、各家庭や街角ではよく見られるもの。

ラテン語でプレセーペpresepe(またはプレセピウムpresepium)は“まぐさ/かいば(=馬や牛の飼料となる草)桶”を示す。
つまり、ジェスー(キリスト)の誕生のシーンを再現したもの。枯れ草の上に置かれたジェスーとマドンナ(マリア)とサン・ジュセッペ(ヨゼフ)、牛、小さなロバというのが基本的なシーン。

11世紀にはこのシーンを人形にしたものがナポリで始まったが、その後進化し、17世紀には、その誕生シーンだけではなく、人々の日常をあらわしたものなどが作られるようになった。八百屋、肉屋、火打ち職人等々、その当時の生活を垣間見る個性的な表情、動きのあるものが現在でも見られる。

もちろんナポリだけでこのプレセーペがみられるのではないが、やはり南に行くと北に比べてかなり頻繁に見られる。各家庭でもクリスマスツリーのほかにプレセーペを飾るのも欠かせない。

これは、ナポリの親類の家の玄関先のもの。

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そしてこちらは、ナポリ郊外の町の広場に大きく飾られたプレセーピ。信じ難いが、ジェスーが盗まれていた(さすが、ナポリ)。娘が自分の大切な人形を寝かせてみた。いや、これもいけないことかもしれない。

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そして、ローマ、バチカンのサン・ピエトロ広場にはさらに大きなプレセーペ。たぶんイタリアで一番有名なもの。

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  1. 行事、習慣
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公共の場所では、気をつけよう。 :: 2009/12/25(Fri)

日本人はやっぱり基本的に清潔好き。もちろん例外はあるものの、道を歩いていたり、駅や列車などを見れば一目瞭然。日本の学校では清掃は教育の一環とされているが、こちらでは清掃は“掃除の人”がやるものだから、もう小さなときからそういった感覚の差が生まれてくるのか。

いや、そういう日本で生まれ育っていても、公共の場所を汚す人はたくさんいる。

しかし、やはり習慣的には日本人は清潔好き。習慣の決定的な違いは入浴。やはり、もちろん例外はあるものの、基本的には毎日の入浴は習慣的。布団に入る前には体は清潔にするもの、という習慣が染みついている私たちにとっては、こちらの人たちの風呂に入らない習慣だけには、私は今だにどうしても慣れない。

もちろん、例外はある。が、毎日風呂につかることはほとんど不可能としても、毎日シャワーを浴び、髪を洗うイタリア人は稀だろう。

気候の違いもあり、日本に比べて湿気の少ない地域だから、、、つまりは習慣の違いだから、これは説明してもなかなかお互いが平行線をたどるもの。
 
が、先日、バスに乗車した際に発見した車内の落書き。思わず読んで笑ってしまった。

バス乗車の際の基本的な決まり事の書かれたごく一般的な表示のなかに禁止事項が書かれている。その横に誰かが油性ペンで書いた落書き。

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“体は毎日洗おう!デオドラントを必ずつけること”

よっぽど匂いのきつい乗客と隣り合わせになったのか。。。でも、本来はしてはいけない落書き行為に、なぜか安堵感。こんなイタリア人もいるのか。。。“そうだ、そうだ”と書き足したいくらい。

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  1. 日常
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Risotto con i fegatini alla Padovanaリゾット・コン・イ・フェガティーニ(肝入りのリゾット パドヴァ風) :: 2009/12/24(Thu)

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パドヴァには鶏や雌鶏などの内蔵をリゾットにする料理が存在する。特に雌鶏(ガッリーナ)はパドヴァ郊外での生産が有名なことから(I.G.Pに指定されている)その内蔵を使ったリゾットがよく知られている。

けっこう重い、リッチな料理なので、頻繁に食べられているというほどでもないが、暑い夏よりもやはり寒い季節のほうが美味しく感じられ、ナターレなどの祝い事などの席にももてなされることも多い。

この、“パドヴァ風”といわれる所以は、とても内容が濃い(?)こと。リゾット・リッコ・アッラ・パドヴァーナRisotto ricco alla padovana=パドヴァ風 リッチなリゾットと呼ばれる。

リチェッタは様々で、鶏または雌鶏をメインとして、タマネギ、セロリを炒め、白ワインを加え、ブロードで米を炊いていく。仕上がりはパルミジャーナかグラーナのおろしたものとバター。
あくまでも“パドヴァーナ(パドヴァ風)”にこだわるなら、米はヴィアローネ・ナーノvialone naro種、仕上げのフォルマッジョはグラーナ・パダーナで。

いつもよくしてくれるレストランのオーナーから夫のもとへ電話があり、大人数のリゾットを食べるランチの予約が入っているので食べにこないか、との誘いをうけたので早速出かけてきた。

私たちはついでの客なので、メインのグループの到着を待つ間に空腹でいろいろ食べてしまったら、肝心のリゾットのころには結構腹も満たされて、ただでさえ重い料理がさらに重く感じてしまったのは残念。…だったが、美味しくいただきました。

リゾットを待つ間にいただいたのは、タコのカルパッチョ。柔らかく茹でて一度凍らせ、それをスライサーで薄く切ってオイルと赤コショウを添えたもの。

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  1. 料理・素材
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