春先のヴェネトで食べられる野草のひとつ。4-5月の大変に短い期間、メルカートで目にすることができる。が、少し山あいに入ったり、草の茂った平野でも簡単に見つけることのできるもの。

葉は細く長い。柔らかいので、この時期に同様に食するブルスカンドリbruscandriやフンジ・トッポfungi toppoなどよりも、調理は簡単。一般的にはリゾットやフリッタータなどとして食べる。
オイルで炒め、色鮮やかなところに米を加え、または卵を流しいれて仕上げる。火を入れると鮮やかな緑色に変わり、上記の野草に比べて苦さよりも甘さを感じるもの。
ここヴェネトではカルレッティとして知られているが、実はヴェネト風の言い方で、イタリア語で正しくはブッボリーナbubbolinaという。学名としてはシレーネ・ヴルガリスsilene vulgarisuというナデシコ科の小さな白い花をつける植物。北イタリア以北の三幹部がげんざんのよう。
6-8月に花を咲かせるが、食す部分の葉はこれの若く柔らかいもの。春の息吹を食す、といったところ。
この日は、今週企画・開催中のヴェネト料理体験、ステファーニアの講習にて、アスパラとカルレッティをたっぷりと入れたリゾットで。

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郊外に住んでいると移動手段は車となるが、チェントロ周辺に住んでいる場合、自転車は大変に便利な足のひとつ。
学生の町でもあることも影響するのか、自転車利用者はこの町はとても多いように思う。
比較的チェントロ近くに住んでいる私もそのうちの一人。気候もようやく落ち着いてきたこともあり、自転車で走りまわるのは爽快。おまけに駐車場の心配も要らないとなるとやはり手軽で便利な交通手段。ちなみにここでも町の中心部では車の駐車場を探すのに苦労を要する。違反駐車の取り締まりは結構厳しい。この取り締まりのマメさは是非とも他のところへも余力は残してもらいたいもの、といつも思っている。。。
この日は近所の自転車屋に修理へ。


ここではけっこうなボロボロなものでもあちこちを直しながら使う人が多い。ピカピカの新品自転車を乗っている人のほうが珍しいくらい。
逆にピカピカ自転車など、すぐに盗まれる心配があり、怖いくらいだ。自転車の盗難は本当に頻繁に起こる。新品もボロも、関係ないが。もう、はこれプロの仕業だと思われるくらいの見事な手さばき(?)で持っていかれてしまう。日本のように本体の前輪にある小さな鍵などないと同然。みな、太い鎖をしっかりと路上の何かに縛りつける。それでも盗まれるの日常茶飯事。自転車置き場にくくりつけた前輪のみが哀れにも残る光景も珍しいものではない。


私の自転車も例外でなく、アンティーク自転車愛好家の知人から譲りうけた60年代のもの。それでも子供の補助シートをつけてもまだまだ現役でしっかりと働いてくれるし、そのアンティーク加減もなかなかよく、気にいっている。


さて、修理の内容は灯りの取り付け。本体はもうすでについていたので細い線をつける作業。15分ほどで完了、5ユーロなり。
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夫の実家への里帰り編第3弾。
夫の実家へ行く唯一の楽しみは義母のつくる料理(え、それだけ?)。おもてなし風のがんばった料理ではないが、素朴な野菜をたくさん利用した優しい味がいつも美味しい。
作る過程を見ていると、しっかりとした包丁も、まな板もなく、スローな動きながらに野菜などの処理はとても丁寧なのが見て解る。
ヴェネトとは違う仕上がりのパスタ・エ・ファジョーリ。白いインゲン豆をトマトを加えて仕上げる。このタイプはロッソ(赤)だが、トマトを加えずに仕上げるビアンコ(白)もあり。

パスタ・エ・ファジョーリと似通った仕上がりだが、ジャガイモを使ったパスタ・エ・パターテ、今が旬の始まりのピゼッリ(さやえんどう)はパンチェッタと煮込んでパスタと合わせる。
ペペローニ(ピーマン)はよく炒めてから仕上げに少々のアチェットと砂糖でアグロドルチェ(甘酸っぱく)仕上げ。その他、ホウレンソウ、チーマ・ディ・ラパ、カルチョッフィ、スカローラ(レタス)は豆の煮込み、ナスは定番の衣揚げしてトマトを重ねて焼くメランザーネ・パルミジャーナで。
写真は撮り忘れているが、これら野菜料理はクタクタに煮込んだ凝縮された野菜の旨みを味わう皿の数々。

でも、歳のせいで味がマヒし始めているのか、以前よりも全体的に塩気が強くなっているような。。。
ドルチェはパスクアの時につくっておいたパスティエーラ・ナポレターナを冷凍庫から出してきてくれた。これは彼女の手作りしたものが他の何よりも数段上、格上。

訛りが強すぎるのと耳が遠い彼女とは、会話がちぐはぐになりがちで、時折笑っちゃうくらいなのだが、これはイタリア語力だけの問題ではなく、他の人ともそのようだから、まあ目をつぶろう。
この成り立たない会話のなかでも料理の質問には大変に嬉しそうに教えてくれる。行く度にひとつでも彼女のレシピを盗むのに、私も必至。今回もいくつかを覚えてきたので、ただ今実践中。
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高級ブティック街もあり、高台は高級住宅街となっているが、町のメルカートが並ぶ区域はやはり活気があってワクワクする。

魚、肉、野菜、パンに混じり雑貨類や衣類なども並ぶ。北の風景に見慣れていると、南の雑然とした雰囲気は、どことなく中国、香港、台湾などアジアの市場の感じと似通っているように思う。



独特の訛り、大きな声、人々の荒々しい顔立ち、仕草さはナポリ独特。
道端に並ぶ魚屋は一時衛生的な問題もあり、閉鎖に追い込まれたが、その後すぐに復活。ナポリの不衛生は世界中に知れ渡ってしまったが、現在は少し落ち着いた模様。(もちろん、清潔な町、というところまでは到底ない。)
それにしても、物価が安い。パンなどを見てもパドヴァの1/3ほど。魚も種によっては1/3-1/4くらいまでのものもある。
ピッツァのテイクアウト店。いつもひとだかり。揚げピッツァが人気。


パン屋も肉屋も店構えはいたってシンプル。飾り気いっさいなし。


これはナポリのタラーリ。プーリアのものに比べて何倍も大きく、三つ網のように編み込んだ生地には砕いたアーモンドが入り、黒コショウが効いている。

ナポリに来たら、やはりピッツァは食べるべし?! 生地が美味い、トマトが美味い、そしてやはりモッツァレッラの違いか。ピッツァに関してはほとんど冒険しない私は、いつもマルゲリータ(トマト、モッツァレッラ、バジリコ)を注文する。そしてしつこいようだが安い!1枚3.5ユーロなり。

イタリアにいても北の人はナポリは危険な町として恐れるのが大半。でも人はけっこう優しいところもある。(一般的に南の人は人なつっこくおおらか、と言われるが、私個人的にはそうは言えないと思っている。)
子供を抱えて込み合ったバスに乗り込んだ途端、横にいた男性が“お~い、子供を連れているんだよ、誰か席を空けてやれよ”と大きな声をかける。すると二人連れの友人同士の女性(20代)がすぐさま“ここにどうぞ”と一席を空けてくれ、彼女たちは二人で一つの席に。お礼を言いながら人をかきわけてようやく席に座り、ほっと一息。夫は彼女たちやその周囲とお喋りが始まる。
“ナポリはいいよね”とバスを降りたその直後、ポケットの現金が盗まれているのに気づく。。。
やっぱり危険な町?!ナポリ。気をつけましょう。
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今週はナポリ郊外の夫の実家へ。年に何度か行かなくてはならないナポリは、行く度に驚かされることがあちらこちらに。北と南の違いを目の当たりにするのだ。
町はクラクションを鳴らしまくる車が行き来する。こんなに交通量が多いのに、歩行者用信号機及び横断歩道はほとんど見かけない。見かけたとしても横断ボタンを押してもいつまでたっても青信号にならなかったり。。。
でも、この秩序のなさのなかに秩序があったりもして、誰も信号や横断歩道に従って道を横断などしないものだから、横断者も車の流れを無理やり止めても誰も文句も言わない。歩行者は行き来する車を止めながら道を横断。それが秩序。
ナポリの下町と呼ばれるスパッカ・ナポリ。


小さな路地に土産物店がずらりと並ぶ。これらはプレセーピと呼ばれるナターレの時期に飾られるジェスー誕生の模様や人々の日常を模したもの。ナポリはこのプレセーピが大変有名で、今でも専門店が多くあり、職人が手仕事でこれらをつくっている。がもちろん大量生産品も。土産物店の店先には、”NO CHINA”と書かれた紙が貼られている店も少なくない。
港の近くで見つけた理髪店。

これはかなりのヒット。店先に貼られた値段表には“政治討論+整髪15ユーロ、スポーツ討論+整髪15ユーロ、討論なし20ユーロ”。


だまって髪を切ってもらうほうが高くつく。傑作。
店内はレトロな道具でいっぱい。
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