パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



プロシュットの町、モンタニャーナ :: 2010/10/31(Sun)

パドヴァ県下、パドヴァよりも南西側にモンタニャーナという町がある。今までにも幾度かこの地で製造される、ヴェネトのD.O.Pハム、プロシュット・モンタニャーナの製造現場を見学に訪れた。
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この日も仙台のkanakoさんとともに同工場の見学へ。プロシュット作りも今や年間を通して続けられていることではあるけれども、今のこの時期は特に生産現場は大忙しの時期。
忙しいなかをかけ足ではあったが、洗浄から熟成、出荷に至る工程を作業の流れを踏まえながら追って見せていただいた。
何度訪れても、本当に興味の湧く現場。

町中にはいくつかハムの工場があり、同社の規模としてはこの地域においては中規模クラス。イタリア全体で、特にパルマなどの大型の生産者などの地域も含めると、かなりの小規模クラスの現場だという。

いくつかの生産者からはそれぞれに生産者たちのハム作りへの思いやら考えがあるため、同地域だからだといって、味や風味、仕上がりが似通うというわけではない、という。逆にここヴェネトのモンタニャーニャにいて、エミリア・ロマーニャのパルマにいる思想(…というのか?)が近い生産者のつくりハムのほうが、隣近所の工場のそれよりも味が似ている場合がある、というらしい。単純な製造工程ならではこそのでき上がりの違いなのだろう。
自分が目隠しで同じ状態・条件で違う生産者のハムを食べたらその違いって解るのかな?解らないんだろうなぁ、と思いながら、せっかくなので、この生産者のハムを扱う店にてハムの味見。
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24か月熟成(ちなみにD.O.Pとして認められている出荷可能な熟成期間は12か月以上、同社の基準は16カ月から出荷態勢へ。食べ頃としては18か月くらい、としている。)のこのハムは甘みも旨みも十分。
この地階にあるレストラン部分はその昔、同社の熟成庫として使われていた、というだけあって、いい雰囲気。地元の赤ワインとこれはまさしくベストマッチ。

町中の小さなオステリアなどの店先には、それぞれ生産者のマークが描かれた看板がさりげなく可愛らしく飾ってあったりして、ハムの町であることを実感する。
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  1. Produttore/生産者
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ステファーニアの料理教室ottobre編 :: 2010/10/30(Sat)

10月後半の約1週間は、仙台と東京でご活躍中のイタリア料理教室を主宰されているkanakoさんのヴェネト料理教室を開催。

(ほぼ)初訪ヴェネトの彼女のために、知人の女性料理家、ステファーニアが地元料理を披露。

アンティパストには今出始めのラディッキオ・ディ・トレヴィーゾのマリネ。酢と湯で茹でたラディッキオをオイルでマリネしておく。色鮮やかな紫色の葉部分とクロッカンテでまっ白な茎部分を持ち合わせた個性的なこの野菜の持ち味を十分に出した料理。この日は料理してすぐに食べざるを得なかったが、これはもちろん数日おいてなじませたものを食べるのがやはり良い。
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プリミにはいつもの定番、パスタ・エ・ファジョーリ。今はインゲンも生のものが手に入るので、より香り高く美味しくいただける。おまけに今回使用したインゲンは彼女の自宅菜園で獲れたものだというのだから、なおのこと。
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セコンドとして挙げたのは、バカラ・マンテカート。茹でてフードカッター&キッチンエイドでまわしながら少しずつ油を加えていくもので、手順的には単純だけれど、これが美味しくふんわりと仕上がるには、文明の利器、つまりはこれらの電気キッチン道具を利用するところに揚がる軍パイが大きい。その昔はこのペースト状にもってくるまでの作業を木べらで一生懸命に手でかきまぜ、それこそ“マンテカート”しながら仕上げるという大変な力作業、根気の要る料理だったのだから。

付け合わせとして彼女が選んだのが、これ、ポピーシードの柔らかい若葉の部分らしい。これをけっこうしっかりめに下茹でし、ニンニクとオイルでくったくたに煮ていく。これだけしっかりと火を入れながら、食べたときには野菜の存在感をしっかりと感じるのも、野菜に力があるがゆえなのか。
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ドルチェはkanakoさんのリクエストに応え、ヴェネトらしいトウモロコシ粉を使用したもの。…ということで、トウモロコシ粉菓子の筆頭にあがるトルタがこのズブリソローナ。ヴェネトからロンバルディア州マントヴァの菓子としてよく知られている。
トウモロコシ粉と小麦粉にアーモンド粉とバター、そしてストゥルッツォ(豚の脂)を混ぜて平たく型に広げて焼いたもの。
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食感的にはいわゆるクッキーのようだが、これもれっきとしたトルタの一種。“ズブリソローナ”という“壊れやすい、ボロボロな”の意味のごとく、ボロボロに崩していただくのが正式。
普通市販されているものは平たく、固いものだが彼女のつくったものは厚みがあって。、ホロホロとした食感でトルタとしては存在感あり、大変美味。
この食感と仕上がりは生地を型に“置く”ことに起因するのか。丸い型に生地を少しづつ軽くまとめたものを端から置いて行く。焼き上がりは生地がほどよく離れていく、という感覚。
ちなみにこの菓子、フラゴレッタという、ほぼ同様の意味から由来する名前でもここらへんでは知られている。
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この日はマンツーマン指導だったクラスも翌日は10人のイタリア人クラスと合流。まあ、女性10人よくしゃべるわしゃべるわ、、、。あっちこっちで会話が交差し、、、というのも予想の範疇なのですが。が、皆さまとっても優しくてよい人たちで、夜中まで大変楽しく過ごさせていただきました。


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グラッペリア・ナルディーニGrapperia Nardini :: 2010/10/29(Fri)

バッサーノの橋の上sul Ponte di Bassano…といえば、すぐに思い浮かぶのが、その橋のたもとにあるグラッペリア・ナルディーニ。
バッサーノ・デル・グラッパにて1779年創業、この地のグラッパ製造者として現在も最も知られているところのひとつ。グラッパ(蒸留酒)を指すアックアヴィーテAcquaviteという呼び名が当時の通称。ラテン語からくるこの言葉、当初はラテン語を原語のままの“C”のない”Aquavite”と表記していたとか。
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この創業と同時にバッサーノの名所でもある、ポンテ・デイ・アルピーニ(通称ポンテ・ベッキオ)の橋にて開業したのが現在も残るグラッペリア。

ここは多くの地元の人たち、そして観光客が立ち止まる場所。以前に紹介したメッツォ・メッツォやアペリティーヴォはあまりにも有名。

要予約ではあるが、このグラッペリアの下階にある部屋(通常は施錠してある)にて、試飲つきのガイドをしてももらえる。
この日は地元のご老人グループに混ぜてもらい、短時間ではあるが、商品の説明を聞く。
同社のグラッパについて、お勧めの美味しいリキュール、アックア・ディ・チェードロacqua di cedro(シトロンのリキュール←とっても美味しい!!)、そして、同社ならではのリキュール、タリエテッラTagliatellaについて、など。
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タリアテッラというと、幅の少し広めの生パスタを想像するが、ここでいうそれは、もちろんパスタではなく、お酒。内容はグラッパにシェリーのジュースや香り、他野草の香りをつけたもの。
本来の呼び名の由来はというと、第2次大戦後(同地も戦争では激戦地となった場所としても知られている)、人々が高級なグラッパを飲むことができなかった貧しい時代があった。当時はお酒は飲みたいけれどお金がない、ということで同店にもっと安価な酒を提供するように、との声が多数派だった。その声に応えたのが、今も残るグラッパの大きな容器からグラスに注ぐたびに落ちる水滴を集めてミックスしたもの。つまり、あっちこっちからかき集める=ターリアTagliaしたことが、このお酒の名称ともなった、というわけだ。
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このガイドさんの説明中で大盛り上がりだったのは、ルータrutaという薬用や芳香剤にも使われる南欧原産の野草が瓶に入ったグラッパの説明。いわゆる強壮作用もある、ということで、まあ、このテの話がだ~~~い好きな方たちだけのことあり、盛り上がる盛り上がる…。じいさんもばあさんも健在。

さて、グラッペリアでは朝の10時なのに、もう赤ら顔の人たちがそれはそれは楽しそう~に酒を飲んでいる。携帯のカメラ機能でパシャパシャと写真を撮りまくっていたおじさんは、近所にストゥーディオを持つプロのカメラマンらしいが、なんだか疑わしいなぁ。多分、ウソではないとは思うけれど。。。
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  1. Veneto/ヴェネト州
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アルクア・ペトラルカArqua’ Petrarca :: 2010/10/28(Thu)

アルクア・ペトラルカはパドヴァの南側、エウガネイ丘陵地に位置する人口2,000人弱の小さな町。イタリア中の美しい町や村を指定する、“クラブ・デイ・ボルギ・ピュー・ベッリ・ディタリアClub dei borghi piu’ belli d’Italia”にも認定されている。

知名はもともとアルクア(正しくは、ヴェネツィア共和国時代までは、ラテン語由来のアルクアーダAraudaから派生したもの)から1868年にヴェネトがレーニョ・ディタリアRegno d’Italia(イタリア共和国の前身、イタリア王国)に併合された際に、現在のアルクア・ペトラルカという名に改めた。

ペトラルカを付加したわけは、アレッツォ生まれの偉大な詩人であり学者である、フランチェスコ・ペトラルカFrancesco Petrarcaを生涯の後半をパドヴァで過ごし、愛人とともにこの地に住み、ここで生涯を終えたことから。彼の業績を讃える意味も含めて知名をアルクア・ペトラルカとした。

町は丘陵地帯の中腹にあるため、坂の続くくねくねとした道を通ることとなる。が、道の両端を家々の石の壁が覆い、町の美しい景観を築いている。非常に静かで小さな町だが、大変に落ち着きのある美しい町並み。ぜひ訪れるべき場所だと思う。
ペトラルカの住んだ家も見学可能。

同地で有名なのがジュッジョレ。これと他果物をアルコールに浸したリキュールがここの名産であり、これを、ブロード・ディ・ジュッジョレblodo di giuggioleと呼んでいる。
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毎年9月には、ここではジュッジョレ祭りが開かれている。

そして、そして、この小さな町で一番のお勧めレストラン。『Da Laura』
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この地で40年ほど、というから店自体はそれほど古い歴史のある、というわけではないが、地元のクラッシック料理に季節ものを加えた正統派でしかも丁寧に料理がされた好感のもてる店。
写真が悪くて残念だが、ここのビゴリはパドヴァが産地として有名なガッリーナを内蔵などとともに煮込んだラグーを合わせてる。このラグーはここらへんでは結構メジャーな、トマトを使わないラグー・ビアンコ。赤色でなく白い色に仕上がるラグー。ここではこのメニューをビゴリ・アッラ・パドヴァーナbigoli alla padovana(ビゴリのパドヴァ風)と表記している。
今が旬の甘いカボチャを詰め物にしたラビオリは、ピアチェーリ・ディ・スッカ・エ・ポルチーニPiaceri di zucca e porcini。軽く炒めたフンギ・ポルチーニをバターで仕上げたもの。
季節のキノコ類はフェットチーネと合わせ、トリュフをあしらい秋の香りたっぷり。
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店名のラウラLauraは、ペトラルカの愛人としてこの地で共に最期を過ごした女性の名。

Ristorante-pizzeria 『Da laura』
35032 Arqua’ Petrarca
Tel; 0429.718170

街は常にこんな感じにもの静かな雰囲気。天気が悪い際の訪問は残念ではあるけれど、こういう町並みには小雨もとってもよく似合う。
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ピッコロ・テアトロ・ドン・ボスコPiccolo Teatoro Don Bosco :: 2010/10/24(Sun)

9月後半から12月ナターレ前まで、毎週末になると子供むけのテアトロが企画されている。これは、パドヴァ市などの協賛を得て少年少女劇団みたいな名前の団体(I.S.D. Teatro Ragazzi)が企画しているもの。

土曜日の夕方と日曜日の午前・午後開催のこれには、イタリアじゅうから劇団が毎回入れ替わりで子供たちを楽しませにやってくる。子供むけではあるが、本格派。子供たちにとってはいい刺激になること間違いなし。
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子どもたちは皆、目を輝かせて舞台を食い入るように見つめている。時に元気いっぱいの合いの手を入れながら。子供を意識しているので、公演時間は約1時間と短いが、子供たちが飽きずに楽しめるにはほどよい時間だ。

劇が終わると同時にプログラムを片手にした子供たちが舞台につめかけ、劇団員にサインを求める。…というのがお決まりパターン。
これから寒くなり、外で遊ぶことのできない季節は特に満席以上になるほどの盛況ぶり。日曜朝の公演が一番の狙い目です。


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