パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



カルパッチョ・アッラ・チプリアーニ Carpaccio alla Cipriani :: 2012/08/31(Fri)

カルパッチョというともうイタリア料理の代名詞のようになってしまったが、この料理はヴェネツィア発祥の皿。
桃のジュースを使ったベリーニという有名なカクテルの発祥の地でもあるハリーズ・バーで生まれた料理だ。

その歴史は1955年、アマリア・ナーニ・モチェーニゴという、調理した肉を食べることを医者に制限されたご婦人のために、同店の創業者、チプリアーニ氏が即席で考案した皿。牛肉の薄切りの上にマヨネーズベースの特性ソースを絵を描くようにかけたもの。赤い肉と白いソースのコントラストが画家カルパッチョの画風に似ていたことからこの名が冠されたと言われている。詳しくは、こちら

この日はヴェネツィアのマンマ、ロッサーナの家でのヴェネツィア料理レッスン。で、セコンドはこのチプリアーニ風のカルパッチョということになった。

柔らかい部分の赤身肉をスライサーで薄く切り、皿に並べ、このソースをかける。

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ソースはマヨネーズ、牛乳、レモン汁、そしてリーペリンソース、塩、こしょう。

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スプーンでさささっと絵を描くように肉の上にかけて、シンプルながらに極上。おなかいっぱいなのにも関わらず、ぺろりとたいらげさせていただきました。

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ロッサーナといえば、よき伴侶であるだんなさんのダニエーレ。仕事が終わって私たちに参加したころにはもうプロセッコを飲んで盛り上がっていたが、彼が登場した以上、やはりスプリッツなぢではいられない。ヴェネツィアならではのリキュール、SELECTを使ったスプリッツ。今日もスプリッツ談義は彼の独壇場。さらに盛り上がって再度かんぱ~い!!!

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今日の他のお料理は、ヴェネツィアのバーカロの定番、ポルペッティとパスタ・エ・ファジョーリ。今はファジョーリ(インゲン豆)が生のものが出回る時期ということもあり、こちらも極上。肉類の一切入らない野菜だけで仕上げるパスタ・エ・ファジョーリ。美味しくて、身体に優しい。暑い夏には冷やして食べてもgood!!

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仕上げは春から漬け込んである、特製サクランボのリキュール。

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8月最終日、暑い夏がウソのように急に秋めいてきた…

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カンティーナ・ジェレット :: 2012/08/30(Thu)

1953年より続くワイン業者。ヴェネツィア県、サン・サスティーノ・ディ・リヴェンツァS.Sastino di Livenzaという、リヴェンツァ川が流れる小さな町。ヴェネツィアとはいえ、本島からはだいぶ北上し、ヴェネトとフリウリの境目に位置する。扱うワインの種類もこういう場所柄、両者の土地のものを中心に取り揃える。

ここは同社のメインとなる倉庫。一部のワイン保存と配送業務がなされるところ。大きな樽が並んでいる。

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さて、扱うワインはフリウリ産のブドウから成るワインを構成するMERKというブランド、Borgo Cantoniというヴェネツィア及びトレヴィーゾ周辺の丘陵地帯産のラインナップのブランド、Gerettoの名を冠したレフォーゾ、ピノー・グリジョ・メルロー、カベルネ、シャルドネなどの厳選品種からなるブランド、そしてCima del Colleというプロセッコのブランドが主体。

その他、アーティストとのコラボレーションのラインやオーナー制度をとった熟成タイプの赤ワインのラインなど、独自のおもしろい商品もある。

最近の新しいラインとしては『Confidenza』。コンフィデンツァ=信頼・信用というように、自然の環境に従っていこう、というのが商品のポリシー。

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冷蔵配送などが必要な夏の販売(特に国外)はやめ、ボトリングの際の添加物の不使用、ガラス瓶の軽量化、蓋部分もコルク不使用、リサイクル可能なものになど、考え方にもよるだろうが、それなりのポリシーに基づいて作られたもの。
ラベル部分もアントニオ・ボアットというアーティストに手掛けられ、アート性にも気を使っている、というもの。
赤はレフォスコ、白はピノ・グリジョで両者とも、爽やかな口当たりで人気の出ているラインだとか。

ずらずらっと同社商品の試飲をさせていただく。この日の参加者、私を含めて5名。運転もあったり、あまりワインに強くない人もいたり…として初めは少し、少しだけ~と言っていたのに、だんだんと盛りあがってきて、なんだかやけに楽しい気分になってきた(ワインの専門知識のある方から見たらバカにされてしまうかも)…のは私だけかもしれないが、少しずつゆっくりと味わせていただいて、勉強になったひと時。


私たちに詳しく説明をしてくれたのは、創業者のお孫さんにあたる製造責任者のアントニオさん。

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こうやって同じ作り手の様々なラインを飲ませてもらうとそれらの良さや風味や口当たりの違いやらがよく解って本当におもしろい。

盛り上がってきたころにさらに盛り上がる地元のサラミ類の皿までサービス。

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最後は甘いパッシートワイン、リチェットとビスコッティで締めて終了。ありがとうございました。

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Casa Geretto
Via Vanoni 3, S.Stino di Livenza (VE)
Tel; 0421.460253


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チーズ熟成士 Antonio Carpenedo :: 2012/08/29(Wed)

トレヴィーゾ県北部、ポヴェリアーノPoveglianoという町にあるチーズ製造者、カゼアリア・カルペネードCasearia Carpenedo。

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チーズ製造者としては1976年から。アントニオさんが創業者だが、彼のお父さんのエルネストさんが所有していた900年代初期の食料品店がその始まり。地元のチーズはもとより、ハム類他日常の食料品店に生まれ育った氏がチーズに特化してチーズ製造業を始めた。

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現在は彼のご子息であり、父上と同名のエルネストさんとアレッサンドロさんが実際の経営及び製造を担当しており、アントニオさん本人はそれを傍で見守っている。(実際のところはいつまでも完全には引退できずにいるだろうが)

ここの目玉商品はワインを作ったあとに残るブドウの搾りかすでチーズを覆って香りをつけたウブリアーコという種のチーズ。ウブリアーコとは“酔っ払った”という意味だが、まさにブドウで酔っ払ったようにチーズの表面の色もそして香りもワインを髣髴とさせる深い香りが特徴。

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トレヴィーゾ周辺のピアーヴェ川周辺は戦時中、オーストリア軍の潜入が激しかった地区。チーズは嗜好品(貴重、贅沢品)として、また彼らの食糧として兵士により取り上げられるという危機に。

たまたまワイン製造の始まるブドウの収穫期で農家の庭先にはブドウの皮の山。チーズはできたてまたは熟成中のものをとりあえずはその中に隠し、しばらくしてから出してみたら、チーズの状態が変わっていた。その表面の色、味、熟成具合も通常とはまるで違い、それまでに通常に作っていたチーズとはまた別の代物が…という偶然から成る秘話から生まれたチーズとされている。

1976年にこのチーズを製造することを決め、チーズ製造所として現在の歴史が始まる。このウブリアーコL'Ubriacoという名のチーズは商標登録も取得し、彼ら独自の製法として、広まっている。たいていのチーズまたは各種生産者に言わせると、こういうものはどこの農家でのやってたよ~、という話になるが、初めに名前をとった人のみが得られる権限。

ちなみに現在はチーズそのものを製造しているのではなく、その製法に対する商標登録であり、同社でもウブリアーコとして商品としているチーズには牛、ヒツジ、またはそれらのミックス、漬けるブドウも品種がいくつかあり、それぞれの風味などの最も適したもので15-20種のウブリアーコを所有している。

ここはカンティーナの一部。まるでワインのカンティーナのようだが、同社のチーズを象徴しているかのようなエントランス。

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ここに保管してあるチーズは、トレヴィーゾを中心にヴェネト北部のものが主なもの。少しだけ他州のものもあるのだとか。

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と、まあウブリアーコとして有名な同社だが、創業者のアントニオさんはそれはそれはファンタジックな人物で、チーズに対して自らのいろいろな思いを馳せ、それを実際の商品に仕上げている。

それの代表的なのがヴェント・デスターテVento d'Estate。チーズにこういう名前をつけるのも珍しいが、これは干し草とくるみの葉でチーズを覆い、さらにはワインの製造者より使い終わった熟成樽を譲り受けてその中でチーズを熟成させるというもの。

ヴェント・デエスターテとは、夏の風、という意味。アントニオさんと奥様のジュセッピーナさん、いや、ピーナさん…本人は”ピーナ”だけで呼んで~!と言われるので…が夏のヴァカンツァにモンテ・グラッパ(グラッパ山)へ出かけた際、前(だったか後ろだったか…)に牛の餌にする干し草を積んだトラクターが走っていた。

その干し草の香りが風にのって漂ってきて、何かチーズとコラボレーションできないかな?!と直感が働く。即座にその干し草を分けてもらって持ち帰り、検討の末、前述のような熟成をとってできあがったというもの。1997年の作品(あえて作品と呼ばせていただく)。樽の中で3-4か月熟成させることで出来上がる。

イタリア国内のチーズ品評会でもいくつもの賞を獲得している同社のチーズは、こうしてアントニオ氏のファンタジーアが存分につぎ込まれているもの。

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自分のチーズ哲学の一部を話すアントニオ氏の傍らで、終始温かな眼差しを注ぐピーナさんにはまさしく深い愛情を感じたが、彼曰く、チーズ作りはアモーレ(愛)のストーリーだ、と語り始めていた。いいものを作り出す、造り出すには、やはりそれにかける情熱とそして愛が必要だ、ということでこの日の訪問はなんとなくうまく話がまとまったよう。

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La Casearia Carpenedo s.r.l
Via Santandrà 17, Camalò di Povegliano, Treviso
Telò 0422.872178

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いちじくのクロスタータ :: 2012/08/28(Tue)

こちらもバッサーノのマンマ、グラツィエッラのレッスンでのメニュー。ドルチェは今、まさに旬のいちじくを使ったクロスタータ。

彼女の大きな家の庭先にはこれまた大きないちじくの木があって、実をしっかりとつけている。これを収穫に庭に降りていくところからドルチェの作業がスタート。

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昨年のいちじくの季節に作ったという彼女のお手製、いちじくのマルメッラーラ(ジャム)を以前にいただいたことがあって、その時に話は聞いていたものの、木からもぎたてのいちじくの甘いこと!!!!ものすごい糖度のこのいちじく、このままつぶしただけでジャムと同様に使えるんじゃないかと思わせる代物。

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生地をこねて型に敷きつめる。

中に入るのはいちじく、そしてイチジク。そう、いちじくだけ。

前日に用意しておりてくれたイチジクのフィリングは、皮をむいて茹でてつぶし、そこに砂糖を少し加えたもの。これだけ甘いから加えた砂糖はほんの少しだけ。

それをのばした生地の上におき、今採ってきたばかりのいちじくの実を半分に切ったものを乗せる。

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そしてオーブンへ。

だんだんといい香りがしてきて40分ほどで焼き上がった。

この日のメニューはズッキーニの花のアジアーゴとクルミのオーブン焼き、かぼちゃのニョッキ、そしてサルデ・イン・サオル。

最後の締めはこのクロスタータで。

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この日はミラノに住むグラツィエッラのお姉さんも食卓へ同席。初めはちょっと尻込みしていたらしいが、お別れのころには、もう涙を流さんばかりに(大げさ)別れを惜しんで賑やかで楽しい昼食となった。

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いつも美味しいお料理と温かいもてなしをありがとう!!

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かぼちゃのニョッキ グラツィエッラ風 :: 2012/08/27(Mon)

先週はバッサーノ・デル・グラッパのグラツィエッラ宅にて久し振りの料理レッスン。

この日は東京から、そしてアメリカ・ボストンから、そしてパドヴァでイタリア語勉強中の料理人さん&パティシェさんの参加で賑やかな会に。

この日のメニュー構成も勿論いつもの通りのヴェネト料理なのだが、グラツィエッラとのレッスンで初お目見えのニョッキをプリモにしてみた。

料理レッスン開催の場合には、あらかじめメニューを話し合って参加してくださる方へ確認、内容にリクエストなどがあった場合にはさらに提案して、最終的に当日のメニューを決めている。

夏の終わりということでかぼちゃの出始める時期。かぼちゃのニョッキにしよう、ということに決定したのだが、グラツィエッラから“私流でいいの?”と何度も念をおされて確認されたもの。

もちろんその、“彼女流”が私たちの興味のあるところで、料理に関しては(もちろん他の家事に関しても)手をぬかない彼女のニョッキってどんなんだろう、と楽しみにして向かった。

かぼちゃは前日のうちに蒸してつぶしておいてくれていた。ニョッキをつくる際には熱は冷ましておかないといけないので。

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そこに卵、小麦粉、ほんの少しのナツメグ、塩を加えて混ぜる。粉の分量はかぼちゃの状態によるから、季節やかぼちゃの種類によっても量がだいぶ変わる。ということで、様子をみながら順次加えていく。

今はまだ季節が早いため、実がまだ完全に熟していないから美味しいニョッキにするにはちょっと難しいかも…と言いながら粉を調節。

これくらいでいいかな?という状態になったのは、結構なドロドロな状態。台の上で成型して切り分けられるような状態ではない。

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これをスプーンですくって、試しに小鍋に湯を沸かして茹でてみる。これで湯の中で溶けてしまわなかったらOKの証し。

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塩の加減も確認して、今度は大きな鍋を用意して湯を沸かす。

横ではかぼちゃのニョッキといったらこれこそ定番のバター&セージのソースを。バターとセージを小鍋に入れて火にかけ、バターに香りを移す。

ニョッキが湯のなかで浮いてきたら茹であがり。しっかりと湯をきり、熱々のセージバターにからめてフィニッシュ。Gnocchi di Zucca alla Graziella

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シンプルだけど、これは美味い!!

今までニョッキをつくってもなかなか美味しくできなくて、ニョッキからは遠ざかっていたけれど、近いうちに我が家の食卓に上る日も近し。

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