パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



バッカラのヴィツェンツァ風Baccala alla Vicentina と ナスのユダヤ風Melanzane alla giudea :: 2013/10/28(Mon)

前回記事にいて、バッサーノのバッカラを専門に売る商店をご紹介したが、先日はヴェネツィアーナのマンマ、ロッサーナにその料理法を伝授してもらう。

ストッカフィッソ(何度も書くけれど、ここヴェネトで使われるのは主に、このストッカフィッソ=通称バッカラと呼ぶことも多い)は水に浸して柔らかくしておく。3晩ほど水を交換しながらゆっくりと戻す必要あり。

この煮込みを作る場合には、ストッカフィッソの腹の部分を使うほうが適している。対してマンテカートには尾にが使い部分を使うほうがよい。

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戻したものは皮から身をはずす。身の部分を煮込んで食べるとはいえ、皮の一部も少し刻んで入れ込むのがよい。

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タマネギを鍋に入れて軽く火を入れ、アンチョビとケイパーも加えてほぐした身を入れる。
皮からはずした身はきれいに形を残して鍋(またはバット)に並べて形を残した仕上がりにする場合もあるが、ヴェネツィア人の彼女は絶対にほぐし派。

以前に私が働いていた地元では知られた店ではバッカラは定期的に常に大量調理のために何尾ものストッカフィッゾが大きな大きなバケツの中で流水で戻され、皮をとったり骨をはずしたりする下処理作業は下処理場にてフィリピン人がコツコツとやっていた姿を思い出す。ここではバットの上に重ねてオーブンに入れて調理していた。

さて…ほぐしたバッカラは粉を軽くふってから鍋にて表面に火を入れたら、オイルと牛乳を加えて低温オーブンにて約3時間、ゆっくりゆっくりと火を入れる。

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この日は3時間ほど火を入れたものの、ストッカフィッソ自体が少し筋っぽかったこともあり、翌日に再度オーブンにて調理したものをいただいたが、さらに美味。ほろりとくずれるいい感じの仕上がり。

横につけあわせてあるものは、ナスのジュデア風melanzane alla giudea。ジュデア風とはユダヤ風という意味。ヴェネツィアのゲットー地区が発祥。面白いことにナスの皮の部分のみを使う。

ナスの皮を少し厚めにむき、それを細く切る。広げて塩をふり1時間ほどおいておく。

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ひと昔前までは、ヴェネツィアでは、食べ処の店先にて、大きく広げられた布の上にこの細切りナスを干したものをよく見かけたのだそう。日向にて干して水気をとる、見なれた風景だったのだそうだ。
今では衛生的にも問題になってしまうので、こんなことをしている店など無くなってしまったが、ヴェネツィアの人たちの日常料理であったことなのだろう。

このナスを多めのオイルとニンニクで仕上げる。非常にシンプルだけれど優しい甘いナスの風合いがとっても美味!

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バッカラには白ポレンタを添え、ナスを添えて一皿完成!!

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(ほんとはこれだけで一食十分だけど、他にも食べるものが沢山ありすぎて、小盛りなのが残念...)


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バッサーノのバッカラ売り Bottega del Baccalà :: 2013/10/26(Sat)

ここはバッサーノ・デル・グラッパ。ヴィツェンツァ県にある町でグラッパ山の麓にある山の景色の美しい町。パッラーデォオのデザインした木製の屋根付き橋、ポンテ・ヴェッキオ(通称アルピーニ橋)が有名。戦争中は激戦区となった場所にて、当時の悲しい面影を町のあちらこちらに見る場所である。が、小さな町ではあるけれど、静かで非常に美しい町にて、街歩きにはおすすめ。

ここら辺一帯にて重要ともいえる食材がバッカラ。ヴィツェンツェはバッカラの町ともいわれており。ヴェネツィア共和国の時代に北欧のノルウェーから持ち帰ったものをヴェネトを中心に拡がり、保存の効く魚として大変に普及した、とされている。

バッサーノの町の中心にある同店。1935年創業のコンカートConcatoさんの店。

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現在の店主であるトニーさんはこの店の上で生まれて育った、というから、自称「バッカラ畑で生まれた」という。

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バッカラの渡来は非常に大雑把には上記だが、北欧にて見つけて持ち帰ったのはヴェネツィア人だが、その当時は干からびた大きな魚には見向きもしなかったという。ヴェネツィアは新鮮な魚が豊富だったので、それも納得。実際に商業べースにて北欧から持ち込んだのは、ヴェネツィア人ではなくてジェノヴァ人。ひと昔前までは、バッカラは貧しい食べ物、として知られていたものだったらしい。

バッカラの煮込みに添えられるのはポレンタ、と決まっているが、そのポレンタも然り。煮込んでボロボロになったバッカラと貧しい食の代表みたいなポレンタではそういう認識も解らなくもない。おまけにそのバッカラもジャガイモを混ぜ込んでボリュームを出していた、という。

トニーさん曰く、バッカラを戻しているところやその匂い(戻すときからすごいにおいを放つから)「今日もあそこの家はバッカラだよ…」なんていう感じに言われていて、料理していると(これまた独特の匂いにて、すぐに解る)少々恥ずかしい気分もした、という。それでも実際には、バッカラの風味は土地の人たちは大好きでであったことは言うまでもない。

今でこそ、バッカラは高い値がついた食材ではあるが、少し前まではそんな扱いをされていたというのだから、時代と時代背景によって変わる食の志向・嗜好というのは面白い。

さて、同店、外観もレトロな雰囲気ながら店内も同様。干されたバッカラが並び、他、魚類の保存食的なものが並ぶ。

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この機械はバッカラに圧をかけてがっちがちのバッカラの繊維を切って柔らかくするもの。ローラーにバッカラを数回通すことにより、水に戻り易く、戻した後もほぐれやすいとのことで、水に戻す前の必須作業となる。

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ヴェネトの代表的料理といえば、そのひとつがバッカラを牛乳とオイル、タマネギで長時間煮込むバッカラ・ヴィツェンティーナ(バッカラのヴィツェンツァ風)。今や、ヴィツェンツァのみに限らず、ヴェネトの料理となっている。

その仕上がりは作る人により様々で、バッカラの身がボロボロなのと、バッカラの形をなるべく残す(紐でしばって調理する場合もあり)のとがあるが、この地域では完全にボロボロに煮込むタイプ。プレスしてから戻す、という作業をみていて、そう質問したら即答された。

ちなみにここでいうバッカラはストッカフィッソ。塩漬けしてから干したバッカラとは別のもの。バッカラ料理もイタリア各地にて様々である。

このバッカラの産地、ノルウェーでは、この感乾魚を茹でて何かの脂肪分をベースにした(おそらくラードみたいな)マヨネーズのような土地独特のソースをたっぷりつけて食べるらしい。イタリア人的には「スキーフォ!!!(気持ちワル~!!!)」な食べ方で、ここ最近ではバッカラを買いつけるイタリア人によってオリーヴオイルを使った調理法を逆に現地にて教授、ということも行われている。オリーヴオイルは高価で貴重なものだから、料理はやはり土地ならではの味覚と伝統に大きく影響するんだな、と改めて思う。

それにしても、このノルウェーのバッカラの産地、ロフテン島、一度訪れてみたいなぁ…

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栗のお祭り Festa dei Marroni IGP a Combai :: 2013/10/25(Fri)

各地で収穫祭の続くこの季節、この日曜に訪れたのはトレヴィーゾ県の北部、まさにプロセッコの産地にあたるヴァルドッビアーデネValdobbiadeneの区域であるコンバーイCombaiという土地。

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ここ一帯は、マッローネ(栗)が有名で、産地呼称であるIGPに認定されている。認証されている産地テリトリーとしては約280㎢。16世紀のヴェネツィア共和国の時代から、この地域の栗収穫は公式的に記録として残されているもので、由緒正しき栗、なのだ。

この産地にて、毎年開催される収穫祭はこの地域のなかでも東側に位置するコンバイという町を中心として行われている。

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急勾配のなかにある山合いの小さな街。石垣造りの家家が並んでいて普段は静かな場所なのだろうが、このフェスタ期間中は多くの人が足を運ぶ。

あちこちに並ぶ地元産チーズやサラミ類。

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太~いサラミ、ソプレッサ。

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こちらは生の腸詰め、ムゼット。

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メイン会場は町の小学校。昼食時には、栗のパスティッチョ(ラザーニア)などが提供されていたが、時間がずれてしまって、食べ損ねたものの、この日の主役のカルダローステ(焼き栗)があればもう大満足。

紙袋にがさっと入れてもらい、そしてこの栗のお伴にはなくてはならないトルボリーノTorbolino。ヴェネトならではの季節もの。

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いわゆるワインの製造過程でのアルコール発酵途中経過のもの。フィルターに通さずにいるので、白濁していて甘い。
美味しくて(おなかが空いていて…というほうが正しいかな)、栗はもうひと袋、トルボリーノももう一杯。結局この後、グラスだけでは終わらずに、瓶がやってきたのだけれど…

この焼き栗を焼いている先は、というと、このフェスタの見所ともいえるもの大焼き栗鍋。

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大きな鉄板を吊り下げて大きな焚火でローストする。焼きあがったら籠にあけてこちらのマシンへ。下方に設置した紙袋のなかへ一定量が入る。

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会場内はあっちでも、こっちでも、

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そしてこっちでもあっちでも栗食べ会。そしてそのお伴にはトルボリーノ。

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秋、ですね…


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ラディッキオの収穫祭とヴェネトの食堪能ツアー企画!! :: 2013/10/23(Wed)

ヴェネトの冬といえば、ラディッキオ。早生種であるプレコーチェはすでに1か月ほど前から収穫が始まっていますが、特に個性的な形と味を持つ晩生種、タルディーヴォの収穫はようやく今週から始まっています。

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畑から収穫したものは、このまま出荷されるものではなく、ここからさらに流水に根をさらして白×紫色のコントラストを出す作業が入ります。

約1か月後にはようやく季節本番。

これに合わせてラディッキオ生産地各地において収穫祭が開催されます。今年はこの収穫祭に合わせて、収穫祭訪問を中心に、ヴェネトの生産者を訪問し、土地の料理を堪能する充実の旅行プランを東京・銀座にオフィスを構える、トライデント・ツアーズ様と共同企画をしてしています。

『トレヴィーゾでラディッキオの収穫祭と生産者訪問~食べて・飲んで・アグリに泊まる~』

他には絶対にない、超充実の内容。日程はせまっているものの、参加の価値の非常に高いものです。

お問い合わせ、お申し込みはトライデント・ツアーズ及び私本人へ直接でも構いません。お気軽にご相談ください。

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ぜひふるってご参加くだされば光栄です。よろしくお願いいたします。

ヴェネトの冬を堪能する特別企画!

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お米の祭り Fiera del riso Isola della Scala :: 2013/10/14(Mon)

今年も行ってきました。お米のサグラ。

ヴェネト州はお米の産地でもある。私の住むパドヴァ周辺ではなく、もっと西に寄り、ヴェローナからロンバルディア州にかけた地域がそれにあたる。イタリア最長の川、ポー川と第2の川であるアディジェ川の流れる、豊かな土地で稲作が盛んだ。

ここで特にコメ作の拠点とされるのが、ヴェローナ県南に位置するイゾラ・デッラ・スカーラIsola della Scala。“米の町Città del Riso”などとも呼ばれる。

この地でつくられる米のなかで特に土地のものとしてあげられるのが、ナーノ米(リーゾ・ナーノ・ヴィアローネRiso Nano Vialone)。米としては唯一、産地呼称(I.G.P)に認定されている品種。なので、この土地で生産されたものでない限り、この品種名をつけることはできない。

毎年この時期に開催されるフィエラ/サグラ(いわゆる収穫祭)は、町の中心に大きな仮設テントがつくられ約150業者が参加、500,000人もの訪問者があるという。

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テント内には各生産者がブースを持ち、リゾットが振舞われる。ひと皿5-6ユーロにて季節のキノコや野菜などを使ったものが出されるが、土地ならではのリゾットがイゾラ風(イゾラーナ)と呼ばれる、リゾット・アッリゾラーナRisotto all’Isolanaだ。

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刻んだ豚肉や牛(仔牛)肉をローズマリーの香りを加えながらじっくりとしっかり炒め合わせ、シナモンやコショウなどの香辛料をたっぷりと効かせ、仕上げにバターと土地のチーズ、グラーナ・パダーナを加える。しっかりとした風味豊かなリッチなリゾットだ。

もともとは肉の端肉と米を利用した土地ならではの料理だっただろうことが容易に想像できる。香辛料をたっぷり加えているのも臭みを消しに使われたものだろうし、豊な平野ならではの盛んな酪農により、豚や牛の肉の利用価値もあったのだと思う。

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ブースの奥では大きな鍋でリゾットをつくる料理人の姿。

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そして、このリゾットに使われる肉としてよく知られているものがタスタサルtastasal。生サラミの中身でミンチした豚肉と香辛料などが入っている、この土地ならではのもの。このようにリゾットやパスタのソースの具材などに使われる。もちろんハンバーグみたいにして焼いてもよい。

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サグラでは、テント内の仮設レストラン(大きい!!!)とその横には生産者の直売場もあって、米の販売とこの肉製品も同様に売られている。地元外から来た人たちは、何に使うものなのか、と尋ねる姿も珍しくはない。

会場内には米粉をベースにしたお菓子の販売も。ティラミスやズブリソローナ、焼き菓子などの土地の菓子類。お米のトルタやはここら辺からマントヴァくらいまでの土地菓子だ。

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販売ブースを端から端までゆっくりと見て、あっちこっちから米を買占め、帰りは重い~い思いをして帰る、今年も同じパターン。

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来年も同様に訪れられるかな~…





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