パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ラディッキオのお祭り Festa di Radicchio di Rio San Martino :: 2014/11/30(Sun)

今年も始まった、この季節。ヴェネトの冬を代表するラディッキオの旬がやってきた。

ラディッキオはヴェネト州以北で作られるチコリの仲間の野菜で、各生産地にて、それぞれの形状及び味の違いなど、品種を異とし、それに伴い、各生産地の名のついたラディッキオの品種は数多くある。

ヴェネトのなかでも何種もあるなか、代表的で特徴的なものが、トレヴィーゾ産の晩生種である、ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレヴィーゾ・タルディーヴォI.G.P. (Radicchio Rosso di Treviso Tardivo I.G.P.)だ。

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ヴェネト州内、トレヴィーゾ県を中心にヴェネツィア県、パドヴァ県の3県で生産されているもののみにI.G.P.の産地呼称の認証がつく。

その地域内にて、季節ともなると順を追って、各生産地にての収穫祭(サグラ)が開催される。各地の毎年恒例のイベントであり、地元の生産物の恵みを悦び、労に敬意を示すもの。

シーズン最初のサグラはヴェネツィア県下、スコルツェという町のリオ・サンマルティーノRio San Martino。
数あるサグラのなかでも大きな規模のここは、毎年のシーズンのスタートということもあるのだろうか。会場内は赤紫色のラディッキオ色でいっぱい。装飾も馴染みのこの色に統一されている。

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入口には、生産物が並び、そして会場には、地元の生産者たちの製品の展示即売のコーナーも設けられている。

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会期は2週間ほど。近所の人たちは何度となく足を向けることとなる。会期中には、料理人たちによるラディッキオ料理コンテストや、生産者の今年の出来の品評会等々、生産者・学識者によるシンポジウム等々もプログラムされた。

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寒~い季節の生産物という認識ゆえ、これが始まると冬本番!というう気分になるもの。だが、今年はなんだか一向に本格的な冬の訪れもまだまだ…という感じ。




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  1. イベント、見本市
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バヴァラッセ(Bavarasse)とヴェラーチ(Veraci) :: 2014/11/29(Sat)

両者とも、ヴォンゴレ(アサリ)を指す。

ヴェネツィアのあるラグーナは広い範囲にある浅瀬(潟)の続く地形であり、そこで獲れるこの土地独特の魚介が豊富。ヴェネツィア料理には、これらを使用した料理が土地の代表料理となっているのは無論だが、そのなかでもヴォンゴレを使ったスパゲティなどは土地の料理店にはほぼ完全な確立でお目にかかる地元料理だ。

魚屋にいくと、たいていヴォンゴレは2種類は置いてある。それが表題のもの。


小さいものは地元産で、バヴァラッセBavarasseとかヴェヴァラッセVevarasse、ヴェヴェラッセVeverasse、ペヴァラッセPevarasse等々、ヴェネツィア訛り特有の濁音混じりで呼ばれている。

対してヴェラーチVeraciと呼ばれるものは、フィリピン沖原産と言われており、船の底に張り付いていたものが、広域に渡って生息地域を変えているもの。

見た目の違いは大きさで一目瞭然。地元産のものは小さめ、ヴェラーチは大きい。

スパゲティなどにする場合には、我が家の魚屋さんは、かならず前者の小ぶりな地元産を推薦する。身は小さいが、香りが強く、パスタと絡める際の貝から出る汁が段違いで旨い。
値段は地元産のバヴァレッセのほうが少々高め。ヴェラーチは成育も速いので、養殖向きでもある。

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この日は2種類のヴォンゴレを用いて、魚介のスパゲティを。

使うエビも種類を違えて3種用意。

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貝類をまとめて一気に鍋で火に入れ、開かせる。

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フライパンには美味しいトマトをたっぷり入れて火を入れる。

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そこに具を加えて火を入れてできあがり。茹で上げたスパゲティをしっかり絡ませる。

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海の幸たっぷりのヴェネツィア風魚介のスパゲティ。スパゲティ・フルッティ・ディ・マーレSpaghetti frutti di mareのできあがり。

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  1. 料理・素材
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PERBELLINI(ペルベッリーニ)のパンドーロ :: 2014/11/26(Wed)

パスティッチェリア・ペルベッリーニ Pasticceria PERBELLINI

今年もやってきた、この季節。パネットーネとパンドーロがいっぱいに並び、雰囲気が一気にナターレのに近づく。街場のお菓子屋さんやスーパーには、10月末ぐらいから出回り始めていて、もう今や本格化。

昨年も友人たちとここのパンドーロを買いにいって、やっぱり美味しくて今年も足をのばしてみた。

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たくさんのフルーツのカンディーティ(フルーツの砂糖漬け)の入ったパネットーネは華やかなナターレ向き。ヴェネト発祥のパンドーロは、シンプルな卵たっぷりのふわふわ生地。両者とも、毎年のことながら、この季節がくると必ず数種はただいている。

訪れた先は、ヴェローナの南側、ボヴォローネBovoloneという小さな街にある1900年創業のペルベッリーニ。
地元でも、また他地でも、同店のそれは非常に知られていて、ロゴ入りのシンプルながらに素敵な包み紙が魅力。

店はお菓子を買い求めに来る地元の人たちでいつもいっぱい。日曜日は特にお菓子屋さんは大繁盛日であるから、この日は後から後から、閉店間際までひっきりなしに人の流れが。

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目当てのパネットーネとパンドーロ。棚にあるもの全て買いたくなるような衝動にかられつつ…

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地元のお菓子やら、自宅使いのお菓子などが並んでいて、これらも悩ましいくらいに魅力的。なによりも、適正価格なのも、嬉しいところ。

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この店を有名にしているのは、天然酵母による発酵菓子。パネットーネにいたっては、クラッシックから同店オリジナルの商品が様々に並ぶ。

パンドーロがこの店を有名にしているひとつの理由だが、ヴェローネーゼならではのオリジナルがある。
それが、オフェルタ・ドーロOfferta d’Oro。パンドーロの発祥と言われている“ナダリンNadalin”を現オーナーのお爺さんの代に商品化したもの。この店の看板商品でもある。

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(↑画像はお店のHPから借用)

そして、この店にやってくるお客さんの多くが買い求めるのが、ミッレフォーリエ。いわゆるミルフィーユ。同店の看板商品でもある。

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さっくさくの生地に、ふんわりとしたクリームは、“スフレ状の”と表現される。販売する直前に、店頭に並べる際にクリームを挟んで、いつでもサクサクの生地とふわふわのクリームの状態で提供。

店の裏にある作業場には、このお菓子専用のスペースが設けられていて、ショーケースになくなると裏手にまわってクリームを挟んで店頭に出す。この日はお昼前に完売。最後のミッレフォーリエのかたまりを出すところだった。

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目の前であれよあれよとなくなっていく…大きな塊を持ちかえる人々。予約している人も多数。

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現オーナーはバッテスタBattistaさん。製造現場にも、店頭にもいつもいらっしゃる。

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ということで、今年のパンドーロはペルベッリーニからスタート!!

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  1. Dolce/ドルチェ
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アグリトゥーリズモ 『アル・ペニーゾラ』 Agroturismo Al Penisola :: 2014/11/24(Mon)

ここの名称の“ペニーゾラ(penisola)”とは、“半島”という意味。イタリア半島も“ペニーゾラ”

同アグリのあるのは、パドヴァ郊外北方、カンポ・サン・マルティーノCampo San Martinoという場所。
ブレンタ川の中州としてできた土地で、川に挟まれて半島のようになっていることから、そう名付けられている。

19,000㎡ほどの土地のなかにあった古屋を改造して造られた同施設は、まだ新しく2005年オープン。昨今のいわゆるアグリトゥーリズモブームに乗って、新しい農業の形態に参画したオーナーの手によるものだ。

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敷地内には、レストランと宿泊施設が設備されていて、それを中心にこれまたよく整備された庭部分に家畜を飼育している。

こういう場所には週末ともなると家族一同の食事会やら、何らかのお祝い事に使われることも多く、子供の喜ぶ広い土地、動物がいることで集客にもつながるもの。街に住んでいる人たちの週末の過ごし方、というと、こういう場所に食事に来ることがひとつの娯楽でもあるから。
家からそう遠くもない距離に、このような形式の食べ処があちこちに点在する。

そして、ここもそんなうちの一施設。

週末のお昼時、一応予約していったら、大きな食堂はほぼ満席。ご老人のお誕生日会が催されているわきで、生まれたばかりの赤ちゃん連れの一族会あり、若いカップルあり、家族の週末の食事あり、と使われ方は様々ではあるが、まあ、めいっぱい盛りの皿を囲んで、休日の長い食事を楽しむのは、なんともいえない悦び。

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食事ができるのは、同アグリでは木曜日から日曜日まで。休日はメニューフィッソ(定食)のみ。一人あたり30ユーロ。…メニューの内容を聞いた時点ですごい量で食べられないだろうなぁ…と心構えも勇ましく、出陣。

アンティパスト。サラミ類とポレンタ、ラディツキオとフォルマッジョ、ラディツキオのパイ焼き。(ここでポレンタ食べ過ぎると、後に続かなくなる…)

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ラディッキオとサルチッシャのパスティッチョ。(あっ、結構ボリューム少なめ…ほっ。)

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ビーゴリが食べたいわ~、と言ったら、パスティッチョの代わりに応対してくれた、カモのラグーのビーゴリ。(以外にあげ底なので、食べられる!!)

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そして、ここのメインはスピエードspiedo。肉の串焼き。豚、牛、鶏、ウズラなんかが美味しそうな焦げ色をつけて大きな皿にドーン!!(あっ、まずい…食べられるかな・・不安…)
添えられたポレンタは、とっても美味。白も黄色も風味豊か。

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コントルノ(付け合わせ)には、豆のサラダ、ラディツキオ、山盛りのジャガイモのロースト。

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予め耳にしていた給仕の話によると、確か、もう一皿、くるはず…確か、豚…

ロースト豚とキノコ。(う、う、これはちょっと無理…かも)

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そして、焼き菓子。(もー勘弁!!)

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全て、アグリ定番の料理だけれど、こんなに大量調理とはいえ、それぞれが美味しく仕上がっている。
とはいえ、もうお腹がはちきれんばかりにて、悔しくも途中ギブアップ。

お皿に残していくのも残念なので、お持ち帰り用に容器をもらって、今夜の夫の夕飯として持ち帰り。

庭には、ロバ、羊、ロバやら鳥やらがたくさんいて、天気のよい日は最高によい。

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ヤギさん達はここでも他の動物たちよりも少しだけ過酷な地形で平和に暮らす。

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川の流れを感じながら、ゆったりとした時間。水辺のいい環境だ。

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AGRITURISMO “LA PENISOLA”
Via Via Kennedy, 19 Campo San Martino (PD)




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  1. リストランテ・食べ物屋
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コショウたっぷり サルサ・ペペラーダ Salsa Peverada :: 2014/11/21(Fri)

“サルサ・ペペラーダ”

ヴェネト料理を代表するサルサ。”ペヴェラーダpeverada“。非常にリッチな肉用のソースのことを指す。

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主材料は、ガチョウまたはアヒル、鶏などの肝。そこに地元のサラミであるソプレッサやらパン粉、スパイスなどが加わるのだが、忘れてはならないのがたーっぷりのコショウ(ペーペ)。

そのサルサの名の通り、“ペヴェラーダ”とは、“ペーペ(胡椒)”から由来した言葉。濁音の入るヴェネト特有の発音だ。

ヴェネト州内でこのソースが知られてきるのは、ヴェネツィアからトレヴィーゾ、ヴェローナにかけて、と言われている。

それら、各地にて少しずつ使われる材料が異なったりして今に伝わるのは、風習や習慣からくる、土地の人たちの好みによるもの。

この日はホロホロ鶏にて。

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ヴェネツィア近辺では、このサルサには、家禽鶏のレバーが使われる。

レバーは刻み、

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地元産ソプレッサを加えることで、地産料理ならではの、なくてはない香り。

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ここにたっぷりのプレッツェーモロ(パセリ)、パン粉、ニンニク、レモン汁、スパイス。そして、ペーペ。

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ヴェローナ近郊では、ガチョウ、野兎などの肝及び心臓が使われるという。

材料を全て粗く刻み(これは粗く刻んであることがポイント)、それらを合わせて鍋に入れ、ブロードを注いで水分を飛ばすように煮込む。

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しっかりした材料であるので、煮込みもしっかりと。煮汁が途中で足りなくなれば、足しながら、ゆっくりと煮込む。

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このソースに合わせるものは、ローストした肉や、これから冬に向けて美味しくなるボッリートに添えて。
肉もソースともどもが主役な料理だ。

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