パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



カゼイフィーチョ・ペンナル Caseificio Pennar とトゼッラ :: 2015/03/30(Mon)

ヴェネトを代表するアジアーゴAsiagoというチーズは同名の丘陵地帯、アジアーゴでつくられているDOP指定のチーズ。丘陵地帯…とはいえ、背後にはドローミティが控える山岳地帯。標高1000m級の一帯だ。

こういう場所を一般的にアルト・ピアーノalto piano(=高い場所、高原地帯)というが、ここは昔から牛の放牧場所として、いわゆるマルガmalgaが多く点在する場所でもある。そして、第一次世界大戦時の激戦区でもある、という歴史を持つ。

セッテ・コムーネsette comuniと呼ばれる地域がアジアーゴの主要産地。セッテ=7つの、コムーニ=自治体、という意味を持ち、もともとは7つに分かれていた場所。トレンティーノ・アルト・アディジェ州との州境でもある。

アジアーゴは10世紀にはもう既に当時の文献に残されていた、という歴史のあるチーズ。パドヴァのヴェスコヴォ(監督、いわゆる高位の聖職者)たちが、美味しいチーズを求めてここにやってきていた、とされる。
現在でもマルガと呼ばれるものは100を数え、その総面積は11,000ヘクタール、10,000頭の牛が飼われているとされている。

アジアーゴは現在、避暑地としても知られ、またこの一帯は冬場はスキーのメッカでもある。年間を通じてヴェネトを中心に多くの人々の訪れる場所で、そして、美味しい山の味覚を楽しみにくる週末客の多い場所。

そしてここの名産のチーズを目指して遠出してくる人も多いのだが、そんななかでも特に多くの人に知られている生産者(カゼイフィーチョ)が、ペンナルPennar。

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ここの美味しい空気と美しい自然のなかで育つ乳牛の乳からできるアジアーゴは同カゼイフィーチョの歴史からいっても断トツの信頼と知名度といえる。その始まりは1927年。

現在も伝統の製法、生乳(高温殺菌をしない)からつくる大型のアジアーゴ。熟成1カ月から月ごとに味わいが変わるので、この販売所にいくと、それぞれを購入することができる。

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30-60日熟成のものは、アジアーゴ・プレッサートAsiago Pressatoと呼ばれ、D.O.P.指定のもの。そして、それよりもさらに熟成の進んだものは、その熟成具合に合わせて、メッザーノMezzano(熟成中途)、メッザーノ・ヴェッキオMessano Vecchio(熟成中~後期)、ストラ・ヴェッキオStravecchio(超熟成)と格付けされ、総じてアジアーゴ・ダッレーヴォAsago d’Allevo とされる。これも、もちろんD.O.Pの指定に入る。

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この直売所では、アジアーゴの製造中につくられる他チーズもある。これは、カザテッラと呼ばれる、少し酸味のある高温凝固されたフレッシュタイプのチーズ。

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他、ここのバターや牛乳は文句なく滋味深く、美味い。

私がここに着いたのは、午後の開店15.00の15分ほど前、少し辺りをお散歩して戻ってきたら、店の前の駐車場には後から後から到着する車が…

そして、このアジアーゴに来る楽しい目的は、ここの自然豊かな環境と、美味しい山の食事。

美味しい山の食事、とはいっても、大概には、そんなに特別なものはなくて、煮込みのソースのパスタや肉の焼いたもの、そこにポレンタがついてくる、そして季節の野菜の料理…など。

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ここに書いたトゼッラ、というのは、上記のようなチーズの製造時にできるフレッシュの派生チーズみたいなものを、熱々の鉄板(フライパン)で焼き上げるもの。ここにはバターをたっぷり使い、高カロリー食ではあるが、古くからある土地の一皿だ。

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まだ春浅いこの日はまだまだ空気が冷たくて、あちらこちらに残雪も見える。小高いところから見渡す景色は美しくて、美味しい空気をたっぷり吸ったいい週末の午後。

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丘の上の素敵な場所 Vignaioli Contrà Soarda :: 2015/03/02(Mon)

ここは、バッサーノ・デル・グラッパの街はずれの丘陵地帯。バッサーノの街はもうその町の名の通りの“山(グラッパ山)の麓(バッサーノ)というだけあって、小高い丘陵地帯の背後に控えるものは、山岳地帯。

町の中心から少し離れるようにして車を走らせ、上方に行くと、美しいブドウ畑の拡がる風景に遭遇する。

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その一画に敷地を持つのが、ここ、Vignaioli Contrà Soarda(ヴィナイオーリ・コントラ・ソアルダ)だ。歴史としてはそう古くはない。1904年に、何にもなかった山にブドウを植え、そしてさらに果物、野菜などの栽培を始め、いわゆるアグリトゥーリズモとして立ちあがった。

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山の斜面を利用し、日当たりのよい側には、地元種のMarzamino(マルザミーノ)や、バッサーノの産物である白アスパラのお伴となるVespaiolo(ヴェスパイオーロ)、他、品種ごとに区画を分けてそれぞれのブドウの手入れを行う。

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カンティーナはもちろん、この、いわゆる“グロッタ”を利用し、地中を掘り起こして通年を通して一定の温度と湿度を保ったなかに、これらのブドウから成る産物が眠っている。

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…とまあ、ワインの生産者でもあるのだが、多くの人がここを訪れる目当ては、彼らのワインとそしてここで供される美味しい食事。

食事処はこんなところ。

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これも山の斜面を利用して、掘り起こしたように仕様したレストラン部分。レストランというか、エノテカ。…というか、“エノターヴォーラ”と彼らは呼んでいる。つまりはお酒を楽しむエノテカ+食事処、という、両方のいいところを足したようなもの。


入口はオープンキッチンになっていて、ガラスのこちらから見える厨房はまるで映画の1シーンのようにも見える。

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客席は自家畑が全貌できる、全面ガラスとなっていて、色遣いもとても鮮やかに、ポップな感じ。ポップとはいえ、とにかく、開放的で可愛らしく、可愛らしいが甘すぎない、という印象。

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ブドウ畑の間合いは、犬たち(『ウーヴァ(ブドウ)』と『バリック』→名前がブドウ畑にぴったり。そして愛嬌満点!!)が走り廻り、人懐っこいロバの親子(お母さん、只今妊娠中)がじっとこっちを見つめ、アヒルやガチョウ、鶏たちが自由気ままにあちらこちらを散歩している。

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そのアヒルや鶏達の卵を使ったカルボナーラ。濃厚だけど重くない、ここの名物料理でもある。

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季節のラディッキオを使った自家製サラミと自家製マッケロンチーニの一皿。

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途中、料理を待つ間にサービスされた自家製燻製パンチェッタとサラミ。薄く切ったそれらとオリジナルワインとの相性、抜群。

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他、ここで採れたカボチャとバッサーノの産物であるブロッコロのイン・サオル。イワシでつくる、サルデ・イン・サオルの野菜バージョン。やさし~い味わい。

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もう1カ月もするとこの風景は緑色に変化していくのだろう。以前に訪れた際にもこんな色の季節だったから、今度はぜひ色づいた時に訪れてみたい。

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Vignaioli Contrà Soarda
Enotavola Pulierin

Strada Soarda 26, San Michele di Bassano del Grappa
Tel;+39.0424.505562




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