パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ヨーロッパ最古の音楽堂 オデーオ・コルナーロ Loggia e Odeo Cornaro :: 2015/04/11(Sat)

パドヴァの街に残る1500年代につくられた音楽堂と野外劇場。パドヴァのシンボルでもある、サンタントニオ聖堂のほど近く、当時の巡礼者たちの宿泊所などが並ぶポルティコの奥にひっそりとした一画にある。

foto+3+(1)_convert_20150411053301.jpg

発案者は、ヴェネツィアの作家であり、貴族であるアルヴィーゼ・コルナーロ。芸術をこよなく愛したコルナーロ氏が文化活動の場所として築いたものだ。

敷地内に入ると正面に見えるのがロッジャLoggiaと呼ばれる、野外劇場だ。

foto+(1)_convert_20150411053358.jpg

ヴィチェンツァのナントという石を使って築かれたそれは、正面から見ると、演じられる演目がまるで額縁に入った絵のようなシーンをつくりだす、という趣向が凝らされているのだとか。シンメトリーの造りは、もちろんその当時に人気のあったパッラーディオ建築にも繋がっている。

テアトロは全面が大きく開かれて、比較的高さがない。観客と舞台に立つ役者が近い距離に感じられるように、との配慮で、この舞台の造りは、パドヴァ出身の劇作家であるルッツァンテの意見を参考にしている、といわれている。

アテネのパンテノン神殿風でもある、ともいわれていて、柱の上部に装飾を施したメトープ/ドーリア式。ギリシア神話に登場する月の女神ディアナや愛と美の髪、ヴィーナス、そしてアポロなども配されている。

foto+2+(1)_convert_20150411053204.jpg

foto+2_convert_20150411053236.jpg

目を閉じてこの正面に立つと、当時の華やかな劇場の模様が見えてくる…?!

そしてこの劇場を正面にして右手側に建つ建物、これがオデーオと言われる、音楽堂だ。

foto+1+(1)_convert_20150411053947.jpg

ここは、文化サロン的に使用されていたとされ、当時の音楽や芸術の愛好家たちの文化活動の場。ここで音楽を奏でたり、書を語ったり…という交流が行われていた、という。

内部はいくつかの部屋に分かれてるのだが、主要の2つの部屋は天井がドーム状になっていて、音響効果抜群。中心に立って手を叩くと、結構な反響音が響く。

foto+3_convert_20150411053331.jpg

内部はフレスコ画で覆われているのだが、天井部のものが特殊で、500年代にローマ、マントヴァなどで流行ったとされるグロテスク絵画。
さらには、その当時ではこれまた珍しい、人々の日常生活をこれまたグロテスクともいえる描き方である、娼婦、半人半獣の森の神であるサテュロスなども描き、農民の生活感である野菜などをはじめとした植物、動物、水壷等々を表現している。

パドヴァの建築物のなかでは、このスタイルはここが最初といわれていて、この建物の持ち主であるコルナーロは当時の芸術の流行りをいち早く…というアイデアの持ち主だったのであろう。・こんなハイソな大人の遊戯場を造ること自体が非常に洒落た人物だったのではないか、と推測する。

1968年までは個人所有の住宅だったものを、その後パドヴァ市に受け渡され、現在に至っている。


Loggia e Odeo Cornaro
via Cesarotti, 37 - Padova





テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. Padova/パドヴァ
  2. | trackback:0
  3. | comment:0
BSフジ 「路面電車で行く 世界各街停車の旅」 4月9日(木)22.00より :: 2015/04/08(Wed)

パドヴァの街がテレビで紹介されますので、ぜひご覧ください。
街の見所、美味しいもの、パドヴァの人々の生活などが垣間見れます。

BSフジ 「路面電車で行く 世界各街停車の旅」
放送日:4月9日(木) 22.00-23.55
http://www.bsfuji.tv/streetcar/index.html

foto+1+(4)_convert_20150408025002.jpg

今回は春の2時間スペシャルとのことで、フィレンツェとご一緒します。人気の都市、フィレンツェと同時なのですが、それに負けずとパドヴァの街の魅力がお伝えできるといいな、と思います。
実際は、情報がありすぎて入りきらずに、今回お見せできないものもあるんですが…。それは実際にパドヴァに足をお運びください!

foto_convert_20150408025114.jpg

準備も撮影もその後も大変でしたが、とっても素敵なスタッフの方と巡りあえて、とても楽しいお仕事でした。改めて感謝申し上げます。

foto+1+(5)_convert_20150408025044.jpg

もう新たな企画を目論んでいます…





テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. Padova/パドヴァ
  2. | trackback:0
  3. | comment:0
パスクアのチャンベッラ :: 2015/04/05(Sun)

今日はパスクア。

パスクアを前にして丸いドーナッツ型のチャンベッラをつくりました。

パスクアのシンボルである卵をたっぷり使うのがパスクア風。

粉にアーモンドの粉、レモンやオレンジの皮、アニスのリキュールバターを加えてリッチな生地。

DSC_0771_convert_20150405134727.jpg

オーブンでしっかり焼き上げ、冷めたら表面にはちみつを塗って、アーモンドのスライスや粒糖、そしていろいろカラーのチョコレートを。

DSC_0789_convert_20150405134754.jpg

DSC_0797_convert_20150405134815.jpg

中心に卵型のチョコレートを添えてあげて、春らしくカラフルになってテーブルへ。

DSC_0819_convert_20150405134859.jpg

パスクアには各地にそれぞれのお菓子の形があって、どれも卵を主体にリッチな仕上がりにするのが特徴。春、そして生命のシンボルを表現しているものだから。

コロンバという鳩の形を模した大きな発酵菓子も一般的に有名だけれど、ここヴェネトでは、フォカッチャ、フガッサと呼ばれる、丸くて大きな上部が膨らんだ発酵菓子がこの時期によく出回る。

foto_convert_20150405134919.jpg

見た目は素朴、食べても素朴だが、甘くてシンプル、ふわふわなお菓子とは全く食感は違うけれど、これがあって、春がやってくる。

Buona pasqua!




テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. Dolce/ドルチェ
  2. | trackback:0
  3. | comment:0
司教の館-ヴィッラ・デイ・ヴェスコヴィVilla dei Vescovi :: 2015/04/04(Sat)

パドヴァの郊外、エウガネイ丘陵地帯にFAI(イタリア環境団体)に加盟している中世の邸宅がある。

1535年から1542年に建築された、山の上にそびえるこの邸宅は、パドヴァに在住していたヴェネツィアの貴族、アルヴィーゼ・コルナーロAlvise Cornaroがピサーニ司教のために建てたものとされている。設計はヴェローナ出身の建築家、ジョヴァンニ・マリア・ファルコネットGiovanni Maria Falconetto。

DSC_0755_convert_20150404153330.jpg

建築の特徴としては、真四角の設計図の上に綺麗に収まるように建物が配置されていること。小高い場所にて四方が見渡せるよう、ロッジャ(開廊)が南北に置かれている。ここから見渡す周囲の風景、この建物を中心につくられたブドウ畑が非常に美しい。

foto+(1)_convert_20150404153345.jpg

DSC_0667_convert_20150404152725.jpg

DSC_0663_convert_20150404152704.jpg

内部は当時のそれまでのにあった司教の邸宅のように、宗教的雰囲気を取り払い、その当時の人気の建築家であるアンドレア・パッラーディオAndrea palladioの手法を用い、古典ローマ建築を思わせながらもそこに開放的な空間を造り出した、とされる。

DSC_0742_convert_20150404153228.jpg

ちなみに、当時はこの面は正面ではなくて、もちろん景色の見渡せる側。↑側は、一般開放用に整備された現在の入り口。

完成後、年月を経る過程において、同邸宅の持ち主は変わり、戦後になって“Villa San Domenico Savio”と名称を変えた後、1962年に大修復が行われた。オーナーはミラノ出身の代議員である、ヴィットーリオ・オルチャーゼVittorio Olcese。

現在見られる同建物内には、彼が使用していた書斎など、彼の面影を残すものが保存されている。避暑などの際にここに滞在していたのであろうか。静粛な時間の経過が見られるよう…

DSC_0691_convert_20150404152947.jpg

DSC_0699_convert_20150404153024.jpg

DSC_0715_convert_20150404153106.jpg

この日はFAIの記念日にて、一般開放無料ディ。通常よりもさらに多くの人たちが訪れて、内部を見学。邸宅の内部はフレスコ画で覆われている。

DSC_0684_convert_20150404152929.jpg

これ、建築当時からのバスルーム。いわゆる浴槽と向こうに見えるのがビデ。この部屋の右側には便器もあるのだが、細工がひとつひとつ美しい。

DSC_0720_convert_20150404153121.jpg

この部屋は司教の寝室。

DSC_0709_convert_20150404153045.jpg

こういうものが実際に置かれている部屋に入っていけて触ることのできる距離にある(触らないけど)。

ちなみに、オルチェーゼ氏の2番目の妻がこのイタリア環境団体(FAI)に邸宅を寄贈し、一部整備し一般開放されている。

内部には、カフェが併設されていたり、このエウガネイ丘陵地帯では歴史的にも最も知られているヴィニャルタ(VIGNALTA)というワイナリーのショップも併設されている。

DSC_0746_convert_20150404153249.jpg

DSC_0748_convert_20150404153312.jpg

小高い邸宅から見える風景、邸宅を中心につくられたブドウの畑はとても美しくて、その高台から降りてから見る邸宅の立ち姿はさらに美しい。

DSC_0658_convert_20150404152613.jpg

Villa dei Vescovi
Via dei Vescovi 4, Luvigliano di Torreglia, Padova
http://www.visitfai.it/villadeivescovi/





テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. Padova/パドヴァ
  2. | trackback:0
  3. | comment:0