パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



美しい壁の街、そして生ハムと…モンタニャーナ :: 2015/05/25(Mon)

モンタニャーナMontagnanaは、パドヴァ県のある街。そこを有名にしているのは、ぐるりと囲んだ壁のある街。チッタ・ムラータcittà murataであること。

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最も美しいイタリアの土地(=I borghi più belli d'Italia.)やFAI(イタリア環境団体)にも指定されているというのも、ヴェネトの数多いチッタ・ムラータのなかでも、特にその状態が当時のままほぼ完全に残されていることにある。

その壁は1300年代に造られたもので、パドヴァが中世の時期に最も栄えた、カッラレージが領主に就いていた時代のものである。この時代に造られたカッラレージが治めていた壁の街は、もちろん街の防御が目的であるが、その敵対する相手となるのは、主に、スカリエーラ家(ヴェローナ)。東西南北にのみ造られた外界と出入り口となる門は、今でこそ開きっぱなしであるが、当時の面影を残す、ぶ厚い木の扉が残されている。

壁の外側は↑のようにそびえているが、内側はこんな風。

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壁に家がはまり込んでいる箇所もある。

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壁の内部の街の部分は600x300m、壁の全長は約2kmほど。小さな小さな街。

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この街を有名にしているのは、街の背景にあるベリチ丘陵地帯(colli Berici)の気候を利用したプロシュットだ。もちろんD.O.P.指定のハムで、甘みの強い、口にとろけるような独特の旨さのあるもの。土地のなかでも、6軒ほどの生産者のつくるもののみに限られているものだ。

街中には、いくつかの食料品店があるが、ここぞとばかりに並べられたプロシュットが圧巻。それぞれに生産者が記されているので、地元の人たちは特に御贔屓にする生産者のものを指定して購入する。

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街一番の古い食料品店。なんだか昔懐かし感じの店構え、小さい店内には、ぎっしりと詰まった感のある食品群が。プロシュットを購入すべく店内に入ると、店主のおじさんが気前よく切りたてのハムを御馳走してくれた。その甘いこと、美味しいこと!!

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モダンな造りのこちらの店は、街の高級食材店。ここでも見応えたっぷりにハムが並ぶ。

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街中のオステリアの店先には、各生産者の看板が掲げられ…ハム盛りだくさん!!といった街だ。

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こちらは街の老舗のお菓子屋さん。

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この地域のお菓子、スキッソットSchissotto。見て解る通り、スキアッチャータ(つぶした)した焼き菓子。ベースは小麦粉とアーモンドの粉。同名のパンもあるが、それはオリーブなどを混ぜてやいた塩味のパン。つぶしたフォカッチャのようなものだ。

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そして、こちらがパン・ディ・マイスPan di Mais。つまり、トウモロコシの粉入りの焼き菓子。ヴェネト…とは言っても、正確にはヴェネツィアの菓子、ザエティか、と思いきや…店のお兄さんにものスゴイ勢いで反論された。す、す、すみません…

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とにかくこんなに小さな街の中に美味しいものがわんさかとある、そんな街、だ。

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コネリアーノのお城 :: 2015/05/23(Sat)

トレヴィーゾ県の北側にあるコネリアーノConeglianoという町。プロセッコの産地、ヴァルドッビアーデネにほど近く、歴史のある有名なカンティーナが街の中心にも存在する。

街を見下ろす小高い場所にカステッロ(城)があり、気候の良いシーズンともなると、ちょっとした散歩コースとして、親しまれている場所。整然と整備もされていて、静かないい場所だ。

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カステッロの歴史は12世紀と言われていて、その当時のオリジナルは鐘塔、そしてこのカステッロを囲む壁の一部のみ、とされている。だからなのか、この場所での鐘塔の存在感はとても強く感じる。まさにシンボル的。

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カステッロの内部は市立博物館になっている。当時の様子の一部を垣間見ることのできる場所。

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カステッロの当時の全景もここで確認。

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パルマ・イル・ジョーヴァネPalma il gIovaneやポルデノーネPordenoneなどのヴェネツィア派の画家の描いた作品など。

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しかし…使用感たっぷりな暖炉の横に、武装したマネキン…なにか感じるものが…と、思わず帰る出口を目で確認したり、と自分の行動も怪しくなってきて、人気もないこの塔の中はささっと見て、退散。

この小高い場所から一望できるのは、ヴェネト一帯に広がる平原、ヴェネツィアのラグーナに属する土地、そして、遠くにはフリウリにつながる平原とトレヴィーゾ郊外の丘陵地帯。

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ヴェネトの美しい小都市のまたひとつの顔、だ。

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あったかいマンマの手と春の香り :: 2015/05/19(Tue)


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こんな、あったかい手の持ち主になりたいなー、と思っている。

バッサーノのグラツィエッラと手打ちのパスタをつくっていたときに、しみじみと彼女の大きなふっくらとした手を見て感じたこと。

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彼女の人柄が出るかのうような、温かい手。こんな手でつくるお料理は、間違いなく美味しく仕上がる。

この日、春まっ盛りのこの時期に、この生パスタを使ってつくったのは、野草のトルテッリーニ。

朝採ってきて集まったものは、ブルスカンドリBruscandoli(ホップの若芽)、オルティーケOrtiche、ローゾレRosole(タンポポ)、タリアテッレ・デッラ・マドンナTagliatelle della Madonna(シラタマソウ)。

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これらを細かく刻んで火を通し、リコッタとあわせて中身にする。

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今が旬のバッサーノ産のアスパラをソースに。

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そして、メインのおかずは、茹で卵を添えてバッサーノ風。フォークでつぶして自分で塩とコショウ、オイルとアチェトを混ぜてアスパラと頬張る。

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春の香り。

ドルチェには、ナシをたっぷり入れたチョコレートのトルタ。

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気持ちがほわーんと温まる、彼女のつくる手料理は、毎日の食事つくりにとっても参考になるのだ。

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カンティーナ・ヴィニャルタ Cantina VIGNALTA :: 2015/05/17(Sun)

パドヴァの南側には、エウガーネイ丘陵地帯(コッリ・エウガーネイColli Euganei)と呼ばれる小高い丘陵地帯が広がっている。
街から少し出ると、この地域に入り、自然豊かなパドヴァのもうひとつの顔が見られる場所でもある。

ここはワインの産地でもあり、同地には多くのワイン農家が存在する。そのほとんどが小さな家族経営のもので、地元で飲まれているものだが、そのなかでもおそらく一番大きくて名の知られているカンティーナであろう、のが、このヴィニャルタだ。丘陵地の中腹にある美しい街、アルクア・ペトラルカにある。

同地の小さな中心地を少しだけはずれて上に上に登ると広がる畑のなかに同社の看板。

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始まりは1980年であるので、それほど古い歴史のあるカンティーナではないが、地元種のブドウをはじめとして、なかなか面白いものをつくっている。

主流は赤ワイン。カベルネ、メルロー、それらをの配合したものなど。配合の別、品種の選別などによりアルクアArqua, アーニョ・ティントAgno Tinto、マッラーノMarranoなどとボトルが変わる。どれも個性的。

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そしてオレンジの花の香りのようなフィオール・ダランチャはスプマンテとドルチェワインとして、パッシートのものが特に地元種といえる。

カンティーナ内には、これから樽に寝かされた次なるワイン達が静かに眠る。小さな樽と大きな樽とで計3年ほど寝かせる。

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樽にはブドウの栽培された畑ごとに分けて熟成させている。収穫年と畑の番号が記されている。

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スプマンテもクラッシック製法にて。この訪れた前の日にちょうど瓶を取り出した後にて、空っぽ。

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その年ごとのコレクションを納める棚。

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個人的には、正直には、このパドヴァのコッリのワインはそれほど好みではないのだけれど、前から一度訪れてみたいなぁ、と思っていた同カンティーナ。訪れてみて、熱心な解説を聞きながら味わうと、このスパイシーでそして、フルーティな個性的な赤ワインがとても興味深いものになる。

決してそれほど安くはないこのワイン、試しに家でも飲んでみようと持ち帰ってきたので、これに合わせた料理を考える必要あり、かな。

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Cantina VIGNALTA
Via Scalette 23, Arquà Petrarca
Tel; +39.0429.777305




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スンマーガのチーズ工場 Latteria di Summaga :: 2015/05/15(Fri)

チーズの鑑定士協会ONAF(オナフ)で随時開催されている、チーズの研究プログラムのひとつ。生産現場訪問に参加した。

場所はヴェネトとフリウリの州境にある、スンマーガSummgaという場所にあるラッテチア(チーズ工場)。

戦後からチーズ製造をしている、それほど古い歴史の場所ではなく、生乳を契約農家から購入し、チーズを生産する、という、コペラティーヴォ(共同組合)的な組織。生産現場、工房内はそれほど広くはないが、衛生管理のしっかりと行き届いていて、製造過程はほぼ機械のコントロールに頼る。

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人の手による製造のほうが、もちろん温かみがあるものだが、衛生面や労働的な面からいくと、適切な機械による適切なコントロールはやはり必要でもある、という。大きな乳の塊を、腰を曲げて持ち上げたり移動させたり…という作業は、大型のチーズになればなるほど体力的にも無理の出てくるものでもある。

ちなみにここで製造されるチーズの主なものは、D加熱殺菌しない生乳からつくられるモンタージオMontasio D.O.P.、スンマーゴの名のついたラッテリアLatteria(=いわゆる地元の若めの熟成チーズ)、カザテッラCasatella等。

この日、私たち一行に解説をしてくれたのは、ここの製造長であるマウロさん。非常に熱く自分たちのチーズの特徴や製造に関する事柄を説明してくださった。

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ここは凝固をして軽く形を整えたものを本格的に型にはめる段階。ガーゼにくるまれたそれの端を型で軽く抑え、上下に軽くプレスをかけて水分を抜く作業。

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この時点で、チーズには名前の刻まれた型で押さえられ、これがそのものの“ラベル”となり得る。
ここには製造年月日も刻まれるため、できあがるひとつひとつは、いつ、どこで、と遡った経緯を知ることができるもの。

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こんな風になる↓

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こちらはできたてリコッタの山。いい匂い…

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カザテッラのできあがり前。

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そして、熟成室。

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今や今やと表に出るのを待ち構えているかのように整然と並ぶそれらの美しさ。

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この日は爽やかな気候でもあり、熟成室のある窓は大きく開けられて、この土地ならではの自然の作用を付加させる。こうして土地独特の“味”がより一層強くなるのだ。

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直売店で購入したモンタージオは、ほんとに滋味深くて最高に美味かった。しばらくは、Montasioファンになりそうだ…

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Latteria di Sunmmago
SUMMAGA DI PORTOGRUARO
Via S. Benedetto, 7
Tel. 0421.205197




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