パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



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アジアーゴの山小屋で :: 2015/08/24(Mon)

標高1000m級の丘陵地、アジアーゴ。夏場は避暑地として多くの人がバカンスで訪れる場所。
日曜日に山の上の肉のグリルを食べさせるお店に行こう、と、友人たちと出かけた。

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そのレストランの脇にある小さな山小屋。そこでは、今でもかなりアナログな感じでのチーズ作りがされている、カゼイフィーチョ(チーズの製造所)。

スパッチョと呼ばれる売り場に入ると、種類は少ないにしろ、ここで作られるチーズとサラミなどが置かれていて、なかなかいい感じ。

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脇にある製造現場を覗かせてもらった。

今やほぼ皆無に等しい、薪で炊くカルダイア(乳を温める鍋)。ガスなんか使うよりもこの周辺にある木々を使って、経済的にもまたエコ的にも優れているから当然!とご主人は話す。もちろん、長年の経験での火の調節だから、ガスでやるより燃え具合を見ながら調節する自然の炎のほうが温度管理は彼にとっては簡単。

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そして、チーズの熟成庫。D.O.P.などの認証を得るにはもはや衛生的には検査に通らない木枠。なんともいい味わい。

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そして外にはここでできるリコッタを燻製する燻製機が。ちょっと傾いた感じでいるところがこれも味わいのある風景だ。この時も燻製作業中なり。

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ちょうどアジアーゴに向かう車中で、チーズやハムの原料について皆でわいわい話をしていたところ。巷にあるD.O.P.のチーズやハムは、認証を得るには、その土地の原料を使う、ということになっているものの、本質はどうなのか、なんていう話題を聞いていたかのような、ご主人のお話。

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これだけの量の製品を作るには、もう生産地はもとよりイタリア国内だけでは原料調達は無理。そうなると原料はあそこから、ここから…なんていう際どい話になってくる。

話の結末としては、とにかく原料の出処がしっかりとしているべき、消費者がそれを知っていることが大切、となる。作るほうの責任とそれを購入する側の認識を確かめ合う必要あり、ということ。

なんて話を熱く語ってくれたご主人のつくるチーズは、ここでは9月いっぱいくらいまで入手可能。その後は、チーズ作りもやめて、チーズの熟成だけに頼る。次の春がくる頃にはその熟成具合がほどよく仕上がり、提供可能なものを販売し始め、そして新たな製造を始める…という、自然の循環に従うペース。

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自分の今の生活のペースにこれを置き換えることはまず無理に等しいこととはいえ、彼のお話やらそれにまつわる環境をおおいに考える一時。

ここで売られるおいしそうなサラミを横目でみながら、彼ら所有の飼育小屋では、豚さんたちが…。

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クロアチアの夏休み :: 2015/08/15(Sat)

今年も恒例のクロアチア、ロヴィーニョ(ロヴィニ)への夏休み。毎回同じ場所で毎年今年こそは…と言いながら、結局また戻ってしまう素敵な場所。私は10回め、娘は私のお腹のなかにいた時も数えると8回めとなる。もともとロヴィーニョ好きな夫は、何回めなのか数えられない。

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宿泊は、いつものアパルタメント。長期滞在でヨーロッパ各地からやってくる家族やカップルとで共有する。

バカンスに訪れて思うのは、子供の成長。昨年は浜辺でぴちゃぴちゃしかできなかった娘は、今年はもう終日のごとく水に潜って、お魚さん状態。泳げるようになった喜びで本人も自分が成長した気分になっているところがまた可愛い。

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ロヴィーニョは海の街だけあり、もちろん魚介料理が豊富。そして、イタリアに比べてレストランでの飲食がグンとお安い。

サルデ(いわし)の焼いたの、オラータ(クロダイ)の焼いたの。

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こちらは郊外のお店で食べた抜群にうまい魚介のズッパ(スープ)。スカンピも新鮮でそして安い。

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写真はないけれど、お肉も美味しい。子豚の丸焼きを食べさせる店も数多く、そして、ここにきたら必ず食べる、チェバプチチ。牛肉のミンチを香辛料たっぷり加えてまとめたもの。焼いてトマトやナスやピーマンを煮てパプリカを合わせたペースト状のソースが添えられてくるのが通常。そして、土地産の玉ねぎが生で添えられる。とてもいい相性なのだ。

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日中はほぼ海辺で過ごし、お昼はパニーニを持参してゆったり。子供連れのバカンスは、休息どころかいつもより激しく遊ぶので、逆に結構疲れたりもするが、普段できない遊びを体いっぱい動かしながらおつきあい。

アパルタメント暮らしは、その日の気分でおうちごはんもできるし、夜涼しくなってから街散策に出かけることもできる。昼と夜の街の美しさが違うので、何度訪れても飽きること、なし。

街の生鮮市場はじつに色彩豊か。

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ロヴィーニョの街の特徴、ぴかぴかとした石畳と坂道。どこを切り抜いてもはっとする美しさ。

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街から出ると郊外は雄大な自然。乾いた真っ赤な土が広がる景色が特色。オリーブの木やブドウの畑が広がる。

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また、来年、皆でここに戻ってこられることを願いながら…またね、ロヴィーニョ‼︎ありがとう。

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スフォリアテッラと職人技 :: 2015/08/02(Sun)

ナポリの代表的な郷土菓子のひとつである『スフォリアテッラ』。その起源はアマルフィ海岸沿い(アマルフィ近く、コンカ・デイ・マリーニ)にあるサンタ・ローザ教会付属の修道院とされている。

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非常に厳粛な修道院であったが、クチーナ(調理場)のみは、施設外とも出入りが許されていた唯一ともいえる場。
同施設では、独自の畑、ワインを製造するためのブドウ畑も保有しており、パン焼き用の窯も設置され、ほぼ自給自足の生活が可能であったといえる。

1600年代のこと。調理場で食事の給仕の後、余った小麦の粒を牛乳の中に混ぜ込んでおかれたものを料理人が見つけ、試しに乾燥フルーツやレモンのリキュール、砂糖を加えたのだが、それが後の同菓子の中身となるもの。

そして、これを包む生地は、小麦粉にストゥルット(豚脂)と白ワインを加え、形状は修道士のかぶる帽子(カップッチョ)を表現した。

修道院長は、焼きあがった目新しい菓子を非常に気に入り好んだことから、修道院の外部へも広まり、同地区の人々、そして、隣接の教会・修道院にも広く伝わり始めた。サンタ・ローザ(聖ローザ)の名のもとに、同地にてよく知られた菓子となる。

1800年代に入り、ナポリの食堂(オステリア)の店主であるパスクアーレ・ピンタウロPasquale Pintauroが、当時、既に知られていた「サンタローザ」という菓子を初めてレシピ化することとなり、同菓子が改めて正式(?)に一菓子としての存在を露わにする。

その後さらに修正・改正を加え、クレーマ・パスティッチエラ(カスタードクリーム)とアマレーナ(スミノミザクラの実のシロップ漬け)を上に載せるなどしたものが、現在にも残る『サンタ・ローザ』。

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さらに彼は現在のスフォリエテッラの『リッチャ』に見られる特徴的な三角形を体系づけた、とされてはいるが、ここら辺の真相はなんだか危ういものらしい。

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こちらは、同生地で後からクリームをつめこむ”コーダ・ダッラゴースト”。形がアッラゴースト(=ロブスター)のコーダ(=尻尾)のようだから、この名で呼ばれている。

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ということで、昨年からなんやかやと縁のあるシェフのもとに、このスフォリアテッレの製造現場を訪ねる。今回はある企画のもとにて、ナポリじゅうのスフォリアテッラを訪ね歩いたが、非常に時間と手間と技の必要な同菓子を、実際に店でつくっているのはごくごく少数に限られているのだという。

生地の材料を合わせ、のばす。それを寝かせてさらにのばす。…と簡単に書くが、この行程中にもさまざまなポイントが隠されている・・

それをさらに寝かせた後、またまた特殊な手法に生地を薄くのばしながらロール状に。

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さらにさらに寝かせたあと、ここからがまたすごい!男性2名によりこのロールをさらにひっぱってのばす。こうして同菓子特徴の薄~い生地ができあがる。

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それを1cm厚さに切り、三角錐状に成型する。

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まさしく職人技にて目の前でみるみるうちに御馴染みの形が現れ、そこに事前に用意しておいたセモリナとリコッタベースのフィリングを詰め、そして端を閉じる。

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手品をみているようにスムーズに作業が進み、できあがりの形を目にすることとなるが、ここまでの作業は、熟練の技と経験があってできるもの。

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この菓子をよく知り、そして愛する人たちにより守られている伝統だ。

大好きだったこの菓子がより一層いとおしく思えた瞬間。そして、ナポリの街中に多く並ぶこの菓子を今まで以上に品定めする“眼”が備わった瞬間でもあった。貴重な体験をさせてくれたシェフに感謝!




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  1. Dolce/ドルチェ
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