パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



燕三条の技と食 in EXPO Milano :: 2015/09/30(Wed)

去る9月24-26日、私の地元、新潟県の燕市、三条市の誇る伝統的ものづくりの街をミラノで開催されている万博にて紹介された。たった3日間という短い期間でのパフォーマンスのためとはいえ、準備は何ヶ月も前から始めていて、今、無事に終了ができたことを、本当に心から嬉しく思っている。

今回のチームは、燕市、三条市あわせてのプロジェクトにて、燕三条地域産業振興センターがそのまとめ役。

同地区は、2市が隣り合わせに位置する職人の土地。伝統的な独自の製法で、金属製品をはじめとした様々な製品がつくられている。

そのなかでも、今回のエクスポに参加してくださっているのは、

包丁の『日野浦刃物工房』
http://www.ginzado.ne.jp/~avec/hinoura/

無形文化財にも指定されている、鎚起銅器の『玉川(ギョクセン)堂』
http://www.gyokusendo.com

八角、十六角という精巧な美しい箸を製造する『マルナオ』
http://www.marunao.com

障害者や高齢者向けにも食卓に恵みを与えようと考案された福祉食器づくりの『ウィルアシスト』
http://www.willassist.biz

彼ら、職人さんたちが自ら出向き、ステージ上にて実演を行い、そして、ワークショップとして、来場者にもものづくり体験に参加してもらう、という趣向。

そして、新潟の美味しいお酒と地元の名物、くるま麩の試食。

包丁のデモは、包丁研ぎ体験として、日野浦さん自らが切れない包丁を切れる包丁にする手解きを。切れ味をトマトや紙でステージ上に上がった参加者に実際に確かめてもらう。皆、驚きのいい表情!

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鎚起銅器体験は、一枚の丸い鉄板を小皿に仕上げる。3つの金槌、木槌を使い、玉川さんのアドバイスを受けながら作る姿は皆、真剣そのもの。

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お箸のデモンストレーションは、2種のかんなを使って、八角箸づくり体験。もちろん均一な角のついた美しい箸に到達するのには少々難しいけれど、皆、体操満足げに会場をあとにする。

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今回のエクスポでは、何度かスタッフとして参加しているものの、この燕三条のパフォーマンスの高さには、今までにない来場者の興味をひき、素敵な3日間に仕上がった、と思っている。

それもこれも、ここまでの準備期間でのハプニングにも穏やかに対応してくれた担当者の酒井さんをはじめ、現地入りしたスタッフと職人さん軍団のチームワークのよさのおかげ。チームはとてもこじんまりしていたけれど、暖かくまとまりのある雰囲気が会場にも伝わっていたことは確実。
とても素晴らしい会となったことに、出演者、関係者、そしてミラノで会場を支えてくれたスタッフの皆様に対し、改めて感謝申し上げます。

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それにしても、今回ミラノ入りしてくださった職人の皆様、かっこよくて惚れました…今度帰国の際には、ゆっくりと各工房をまわってみたいと思います。

本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。







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グラーナ・パダーノ :: 2015/09/04(Fri)

ロンバルディア州とヴェネト州にまたがるイタリア最大の平原地帯でつくられるチーズがこの、グラーナ・パダーノ。南側をポー川が流れる、この平原をパダーノ平原と呼ばれるから、この名がつく。もちろん、地域呼称のD.O.P.に認定されている。

外見はパルミジャーノ・レジャーノと似ている、長期熟成の大型ハードチーズ。しかし、生産地域やその原料、製法などの違いから、できあがるものはやはり別もの。

このグラーナ・パダーノの生産工場を訪れた。訪れた先は、私の住むパドヴァから東に移動したヴィツェンツァ県下の工場。

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ここはいわゆるコペラティーヴァ(共同組合)として、契約酪農家から毎日新鮮な絞りたての生乳が届けられる。工場を中心に半径20km圏内に限られている。

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届けらた生乳は、一度タンクの中にストックされ、最低18時間休ませる。生乳中にある高脂肪と低脂肪の部分をゆっくりと時間をかけて分離させるのが目的。グラーナ・パダーノになるのは、この低脂肪の部分。
高脂肪部分はここからまた別に生クリームやバターとして加工されるため、他の業者に売られていく。

原料となる生乳は、このあと、カルダイヤと呼ばれる大きな鍋に移送。ここでゆっくりと加熱、40度近くになったら酵素と凝固剤を加えて混ぜながら加熱を続けると、だんだんと塊が現れてくる。

それをスピーノと言われる専用のカッターで切り離し、他にも道具を使いながら細かく細かくなるまで混ぜ続ける。

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状態としては、写真のように麦粒くらいまでする必要あり、これがいわゆるグラーノ(麦)を意味していることが、このチーズの名が由来するところでもあるのだ。

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この過程は何ヶ月もの間熟成させるのに、非常に大切な過程。この粒が均一でしかもこのように細かい粒状でないと、発酵が均一にならないため、できあがりの状態に影響してくる。すべて、約1年先のベストの状態をつくるための作業だ。

このあとは静かに静置。そうすると、塊がカルダイヤの底のほうにゆっくりと沈んでいき、この細かな粒が一体となる。

それをまずは底にくっついた塊を大きなヘラで鍋底からはがし、真ん中でふたつに切る。

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そして、男性2人の手により、麻の大きな布で包むようにしながら上方にひきあげる。

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この麻布には40kgx2個の塊ができている。この大きなカルダイヤのなかには生乳が1000l入るが、そこでできるのは2つの塊のみ、ということ。

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これれはそのあと、プラスチックの型に入れられて、軽く成型。数時間ごとにひっくり返しながら1日置いておおまかなところの水分をぬく。

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その後、24%の塩水プールに漬け、そしていよいよ熟成庫へ。

見応えのある圧巻の熟成室。ここでゆっくりと静かに安置することで、時間とここの空気で仕上げていく。

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グラーナ・パダーノとして出荷が認められるのは、9ケ月の熟成が終了したとき。検査員により状態をチェックされ、そこで焼印を押されて、ようやくグラーナ・パダーナとして完成。

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このコントロール専門のこの方は、毎日こうやって、専用の道具で表面を叩いて音を聞き分けて中の状態を判断するとのこと。

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さらに熟成を進めることにより、より濃厚な風味を増すこととなる。ただし、何年も長く熟成すればいい、というわけでもなくて、おおよそ18ヶ月くらいが熟成の進んだ食べごろ、24ヶ月を過ぎると、グラーナ・パダーノ本来の旨さを逃すこととなる。

敷地内には、ここで作られたチーズを扱う直売所もある。チーズ製造中に出るホエーを利用して施設内では豚の飼育もしているが、それを業者に卸してサラミに加工したものも売っていたりする。
チーズ製造の現場、過程を知るには、非常にお手本ともなるべき製造工程。久しぶりにグラーナ・パダーノの製造を間近で見た良い機会であった。

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