パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ヴェネツアのチケティ今昔事情 :: 2016/04/30(Sat)

小さな区域にびっしりと飲食店が立ち並ぶヴェネツィアの街。老舗・高級店から大衆的な食事処、バール、エノテカ、そして切り売りピッツァやケバブ等々…最近では、テイクアウト専門のフリットや生パスタ店などの新業態もあちこちにオープンし、実に多様化の傾向に。

ヴェネツィアならではの業態で、最近では観光ルートの一部にもなりつつある「バーカロ」。いわゆるオステリアの一部カウンターで楽しむ一杯立ち飲み屋。グラスでワインを比較的安価で飲めるのと、カウンターに並ぶおつまみを選ぶ等の、価格面だけではない楽しさのある業態だ。

ここで並んでいるおつまみのことを「チケティ」と呼び、ヴェネツィア内のバーカロであれば、大概はその内容の定番がある。バッカラ・マンテカート、サルデインサオル、アンチョビと卵やピクルス、ポルペッテと呼ぶ揚げ肉団子、ヤリイカのフリット、バッカラや野菜のフリッテッレ…

これらチケティはもちろん手でつまめる内容と大きさ、つまめないものは本来ならばポレンタをグリルしたものに載せられるのだが、バケットの薄く切ったものに載せるのも、今や主流。(もちろん真のヴェネツィア人達は、これを「チケティ」として認めない)

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これもひとつの変化だが、さらに進化したチケティを並べるオステリアがある。

少し前までは、地元のおじさんやゴンドリエーリの食堂みたいに存在していた、サンマルコ広場からほど近い小さな店。

改装され、モダンな造りとなって一変を遂げたのは、内装のみにあらず。

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入り口のバンコ(カウンター)はまるでお菓子屋さんのショーケース。
そして、そこに並ぶのも、あくまでもデザイン的チケティ。

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フレッシュなチーズと野菜…それも一手間の調理を加えたもの…の組み合わせたもの等が、見た目の華やかさを十分に意識され、鮮やかな色と形に表現され、整然と並ぶ。

超定番、バッカラ・マンテカート&ポレンタは、ポレンタにイカスミを混ぜ込み、ブラック&ホワイト仕立て。

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味の組み合わせもなかなか、そしてワインの品揃えも良く、こうなるとこれは《バーカロ》ではなく《エノテカ》だ。

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たまにこんなのもいい、と自分のリストにも早々にアップ。
…でも、本当はコッテコテの定番も(が)好き。

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ビオのお祭り Weekend Strabiologico :: 2016/04/28(Thu)

食を中心とした生活全般的に、スローな風潮が流れるのは、イタリアでも顕著。食品…農産品、アルコール等も含めた生産過程や使用食材に対するこだわり、そしてそれにまつわる生活全体を見直す傾向が非常に強く、また注目されている。《自然》《ビオロジコ》という言葉も氾濫しつつあるが、日常を送るなかで、私たち個人個人がどの部分に自分なりのこだわりを持ち、重きをおくか、によるものなので、全てがそれに惑わされることはない、と思う。

ただし、自分なりのこだわりを常に意識していようとは思う。食品購入の際に値段に惑わされない、生産地の確認をしっかりと…等々挙げるときりがないが、家族には基本的に手作りのものを、加工されたものは買わない…ということは自分のなかでもかなり明確に意識していること。加工食品、加工調味料は、現在の生活ではほぼ口に入れることがないことから、自然・必然的にはうなくいっている部分。

また前置きが長くなってしまったが、この週末に開かれた、ビオのお祭りに天気にも誘われてでかけてきた。
場所はストラ(Stra)という、パドヴァに接するヴェネツィア県の最初の街。時代の風潮のビオでもあるが、実はこのお祭り、今年で14回目。当初は出展も少なく、訪れる人もまばらだったらしいが、今年の開催は多くの来場者で盛り上がっていた。

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会場となるのは、ヴェネツィア時代の貴族のヴィッラ(邸宅)であるVilla Loredàn。この
辺りは、ヴェネツィアから流れるブレンタ川に沿って15、16世紀に建築された中世の邸宅がゴロゴロしている土地。そんな場所のひとつだ。

敷地内には、野菜、オリーヴオイル、ワイン、ビール、化粧品等々…の様々な屋台が出展。

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めぼしいところに立ち寄ったりしているうちに…フリウリ地方のフリコの屋台を発見。

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ちょうどお昼時でもあるので、ここで休憩することに。ちょうど日差しも出てきて、ちょっとしたピクニック気分。

フリコ(frico)とは、フリウリの非常にポピュラーな料理。地元の熟成の少し若めのチーズ(正確には、チーズ製造時に余った端切れを使う)と玉ねぎ、じゃがいもを合わせてフライパンで焼きあげるもの。見た目はシンプルなじゃがいものガレット風。…だが、ものすごいボリューム。一切れ食べたら何カロリーなんだろうか、ハイカロリーなのは、間違いない。

そして、その付け合わせとして添えられるのは、ポレンタ。これも、定番。

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ポレンタは大きな銅鍋でゆっくりと時間をかけて練り上げるようにしながら火を入れていく。この日も屋台の横に置かれた大きな鍋でおじさんがポレンタをたっぷりと作ってくれていた。

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ポレンタには、3種の別種の挽いたトウモロコシ粉が使われ、粗挽きなのがフリウリ風。

炊き上がるのに40分ほどをかけ、できあがったら大きな木のまな板の上にひっくり返す。それを端からすくい取るようにして皿に盛る。

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フリコと合わせ、ボリューム満点、素朴な一皿。そして、腹持ちは抜群によい…






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ヴェネツィアで結婚式 :: 2016/04/25(Mon)

全くの畑違いながら、ご縁あり、ヴェネツィアでの結婚式のお手伝いをさせていただいた。

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カトリック信者の新郎新婦のご家族ということにて、ヴェネツィアではレデントーレ教会での結婚式。

イタリアの結婚式は、教会婚と役所婚という形式があり、どちらかを選んでの式をする必要がある。今回は新婦さんご家族がカトリック教徒としうことで、いわゆるホンモノの結婚式だ。
(ちなみに私は役所婚です)

たくさんの書類を事前に揃えてこの日を迎えるのだが、結婚式数日前にヴェネツィア入りした新郎新婦とともに市役所にての書類作成、教会の神父様との打ち合わせ、そして前日のリハーサル、昼食会場の準備、衣装合わせ、ヘアメイク打ち合わせ等々とやるべきことは山ほどあったが、どうにか当日を迎えた。

幸いなことに素晴らしいお天気に恵まれ、また非常に親しみ感たっぷりな神父様のおかげで和やかで温かい式となった。そしてヴェネツィア人にとっても特別な教会、レデントーレという大舞台がそこに華を添える。
両家ご家族、そしてご友人などにとっても、特別に素敵な思い出になったでしょう。

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ヴェネツィアでのお式ということもあり、ヴェネツィアならではの水上を使っての移動、そしてゴンドラ、サンマルコの美しい湾を一望できるテラスレストランでの昼食会…このヴェネツィアという土地とそしてお天気、さらには何よりも温かく祝福する周囲の方々の力も加わった素敵な1日。

美しい花嫁さんと素敵な新旦那様に、心からの祝福と、これから始まる末長く永遠の幸せが続くことを心から願う。

そして、こんな平和で穏やかな日を迎えられることに感謝。ひとつの幸せと有り難く受けとめ、全てに感謝の意を。

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フォルマッジョ・イン・ヴィッラ (Formaggio in Villa) :: 2016/04/24(Sun)

毎年4月に開催されるチーズの祭典「フォルマッジョ・イン・ヴッラ(Formaggio in Villa)」。

トレヴィーゾの北側、モリアーノ・ヴェネト(mogliano Veneto)にあるヴェネツィア貴族の邸宅、ヴィッラ・ブライダ(Villa Braida)にて今年は第6回目となる開催。


ヴェネト州をはじめとしたチーズ生産者及びイタリア各地より選り抜きの生産者たちが集まり、どこのブースでも試食及び販売がされる。
もちろん、チーズのみではなく、ハムやサラミ類、そしてワインの生産者たちも集まり、おそらく展示会としては中から小規模だが、なかなかとよいものが見つかる、とっておきの場所だ。

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まずは、個人的なお目当てである、各地ワインの生産者巡り。着いた途端にプロセッコから始まり、各地のワインをはしごして試飲したり、生産地の話を聞いたり…とその後はチーズの試食へ…

敷地内にいくつかの会場に分かれての出展者をひとつずつつぶしていくと、時間もお腹も、そして頭のなかもめいっぱいになってくる。もちろん全てを網羅はできないものの、改めてチーズの面白さを再発見の展示会。

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春は食の展示会続き。あまりのハードさに、実は先日展示会帰りに車の小さな衝突事故を起こしてしまい、事故…いや、自己反省中。

幸いなことに車にも私にも、そして同乗者にも何もなかったのだけれど、いわゆる交通事故の後処理という一連の流れを体験してしまった。

あー、気をつけましょう…




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ラディッキオとFoodex Japan :: 2016/04/01(Fri)

だいぶ時間が経ってしまいましたが、去る3月8日から11日までを会期とした、幕張メッセで行われた食の展示会、フーデックスに出展・参加しました。

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目的は、数年前から力を入れて日本に輸出をしているラディッキオをより広めたい、との思いから。
地元の冬野菜であるラディッキオ。その形状、味、調理用途に至るまで、他に類のないヴェネトを代表する野菜です。


この愛すべき野菜を、同じように深い愛情を持ってくれる千葉にいる同志に、偶然にも巡り会い、紆余曲折を経ながら、日本への輸入を始めたのが4年前。
特に、特別な思いを持っているのが、トレヴィーゾ産ラディッキオ・タルディーヴォと言われる品種。ヴェネト州を中心に様々な品種のラディッキオが存在しますが、これは特別品。見た目も味も、そして至る生産過程が非常に特殊であり、その土地の空気、土壌、そして水、さらには愛情と熱意、ましては経験がなければ良品の生産も難しいと言われているものです。

生鮮品で輸送コストもかかる等、大きな問題を抱えながらも、これは関係各位の熱意のうえで成り立っている仕事。毎回起こる何かしらの問題に、その都度改善策を練りながらも、現在卸している関東周辺のレストラン以外にも、もっと真のラディッキオを広めたい、との思いから、今回の出展を思い切りました。

この野菜への思いは、同時に生産者への思いでもあります。この地域でつくられる生産地呼称fであるIGP認定を受けていればいい、というブランド志向だけをとりあげるつもりは全くありません。地区内の生産農家のどの生産物でもいい、というわけではないのです。

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モットーは、思い入れのある一生産者の生産物を、成田まで直送すること。イタリア国内でも、いや、地域内でもトップクラスの、一級品のラディッキオを日本で、それも適正価格で販売を広げたい、という私たちの強い願いがあります。

そんな思いを込めてのフーデックスへの出展でした。私たちの願いをくみとり、生産者ご夫婦も、日本まで私についてきてくれました。ほぼ初めての国外旅行。なんと23年前に新婚旅行でスペインに行ったのが最初で最期の飛行機での移動だとか。今回のために、急いでパスポートをつくり、飛行機のチケットを取りました。なにも急ぐ必要なく、もっと前もって準備をすればよかったものの、ご主人がなかなか重い腰があがらず…それでも、今回は彼らの参加があったことを心から嬉しく思っています。

会場では、ラディッキオを大々的に展示し、多くの方に興味や関心を持っていただけました。

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会期中には、展示会以外にも、東京都内3カ所のレストランにてラディッキオをテーマとした食事会イベントの開催もしました。

日本に到着したその足で駆けつけたのが、南青山の大人気フレンチレストラン「L’AS(ラス)」。オーナーシェフの兼子シェフが発起人となり、そこに料理通信社のご賛同をいただき、同社の企画にて、素晴らしい会となりました。兼子シェフは昨年の夏にお店のスタッフを連れてのイタリア研修旅行の際に、生産農家を訪ねてくださったのがご縁。その際に、こんな会ができたらいいね、と話していたものが、実際に実現したもの。非常に感慨深いものがあります。

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別日程にて開催されたのは、自由が丘のイタリアンレストラン、「トラットリア・チーボ」。常連さんや関係者の方々が集まってくださり、暖かい雰囲気の中で、ラディッキオ料理満喫。

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そして、翌日は銀座のイタリアンレストラン「クロディーヌ」にて。素敵な空間にて、これまた素晴らしいラディッキオ料理の数々をいただき、いらしてくださったお客様にも、十分にその美味しさが伝わったと思います。

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連日の強行スケジュールのなかに、少しだけ東京観光やら、知り合いの仲卸さんを頼って築地の市場へも生産者ご夫婦を案内しました。
おかげで、私以外の全てがインフルエンザに罹る始末…

展示会の翌日にはイタリアに戻り、その後体力復活までには少々時間もかかりながらも、彼らも非常に良い経験となったことを嬉しそうに話してくれ、本当に今回の企画が実現できたことを心から嬉しく思います。

ラディッキオの本当の拡販はこれからです。冬野菜なので、ラディッキオに関しては今シーズンはもうしばらくして終わりを迎えますが、来シーズン以降に向け、さらなる前進ができるよう、これからも精進、精進。

改めまして、今回の展示会出展に向けてご助力いただいた皆様に、深く御礼申し上げます。そして、各会場に訪ねてきてくださった知人・友人の皆様、そしてそして、私の自分勝手な行動を暖かく見守ってくれ、力を貸してくれた新潟の家族、全てに心から感謝を伝えたいと思います。

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気持ちは行く気満々だった、現役92歳のノンノは、日本でそっくりさんの人形となり、来場者の方々を相当驚かしていました。この写真を見たご本人は、満足げでした…





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