パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



フリウリへ1日遠足 :: 2016/06/30(Thu)

少し前からフリウリの美味しいワインを訪ねる旅を計画していた。ようやくそれが実現。車で行くと大した時間もかからないのだが、いくつかめぼしいワインのカンティーナを目的に、知人と朝から出発した。

ウーディネを囲む地域の白ワインをまわるのが今回の旅の趣旨。

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ここら辺は、その昔トカーイ(Tocai)とよばれていた地産ワインが有名。ハンガリーの同名種との競合に、奇しくも負けてしまったという経緯がある。数年前からフリウラーノと変名されてしまったが、地元ではやはり旧名トカーイのほうが馴染みがある。

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他、その名のごとく、少し黄味がかった色が特徴のリボッラ・ジャッラ。深い味わいのしっかりとした白ワイン。有名なものは、もう少しスロヴェニア方面に行く丘陵地帯のものだが、この品種のもつ独特のしっかりとした甘いフルーツのような香りが…

これは土着品種のスキオペッティーノ(Schioppettino)。房が大きくたわわに実るのだそうだ。

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土地ならではの砂利の多い土壌は水はけよく、大昔に川の流れが運んできた栄養分を土壌深くに携えていること、そんなこともあり土地がもともと湿気を含まない健全な風通しのよいことから病気などの影響を受けやすい等々で、健やかなブドウが育つ。

シェルドネやソーヴィニオンなどの、いわゆる一般品種も土壌と気候、そして造り手の手によるものだろう、非常に質の高いものに巡りあうことができて、感激に近いものあり。飲む前に感じる香りと口に含んだ際に口いっぱいに、そして鼻にぬける香りがとってもピュア、個人的にはそんな印象をもつ。

そして、知らなかったのだが、ここら辺は少量ではあるが、とても品質のよいオリーヴオイルも採れるのだとか。

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お天気にも恵まれ、比較的穏やかな平らなブドウ畑をいくつか見せてもらい、中世のお城などにも案内してもらいながら、1日がゆっくりとだが、忙しく(アポがあったので)過ぎていく。

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お昼には、カンティーナで教えてもらった近くのレストランにて。サンダニエーレのお膝元ですので、薄く切ったプロシュットをいただいた。

20ヶ月と36ヶ月の熟成のもの。切りたての美味しさはハムの本場で食べるからこそ。とろけるようなうまさ。

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そして、季節はずれのフリーコ。ここのは玉ねぎなし、ジャガイモとフォルマッジョのみ。なんだかこれは重すぎて…食べきれずにお土産に。

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プロセッコの産地の最中枢、カルティツェ :: 2016/06/25(Sat)

プロセッコはヴェネトを代表する発砲の白ワイン。近年、プロセッコ自体の世界的認知及び需要も右上がり。その主な出荷先はイタリア国外。つまり、健全かつ国外にいち早く、そして力を入れている(入れてきた)企業は不況知らずだともいう。
ワインに限った話ではないけれど。

製造は主に、グレーラ(GLERA)と呼ばれる品種が使われ、発酵過程を経てガスを発生させるには、それに適した発酵であるシャルマット製法をとられる。つまり、ステンレスタンクの内部で発酵過程を進めるもの。
近年では、その他に瓶内2次発酵をさせるシャンパーニュ製法(クラッシック製法とも呼ばれる)を取り入れたものなどもカンティーナによってはラインナップをし、価値やバリエーションをつけている。

プロセッコのここ数年の躍進は、1969年にD.O.C.の認定をとっていた格付けが、2009年にイタリア44品種めのイタリアワインの最高峰としての産地呼称である、D.O.C.G.(デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロラータ・ガランティータ)にさらに格上げされたことによる。

当時の農林水産大臣がトレヴィーゾ県出身であったこともあり、この動きに多大な力を注いだことが影響する。その後、彼は現在のヴェネト州知事となった。

つけられた称号『G』の意味するところは、品質への『Garanzia(ガランツィーア=保証)』。

それにより、現在のプロセッコDOC認定のものは、ヴェネト州とフリウリ州にまで及ぶ9プロヴィンチャ(県)内にて、さらにはトレヴィーゾ県内アーゾロ(Asolo)ではアーゾロ産プロセッコDOCG.が9コムーネにて生産がされる。

そして、DOCGに認定されるものは、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネDOCG(Conegliano Valdobbiadene DOCG)として。同地の伝統としても古くから生産の続く地域で、同地区15コムーネ(自治体)5000haのブドウ畑がそれにあたる。

そのなかでも、さらに貴重な価値として格付けがされるものが、カルティッツェ(Cartizze)と呼ばれる一部の丘陵区で生産されるブドウを使用したものだ。

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この特に希少なプロセッコの生産される畑のあるカルティッェ地区とは、海抜約300m以上にあるS.Pietro di Barbozza(サン・ピエトロ・ディ・バルボッツァ)、S.Stefano(サント・ステーファノ)、Saccol(サッコル)という集落からなり、土壌としては、モレーンと呼ばれる氷堆石からなり、砂岩と粘土質であることが特質。水はけはよく、それでいて、適度に土中に水分を保つ、土地ならではの自然の恩恵によるものだ。そして、ちょうど盆地のように斜面に取り囲まれているため、全面が常に日当たりがよく、そして風通しがよいため湿度を溜め込まない。

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この特殊な一部地域の面積は、およそ106haほど。それをなんと、140もの異なる所有者が保有し、そこでとれるブドウからつくるプロセッコを生産する製造者は50とされている。小さな地区のなかに、貴重な価値を持つものだからこそ、皆が競ってカルティッツェの名を入れるプロセッコ造りに励む。

実は、この地区を一望のできる場所がある。

以前はここで、主のいないオステリアとしてなかなか粋な店があったのだが、人気が出たために実はイロイロとあり…今は自動販売機など設置され、カルティッツェのプロセッコを購入して、この景色を眺めながらこのワインを飲む、なんていうオツな体験なんかもできる。

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エミリアの丘陵地帯のアグリトゥーリズモ Agriturismo il Filare :: 2016/06/21(Tue)

パルマの少し南側の丘陵地帯で見つけた、小さな家族経営のアグリトゥーリズモ。自然と動物を愛するマヌエルさんが中心となり、数年前から始めた施設という。

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見渡す限りの緑の広がるここの地で5年ほど前から、自然と動物を愛するマヌエルさんが中心となり、切り盛りしている。

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建物の周囲は見渡す限りの緑に囲まれている。小麦の畑や他穀類、木々や季節の花などが育てられていて、マヌエルさんのペット(?)である2頭のロバやウサギ、もちろん犬や猫等々…
静かな自然のなかで美味しい空気をたっぷりと吸いながら過ごす静かな午後。

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彼が車でお出かけなんてするもんなら、彼の愛犬がどこまでもどこまでも走って追いかけてくる…その必死に走る後ろ姿が可愛くて可愛くて…涙が出るほど皆で笑った。愛されてるなー…

建物を囲む植物はお父さんの庭仕事として担当。庭仕事という域を十分に超えてはいるが、数年計画で、植物を植えてそのお世話をしている。

彼が中心となり、御父様は建物を囲む植物を何年もの計画で少しずつ増やしていって、数年後計画に耳を傾けていると、なんだかほんわかとした気分になったり。

お夕食は彼のお母さんのつくる地元料理。彼女も彼女のおばあちゃんから習ったという、この地ならではのパスタ・スフォリア(手打ち生パスタ)。
包まれた中身はリコッタと野草。アンティパストには自家製サラミと、連れていってももらった切りたてのパルマ産生ハム。
セコンドには、豚肉のスカロッピーネに自家製アスパラを添えて。

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宿泊した翌日の朝食には、近くの美味しいパン屋さんの焼きたてパンと、自家製フルーツジャム。もちろんジャムにする果物は庭で採れたもの。

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近郊には、中世の城の建つ小さな美しい集落がいくつもあり、そんなところも訪ねつつ、静かな一時を楽しんだ。

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Agriturismo il Filare
Via Monte Rosso 2, Bazzano (PR)
Tel: 340.529.5254





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パルマの名産を訪ねる…その2  パルミジャーノ・レッジャーノParmigiano Reggiano :: 2016/06/20(Mon)

いわずと知れた、パルマ周辺を代表するチーズ。


その歴史は12世紀にまでも遡る。エミリアの地に息づく、水を適度にそして溜め込まない、土地ならではの豊かな環境にて、修道士たちによって、牛乳の長期保存の目的のために生まれたもの。

現在は同地に350もの製造所を有し、同地区にて賄われる酵素を使用し、定められた製造過程を経ることにて、パルミジャーノ・レジャーノとしてその名を冠することが許されている。

350軒の同地区内でのパルミジャーノ製造者の背景には、3500にも及ぶ酪農家が控えている。もちろん、それらも同一地区内にて。

酪農家が認定のパルミジャーノの原料として納入するためにも、餌(麦などの穀物、トウモロコシを加えない)や環境にも規定が設けられており、それを必ずやクリアしている必要がある。

チーズは朝・夕の2回に分けて製造所へ運ばれていく。前晩の生乳は一晩静置し、脂肪分の高いものと低いものとに分離される。

翌朝に運ばれてくる新鮮なものを前晩の脂肪分の豊富な部分とを混ぜ合わせ、チーズ製造に入る。

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大きな逆円錐形の銅鍋のなかでゆっくりと加熱が始まる。これはカルダイヤと呼ばれ、内側が銅、外側はステンレスの2重構造でその間の空間は蒸気が送り込まれて鍋に熱を伝える。

ゆっくりとゆっくりと40度くらいまで上げたところにてカーリオ(レンニン=凝固酵素)が加えれれ、さらに温度を上昇させた後、加熱をやめてしばらく置く。

今度はゆっくりと温度が下がりながら酵素の力で固まり始めるので、それをスピーナと呼ばれる風船形だがステンレスの線でつくられた専用の器具で固まりを細かく刻んでいく。

ここで細かくも均一に刻んでいくことが、この先の長い熟成期間を健全に過ごすことにつながるので、非常に重要なポイントでもある。

この工程を終えると、麻の大きな布を使ってこの鍋の底からかたまりをすくい上げる。大男が2名で行う作業だ。

この固まりを2つに分け、ようやく型へ…大きなカルダイアには1000lの生乳が入るのだが、できあがるのはたったの2つのかたまりのみ。できあがり1つが約40kgであるから、80kgのチーズをつくるのに、1000lの生乳が必要になる、というのが単純計算。パルミジャーノ・レジャーノの場合には、前日の生乳の半分はチーズ生産には使われないので、実質的には1000lよりもさらに多い生乳が必要、ということになる。

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さて、こうして型に入れられたパルミジャーノの元、は、2時間ごとに上下をひっくり返しながら約1日おき、その後、PARMIGIANO REGGIANOと彫られた帯を巻かれてさらに2日間寝かせられる。こうしておおまかな形ができあがる。

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その後はサラモイアと呼ばれる塩水プールに約2週間漬け、塩を内部に浸透させた後、熟成に入る。

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圧巻であるチーズの熟成庫。20段はある大きな熟成庫には、これからパルミジャーノ・レッジャーノとして世に送り出されるものがぎっしりと並んでいる。

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正式にこのブランドを冠することができるのは、12ヶ月後。協会から検査員がやってきて、専用の木づつであちらこちらを叩いて音を聞いて内部の状態を判断する。この判断には熟練さが必要だ。

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もちろん外見も重要な判断基準になるのだとか。上下の表面がまっすぐと平らであるか、等。ちなみに抗生物質を与えられた雌牛からつくられるものは、あちこちが膨張したり、と形がいびつなものになるらしい。

その後は、好みの熟成具合によって卸業者などの手に渡り、消費者のもとへ。
普段から冷蔵庫の中に欠かすことのないパルミジャーノ・レジャーノだが、こうしてしっかりと生産者のお話を伺うと、一層ありがたいものに感じてくる。

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多くの人の手のかかった恵は大切にいただきたいもの。




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パルマの名産を訪ねる…その1 パルマ産プロシュット Prosciutto di Parma :: 2016/06/19(Sun)

パルマを…いや、イタリアを代表する食材といっても過言ではないくらい、有名な食材、パルミジャーノ・レジャーノとパルマ産生ハム(プロシュット・ディ・パルマ)の生産現場を訪ねた。

両者とも短時間の滞在にて、ささーっと通り過ぎるくらいではあったものの、その生産物を知るには非常によい機会であったことは間違いなし。

まずは、パルマのプロシュットから。
材料は豚のもも肉と塩のみ。

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輸送されてきた肉には、それぞれ飼育者および屠殺者の番号が刻印され、出処が常に明らかにされる。

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それらに塩がすりこまれ、おおまかな水気と臭みを取り除く目的で1日放置。

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その後、さらに約2週間を、温度と湿度を低く設定された部屋にて休ませる。

表面の塩を落とし、熟成庫へ。ここではとにかく時間の経過が熟成の最も必要な条件。この土地の自然環境のなかでゆっくりとゆっくりと…

熟成に入る前には、肉の断面を長期間の熟成中での乾燥を防ぐために、豚の脂であるストゥッコを断面全体に塗る。熱で溶かし、一本ずつ手で塗りつけられる。

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12ヶ月が経過したところで、ここで品質検査。この時点にて検査に合格したものが、《パルマ産プロシュット》という焼印が押され、そこではじめて品質保証のついた製品としての価値が保証される。

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その後は出荷が可能な状態だが、通常出荷がされるのは、18ヶ月以降のもの。あとは、月日を重ねていくにつれて熟成度が進むのだが、これは食する側の好みの問題にもよる。24ヶ月、32ヶ月…と熟成期間がある程度は決まっているのだが。

プロシュットとともにお尻の部分のみを使うクラテッロや、三枚肉のパンチェッタなども。カビの菌の質の違うサラミは別室にて熟成。こちらは比較的短期間で出荷ができる体制だ。

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こちらはなんと、依頼されてつくっている、サンダニエーレ風(あくまでも"風")。豚のひずめも残してハムとするが、パルマのそれは、ひずめを残さないもの。

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美味しい生ハムの食べ方は、とにかく薄くスライスし、舌の上で脂を蕩けさせるようにして食べるのが流儀。

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熟成した複雑な旨味、甘さと塩味が交差しあう、恵の産物だ。





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