パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ビーゴリの定番 カモの煮込みソース Bigoli all’anatra :: 2016/07/31(Sun)

ビーゴリには、先述の通りに《イン・サルサ》という、玉ねぎとアンチョビの見た目は非常に素朴な美味しい定番がある。

そして、もう一つ。ビーゴリというと、必ず合わせるソースがもうひとつある。それが、アーナトラ(カモ)の煮込みソース。
いわゆる、カモのラグーなのだが、ヴェネトのそれは、トマトを使ったものでなく、イン・ビアンコ、つまり、トマトを使わずに作る白いラグー、というのが定番。

カモ自体が滋味ある味わい。似ているもので鶏を想像するが、鶏肉は白身肉なのに対し、鴨肉は赤身肉なので、似て非なるもの。

これを、ハーブやスパイスをたっぷりと使って煮込んでいく。

鴨肉は荒くミンチしたものに限る。とても大切。または、個人的には、包丁で粗く刻んだものがよい。

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玉ねぎとセロリ、ニンジンなどのソフリットに肉を加え、しっかりと焼き付けるようにした後、白ワインを加える。その後、肉または野菜のブロードを加えて煮込みに入る。その際に、ローズマリー、セージ、タイム等々のハーブの刻んだものをしっかりと加えて。

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仕上がりに近くなったところで、黒コショウ、ナツメグ、クローブ等々のハーブ類も。すべての相乗効果で旨味がさらに増し、極上のラグーに。

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合わせるのは、やはりビーゴリのようなしっかりと歯ごたえのあるパスタがよい。タリアテッレなどでも美味しいのだが、滋味深いこのラグーには、ビーゴリがやはり一番合う、と思う。

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ヴェネトにいらしたらぜひこの定番ビーゴリを。魚編と肉編とも、両方とも食していただきたい地元郷土料理だ。

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ビーゴリ・イン・サルサ Bigoli in salsa :: 2016/07/29(Fri)

ヴェネトの代表的パスタメニューの筆頭。ビーゴリという、太いスパゲティ状のパスタを使う料理。イン・サルサにて、ヴェネトでは玉ねぎとアンチョビを使ったソースを和えるのが、最たる基本だ。

肉を使わないのに意外にもどっしりとするこのパスタ料理は、肉を食べないヴィジーリア(クリスマス・イブ)や、カーニヴァルの終わる…つまり、肉食を控えるパスクア前の時期に振舞われる料理として知られている。

特にヴェネツィア色の強いこのメニュー、ヴェネツィアのマンマ、アダさんに彼女特製のビーゴリ・イン・サルサを披露してもらった。

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非常にシンプルな材料で作られるこの料理。まずは玉ねぎ。

今までにも何人かのマンマにこの料理を作ってもらったが、アダさんに至っては玉ねぎを包丁で切るのではなく、それをフードカッターで細かくしたものを使う。玉ねぎはこの状態で時間をかけてじっくりと火を入れてき、最終的には玉ねぎが溶けてしまうくらいまでトロトロに煮る。その際に舌触りのよいように、と始めからカッターで処理したものにてスタートするのがアダさん流。

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そして、とにかくすごい量の玉ねぎを使う。ヴェネツィア料理には、概して大量の玉ねぎを使うが、この料理もそれに追随。

もう一時間くらいかけて、ゆっくりゆっくり玉ねぎの旨味を引き出すように、と火を入れたところで、アンチョビをここへ投入。

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溶けてトロトロの玉ねぎにアンチョビを溶かし込むようにして加え、ソースが完成。

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あとは、茹でたビーゴリを"和える"のみ。通常にパスタ料理のように鍋の上で"あおる"ような作業は必要なく、このメニューの場合には、茹でた麺をしっかりと"混ぜる"。

しかも、美味しく食べる秘訣は、和えたものをすぐに食すのもいいけれど、これを一旦休ませて、しばらく置いて味が馴染んだところをいただく。

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熱々でも美味しいが、ぬるめくらいでいただいても、それも食べ頃。

ヴェネツィアでは7月の第3週の日曜にレデントーレのお祭りというヴェネツィア人にとっては非常に大切なお祭りがある。
祭りを迎える土曜日の夜にはレデントーレ教会を背景にサンマルコ湾に花火があがるのだが、地元の人々はバルカ(船)に食べ物を持ち込んで夏の夜を楽しむ風習がある。
このレデントーレの日には、ビーゴリ・イン・サルサなしでは終わらない、というヴェネツィア人には馴染みの深い一品でもある。





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ボヴォレッティ Bovoletti :: 2016/07/28(Thu)

夏のこの時期にヴェネツィアを中心としたヴェネトではよく食べられるもの。ボヴォレッティ(bovoletti)というが、訛りを加えてさらに親しみやすくボヴォエティ(bovoeti)というほうが、地元流か。

小さな土に住むカタツムリで、この時期に魚屋に行くと、大きなバケツなどに生きたまま売られている。

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ヴェネトでも現在のヴェネツィアはもちろん、ヴェネツィアに流れ込む川を日常の商業及び交通の方途としていた、パドヴァを含むヴェネツィア周辺地区ではお馴染みのモノ。

食べ方は茹でて、オイルとたっぷりのプレッツェーモロ、少しニンニクを加えて殻ごと和える。それを楊枝で殻の中から身を引っ張り出して食べる。

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茹でるときは、必ず水から、が原則。水からゆっくり加熱していくうちにだんだんお湯が熱くなって、中からググーッと、「ア、アツイ〜!」と言わんばかりに伸びて出てくるようにすること。ニョロリと出てきた頃を見計らい、火をつ読めて一気に沸騰させる。仕上がりはちょうど楊枝で中身を引っ張り出しやすく、食べやすくて良い、という理由から。
なんだか可哀想な気もするけれど…

ヴェネツィアには、有名なカルチョッフィの産地があるが、カルチョッフィにはカタツムリがたくさんつく。カルチョツフィの葉っぱを食べているこれらは、ほんのりと苦い、と知られてもいる。

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ちょっとヴェネトとロンバルディア、そしてエミリアのお料理レッスン :: 2016/07/23(Sat)

リクエストがあると喜んでお引き受けしている、地元マンマのお料理レッスン。ヴェネトの良さをいらしてくださる方々に知っていただきたく、ヴェネト州内いくつかの拠点に信頼なるマンマとのコラボレーションをしている。

そのうちでも最もヴェネト州の南側の素敵なお宅に住む、ステファーニアさんとのレッスンを開催した。

ヴェネト州とはいえ、もうその先はロンバルディア、そしてエミリアが迫る。ポー川に近い地域にて、豊かな土地柄。
彼女のお宅は古〜い農家を改造したもの。古い建物にモダンなセンス抜群の手入れがしてあり、そして何気なく置いてある家具類がこれまた素敵。彼女のお母様、お爺様から受け継いだ歴史のある調度品が、モダンな屋内にしっくりとしているのだ。

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料理家であるステファニアのつくるお料理は、同じメニューをリクエストしても、いつも何かしらの改善点があって、料理の研究に余念がない、ということが判る。

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さて、この日に決めたメニューは、この3州のいいとこどり。ここならではの代表メニューをたくさん披露してもらった。

前菜には、ハムの盛り合わせにピンツィーニ(Pinzini)を添えて。生地に豚脂のストゥルッツォを加えてこねてのばし、高温の油で揚げる。油の中でプクッと膨れる。これは熱々をいただくのがベスト。

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そして、淡水魚を食する土地ならでは。小さなウナギの唐揚げ。じっくりと長時間揚げて、頭も骨も丸ごと食べられる。が、イタリア人、きれいに残す…

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プリモには、先述のリゾット・アッラ・ピロータにて。

セコンドは、鶏肉のランブルスコ煮。しっかりと掃除した鶏肉をたっぷりのランブルスコでじっくり艶やかに煮て仕上げる。もちろん、美味しく仕上げるには、いくつかのポイントあり‼︎

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付け合わせには、小玉ねぎのアチェット・バルサミコ煮を…これらは、モデナの某有名バルサミコ醸造所での定番メニューを彼女がより美味しくアレンジしたもの。

ドルチェには、トルタ・デッレ・ローゼ(Torte alle Rose)。とにかくしっかりと発酵させた生地に、バターと砂糖を混ぜたクリームをのせ、それを切って型に並べてさらに発酵。

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生地も材料もシンプルながら、この2回の発酵が決め手。

うまく発酵がいくと、そのタイトル通りにまるでバラの花のようなトルタに仕上がる。

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これ、食後のデザートとしてはカロリーの気になるところだが、焼きたてが一番美味しい‼︎

今日も素敵なレッスンをありがとう‼︎

お土産に、庭の畑で採れた山ほどのジャガイモと桃、庭の放し飼い鶏の産みたて卵をたくさんいただいて帰途へ…

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中世のお祭り、鷹のパリオ Palio dello Sparviero :: 2016/07/20(Wed)

パドヴァの郊外にあるチェルヴァレーゼ(Cervalese)という小さな町。ここには11世紀に建てられたカステッロ(城)が町のシンボルとなっている。

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毎年この時期になると町をあげてのお祭りが開かれ、それが、スパラヴイエーロ(タカ)のパリオ。
その昔、この町を裾野にするエウガネーイ丘陵地帯は木材の伐採の地域としてヴェネツィア共和国時代に栄えていた場所。そこで頻繁に行われていた鷹狩り及び鷹レースにちなんだお祭り。

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実際には、タカレースが行われるのではなく、馬兵隊の競技が、カステッロ前の広場にて行われるのが見もの。時代を遡ったようなシーンが繰り広げられ、夏の夕方、夕涼みがてらに結構な人出がある。

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全体を数世紀前の屋台やら職人、工人たちの再現などをしているが、屋台などでは実際にモノを販売するなども。

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石焼釜で焼くピアディーニも人気。もちろん地元の人たちのボランティアの手作り。

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木職人たちのデモも多いのは、前述の通りその昔、ヴェネツィアの時代にはここは、木材の工場として使われていたことから。この近くを流れるバッキリオーネという川を使い、この町が麓となるエウガネーイ丘陵地帯の木をヴェネツィアへ運んでいたという。

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お祭りは今年で16回目を迎えるが、地元を盛り上げるこのお祭りを今後も続けていくために、募金活動も。

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周囲はトウモロコシと大豆の畑が広がり、町を横切るバッキリオーネ川には、川沿いにのびるサイクリング道が整備されている。パドヴァまで約20km弱、ヴィツェンツァまでは30km。

自然豊かな、ヴェネトの静寂な町の夏の1日…

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