パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



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マントヴァ風モスタルダをつくる :: 2016/10/24(Mon)

ピリリと辛いマスタードの香りがジャムに加わったような独特の風味。モスタルダは北イタリアを中心に各地で特に冬場に活躍する、一種の薬味的なもの。

甘く煮たフルーツの仕上げにマスタード液を数滴加える。砂糖の量と砂糖の力でフルーツ自体の持つ水分を取り除くことによる、いわゆる保存を目的とした、保存食品の一種だ。

使用するフルーツは、リンゴ、ナシ、オレンジ、アンズ、メーラ・コトーニャ等々…。基本的に樹で熟すフルーツを使うのが一般的。

なんでも、樹で完熟できずにいた果物を美味しく利用するために考えられたものだとか。固くて甘みが出ないこれらは、砂糖をたくさん使って煮込むジャムにしてもそれほど美味しくならない。そこで仕上げにマスタード液を加え、料理の添え物に利用したのが始まりだという。

なので、上記の果物も生食したときに柔らかく甘いものよりも、比較的早熟な固いものを利用したほうが、仕上がりがうまくいったりもする。もちろん、素材の本来が良いものを使うことで、結末もそれに相応していくことはいうまでもないのこと。
メーラ・コトーニャのようなものは、、もともと生食用のリンゴというよりは、加熱向き。モスタルダにはうってつけの食材でもある。

そして、モスタルダとして知られているものには、各地それぞれに馴染みのスタイルがある。

私の住むヴェネトでは、仕上がりは果物の形を呈していない。すべて潰してドロドロになっているものに親しみがある。

有名なクレモナのモスタルダは、果実の形をそのまま残して使うもの。形を残すから、小さな実を具材に盛り込んでいく。キンカンなども使われる。

そして、この日につくったのは、マントヴァ風モスタルダ。材料には、ナシやリンゴ、メーラ・コトーニャがよく使われるが、これらを小さく切って形を残しておくのがここの土地流。

まずは、固めのナシを準備。1cm角くらいに切ったそれらは重量を量り、その半量の砂糖をまぶして12時間置く。

こうすると、浸透圧の関係で、12時間後にはかなりの水分が外に出る。その水分のみを取り出すい、鍋にかける。沸騰させて約5分、表面の気泡がブツブツと大きくなった頃を見極めて火からおろす。

しばらくそれを冷ましたら、ナシの入っていたボウルに再度戻す。そして再度12時間置くと、さらに水分が外に出てくるので、もう一度同じ作業を繰り返す。

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これが、砂糖をまぶしたばかりのものと、12時間後に液を火にかけたものとを合わせたもの。

モスタルダは砂糖で煮込むもの、と思っていたが、この日にマントヴァ風モスタルダを教授してくれた料理家のステファニアは、果物自体には火を通さない。間接的に火を通すことにより、果物の形を残しつつ食感も残す。だから火からおろしたばかりの熱々の砂糖液を加えないように、必ず冷めるまで待つ。こうしないと果物が熱に負けてしまうから。

ただし、それも使うフルーツによって方法を変える必要がある。硬い皮付きのオレンジなどを使用する場合には、熱い液をかけて皮にやんわりと火を通すようにするほうが仕上がりがよい。

さて、この煮こぼしを3回ほど繰り返したら、そのまま冷まし、瓶に入れた際、または入れる間際にマスタード液を数滴加える。よく混ぜて蓋をし、最低2週間。2週間後に蓋を開け、マスタードの風味が足りないようであれば、再度数滴。

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モスタルダは辛いもの、という認識が私にはあったのだが、辛いだけのモスタルダはそれはそれまで。マスタードの風味が非常に大切。これを香りを残し、風味豊かに仕上げるか否か、が美味しいモスタルダになるかどうかの決め手となる。

ちなみにマスタード液は、通常、薬局にて販売されているもので、まるで香りのエッセンス、媚薬のような小さなスポイトつきの小瓶に入っている。

できあがるモスタルダは、やはり地元の食材や料理と組み合わせるべし。マントヴァのそれも同様。質のよいグラーナ・パダーナに添えるだけで、いいアンティパストになる。セコンドや、セコンドの後の口直し的に使われる場合もある。

そして、マントヴァ独特のトルテッリーニに欠かせない隠し味ともなり得る。
カボチャの産地でもあるこの地域は、カボチャのトルテッリが有名。甘くて美味しいカボチャに、少し辛味のあるモスタルダを加えるのが、マントヴァ風。

茹で上がりはセージとバターを絡めて食べると最高に美味い。

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これから迎える寒い季節、肉のローストやらボッリートを食べる機会が増えるのだが…これらとの相性は抜群。これらの肉料理とモスタルダとは切っても切れない関係。脇役ではなくて引き立て役、という感じかな。

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今年の冬は、ボッリートに合わせるべく、絶対に手作りモスタルダを作るぞ‼︎と堅く決意。




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ヴェネツィアの市場でお買い物の後は… :: 2016/10/16(Sun)

私自身も非常に楽しませていただいている、ヴェネト各地に住むマンマとの料理レッスン。この日は、東京からの仲良し母娘さんからのご参加で、ヴェネツィアのマンマ、アダさんとのヴェネツィア料理レッスンを開催した。

アダさんとのいつもの待ち合わせ場所は、リアルト橋のたもとの市場。

参加いただく方によっては、あらかじめメニューを打ち合わせしておく場合と、アダさんとの場合には特に事前にメニューを決めずに、一緒に市場をまわってメニューを決めながら季節のものを購入するパターンもある。

この日は後者の方法にて。まずは彼女がいつも立ち寄る魚屋さんへ。

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今の季節は、甲イカの小さな柔らかなのが出回る時期なため、オーソドックスにイカのスミ煮をスパゲティで。イカのスミ煮は定番ながら、不動な人気のメニュー。

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他にスカンピやら、この時期のヴェネツィア人の大好きな前菜、マザネーテ。小さなカニを生きたまま調理する。脱皮したての柔らかくて丸ごと揚げて食べるモエーケの、殻が固くなったもの。モエーケほど食べられる季節が限定されていないので、ヴェネツィアの庶民的食べ物。

八百屋さんには、この季節のきのこやら、出始めのラディッキオやら…いつもの通り色鮮やかな店頭。

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この日はあれも、これも…とアダさんがとても張り切って、ヴェネツィア風子牛のレバー(フェーガト・アッラ・ヴェネツィアーナ)もやろうよ、ということでお肉屋さんにも立ち寄り、新鮮なレバーを用意してもらうなどして、アダさん宅へ移動。

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イカやスカンピの処理を丁寧に教えてもらいながら、ゴソゴソ動いているマザネーテは鍋に入れられてそのまま火の上へ…

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茹で上がりは一つずつこれも丁寧に掃除をしてオイルとプレッツェーモロ、塩で味をつけていく。

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アダさんの秘伝のレシピ、肉のポルペッテ(揚げた肉団子)も急遽メニューに入れてくれたので、同時に肉団子作りも着々と進む。

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あれよあれよと小さな台所で手際よく料理を続けていたら、あっという間に美味しそうな料理がテーブルいっぱいに。

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ヴェネトの、そしてヴェネツィアの料理とそれにまつわる季節の素材、そして地元のワインの話など、話は尽きることなく…あっという間に数時間が経ち、この日もたくさんのことを学んで楽しく過ごさせていただいた。

ありがとね、アダさん💕

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パドヴァのソット・サローネからアマトリーチェへ :: 2016/10/13(Thu)

8月下旬に発生したイタリア中部地震に関しては、冬の寒い季節が目前に狭り、住民の方々の生活の立て直し等、大きな問題を抱えている。

私個人的にできることなど、到底小さなこととは思いつつ、小さな義援金のできる機会を見つけては、参加するようにはしているが…

先日、パドヴァの市民の台所として知られる、長い歴史ももつ、ラジョーネ宮下、通称《ソット・イル・サローネ》において、この震災の義援金活動が行われた。

ソット・イル・サローネは、この建物の13世紀の完成時より商業施設として成り立ってきた場所。現在も、約50軒の食料品を中心にした商店が軒を連ね、いわゆる、歴史的商店街、となっている。

我が家も然り、この商店街には常日頃からお世話になっており、チーズ・ハム類、肉・魚、パン、生パスタ等々、頻繁に足を運ぶ場所。お店の人と顔なじみになり、買い物をしない日でも、通りを歩くとあちこちから、威勢のいい声で声をかけてもらうと、なんだかこっちまで元気になる、という、ビタミン剤みたいな場所でもある。

さて、この商店街のなかのいつもの常連として立ち寄るチーズ専門店の一店にて買い物をしていたら、お店の人から、ある企画に誘われた。

それは、同震災にて被害を受けたこの地域のカゼイフィーチョ(チーズ製造所)を助けよう、という企画夕食会を、このソット・サローネで開催する、というもの。

もちろん参加するよ〜、と声をかけて、前日に予約電話をしたら、なんと満席。盛況のため、2回転させる、というので、第2部に参加することにした。

夜のソット・サローネは朝の雰囲気とはまるで違い、なんだかしっとりとした雰囲気。そんななかで多くの人々がテーブルに座り、食事を楽しんでいる。

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いつもは各店のバンコ(カウンター)に居る顔なじみの定員たちが、この日は調理人であり、カメリエーレだ。

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チケットにお金を払い、即席テーブルにつく。
まずはじめは、地元のチーズ、アジアーゴの盛り合わせ。熟成の若いのと1年熟成のもの。

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そして、肉のタリアータ。

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もちろん、各店のショーケースから出してきたものを持よって調理する。
ここにワインとお水がついて15ユーロなり。
これは全て、アマチリーチェに寄付されるらしい。

美味しく、なんだか特別感ある空間に、なんだか急に寒くなった一夜ではあったが、心が少しあったまった気がした。

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栗の収穫祭 フェスタ・デイ・マローニ/Festa dei Marroni a COMBAI :: 2016/10/11(Tue)

またこの季節がやってきた。すっかり秋らしく、冬の足音が聞こえてくるこの時期は、栗の美味しい季節。
トレヴィーゾ県のコンバーイ(Combai)という、プロセッコの里に隣接した山の地域では、産地呼称であるI.G.P.を冠する栗の産地としても有名。

その地で毎年10月初旬には、収穫祭が開かれる。ここにたどり着くまでには、プロセッコのぶどう畑のなかをズンズンと登っていく。素晴らしく美しい風景のなかを進み、到着。

街に近づくにつれて人も車も多くなり、会場から少し離れたところに車を止めるように交通整理のおじさんに誘導されて、徒歩で街の中心へ。

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栗の会場へ直行。
会場は溢れかえるほどの人が、手を真っ黒にしながら栗を食べる、食べる。

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大きな仮説テントの入り口にある食券販売所。そこにも待機組の人たちの長蛇の列。
私たちも列に並び、焼き栗と、焼き栗にはまずはずせないトルボリーノ(torbolino)を。

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トルボリーノとは、この時期に飲むワインの前身。収穫して間もないぶどうの果汁は、発酵過程を経てアルコールへと変わっていくが、その発酵がまだ完全になされていないこともあり、糖が残りアルコール度数が低い。栗の収穫時期には、ちょうどこの段階のコレが季節的にも、そして」焼き栗に非常に合うことから、焼き栗とトルボリーノとはきってもきれない関係。

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ぶどうの果汁であるがため、この会場では、あえて”モスト”と呼んでいる。

会場では、テントの端にこれも恒例の大きな鍋で焼き栗製造中。

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できあがったものは、カウンターの後ろに構える、自動袋詰め機に運ばれ、各袋に同量ずつの栗が投入されたものを、食券と交換で手渡される。

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ここは地元の子供たちも仕事を担当する。

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会場外では、生栗の販売も。

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小さな小さな山あいの街の大イベントだから、迎える人も訪れる人も喜びを一緒に分かち合う。この季節とこの季節だからこその味覚を皆で大いに楽しむ、そんなイベント。

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街のあちこちに仕掛けられたスパヴェンティ・パッシ(かかし)。いつもながら妙にリアル…








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新しくて美味しいローマ 『レトロボッテガ (Retrobottega)』 :: 2016/10/09(Sun)

少し前になるが、ローマのお店の備忘録。
最近とても評判のいい、こちらのお店を訪問。

ローマの中心地の路地。間口の狭いその店を入ると、カウンターが縦に伸びるモダンな空間。

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着席するには、カウンターが断然お勧め。シェフの動きを目の前に見ることができる。

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まず、席に着いたら各ポジションに設えた引き出しを開けて、自分でテーブルセッティング。そして、メニューは店内の黒板と、カメリエーレからお勧めなどを聞いて。早めの時間だとシェフ及び料理人さんに尋ねるなどすると、さらによし。

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私が選んだものは、お魚料理。あまりお腹が空いていなかったため、セコンド一皿に完結しようと考えたので。
メルルーサの一種の大型のお魚(名前は忘れてしまった…)にルコラのソースを添えたもの。弾力のある肉質に、さっぱりと仕上げたソースが添えられる。見た目の爽やかさもよし。

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それに合わせたワインのチョイスは、これもセルフサービス。冷蔵庫に入っているワインを自分でセレクトして、グラスへ(もちろん、注いでもらう)。ワインのチョイスもなかなか素敵で、地元ワインに限らず、イタリア全土、そしてオーガニック、フランスの発砲等々、数は少ないものの、よい品揃い。

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で、ここでさらりと終わりにするはずが…前菜のパーツの前のカウンターを陣取ったので、料理を待ちながら、目の前でつくられる前菜の皿が非常に興味深くて、セコンド終了した後に、アンティパストへ逆戻りすることにした。

選んだものは、森のキノコと題された皿。マリネなどされたキノコを盛り合わせられた一品で、一皿のなかに様々な食感を盛り込んだもの。

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これは所謂ヴィーガン向け料理。アンティパストからドルチェまで、それぞれに必ず一品はヴィーガン料理が設定されている。
もちろん私はヴィーガン信仰者ではないのだけれど、このお皿、とても楽しめる一品。

その後、結局ドルチェまで食べることに。
マスカルポーネのドルチェ。上にのっかっているのは、コーヒーの寒天。ティラミスの変型版みたいなのだが、これも目と舌で楽しませる、楽しい一皿。

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料理をみているとなんだか日本料理にかなり影響をされているようで、シェフの日本料理に対する興味がそのまま皿に反映されている。
アンティパストのピーマンのグリルなどは、まるで赤身の寿司のよう、定番料理の子牛のトンナートのソースには、味噌を隠し味に使う、等。おまけにこの長いカウンター越しに料理作業が見えるのは、完全に割烹風だ。

とにかく今のローマの繁盛店のひとつとして君臨しているこの店、予約は受け付けていないので、早めの時間、もしくは遅めの時間をずらして訪れるのがベター。

またぜひ行きたいお店のひとつ。

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Retrobottega
Via della Stelletta, 4 Roma
T: 06 68136310
http://www.retro-bottega.com




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