パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



レナート・ボスコの発酵ピッツァ :: 2016/12/28(Wed)

発酵ピッツァ、なんて言葉はおかしい。ピッツァは発酵させるものだから。

でも、ここで食べる、コレは、決してピッツァではない。かくしてパンでもない。フォカッチャとも違う。
発酵生地のスペチャリテ。今や研究者とも呼ばれている。

ヴェローナ県下の小さな町にある彼の店は「Saporè(サポレー)」。
平日の昼食なのに、最低2回転はする繁盛ぶり。それも、彼の織り出す発酵生地メニューをいただくため。客層もいい感じ。

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たくさんあるメニューを端から読んでいたら、お勧めされたのが、各種タイプを少しずついただくデグスタツィオーネ。

友人と二人で出かけたため、これで即決にて具材やトッピングなどを決めて、しばらく待つと…

まずは一皿目。
「Mozzarella di Pane (モッツァレッラ・ディ・パーネ)」

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新作。
モッツァレッラの水をパン(…と呼ぼう)の生地に使用し、焼いたのではなくて、蒸して仕上げる。
生地はふんわり柔らかく、そしてモチモチとした弾力。
トマトソースがさらりとのって、皿には数種のスプラウト。

そして、「Crunch (クランチ)」。

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表面がカリッカリの鉄板焼きタイプ。これはパニーノ風に中に具材がはさんである。
この具材が、かぼちゃ、ヴェルゼ、ほうれん草と、リコッタ。カリカリの生地に野菜とリコッタの優しい甘い味がものすごくよく合う。
これは絶品。

3皿めが、これはもうびっくり。「Aria di Pane (アーリア・ディ・パーネ)」。

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天然酵母を使用したもの。表現し難い食感。とろけるようなパルマ産生ハムとブッラータがこれまた絶妙。
完璧な生地のきめ細かさと、柔らかさ、弾力、かみごたえ…芸術的。

もう一皿注文しようかと悩んだ挙句、ドルチェを注文。

ストゥルーデルのビッキエーレ(グラス)スタイル。

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と、ヨーグルト・グレーコ(ギリシャ式ヨーグルト)。はちみつとくるみ、アーモンドが添えてある。

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カフェには美味しいこだわり、伝説のジャマイカ・カフェ。

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そして、お家に連れて帰ってきた、パンドーロ。2016/2017年の年越しは、これに決定。

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Saporè
Via Ponte 55/a
San Martino Buon Albergo (VR)
Tel. 045 8781791




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パドヴァの街のナターレ :: 2016/12/22(Thu)

毎年この時期になると、街の景色が一変する。

12月8日の無原罪の御宿りの日から、カトリックの本来の意味のナターレがスタート。その日を待っていたかのように、街中はメルカティーノ(クリスマスマーケット)でキラキラとした雰囲気となる。ナターレ用に家族や知人へと渡すプレゼントを購入する買い物客で人々が行き交い、街が一層と華やかになる時期。

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冬の寒さで空気がピンと張り詰めたようになりながらも、明るい雰囲気となるのは、ナターレ時期特有のものだろう。

パドヴァの旧市街値には、今年は150の屋台が軒を並べている。

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売っているものは、地方の美味しいものやお菓子、クリスマスグッズ、手袋や帽子などの防寒グッズやらアクセサリー等々、自分用またはプレゼント用にと、毎年ほぼ同じような顔ぶれの屋台なのに、なんとなく足を止めて、財布を開けてしまうのは、ナターレだから、こそ。

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普段の日曜は閉まっているはずの店も、この時期は営業許可がおりているので、かきいれどき。

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パドヴァ市では、普段は75分間有効のバスチケットも、この時期は4時間有効となって、市内バスやトラムは、中心地へ街歩きする人たちで満員状態。

不況なんてどこにあるんだろう、なんだか豊かな雰囲気いっぱいなパドヴァチェントロ。

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チーズの会『ONAF(オナフ)』の年末決起集会 :: 2016/12/18(Sun)

私の所属している、チーズ鑑定士協会『ONAF(オナフ)』という会がある。イタリア各地に支部を持つ、チーズの専門家とそれに続くチーズの鑑定士の資格を有する人たちとで構成されている。
私はこの会のヴェネツィア、トラヴィーゾ、パドヴァに所属していて、不定期ではあるが、彼らが企画・主催するチーズをテーマにした活動に参加している。

この日は、ヴェネツィア支部の責任者である、マウリツィオ氏による企画。同じくメンバーである養牛農家の大きなお宅にて、暖炉を囲んでの会にしよう、とのこと。

このマウリツィオ氏、チーズに関しては非常に見識が深くて、彼の話はいつも興味深いし、彼のチョイスはいつも的確なので、大変に信頼している人物だ。

この日に集まったメンバーは約20名ほど。会場を提供してくれたお宅には、200頭ほどの乳牛がいて、チーズは作っていないものの、チーズを作る工場に乳を卸している。
大きなお宅の台所の一角、というか中心には暖炉があって、この日のテーマは暖炉を囲んでシウピエードを食べよう、というもの(とは書いてなかったが)。

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スピエードとは、串焼きの肉のことで、この地域では非常に親しまれているもの。人が集まると、スピエードという感じ。使う肉はなんでもよい。

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午後イチから準備を始めた、というこの日のスピエードは仔豚。到着したら、もういい感じのこげ色でゆっくりゆっくり回っていた。ゆっくりと何時間もかけて火を通していくことで、滋味深く、仕上がる。

そのほか、ここには金網の上でサルシッチャ、ラディッキオ、そしてポレンタなどが焼かれる。燃やしている木はぶどうの木を使うが、火力の持ちがよいのだとか。

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そして、マウリツィオ氏が持参してくれたチーズの味見会。

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まずは、名前を知らされずに試食。お互いに話すうちにだんだんと答えに近ずいてくる。

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1はラッテリア。新鮮、フレッシュ。2と3はモルラッコ。2は1ヶ月半熟成、3は18ヶ月熟成のもの。材料は一緒だが、全てが全く異なるもののように感じるのが面白い。

そしてこちらは、栗の皮で包んで熟成したもの、ぶどうの実や葉で包んで熟成したもの、ペコリーノやプロヴォローネの9ヶ月熟成もの。

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チーズの選択はさすがのマウリツィオ。

台所の横の大きな部屋に、着席できるテーブルも用意してくれてあり、そこでもしばらく食事をしながらも、なんだか気がつくと皆が暖炉の前に集まっている…

終盤になって、ドルチェの時間。季節柄なので、パネットーネとヴェネツィア風フォカッチャ。どちらもメンバーの手作りにて、本当に美味しかった。

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来年の会の活動予定などの発表を聞きながら、また来年もチーズな年になりますように、と素敵な一夜も終了。

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フリウリの、フリウリらしき温かい料理 『サーレ・エ・ペーぺ(Sale e Pepe)』 :: 2016/12/17(Sat)

お世話になっている、オーガニックワインの生産者、Venchiarezza (ヴェンキアレッツァ)の若き醸造家ルカにお昼に誘われ、連れていってもらったお店が、ここ。

土地の料理をすごく生かしてそれでいて田舎臭くない…(とは言っていないが)、とお勧めだから是非行こうよ、とお誘いを受けた。
はい、もちろんお供させていただきます…。

彼のカンティーナから少し山側にあがった静かな坂道に目指す店。店構えがとってもいい感じ。

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看板がとっても可愛い。

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店内の写真を一枚も撮っていなかったけれど、とても温かな感じのお店。そのままキッチンに案内されて皆さんに挨拶して席に着く。

ここの料理は “cucina di territorio (クチーナ・ディ・テッリトーリオ)”がコンセプト。つまりは、土地の恵みを生かした土地のお料理。土地で採れたものを生かして、少しだけ現代風にアレンジされた郷土料理を再現する。彼らが手をかけている畑でとれた野菜を使用していることは、もちろんのこと。

イタリアではここのところよく耳にする “kirometro zero (キローメートロ・ゼーロ) “を実際に実践している。この意味するところは、生産物を確かな場所(人)から、そしてその土地のものを利用する、という意味を含む。

お料理は口頭で説明され、一番初めに出てきた皿が、パンのスープ。名前忘れてしまった。
残りのパンを利用した、この土地のポーヴェロ料理。豚のラルドの風味が効いている。

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アンティパストに選んだのは、アリンゲ(ニシンの塩漬け)を加えたサラダ。ヴェネトやフリウリでは、バッカラと並び、保存のための魚として非常に馴染みの素材だ。

そして、フリウリ特有ともいえるだろう。甘いフルーツを使用した一品。これは、スジーナ(プルーンの一種)やリンゴなどを加えたスープ。食べてみたらザラザラとした粉末状が、これはポレンタを入れてスープ全体にもったり感を出したもの。
食べた感想は「食べるピンツァ」。いわゆる、ポレンタに乾燥フルーツを入れて焼き上げた、ここらへんのドルチェ。これにはルカも同感。

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セコンドは、ウズラと栗のチョコレートソース。チョコレートソースに興味があり、頼んでみたが、チョコラート・フォンデンテをベースにした少し濃厚なソース。ウズラと栗との相性ぴったり。

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それぞれに合うワインには、地元のリボッラ・ジャッラとレフォスコを。

平日なのに、常連さんの家族連れや、外国人などでいい感じの客入り。

食事後に少し街の散策を…とチヴィダーレの街を案内してもらう。小さな小さな山あいの街は、ユネスコの世界遺産に指定されている。

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街の入り口の橋からは、素敵な水辺の景色。水が驚くほど透明で、びっくり。ルカ曰く、もっともっと水の綺麗なとっておきの場所があるのだとか。幼いときから夏場の子供達の川水浴場になっていた場所らしい。

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街の頂上に位置する礼拝堂からの眺め。この日は気温が低くて一面霧にて、遠くが見えなかったが、天気のよい日には、彼の住む場所から向こう〜の山までがくっきりと見えるのそうだ。

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穏やかなのに、しかも純粋なパッションはこんなところで生まれるんだなぁ…としみじみと考えた一日だった。

ありがとう。


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ブドウの樹の冬支度 :: 2016/12/11(Sun)

今年の夏頃に偶然に訪れた、フリウリのカンティーナ『Venchiarezza (ヴェンキアレッツァ)』。

その時に試飲させていただいたワインの印象と、それを作る若い醸造家、ルカ・カポララーレ (Luca Caporale) 氏の情熱と人柄がとても印象深くて、その後も何度か連絡を交わしていた。

ひょっこりと時間が空いた1日を、久しぶりにカンティーナを訪れることにした。
朝晩が急激に気温の下がるこの季節特有の、辺り一面霧で真っ白な高速道路を飛ばして約180km北上。

目的地は同カンティーナのある、チヴィダーレ・デル・フリウーリ。

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着いた頃はすっきりとした快晴。畑では、冬支度中の作業が進んでいた。

夏の終わりから秋にかけてのヴェンデンミア(ブドウの収穫)を過ぎ、仕込みが済んでカンティーナ内に静けさが戻った頃に行われる作業。

来年の生育に必要な新芽を残すようにしながら、元気に伸びた枝を適度なところで切り落とす。

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余計な栄養を他に分散させることのないようにするための、大切な作業。こうすることで冬の寒さをじっと待ち、春の芽吹きの時期になるまでじっと大地の栄養をゆっくりと吸収させて強い樹にする目的がある。

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こうして四季の気候の変化にナチュラルに従うことが、病気にも負けない強くて健康な樹を作り上げていくことに繋がる。

剪定(ポタトゥーラ)は、経験値がモノを言う、というほどに、左右に大きく伸びた枝をバッサバッサとすごい勢いで次々と切り落としていくのだが、来年伸ばすべき枝を即座に見極め、そして芽を残す。

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こうして年が明け、春の空気を感じてきたな…という時期となると、再度、その年に成長をさせる新芽を整理しながら、枝を樹と垂直に、大地とは平行に張られた針金に沿わせるようにくくりつけていく。

これが、いわゆる”グイヨー方式”。生育の方法は何種類があるが、それは生産者が土地と品種をみて、それに適した方式を採用する。

ちなみにグイヨーのなかでも、枝を一方にだけのばす”シングル方式”と2本の枝を左右対称になるようにのばす”ダブル方式”、さらには、その枝をアーチを模るようにするものもある。

これは、その形から”カップチーノ方式”。司祭のかぶる丸い帽子をイメージさせることから。

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カンティーナは小さな田舎町…なんて言っちゃいけないが、土地に長く根付いたものであり、基本的にはルカ氏が一人で切り盛りしているのだが、忙しい時期などは、近所の農家の人たちが率先的に手伝いにきてくれるのだとか。お互いに手を貸し合い、お互いの持つ機械なども共有しながら運営が行われている。

この日も助っ人・ダヴィデ氏が黙々と作業を続けていた。

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カンティーナの中に入ると、今年のヴェンデンミアのもmのがタンクに眠っている。
今年の赤は特に非常にいいものができるとか。

今の状態のものもタンクから直接飲んでみる。それぞれのブドウの性格が手に取るように解る、貴重な体験。

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ちなみに、ラインナップとしては、
白は ピノー・グリジョ、シャルドネ、トカイ・フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ソーヴィニオン。
赤は レフォスコ、スキオッペッティーノ、カベルネ、メルロー。

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ここに定期的に弟子入りすることを心に決めて、また霧のなかを(おまけに真っ暗)家路に着いた。








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