パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ONAFの夜 “Bianco e Blu” :: 2017/12/16(Sat)

チーズの鑑定士の会、ONAFの活動として、不定期ではあるが、様々なチーズの試食会を開催している。興味あるものや自分のスケジュールに合わせて参加するのだが、12月の年末に開催されたこの日のテーマは「Bianco e Blu」=「白と青」。つまりは白カビと青カビのチーズの勉強会。

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オナフのヴェネツィア支部の開催であり、ヴェネツィア県下のミラーノという町にあるトラットリアを会場に企画された。
集まったのは、40名ほど。少し遅れて到着したら、顔見知りの多いテーブルに私のために一席空けておいてくれたのを見て、かなり嬉しかった。

さて、まず運ばれてきたのは、トレヴィーゾ県タルツォ (Tarzo) という町のカゼイフィーチョ(チーズ製造所)のグリッロ・ディ。コルマヨール (Grillo di Colmajor) 。名の由来は、このカゼイフィーチョの近くの丘陵地であるコル・マヨール (Col Mayor) から。この丘陵地で育てられた牛の生乳でつくられるチーズ。周囲がデリケートなよいカビがつき、中のパスタは非常にクリーミーで滑らか。甘みと軽い旨味はバターを思わせる…。

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そして、珍しい水牛の白カビチーズ、フィオッコ・ボルゴルーチェ (Fiocco Borgoluce) 。水牛の飼育もしている、やはりトレヴィーゾ県のスセガーナ (Susegana) という町のカゼイフィーチョのもの。パスタはこれも非常にクリーミーで旨味あり、そして少しだけ酸味を感じるところが特徴。凝固には、野菜系の酵素を使用している。

そして、これも珍しい、アイルランド産の青カビのブリー。ウィックロー・ブルー・ブリー (Wicklow Blue Brie) 。周囲の薄い白カビで覆われた内部のパスタは非常に濃厚。そして青カビ特有の個性的な風味あり。デリケートさと強いインパクトとが共存しているようなチーズ。

合わせたワインはアルト・アディジェのソーヴィニオン。しっかりとした香りと味わいの深い北らしいボディのあるソーヴィニヨンだ。

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その後に続くブルーチーズは、ブルー・ディ・ブファラ (Blu di Bufala) 。ロンバルディア州ベルガモ県下のカゼイフィーチョから。これも水牛の乳からつくるブルーチーズで、クリーミィでありながら、ホロホロと崩れるような口当たり。酸味をしっかりと感じるもの。

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そして、クロツィエル・ブルー (Crozier Blue) 。これもアイルランド産。風味がかなり凝縮しているが、ブルー特有の強さよりも全体が非常にバランスがとれているところが特徴。アイルランドでは珍しいブルーチーズとして非常に評価が高いもの。

最後は、ヴェルデ・ディ・モンテガルダ (Vede di Montegalda) 。
ビオロジコのチーズでヴィツェンツァ県下のもの。牛と山羊のミックスの乳からつくられる。皮の部分もしっとり感あり、カビは緑/青がかった、熟成がかなり進んだ感じだ。乳の香りと、そこにスパイシー感も。

状態もよく、珍しいチーズの試食。非常に興味深いもの。

その後は、ラディッキオのサラダとリゾットがサービスされる。

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このリゾット、「リゾート・コエ・セコエ (Risoto coe Secoe)」という超ヴェネツィア弁な名前の、ヴェネツィア料理のリゾット。

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ヴェネツィアの古いレシピで、現在はあまり見かけることはない、珍しメニュー。メニュー名のセコーエ (Secoe) は、このリゾットの材料となる、牛の脊椎部分を含めたひき肉のことをいう。独特の味わいを出すためなのだが、この部位を入手するのが大変で困難、という意味も含める。

チーズを味わった後のリゾットとしては、なんだか濃厚すぎた…けど、美味しいので完食。

この夜も珍しいチーズを、興味を共にする仲間と時間を共有できたこと、とてもよい一夜だった。





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110° トレヴィーゾのラディッキオ祭り (Antica Mostra del Radicchio Rosso di Treviso IGP) :: 2017/12/10(Sun)

毎年産地では各地にて恒例となる、ラディッキオのお祭り。この週末はトレヴィーゾの旧市街地内にて開催された、ラディッキオの収穫祭としては最も歴史のあるもの。110回目を数える。

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ラディッキオは、イタリア国内でもこの地でのみ生産される非常に希少な野菜。野菜の中でも高価なもので、ラディッキオには数種が存在するものの、トレヴィーゾ産の晩生種である、タルディーヴォ種は特別感のあるもの。

タルディーヴォ種の生産が本格的になり、産地呼称の認証マークであるIGPの添付が許可される11月以降では、生産地域の各地で次々と収穫祭が開催される、というわけだ。

トレヴィーゾの旧市街地の中心部に設置された仮テント内には、中央に大きくとられた生産物の展示がまず目をひく。

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産地内にて、各生産者たちから持ち込まれた選りすぐりのものばかり。それだけあって、形も色も、そして味も良品揃い。形状や色が非常に個性的なこの野菜は、見た目の美しさもかなりその品質に関わってくる。見た目のよいものは、ほぼ味もよい。全てにおいてバランスがとれていなければならない、というか、必然的にそうなる傾向にある。

会場内では、ラディッキオの即売所、ラディッキオを使った関連商品及び、土地の各産物の生産者などのブースが並ぶ。

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そして、もちろんラディッキオを使って振舞われる料理など。

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各ブースには、毎年駆り出されているのであろう、料理人たちが仮設キッチンで腕をふるう。

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中央ステージでは、料理デモンストレーションなどの各種イベントが催されているが、私が訪れた時間には、ちょうど子供たち向けのラボラトーリオが開催されるところだった。

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我が娘も参加し、皆で作ったものは、土地の名物ドルチェ、ティラミス。3歳から11歳までの子供たちがうまく平均して集まり、ステージ上にて指導を受けながら、一皿を完成させる。

この週からイタリアはクリスマス開始。街中にはクリスマスマーケットが始まり、人出もぐっと多くなる。
街角のオステリアも、このシーズンはラディッキオでデコレーション。

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ブロッコロ・フィオラーロ (Broccolo Fiolaro di Creazzo) :: 2017/12/01(Fri)

ヴェネト州ヴィツェンツァ県クレアッツォという丘陵地帯のみにて、非常に限定された地域で生産されてる非常に希少価値のある野菜。正式名称は、「ブロッコロ・フィオラーロ・ディ・クレアッツォ (Broccolo Fiolaro di Creazzo)」。

「フィオラーロ」という名は、この野菜の根元の部分から細く数多く伸びる茎(子株)のことを指している。「子供」というイタリア語「フィーリ (Figli)」がヴェネト訛りとなり「フィオーイ (Fioi)」と呼ばれたことに由来する。

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生産時期は冬。収穫は、畑に霜が一度降りてから、とされており、寒さが増せば増すほど甘みが強くなる。

産地であるクレアッツォは、平地よりも少し小高い地形のいわゆる丘陵地帯。寒暖の差が激しく、それが野菜の旨味を増すための要素となる。そして、その土地の土壌。灰分の多い砂地は、水を含むことによりしっかとした土となり、ブロッコリの根をしっかりと支える。ミネラル分豊富な土の栄養をしっかりと吸収し、特殊ともいえる個性のある味となる。

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畑のある場所は平地から少し上がり、なんとも静かな穏やかな場所。ゆるやかに広がる起伏のなかに続く畑は不思議な光景に思える。

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この時期はようやく旬を迎えた時期。収穫・出荷も忙しい時期に入った。大きなトラックに収穫した株が山積みされて作業場へと…一日に何度も往復する。

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株は水のなかできれいに洗浄されながら、一株一株が人の手により箱詰め作業がされる。

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株ごと出荷される場合には、形を揃えて。

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また、完全なか可食部のみの場合には、細い茎を揃えて束にして箱詰めへ。

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この子株からのびてきた葉の部分がとくに香りよく、野菜の一番美味しい部分として使われる。

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寒い時期の野菜ならではの緑の濃い、ゴワゴワした、質感のある野菜だ。

使い方としては茹でてからしっかりと炒め煮にしてコントルノ(付け合わせ)とするのが最も一般的で他、スープや、パスタ、リゾット、ピッツァのトッピングに…等、様々に使用可能。






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