FC2ブログ

パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ゴリツィアのバラ「ローザ・ディ・ゴリツィア」 :: 2018/02/24(Sat)

数ヶ月前に訪れた、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のゴリツィア地区にてひっそりと栽培されているラディッキオ、ローザ・ディ。・ゴリツィア。
前回は季節の始まりの頃に伺い、その畑に案内してもらったのだが、今回は、出荷をする作業現場を案内してもらう。

生産者の数も少なく、また、非常に長い期間をかけて生育させていくこの野菜は、非常に高価なもの。
ラディッキオの他品種では、それらのほとんどが畑に苗を植えていくのに対し、彼らのそれは、種蒔きからその作業が始まる。苗植え作業よりも3ヶ月ほど前倒しで作業が始まるのだ。

畑では、初夏にものすごい勢いで雑草が育つ。それらは刈ることなくそのまま放置。ラディッキオの畑なのか、雑草を生やし放題にした荒地なのか、区別がつかないほどなのだとか。
夏の終わる頃にそれらの雑草を刈り、ようやく地表に顔を出したラディッキオは日の目を見ることになる。それまでは、草に覆われていて、隠れていたから。

その時期までに、ラディッキオはとにかく土中深くに根をのばすことに一心となる。この地区の土壌は、砂利質なこともあり、根がぐぐっとまっすぐに下方に向けて根太く育っていく。これが、このラディッキオの命となる。

夏を終えて季節が移行するにつれてラディッキオは葉を何層にもつけ、巻きが整ってくる。まるで地表にはいつくばるみたいに畑に点在する感じ。

畑から収穫すると、光を遮った暗い作業場に運ばれる。ここで軟白が行われるのだ。

DSC_0063_convert_20180224013336.jpg

軟白は、このラディッキオの場合、水に通すのではなく、おがくずと馬糞ともみとを混ぜたものを使用する。季節や気候の変化でこれらの割合も変えるのだそうだ。なんでもその昔は、馬糞のみだったのだそうだが、現在は衛生的な問題もあり100%は禁止されている。

DSC_0041_convert_20180224013242.jpg

無造作にように並べられたそれらは、暗闇のなかで美しい真紅〜濃い紫色に輝いている。葉のつくりもしっかりとしていて、触ってみた感触も力強さを感じる。

寒さのなかでも耐え抜き、美しく剛健でありながら可憐。なんとも不思議な野菜…いや、野菜であるのか、と疑いたくなる代物。

DSC_0054_convert_20180224013300.jpg

DSC_0056_convert_20180224013315.jpg

生産者のアンドレア氏が自宅内に案内してくれた。自分の生産物を食べさせたいから、と。

農家の雑然とした造りの家に入ると、一室に私たちを迎えてくれるイキなしつらいが…。

DSC_0066_convert_20180224013355.jpg

この個性ある野菜を中心に、テーブルがセットされる、というなんともこれもイキな計らい。

まずは、生でオイルとビネガーをかけて。肉厚の葉は噛んでしっかりと歯ごたえがあり、甘みを感じる優しいが力強い生命の香り。

DSC_0067_convert_20180224013411.jpg

DSC_0074_convert_20180224013441.jpg

冬季限定なものだけに、彼らはこれをいくつかの瓶詰め商品として販売していく方向だというので、それらを試食させてもらう。

甘酢漬けやオイル漬け。

DSC_0083_convert_20180224013527.jpg

生のまま瓶詰めにしてざくろの絞り汁とともに低温加熱したもの。
細かく刻んでオイルと合わせて仕立てたクリームは、リゾットやパスタ、ブルスケッタの具材に、とそのまま利用もできる。

DSC_0107_convert_20180224013542.jpg

それにしても、ほんとに美しい野菜。価格が高すぎて、どんなふうにこれらに還元していったらいいかな…とは思案中だが、イタリア国内・国外でも、一流の料理人たちにも注目度の高い希少な野菜。

DSC_0075_convert_20180224013456.jpg






テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. Produttore/生産者
  2. | trackback:0
  3. | comment:0
ヴェネツィア・メストレの美味しいお店「Al Cason」 :: 2018/02/20(Tue)

メストレは、ヴェネツィアの陸地の街。列車で旅をすると、ヴェネツィア本島のヴェネツィア・。サンタルチア駅の手前となる、ヴェネツィア・メストレ駅がそれにあたる。
とかく、列車の乗り換え駅となりがちで、その存在自体は、見落とされがち。旅行者にとっては、ヴェネツィア本島よりも宿泊代が安いから…という理由で、宿をそこにとり、日中はヴェネツィアへ…という使い方をされがちな場所でもある。

メストレの駅周辺は、イタリア国内、いまやほぼどこも同様な状況だが、移民が多くて少々危うい雰囲気の漂うような感じではあるが、街の中心は、結構とひらけていて、実はなかなかいい街でもある。
ヴェネツィアの人でも、ヴェネツィアの島での特殊な暮らしを後にし、陸地のメストレに移住する人も珍しくはない。特に家族などができると、自転車が使えて車でどこでも好きに移動ができる…という開放感から、物価の高いヴェネツィアを後にする人も珍しくはない。

とはいうものの、ここは正真正銘の、歴史的にも、いわゆる「ヴェネツィア人」の住む場所。人も文化も、もちろんヴェネツィアだ。

その街の郊外に数年前に知人から教えてもらった、メストレの、いやヴェネツィアの素敵なお店がある。

店の前面はバールになっていて、そこはおじさん達の溜まり場。一歩入ると中でワインのグラスを片手に頰を赤らめたいい年具合のおじさん達が一斉んジロリとこっちを見る。

レストランに食事に来たのか…?と聞かれて、背後にあるレストランに連行される。しっかり親切な人たちだ。
毎回行くのにいつも引き寄せられるように、この正面のバールから入店してしまう(この雰囲気が好きなんだな…)。ちなみにレストランには専用の素敵な入り口が存在する。

IMG_4126_convert_20180220192112.jpg

店内は、エレガント&クラッシック。冬場には、店内の中心にある大きな暖炉に火がついていて、温かみ抜群。

IMG_4121_convert_20180220192006.jpg

ここで食べるのは、ヴェネツィアならではの魚介料理。クラッシックでそしてその日のよい材料からできるシンプルなザ・ヴェネツィア料理がいただける。

この日はあまり時間のないなかの昼食。前に食べた美味しかったボンゴレのスパゲティが食べたくて、それを目当てに、軽く前菜をいただく。

IMG_4120_convert_20180220191940.jpg

運ばれてきたのは、シャコの湯でたのとエビの茹でたの、そしてグランセオラ。皿の上に清潔で上品に盛りあわされたこれらは見るからに美味しそうでパスタを待つ間に食べるにはちょうどよい量と内容だ。

おまけに食べて分かるのだが、とても丁寧に仕事がされている。エビもシャコも、フォークとナイフで簡単に身がはずせるように、きれいに切り込みが入っていて、手を汚すことなく、また、tべ残しも美しく終われるようになっている、細やかな配慮。

そして、お待ちかねのスパゲティ・アッレ・ヴォンゴレ。アサリは2種類のものを使ってあるが、小さいほうが身は小さいものの風味が濃い。

IMG_4123_convert_20180220192027.jpg

こちらはしっかりと手を汚しながらいただく。アッツアッツでほどよい茹で加減、ソースの絡みも抜群で非常に良いデキ。

あっという間に殻を入れる皿が山盛りになり、美味しく平らげた。

IMG_4124_convert_20180220192047.jpg

運ばれてくるパン籠には、ヴェネツィアのキオッジャ名物のくるりと円形になったグリッシーニ、ブッソラーイ。これは病みつきになる私の大好物で一度食べたら止まらなくなる危険な代物。

IMG_4116_convert_20180220191914.jpg

お天気のよいお昼どき、テラス席で気持ちのよい美味しい昼食をいただいた。
ご馳走さまでした。

IMG_4127_convert_20180220192132.jpg

Ristorante Al Cason
Via Gatta 112 Mestre Loc. Zalarino (VE)
Tel: 041.907907
http://www.alcason.it/it/
土曜夜、日曜休み




テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. リストランテ・食べ物屋
  2. | trackback:0
  3. | comment:0
バッサーノの地元種ブロッコリー Broccolo di Bassano :: 2018/02/09(Fri)

バッサーノ・デル・グラッパは白アスパラガスが有名な産地ではあるが、この冬の寒い時期のここの土地ならではの産物がある。それが、バッサーノ産ブロッコリー。

バッサーノの半径5km圏内のみで栽培されるもので、見た目はカリフラワーのようだが、色は少し黄色味がかっていて、小さく、非常に身が密で味が濃い。畑では、大きな葉にその姿を隠すように生育していくが、この葉の部分も捨てずに食べる部分だ。

IMG_3895_convert_20180209161216.jpg

収穫時期は11月の中旬から4月ごろまで。背後にはドロミーテの山麓を控える地域だが、その山麓からふく冷たい風により、気温の低い場所であるが、このブロッコリーの特徴としては、マイナス8℃までの低温にも耐えるという土地ならではの野菜だ。

寒い冬の日に畑に収穫に出かける。専用の鎌を手にし、一株一株の成長の様子を確認しながら茎の根元部分から採る。

IMG_3901_convert_20180209161307.jpg

大きめのものも小さめのものもあるが、それぞれに好みで美味しい。

この日に私が訪れていた農家は、この地でオーガニックの野菜をつくっている農家。対面販売とオーガニック野菜の共同購入団体、地元のレストランとに直接販売しているため、消費者との距離が近いこともあり、常にお客さんの顔を思い浮かべながらの収穫なのだそうだ。

IMG_3896_convert_20180209161242.jpg

ここの農家では、四季折々の野菜を多品目栽培をしているので、各季節の地元野菜がいろいろと見れて楽しい場所。

畑では、もうそろそろ名産のアスパラの畑作りの準備もそろそろ…というところだ。

IMG_3902_convert_20180209161326.jpg






テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. 料理・素材
  2. | trackback:0
  3. | comment:0