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パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



プロセッコの里がユネスコの世界遺産登録へ :: 2019/07/08(Mon)

ヴェネト州はイタリア随一のワインの生産高を誇る州。そのうち、近年非常にその生産量及び売上を上げているのが、発泡酒であるプロセッコだ。
そのプロセッコを生産するトレヴィーゾ県の北部の丘陵地である、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ丘陵地が昨日、2019年7月7日にイタリアでは55番目にあたるユネスコ世界遺産に登録された。

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その登録の正式名は、プロセッコの丘陵地、コネリアーノ・ヴェネトとヴァルドッビアーデネ(Colline del prosecco di Conegliano Veneto e Valdobbiadene)という。

プロセッコは、グレーラ(glera)という品種のぶどうを主にしたスプマンテ(発泡酒)で、ペラーラ(perera)、ビアンケッタ(bianchetta)、ヴェルディーゾ(verdiso)などの他白品種を数パーセント加えることも許されている。

見た目にもフレッシュ感を思わせるグリーンがかった淡い麦わらの色がベース。そして、ぶどう品種の持つキャラクター…ナシや青リンゴなどの淡いフレッシュなフルーツ、白い野草を思わせるデリケートな香り…を特徴とする。口に含むと、繊細な泡とともに、先に感じたフルーツの味わいが残り、その余韻を楽しむ…というのが、プロセッコの美味しさ。フレッシュな爽やかさがとにかくこのワインを語る上では欠かせない要素な故、この土地にいてアペリティーヴォにはほぼ100%に近い割合でプロセッコを親しむ習慣がある。

そして、その商業的意義も高く、生産量としては年間約47億本、注目すべきはそのうちの約2/3量はイタリア国外への出荷されている。スプマンテの部類のなかでは、世界市場でも、シャンパンを抜いて世界第1位の輸出量に成長している。

ワインの格付けあるDOC, DOCGを獲得したのは2009年。それをきっかけに品質にもお墨付きを得て、質実を伴うヴェネトワイン業界を支える大切なワインだ。そして、特にそのなかでも歴史と品質として特に価値のある、Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCGの生産地が、ユネスコ世界遺産に登録された、というわけだ。

コネリアーノは、もともとイタリア初の醸造学校が発足した場所でもあり、また、1868年にコネリアーノのアントニオ・カルペネ(Antonio Carpenè)氏が、フランスのシャンパンの技術をイタリアで一番早くに導入を試みた、というイタリアのスプマンテの歴史的にも非常に重要な位置付けにある。それは、Trento DOCとして、現在イタリアのスプマンテ界では最も権威のあるFerrari社のジュリオ・フレッラーリ(Giulio Ferrari)氏によるそれよりも約30年ほど先駆けている。

とにかく、この地域は、世界的に注目されるべき美しい景観を持つ地域と、イタリアのワイン及びスプマンテ醸造の歴史に非常に深く影響している場所である。

この美しい景観は、丘陵地内を何層にも丘が連なり、それらが整然としたブドウ畑で覆われている。140年もの昔からこの丘陵地はブドウ栽培として成り立ってきた、という歴史的背景もその評価の対象となっている。
同地域は、ヴァルドッビアーデネからコネリアーノにかかる、東西30kmに及ぶ丘陵地がひとつの鎖の連なりのように形成されている丘陵地。

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平野からプレ・アルピ(山岳地域)、つまりはアドリア海からドロミーテ間に位置する、非常に自然と気候など自然環境に恵まれた地域といえる。さらには、歴史的にも重要なブドウ栽培及びワイン生産が行われている地域である。小さな生産者たちによる手仕事と、その仕事への愛情がこの環境を作り上げたこと、現在の環境として至る経緯には、それらのマン・パワーもその恩恵の一部として認められた、という証だ。
つまりは、世界遺産の認定を受けるきっかけは、もともとの自然環境に加えて、こん土地の人々のブドウ栽培とワイン製造によって成り立っていることを明らかに認められたことは、非常に興味深いところである。

小さなブドウ畑が段々畑のように形成されており、それを遠距離から眺めるとひとつの森のようにも感じる美しい景観…これが、同地域の美しい景観。

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この地域内の約中心には、カルティッツェ(Cartizze)と呼ばれる地域があり、その面積はほんの約107haほど。とはいえ、その小さななだらかな渓谷となる地域は、その土壌とポジション、及び日照や風の通り具合などから、特にプロセッコのなかでも貴重な価値のある地域とされている。視覚的にも非常に見るべき価値のあるところ。そして、当然のことながら、生産者の密集する地域でもある。

ヴェネト州は、ここ数日で、2026年のミラノ・コルティーナ冬季オリンピック誘致獲得に続き、このユネスコ世界遺産認定のビッグニュース続き。暑〜い夏だ。
ヴェネトばんざ〜い!!




テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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