パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ブラーノ島のレース :: 2010/11/29(Mon)

R0016126_convert_20101129182950.jpg

ヴェネツィアのブラーノ島の産業といえば、漁業とミルレッティ(レース編み)。

16世紀のヴェネツィア、レース技術が非常に進歩し、ヨーロッパはもちろん世界でもトップレベルの産業となる。刺繍師が活躍し、保護され、新技術が生まれる。ヴェネツィアならではの産業として商人たちにより世界各地へ輸出された。
ヴェネツィアの産業のひとつでもある印刷・出版業の発達にも伴い、世界初のレースカタログの出版も続々とされ、各地で流行ともなる。
当時のヨーロッパの貴族の贅沢なお洒落素材として、引く手数多だったのだろう。

そして、17世紀半ばにつくられたのが、現在も残るブラーノ独特のレース編みの技巧であるプント・イン・アリア。訳すとするなら、空中ステッチ。
それまでの布にする刺繍とは違い、一点を中心に高さのある刺繍、下地のないレース編み…というか、平面刺繍ではない、高低をつけた刺繍技術。

建ち並ぶ家々の壁の色がとても美しいことで有名な同島には、このミルレッティを扱う店がたくさんある。

レースを扱う店の一店、店の中でこのレース編みを続けるおばあちゃんパウラさん。レースを編み始めて60年以上のベテラン。まるで手品みたいに動く彼女の手先、空を切るようにして動く針と細い糸によって、美しい模様が露わとなる。 

R0016112_convert_20101129182836.jpg

R0016117_convert_20101129182901.jpg

このおばあちゃん、とっても肌のツヤツヤした笑顔の絶えない素敵なおばあちゃん。毎日をレースを編んで過ごしているらしい。
が、こういった技術を持つ人はどんどん減少し、貴重な技術を受け継ぐ後継者がいないという深刻な問題も抱えている。

R0016131_convert_20101129183153.jpg

こういう貴重なアルティジャナーレのつくりだすレース製品は、島じゅういくつかある店に入っても、すぐにお目にかかることはない。本物のブラーノは、たいてい大切にしまってあって、店内に飾られているのは、手製のものでも伝統的なブラーノのものではない場合が多い。
しかし、それに興味がある客だと解ると、途端に次から次へ…。店員も客を見てとっておきを披露したりする。けっこうにくたらしいのだが、昔はね~、私のマンマはね~、と話始めたりもして、けっこういい話を聞くこともできる。

でも、それもそのはず。値段が一桁違うのだから。見て・触るとその価値は歴然。刺繍の美しさが違う。精巧で繊細。そして丈夫。

このおばあちゃんのいる店の奥には売り物にもできないほどの貴重なレースが保存してあり、博物館状態。島にはレース博物館もあるのだが、ここ数年閉まりっぱなし。改修しているとかなんだとかだが、次にいつ再開するのかは誰も知らないらしい。
ブラーノのこういうおばあちゃん達。無形文化財に指定したいくらい。

R0016120_convert_20101129182925.jpg

R0016130_convert_20101129183014.jpg


…で、ブラーノといえば、GOです。と言いたくなる、小さな白身魚、“ゴーGò”のリゾット。ヴェネツィアでも、特に同島色の強い料理。ブラーノに行ったら必ずや、これを食べるべし。

R0016110_convert_20101129182812.jpg
関連記事


テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

  1. Venezia/ヴェネツィア
  2. | trackback:0
  3. | comment:2
<<ドミニオ・ディ・バニョーリDominio di Bagnogli | top | ガストロノミア アル・ポルテゴAl Portego>>


comment

あ~そうそう、このお店ね~すばらしいコレクションなのよね。
紹介したいと思いつつ、保留になっているところの1つです。ブラーノのレース、課題なのです・・・。
  1. 2010/11/30(Tue) 20:29:28 |
  2. URL |
  3. Fumie #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

fumieさん
ええ、ブラーノのレース。ここにサラリと書いちゃったけど、奥深いのですよね。あの、仕上げに下紙からはずすところも、紙に穴が開くんじゃないかと怖がられるほど、凝視してますた。笑。見ればみるほど、聞けば聞くほど。。。それにしても、おばあちゃんの手の細やかで素早い動きは、すごかったなぁ。あれはボケないぞ。
  1. 2010/12/01(Wed) 22:51:28 |
  2. URL |
  3. aki #-
  4. [ 編集 ]

comment


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://violamasako.blog83.fc2.com/tb.php/306-dee4a9c9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)