パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



バッカラBaccalàとストッカフィッソ Stoccafisso :: 2011/03/11(Fri)

バッカラというほうが、イタリア料理的には通じやすい。干したタラのことをいうが、バッカラは塩漬けしてから干したもの、対してストッカフィッソは塩漬けの工程なく、寒風干しにしたもの。タラはイタリア近海の海では漁獲されることはなく、すべては北欧ノルウェーの寒さのなかでできる産物だが、イタリアではこれが全土に普及し、あたかもイタリアの食材のように各地方に根付いている、という特異な食材だといえる。

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そして、ここヴェネトでは、バカラは大変に郷土食の強い料理で、バッカラ・マンテカートや、牛乳やタマネギ、アンチョビで煮るバッカラ・ヴィチェンティーナなどが大変に有名。
そして、ここで使われるこの干しタラは、バッカラではなく、ストッカフィッソ。どんなレシピを見ても、材料は“ストッカフィッソ”であるのだが、人々が完全にそれを混同させている。

ヴィチェンツァの郊外には、このストッカフィッソ料理だけで130年も続く老舗レストランがあるが、ここヴィチェンツァでは、ストッカフィッソ=バッカラのように扱われるが、実はよくその文字を見るとbaccalà ではなくbacalàとc がひとつ足りなかったりするおもしろいこだわりを持つ場所でもある。

このストッカフィッソ、乾燥のものはガッチガッチで、1尾まるごと購入はムリなため半分購入しようとするとお店の人は電動のこぎりみたいなので半分にしてくれる。
これをたっぷりの水を途中何度か取り換えながら3日3晩かけて戻す。戻った魚は乾燥してひなびたシワくちゃの姿から一転、厚みのあるふっくらとした姿に。

これをこの日はバッカラ・マンテカートに。
皮と残っている骨を丁寧にはずし、沸騰した湯で30分ほど茹でる。この魚はものすごい極寒に耐え、さらに水戻しされ、さらにさらに茹でられてもなお、独特の肉質を保つ。よほど筋繊維が強いのだろう。大型種ならではなのかな。

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これを荒くほぐしてマンテカートへ。昔のリチェッタはもちろんものすごくシンプル。これを乳鉢で塩とオイルを少しづつ、マヨネーズをつくるように少しずつ加えながらとにかく攪拌(マンテカート)して仕上げる。同魚の特徴の肉質からくる独特の食感、つぶしてもつぶしてもまだ繊維が残り“つながって”いる感じ。マンテカートという調理過程を経て白くもったりとねっとり感も出る。

現在ではここに少しアンチョビを加えたり、牛乳や生クリームなどを加えて白く、より滑らかに仕上げるレシピも多く存在する。総菜屋などで見る真白なマンテカートは完全に乳製品が加えられていると思う。

私は、というと、マンテカートの工程を乳鉢でつぶし混ぜる、という作業は省略。フードプロセッサーなどの便利器具ももっていないため、つぶしてからハンドミキサーでやってみた。うーん、あまりいい条件下ではないから魚の身は残るし、ふんわり滑らか感はないものの、まあ、素朴な感じでそれなりか。

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たくさんつくってしまった(できてしまった)のと、娘は絶対にこれは好まない料理だろうから、つぶしたジャガイモと混ぜてコロッケに。実は彼女はコロッケが大好物。

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