パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



パルミジャーノ・レッジャーノ Parmigiano Reggiano (1) :: 2011/10/24(Mon)

イタリアの"チーズの王様”と呼んでいいと値するイタリアを代表するチーズがパルミジャーノ・レッジャーノ。今回、縁あり同チーズの生産場を訪ねることに。
訪ねた先は、パルマの郊外にあるノチェットにあるベルティネッリ。

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パルミジャーノはチーズ自体が大きいだけに、その生産現場も大型になりがちだが、ここは同チーズ生産者のなかで中規模クラス。まだまだ家族経営の雰囲気の残る場所。
1850年より続くチーズ作りを守っているのがオーナーのニコラさんと息子さんのジャンニさん。同敷地内でアグリトゥーリズムの経営方式をとっている。

朝早くの訪問に(チーズ作りとしては、そう早くもない時間だけど)温かく出迎えてくれたのが、ニコラさん。彼の熱~~~い語りでパルミジャーノ作りの一連の流れの説明を受ける。

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ここには毎日朝と夜の2回、新鮮な牛乳が運ばれてくる。夜に届いた乳は大きなステンレス製の容器に寝かされて一晩放置。そうすると翌朝には、乳脂肪の高いものと低いもの、そして水分とに3分離される。一番高脂肪の部分はバターやクリームの製造業者へ渡り、脂肪分の低いものと翌朝届いたばかりの新鮮な乳とが合わせられて製造がスタート。

前晩に届いた乳45%分と同日朝のもの55%分とを合わせて計1,000リットルが逆円錐型の鍋に入れられる。この鍋(カルダイアCaldaia)は2重構造をとり、内側は銅製、外側はステンレス製。中は空洞になっていて、ここに蒸気を入れて鍋全体をゆっくりと温める。内側が銅製なのは、もちろん柔らかい熱を加えるためと、熱を鍋全体に保つため。ステンレスだと熱が一極集中して、底部分に熱がたまり、乳を加熱中に底部分にあたってしまったりする恐れがある。

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鍋は床底に埋めてある構造で先が細く、高さ2mもある。

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乳は到着時から加熱前まで常に18℃の温度を保たれているが、それがこの鍋の中で温められ33℃の段階で発酵菌とカーリオCaglio(凝固剤;レンニン)が加えられる。このカーリオは仔牛の第1と第4胃。これが粉末になっており、加えられるのは33g。これで1トンの乳が固まるのだから、すごい。

そのあと、温度を上げながらスピーノという先が丸くて網状になった大きな泡立て器のようなもので固まり始めたチーズの元をゆっくりと細かく砕きながら55℃まで温度を上げて加熱をストップ。1時間放置するとこの円錐の底に固まりが沈んでくる。

ここからは人の手によるもの。2人がかりで大きな麻布を広げてこの大きな塊をすくいあげる。すくいあげながら2つに切ってそれをさらにひとつずつ麻布でまとめて軽く水切り。これは2人の息が合って、扱いに鍛練されている必要がある。大きめの製造所に行くと、これはすでに外国人労働者による場合が極めて高い。

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水中では人の手で扱えるこの塊、大きなものはひとつ80kg以上、2つに割って40kg以上あるので、大変な肉体労働。水から出た状態では、これを持ちあげたり運んだりするには専用の機械を使用する。38kg以上の重いものは人の力で運んだりすることは、体を痛めるので禁止されているそうだ。

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この加熱前から加熱後、塊となるまでにもチーズは時々に変化を続け、酸度が刻々と変化する。その変化も随時記録し、品質を保つ作業は欠かせない。

そして残った水分(乳清、ホエー)は、リコッタとして再利用、さらには翌日のチーズ作りの際に使用する乳酸菌として保存する。これはこの製造者独自の“味”にもなる。

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ある程度の塊となった白い柔らかな物体(としておこう)は、容器に入れられる。円形の厚い枠に布ごと入れられ、ここで水分を取る。上から重石をし、ここで一晩を明かす。3時間ごとに上下をひっくり返して水分が偏らないように。枠の大きさは高さ25-26cm、直径35cm。重さは30-40kgにもなる。

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ある程度の固さに落ち着いたところでシリコンを巻きつけられる。これが後にチーズの側面に刻みこまれる『Parmigiano Reggiano』のブランド文字。そして番号がつけられ、この番号で日付と鍋の番号が記される。さらにこの段階でバーコードがつけられ、この中にチーズの製造過程の情報が示されている。

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…と、長いのと写真がたくさんなのと、思い出しながら書いているとこっちも熱くなってきくるで、続きはまた後日…
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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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