パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



パルミジャ-ノ・レッジャーノ Parmigiano Reggino (2) :: 2011/10/25(Tue)

パルミジャーノ生産の続き。。。

型にはめられたチーズの行方は、さらに、2日間放置された後、塩水プール(サラトゥーラSalatura)へ。状態は塩分25%、水温15度、19日間ここで過ごすことになる。
ここでは浸透圧の原理を用い、乳の塊の中に塩を入れ、中の水分を外へ出す。塩を入れる目的の要素は3つ。ひとつは固く成型させるため、もうひとつは塩の味を加えるため、そして塩分による保存効果のため。

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その後、サウナ室へ。42-43℃の蒸気で覆われた部屋にて2時間。ここでは塩水中で冷えてしまったチーズの基を温めて活動を休止していた乳酸菌の働きを活発化させる意味がある。これをしてあげないと、乳酸菌の活動が遅くなりずぎて、中に貯めこんだ塩分が外に流れてしまう。菌が働くことにより、アミノ酸の組織を強固にして、ガードするのでこのサウナは非常に重要ともいえる。この大きな塊だけに2時間という短時間ではおそらく中の中心部までは熱が到達しないであろうが、外側にいる菌が先に活動を始めるので、ガードの役割となるのであろう。

そのあとは保存庫へ。圧巻ともいえるチーズの並ぶ棚に埋め尽くされている部屋。保存庫(マガジーノ)とも、バンカとも呼ばれる。バンカとは、銀行のこと。まさしくここではチーズが、銀行で保管される金銭または貴金属に相当するものであることが窺える。

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そして、チーズ保管棚に使われる板はすべてがモミの木。これは昔からの伝統で、チーズ熟成にはモミの木以外はあり得ない、と言い切れるくらいの大切な道具のひとつ。

部屋の中は17-18℃、湿度を85%に保たれ、ここでの保存の空気でチーズが出来上がるというわけ。ここではチーズの周囲、内部とも菌の活動も含めがっちりと固められているので、入ることができるものは何もないほど組織は堅固なものとなっているが、ここで侵入可能なのはカビの胞子のみ。これはこの土地の空気だからこそのものなので、これでチーズの土地性が出てくる要素ともなる。

最低1年間、ここで熟成が行われてようやくパルミジャーノ・レッジャーノとして認められることとなる。1年経ったチーズは、パルミジャーノ・レッジャーノの協会から監査員が来てその品質を確認される。その審査に通ったものには、焼き印が押され、ここで初めて出荷加可能な状態に。ちなみにこの1年経過した段階で、43kgの重さのチーズの基は40kgのチーズへとなる。

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審査に通らなかったものは、パルミジャーノ・レッジャーノと呼ばれることはなく、それは熟成チーズ、として売られるかされることとなる。
ここでパルミジャーノのなかでも3段階にランク付けがここでされることとなり、それが値段などに反映するのだそうだ。街場で見られる値段の違いはこの段階で決定される。

この辺のものは、熟成が 3年以上。外見が見るからに違う。

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同製造所では、自社売店で販売する分のものを除いては、1年を経た段階で近くの保管業者へ保存を委ねる。モノが大きいことと熟成期間が長期に渡るので、パルミジャーノ・レッジャーノの組合として、こういった仕組みが存在することとなる。

熟成のできたパルミジャーノを試食。12か月と36か月の食べ比べ。同じチーズだとは思えないほどの食感と風味の違い。風味を見るためには口に入れる際に鼻をつまんで噛んで食感を確かめ、手を話して一気に鼻腔を広げそこからぬける香りを確かめる。

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売店には8年もの、なんていうすごいものもあったけれど、この製造現場を案内してくれたチーズ鑑定士(ONAF)のパルマ支部長であるジャコモさんは、個人的には24か月のものが好きだという。熟成しているから、いいというものではない。

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それにしても、イタリアを代表するチーズというだけあってその貫禄はさすが。風味といい、味といい、他に類を見ないイタリアチーズの完成形ともいえるもの。1トンの乳でたった2つの塊しかできず、それが何年経っても生き続けていて、味や状態が変化する。まさしくキングたる風格のあるチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノだ。
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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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