パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



パンドーロ Pandoro :: 2011/12/19(Mon)

ナターレのお菓子。ナターレといえばパネットーネだが、パネットーネと同様とまではいかずとも、これもイタリア全土に広がっているこの時期の代表的なお菓子、というかパンドルチェだ。
発祥はここヴェネト州のヴェローナといわれている。私は個人的にはパネットーネよりもブドウやフルーツなどの入っていないこのパンドーロのほうが好き。大きな塊に包丁を入れるときの快感は結構たまらないもの。

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このお菓子、起源はオーストリアのお菓子とされているのが有力説。この地域の歴史を見ると、ヴェネツィア共和国にナポレオン率いるフランス軍の進軍に引き続きオーストリア軍配下となり、その文化が色濃く残る土地がらだが、同菓子も同様。1700-1800年オーストリアに残る小麦粉と卵、香辛料などを混ぜ込んだお菓子、 “Pan di Vienna”=ヴィエンナ(ウイーン)のパンというものと似通っていて、それがベースとなったとされている。

また、別説としては、ヴェローナのごく古いナターレ(クリスマス)に食べられる『Nadalin/ナダリン』という星型をしたドルチェ。この『ナダリン』も、製法、材料はほぼ『パンドーロ』と同様。小麦粉、砂糖、酵母、少々のレモン汁、水を合わせた生地を発酵を繰り返し、オーブンで焼いたもの。


型に入れて焼くのではなく、焼く前の生地に切り込みを入れ、それを手で六方にひっぱり星型にしてオーブンに入れる。もちろん、今でもヴェローナのナターレのドルチェとして健在。ヴェローナのお菓子屋さんにはナダリンが置いてあり、老舗なんかにいくとパンドーロの姿はなくともナダリンは山積み、なんていう光景もあったりする。

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この店先の看板は、ヴェローナのお菓子屋さん。パネットーネよりもパンドーロが上になっているのがヴェローナらしい。そしてもちろんナダリンも!

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とはいうものの、16世紀のヴェネツィア時代説。貴族の酒宴にて、たっぷりと混ぜこまれた卵から来る黄金色の生地から“Pan de Oro=黄金色のパン”と名付けられたことにより現在の呼び名“Pandoro”となっている、とされるのがよく知られている説。この時代に卵たっぷり、バターたっぷりのふわふわ感のある菓子があったとは想像ができないので、この類の発酵菓子だった、ということなのではないか、と思うけれど。

1894年創業のヴェローナにてパンドーロの製造を始めたドメニコ・メレガッティは、この地域で受け継がれるクリスマスの菓子に生産性を高めた一製品として製造を始めた第一人者。小麦粉と牛乳と生酵母を加えた生地(“livà”と呼ばれていたもの)を発酵させて焼いた本来のものに、卵とバターを加えたリッチなものにし、発酵時間の長い家庭では手間のかかる菓子を生産化したとされる。メレガッティMelegattiは青い箱でお馴染み。スーパーでは山積みされている。

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スーパーで山積みと言えば、他、この手のメーカーで有名なものは、規模としては最大手のバウリBauli(1927年Verona)を始め、モッタMotta(1919年創業、2009年よりバウリ社下)、マイナMaina(1964年Fossana)、パルアーニPaluani(1921年Verona)等々、この時期になるとパネットーネ、パンドーロで毎年同様の包装とテレビCMで季節を感じたりもする。

通常これらの大きさは750g-1㎏が一般的。山形の厚紙の箱の中にビニール袋に包まれてごそっと入っている。たいてい粉糖が添えられており、星型(と言われている)のこのパンドーロに粉雪のようにふりかけていただく。

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値段も品によってピンキリあるが、上記のようなメーカー製のもので5ユーロ弱からアルティジャナーレと表されるパン工房及び菓子工房でつくられたものは30ユーロくらいまで。

これらの美味しさは結構値段に比例するので、最近は美味しいものをひとつだけ購入するようにしている。以前は興奮して季節の始めから買っては日に何度もつまんでいたこともあったけれど、太る原因でもあるし、買って食べて後悔するしで、こういうのはもうやめやめ。
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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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