パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



馬肉の煮込み Pastisada de’ cavallo :: 2011/12/22(Thu)

ヴェネトでは馬やロバ肉を食べる習慣がある。特にパドヴァ郊外~ヴィチェンツァ~ヴェローナにかけての地域がその馬食文化が強いようだが、それらの肉を使った料理としてよく知られているのがの煮込み料理。一般的にはスペッツァティーニと呼んでよい料理で、小さく切った肉を赤ワインで長時間煮込む。ヴェローナでは特にパスティサーダと言われる。

この料理の起源としてよく知られている逸話がある。遡ること489年。1500年前のこと。
西ローマ皇帝位を廃位させて東ローマ帝位を返上した褒賞としてイタリア王の称号を得、ラヴェンナを中心にイタリア統治を開始したオドアークレに対し、東ゴート族の主導権争いの勝者であり東ゴート王国の建国者となったテオドーリコとの統治戦い。

この戦いに勝利したテオドーリゴは、ラヴェンナを包囲し、その後イタリア王を名乗る…イゾンツォの戦いと呼ばれるこの戦いはヴェローナのサン・マルティーノ・ブオン・アルゲルゴにて激戦が繰り広げられ、その戦闘後には多くの死傷した戦士と騎馬が。

土地の人々は飢えてはいたが、宗教的な見地から戦死した馬を食すことは禁止されていた。しかしながら、蔓延的な窮地にテオドーリゴが馬肉を食すことを許す。

馬肉は固く、そして生臭さがあることから、それらを食すに適したものにするため、ひたすら長時間の煮込みを何度か繰り返すことと、ワインに漬けて肉を寝かせることで食するに値するものに改良。

現在も残る同料理のリチェッタも1-2日間かけて赤のボディのしっかりしたワインに肉をマリネして寝かせること、数日かけて煮込みを続けることが書かれている。その煮込みも毎日3時間ほど煮込む、とされている。こうすることで肉は柔らかくしかも風味豊かに、煮込みのソースはドロっとつながりさらに味わい深く、口の中でとろけるように……

土地の赤ワイン、ヴァルポリチェッラで煮込んだヴェローナの店で食べたこの料理。添え物はやっぱりやっぱりお決まりの黄色いポレンタ。ポレンタも、こういうスーゴ(煮込み汁)たっぷりの料理の場合には、柔らかいものが必然。スーゴとポレンタを合わせながら食べる。カレーライスの要領で。

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ヴェローナの街中にお目当ての店があったのだが残念ながら到着遅すぎ満席で願いが叶わなかった故、近くの別店に入ったら、ここはここでレトロな雰囲気の正統派。店内にはヴェローナの赤大理石の柱が堂々と聳え、ワゴンで給仕されるボッリート。
馬の煮込みは美味しかったけど、塩加減がもっと控えめだったら、という感じ。

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ポレンタ大好物のうちのびおらちゃんは自分の皿もそっちのけのポレントーナ(ポレンタ喰い)。やっぱりヴェネト人。

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