パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



水牛のモッツァレッラ Mozzarella di Bufala :: 2012/01/03(Tue)

ナターレのナポリ訪問で、楽しみにしていたのがモッツァレッラの製造見学。今まで何度もナポリに行っているのに、今まで見たことがなかったから。

モッツァレッラは新鮮が第一。パドヴァに住んでいても同日製造のものを食べられることは食べられるが、曜日を知っている必要あり。ナポリに行ったらそれはそれは美味しいモッツァレッラにありつけるから、訪ナポリの楽しみのひとつとなるのは致し方なし。

ということで、ナターレの25日と翌日のサン・ステーファノの26日の休日が終わった翌日、早速訪ねてきました。

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ここはナポリ郊外のカゼイフィーチョ・ジューリオCaseificio Il Giglio。大きめのガストロノミーアで店頭の後ろにある製造所にて毎朝モッツァレッラがつくられる。

モッツァレッラに使われるのは、ここでは水牛(ブッフォラ)のみ。イタリア国内、もちろんナポリ周辺でも水牛でつくるモッツァレッラは結構と限られていて、安価でつくられる牛の乳のものもよく出回る。こちらはフィオール・ディ・ラッテと呼ばれていて値段も水牛より手頃。とはいえ、新鮮な造りたてのものは、こちらも非常に美味しい。水牛のものよりも軽めで食べやすいこちらのほうを好む人もいる。

さて、同カゼイフィーチョ。9時ごろに訪れたら、あと30分後に来て、と言われた。その時間は乳酸菌を加えた乳を休ませているところだったから。

とりあえず作業場の内部を説明してもらう。

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ここに乳が運ばれてくる。4.4℃で保管されていた乳は殺菌にかけられる。管に蒸気があてられ62まで加熱され、その後38℃まで冷却。

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乳酸菌、凝固剤が加えられ加熱。固まってきたところでスピーノと言われる大きな泡立て器のようなものでざっくりざっくりと切り込まれ、その後放置。自然放置で5時間待つ。

水分(ホエー)と固まり(カード)に分かれ、固まったものは下に沈み上澄みはリコッタとして利用される。

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この固まりをたらいから引き上げてステンレス台にのせる。台は傾斜がかかっていて、ここでおおまかな水分をぬく。
それをカッターにかけて細かく砕き、木製の桶に。これは寿司桶みたいだ。

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ここからが、モッツァレッラ製造の見物。熱湯をかけて、独特の弾力のある例の状態にする。ここまでも途中何度も少し取り分けては固さを確認、少し取り分けて熱湯につけてテストをしてOKが出てようやく本番。

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専用のホースで勢いよく熱湯が桶に投入。これを木の棒でかき混ぜていくうちにあれよあれよとまとまって、弾力が出てくる。さっきまでホロホロだったものが、あっという間につながって、飴細工みたいになったモッツァレッラの原型。表面はツヤッツヤ、そして滑らか。

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ここからは数人の共同作業。冷水の水桶を近くに運び、一人が適度な塊をつくり2人に渡す。これを2人で手で器用に、何と言うのだろう、握り分けるというか絞り分けるというか…。ほぼ同一の大きさの丸いものが次々と水の中に浮いていく。

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この段階ではまだチーズは温かい。というか熱い。一口食べさせてもらったら生温かくて濃い乳の味がした。これを10%の塩水に漬けて塩味を入れ、モッツァレッラとしての味が完成していくのだという。

隣接する売り場を振り返ったらいつの間にか店内にはお客さんが大勢。モッツァレッラのでき上がる時刻を皆知っているのだ。

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できたての水に浮いているモッツァレッラはそのまま売り場カウンターの裏手に運ばれて、次々と袋に詰められてお客さんの手に渡る…。
そっかー、こんなに新鮮なら美味しいわけだ。まだ乳の風味…というより乳臭いくらいの新鮮なものが食べられるのは、やはり土地ならでは。

ナターレ前の数日は同製造所も大忙しだったそう。ほぼ100%といっていいくらい、ここら辺の家庭ではナターレのアンティパストに新鮮なモッツァレッラが卓上にある。
この日は仕事も少なくて手造り製造だけだったが、繁忙期及び大量出荷用の機械製造(整形及びパッケージ)などで最大7-8トンのモッツァレッラが作られる。

モッツァレッラの証し、十文字もここにしっかり。長くのばして三つ網状にしてあるこちらの形も、目の前で器用にあっという間に再現してくれた。

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今回、ナターレ後でちょっとだけ静けさを取り戻した同工房にて作り方の一連を説明、そして披露してくれたのは、2人のジュセッペ。2人とも同名のGiuseppe。

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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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