パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ジュッジョレGiuggiole :: 2009/10/09(Fri)

ジュッジョレはクロウメモドキ科のフルーツの一種。ヴェネト州ではこの時期のおなじみのフルーツ(フルーツと木の実のアイノコみたいな感じ)だが、イタリ国内アでもヴェネト州以外ではなかなかお目にかかれない希少なもの。そのオリジナルはシリアからといわれ、古代ローマ人によって中国~インドを経てイタリアに持ち込まれたもの。植物自体は4000年もの歴史のあるもの。ラテン語で“ズィズィプウムzyzyphum”と呼ばれていたそれは、今でもヴェネトの方言“ジッゾラzizzola”という発音でその名残を残す。

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その形状は一見オリーヴのよう。皮は緑色~褐色になったものが熟したもので、中は淡い緑色。コリコリッとしていて、リンゴのような食感だ。

紀元前400年代のギリシャの歴史家、ヘロドトスの残した文献にもジュッジョレのことが記されており、“ダッテロ(ナツメ)の実のように甘い”と称されている。その甘さからワインの原料ともなり得、古代エジプト人やフェニキア人にも重宝されていた、という。

ヴェネトでは、パドヴァ県内、エウガネイ丘陵地帯Colli Euganeiにある小さな町アルクア・ペトラルカArqua Petrarcaという町において、ジュッジョレの栽培が盛ん。収穫の時期は9、10月で毎年10月第2週の日曜日には、同地において収穫祭が開かれる。ここら辺一帯では、民家の庭先にジュッジョレの木が植えてある家は珍しくない風景。…と書いているうちに思いだしたが、我が家の庭先にも実は一本のジュッジョレの木があり、今その木はたわわに実っている。

ちなみにこの町の名、アルクア・ペトラルカは、同名の詩人が最期を過ごした場所であることから、その名を残しており、彼の生家も現在残されている。

使いかたとしては、そのまま皮ごと生で食べるのはもちろんだが、コンフェットゥーラ(砂糖煮)に、シロップ漬けにななど。最も有名なのは、昔からこの地区で馴染みのある“ブロード・ディ・ジュッジョレbrodo di giuggile”。つまりはジュッジョレのスープ。

洗って種を取り除いたジュッジョレを水、ブドウ(白)、リンゴ、砂糖、ワインを加え、水をひたひたに加えて極弱火で1時間煮る。そこに柑橘果実の皮を加え、シロップ状になるまで火にかけておき、濾してできあがり。瓶に入れてまた来期までゆっくりと楽しむ。

ジュッジョレの栽培地、エウガネイ丘陵地帯はこんな風景。見渡す限りのブドウ畑と点在するオリーヴの木、そしてジュッジョレ。

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おもしろいフルーツですね。
  1. 2009/10/12(Mon) 07:01:53 |
  2. URL |
  3. 141 #ek.3C4W2
  4. [ 編集 ]

珍しいもので、今の時期限定モノです。
  1. 2009/10/13(Tue) 13:06:43 |
  2. URL |
  3. aki #-
  4. [ 編集 ]

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