パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ストゥルーデルStrudel :: 2009/07/27(Mon)

ストゥルーデルといったらオーストリアの代表的なお菓子。薄い生地にリンゴ、松の実、干ブドウ、そしてシナモンで風味をつけバターを塗りながらくるくると巻いてオーブンで焼いたもの。周りの薄い生地がバターの力で何層にもパイのように仕上がり、サクサク、カリカリとした食感、パイとはまた違ったそれが特徴のお菓子。

ストゥルーデルはオーストリアのお菓子かと思いきや、実は地中海地方に広く伝わるもので、それはドルチェ(甘味)だけではなく、サラーテ(塩味)もある。

クロアチア・ロヴィーニョのヴァカンツァの際にお世話になった家族のおばあちゃんが、私たちの帰る日に手製のストゥルーデルを焼いてくれた。彼女の得意料理なのだというそれは、ヤギのリコッタとズッキーニが詰め物として焼かれていた。ステンレスのオーブン皿に並ばれて焼かれたストゥルーデルはまだ温かく、生地はもちろんカリカリのパリパリ、詰め物は意外とあっさりしていて1切れだけでは絶対に済まない。人が集まるフェスタなどでは、必ずここのおばあちゃんはこのストゥルーデルを焼いて持参するのだという。

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ストゥルーデルの起源はアラブ圏内でよく食べられるバクラヴァBaklavaというものらしい。現地で見たことがないので詳しくは知らないが、各国により呼び名は変わるものの、ここでも薄い生地に包まれたフルーツや肉類などのお菓子または惣菜だという。

現在よく知られているオーストリアのお菓子としてのストゥルーデルはこのバクラヴァに砂糖を多用したトルコのものが直接のルーツとされている。東方の文化をヨーロッパに持ち込んだギリシャ人の功績だ。

ストゥルーデルに欠かせない薄い生地はイタリア語でパスタ・スフォリエpasta sfoglie(=紙のように薄い生地)といい、西洋菓子主にフランス菓子のなかではパート・フィロー呼ばれる。“フィロー”はギリシャ語の“フィロー;phylloまたはpilo”からくるもので、意味としては上記イタリア語のスフォリエ(紙)ということからもその由来が解る。

ストゥルーデル、そしてパスタ・スフォリエという言葉を聞くと、思い出すのはいつも同じ光景。何年も前、東京で働いていた事務所での仕事のなか、企業の商品開発の様々なアイデアを提供してくれた某イタリア料理のシェフが、私たちの小さなキッチンでこの生地を実演してくれたこと。手で伸して向こう側が透けてしまうくらいまで丁寧に丁寧に薄くしていく作業は今でも忘れられない。できあがったストゥルーデルの美味しさに感動したことがある。その当時はストゥルーデルという言葉さえ知らなかった頃でもあるが。。。

ちなみにイタリアでは、ヴェネツィア共和国崩壊後に侵入してきたオーストリア人が持ち込んだもので、北東部イタリアの3州(トレンティーノ・アルト-アディジェ、ヴェネト、フリウリ-ヴェネツィア・ジュリア)に普及している。
特にトレンティーノのものはDOPに指定されているヴァル・ディ・ノンVal di Nonという品種のリンゴを使うことで特徴づけられる。このリンゴはペクチンの含有量が高いので、砂糖を加えて加熱した際に保水がよく、つまりはうま味を水分として逃さないという利点があるそうだ。

話がだいぶいろいろに反れてしまったが、ロヴィーニョのパン屋及び、帰り路に立ち寄ったスロヴェニアのパン屋などでもストゥルーデルは何種類もショーケースに並んでいたことを思い出す。

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