パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



クチーナ・ヴェネタだけど…南ヴェネト料理 :: 2012/11/09(Fri)

ヴェネト州は東西南北に渡り特殊な地形をしている。東はアドリア海に面し、西は広大で肥沃なパダーナ平原、北はドロミテ山脈を含む山間部でオーストリアとの国境の地でもあり、南は平原とイタリア最大の川、ポー川が造りだすデルタ地帯。

こんな特殊な地域、他にはないのではないだろうか…

ということで、当然料理のカラーもバラエティ豊か。

この日はヴェネト州の一番南側、エミリアとの境に位置するロヴィーゴ県の田舎に暮らす、ステファーニア宅を訪れて土地らしい料理を披露してもらった。

まず、珍しいのが、こちらのパン。

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コッピアcoppia。フェッラーラのパン。IGPにも指定されているこのパンは、まるで三つ編みをしたみたいな変な形。コッピア(カップル)というだけあって、左右ほぼ対象にミツアミが伸びている。

そして、こちらがカルチョッフィ。見た目の通り、カルチョッフィみたいな形をしているから。

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でも、このパン、個人的にはあまり好みの味わいではなくて、実はステファーニアも同様。しかしながら、この土地に生まれて育った人には、このパンでなければダメ!!!という強い意志がある。彼女のパートナーがまさしく該当する。

この日はアンティパストに準備してくれたのは、ピンツィーノpinzino。粉に酵母と塩、豚の脂のストルッットを加えて発酵させてから、薄くのばして適当な大きさに切り分け、油で揚げる。

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油で揚げるとぷくっと膨らんできて、これに軽く塩をふって揚げたてを食べる。

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ここに欠かせないのがサラミやハム、モルタデッラ。写真に見えるおお~~~きなサラミはこの地方でズィーアziaと呼ばれるもの。ニンニクが入っているのがオリジナルで、ジェンティーレgentileとも呼ばれる。叔母を表すziaも優しい・親切という意味を持つgentileも共にいい名だ。

これらを熱々のピンツィーノといただくのだ。ちなみにピンツィーノは通称ニョッコ・フリットgnocco frittoのこと。こういうぷっくらしたものをニョッコと親しみを込めて呼ぶ。ちなみに、私の友人(男性)は、私のことを呼ぶときに「ちゃお~、ニョッカ!!」と言う。

そして、もうひとつのアンティパスト。ウナギの丸揚げ。ここら辺はうなぎの産地でも有名なことから、うなぎを使った料理も珍しくはない。

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大きいものはグリルや煮込みにして食べるが、小さいものは丸ごと粉をつけて油で揚げる。うなぎの脂を出すようにじーっくり低温の油で揚げていくと、揚げあがりは骨まで食べられるくらいまでカリッカリになる。これに塩をふって、ガブリと頭から食べる。これも揚げたてを逃してはならない。

そしてそして、この地域では必須、リゾット・アッラ・ピロータ。サルシッチャの中身、つまり挽いた豚肉と香辛料などを混ぜたタスタサルを使う。

リゾットの作り方にはいろいろ地方によって、その調理法や理想とする仕上がりが異なるものだが、アッラ・ピロータは予め、必要な分量の水(ブロード)を用意しておき、一気に加える。途中、蓋をして米が炊けるまで待つ。

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仕上がりはパラパラッとした感じ。米は当然、この地方の米、ナーノ・ヴィアローネnano vialoneを使うのだが、これを日本の米でやったら、完全に炊き込みご飯風に仕上がるのかなぁ、とも考えてしまう。

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セコンドはイカの墨煮。彼女風のスミ煮。

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コントルノに用意してくれたのは、ズッカ(かぼちゃ)。美味しい甘いカボチャだったら、こんなことするだけでなんだか絵になる料理。切ってオイルと塩で火を入れただけ。農家ではこんな風に食べるらしい。

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ドルチェはまた次回のレポートにまわすとして、彼女の田舎暮らしはほんとにサマになる。インテリア雑誌の取材があったらぜひ紹介したいくらい。

ボロ屋(お世辞にも美しいとはいえない外観)を改造し、内装はシンプルなのにセンス抜群。アンティークの家具と改装してモダンになった内装とが見事に調和している。

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所々の内装はこの家本来のもの。農家造りの家ならではの造りに昔の木の階段や柱、床などをうまく生かしている。おまけに置かれている家具は彼女やパートナーのお母さんやおばあちゃんが使っていたものがたくさん。

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  1. Corso di cucina/料理教室
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 素材をそのまま生かした、いかにも田舎の料理って感じでとてもおいしそうです。特にうなぎの料理に興味が惹かれます。今までヨーロッパで食べたうなぎ料理って、日本人にとってみると脂っこくて生臭い感じがしていたのですが、この料理はどうなんでしょう。
  1. 2012/11/09(Fri) 23:02:00 |
  2. URL |
  3. おいしそう #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

おいしそう様、
そうですね、煮込みなどに使う場合には、そのまま使いますので、日本人としては臭みが気になるでしょうか。この揚げる料理はうなぎも小さいのと、かなりの時間を油で揚げますので、臭みもとんでいるような気がします。それにしても魚介の臭みというのは、こちらの人と日本人ではもしかしたら感じ方が違うのかもしれませんね。わかめやかつお節(…は解るようなきがしますが)の匂いをすごく生臭いという人も多いです。
  1. 2012/11/10(Sat) 17:31:22 |
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  3. aki #-
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