パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



Poliグラッパ製造所 Distillerie Poli :: 2013/05/08(Wed)

バッサーノ・デル・グラッパは、その地名から想像するように、グラッパの製造が盛ん。実際のところはこの地名はお酒のグラッパからくるものではなくて、この地を背景とするグラッパ山からくるものなのだが。

グラッパはvinacciaヴィナッチャというワイン製造の際に出るぶどうの絞りかすを使ってできるもの。この地でグラッパ生産が盛んになったのは、この土地の周囲にいいワインを産出するぶどうの産地が多いため、とされているが、これに加えて様々な背景があったんだろう。

さて、今回訪れたPoliはバッサーノのなかでも質のよいグラッパの生産者として非常に有名な製造者。

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創業は1890年。現在同社を守るのは4代めとなるヤコポ・ポーリJacopo Poli氏。創業者は現ヤコポ氏のひいおじいさんのジョバァッタGiobatta氏。変わった名前だと思ったら、ジョヴァンニ・バッティスタGiovanni Battistaというのが本名(?というのかな??)だという。

現在に至るまでにはいろいろな遍歴があり、現在のような蒸留所を会社として商業的に飛躍させたのは、現ヤコポ氏の祖父であるジョヴァンニさん。ヤコポ氏のお父上であるトニー氏の時代は戦争やら火災やら、様々な悪状況にも遭遇しつつ、現在に至る。今日も変わらずバッサーノの地でグラッパ製造を続けながらも、さらなる製法の研究にも余念なし。

こちらはそのジョバッタ氏が発明した移動式の蒸留器。馬でぶどう畑(つまりワイン製造現場)にこの車で乗りつけ、その場で残りかすを蒸留するというもの。メトドは昔も今も変わらず。これぞPoli社の原型。

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グラッパの製造はもちろんワインの製造期間と重なるため、5月初旬のこの日の訪問時は工場は静か。それでも製造現場に足を踏み入れると(社屋内に入っただけでも感じるが)、ぶどうの甘さとアルコールとが入り混じった独特の芳香を感じる。

地下は年中気温も変わらず、ここで樽に入れてねかせる必要のあるグラッパが各部屋に整然と収まっている。

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これらは実際にヴィナッチャを加熱して高温のアルコールと蒸気を冷却して蒸留する同社の製造工程に使用しているもの。

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この丸いのはここに皮やらを載せて銅製の樽に入れて加熱する際に使うもの。

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高アルコールは酒税も非常に厳しく、頻繁に検査が入る。この青いタグはその検査証。製造中及び器具洗浄後など、ありとあらゆる場面においてこのチェックが必要であり、またありとあらゆる場所にこのタグがつけられていた。

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こちらは同社の創業当時からの瓶コレクションより、こちらが第一号品。

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そして、北イタリア5州(ピエモンテ、ロンバルディア、ヴェネト、フリウリ、トレンティーノ)のグラッパ製造メーカーの古いコレクション。すべてPoli家のプライベート・コレクションだ。

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このひんやりとした樽の横で同社のグラッパを試飲。グラッパを味わうのにも適したグラス、そして香りの嗅ぎ方、味わい方などがあるので、それも教授を受けながら…

味わいは人それぞれに感じ方が違ってもいいとは思うが、それでも基本的な香が含まれているグラッパの、その香りの行方とその元をクイズをするように当てながら、その香りの持つ意味の補足説明を受けると、グラッパがより深みのある飲み物と変容するように感じる。

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質のよいグラッパをつくるために多くの点に気を使いながら、現在ある商品をさらに幅を広げたり、また、別製法への研究にも余念がない。

こちらは、創業100周年記念の際の同社の門。年号が刻まれている。

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本来は薬用であり、また寒い冬季を過ごすために身体を温めるものとしての役割もあり、そして嗜好品として…とグラッパを楽しむシーンというのは、それぞれに理に適ったものもあり、なかなかとおもしろい。

丁寧にグラッパの魅力を説明してくれた同社アンドレアさんにも感謝。

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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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