パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



アスパラジ・ビアンキ・ディ・バッサーノD.O.P/ Asparagi Bianchi di Bassano D.O.P :: 2013/05/09(Thu)

バッサーノ産の白アスパラ。ヴェネト州ではあちこちでアスパラの収穫が盛んでそれらは緑も白もあるが、どちらかというと白のほうが珍重される。

聞くところによると、ヴェネツィアのラインより北側は白を好み、その南側からは、緑のほうが全般的に好まれるようだ。嗜好は人それぞれ、土地それぞれだから、こういうことも解るし、何より生産者たちもそれをよく理解している。

それでも、白アスパラといえば、各地収穫される白アスパラと比べると、その堂々たる品格は他の比するものべきものではない(と思う)。

白アスパラの生産の始まりはバッサーノであり、そして、やはりDOPとして認められるには、それなりの価値が確かにあるものだ。

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ここは、白アスパラの共同組合。バッサーノの郊外にある。生産者はその日の朝に獲れたものをここに運び、ここで重さや色、長さ、太さなどの状態のチェックを受け(長さ22㎝、直径11㎜以上)、それに合格してD.O.Pのタグをつけられることを許される。タグには生産者の名前も入っており、番号も記されているので、いつバッサーノから出荷されたものなのかも調べればすぐに解ることになる。

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長さや太さが規定外のものは、もちろんこれだって大切な商品。D.O.Pのタグはつけられなくとも、組合発行のタグをつけて出荷される。作り手も、産地も製法も全く一緒のものだから、これだって価値のあるものであることは、言うまでもない。この写真の左側にボケて見える赤いタグが、それ。

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ここからイタリア国内及び国外へ発送される。もちろん日本へも航空便にて送られる。

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とはいえ、アスパラの美味しさはその鮮度に関わるもの。朝採りたての水水しいものは、筋なんて全くなくて、甘くてなんともいえない食感と香りと風味が口いっぱいに広がる。
ただし、私がパドヴァに住んでいたって、そうそう、こんな新鮮なアスパラにはお目にかかれない。直接ここに買いにこない限りは。

今年はもう長いこと耳にしていたように、アスパラ農家にとってはいい春ではない。長雨と低温で一番はじめのアスパラをほとんど全て処分するはめになったという。この日もここに到着したアスパラは昨年に訪れたときよりもだいぶ量が少ないように感じた。

さて、ここはその地域内にあるある農家。アスパラを作り続けて30年以上の農家のおやじさん。昨年は山のように積まれていたアスパラも今年は少々控えめ。そして、状態も昨年のつやつやピカピカなのに比べると…でも、やはり目の前に白アスパラの山を見ると、興奮度アップ。

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この時間は、畑から収穫したアスパラを洗浄後、太さを揃えて束にする作業中。同じ太さのものを選びながら向きを揃えてアスパラを並べて枠いっぱいになったら…キュッキュッキューッと結ぶ。結ぶのは柳の細枝、と決まっている。柔らかくて細く、丈夫。

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一束をつくる型がこれ。1kg束、2kg束などあり。

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そして、今度は型を変える。この型は長さを揃えるためのもの。穂先を型の底に添えて、ざっくりと切る。これで22㎝のアスパラの束ができる。

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穂先、といえば、アスパラの命は穂先。先がしっかりと閉じているものが良品。というか、こうでなければならない。穂先をじっーと見ていると…ほんとに美しい…

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そして、茎部分。太さを均一に。

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この場でポキッと折って食べさせてくれたアスパラの美味しさはほんとに格別だった。

おじさんに別れを告げた後、彼らの畑を見に行ったけれど、やはり昨年よりも相当に収穫範囲が狭くなっているし、白く育てるために被せる黒のビニールシートさえも被せられずに野ざらしに細く緑に伸びてしまっているアスパラ群を見ると、ちょっと残念な気持ちもした。
彼らたちにとっての商品となる野菜は、ほんとに天候に左右されるものだ、とつくづくと思う。

この採れたてアスパラを持って、バッサーノのマンマ、グラツィエッラのお宅へ。この日のレッスンには、もちろんお決まりのアスパラのバッサーノ風。たっぷりのつぶした茹で卵を添えていただく。

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ホワイトアスパラ

しっかり大きさの揃ったアスパラは感動的にきれいですね。そして、とても美味しそう。日本でホワイトアスパラは高いので、なかなか手が出ません。でも、今年はバッサーノ風を作ってみようかな。Poliの醸造所見学も、とてもうらやましいです。
  1. 2013/05/09(Thu) 15:10:46 |
  2. URL |
  3. kaoru #-
  4. [ 編集 ]

Re: ホワイトアスパラ

kaoruさま
いつも読んでくださってありがとうございます。揃ったアスパラの穂先はその場でもいじゃいたいくらいの勢いでの感動です。ホワイトアスパラはこちらでも、値段の高い野菜です。だからこそ、少量でもいいからいいものを選んで旬を味わいたい、とも思います。作り手にも感謝です。
  1. 2013/05/10(Fri) 00:33:48 |
  2. URL |
  3. aki #-
  4. [ 編集 ]

こんにちは お久しぶりです。新潟に息子がいるものです。2年前にパドヴァに行きました。

アスパラガス季節ですね。とても美味しそうです。友達が白アスパラガス食べたいとドイツに行っています。私も食べた~いな。。6月頃軽井沢に売っていたことがありますけど、日本は高いですよね。

いり卵添え 初めてです。

  1. 2013/05/11(Sat) 11:31:08 |
  2. URL |
  3. shio #HwK7h/h.
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

shioさま
コメントありがとうございます。この白アスパラんの卵は茹で卵をつぶして調味したものなんです。ここの名物なんですよ。アスパラは、特に白は手間がかかるので、ちょっと高い野菜ですね、ここでも同様です。
  1. 2013/05/11(Sat) 14:32:21 |
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  3. aki #-
  4. [ 編集 ]

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