パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



シチリア、エトナ山麓のオレンジ畑 :: 2013/06/02(Sun)

シチリアは島全体に農産物の宝庫だけれど、そこここで気候や地形も変わるため、それぞれに適した産物が生まれている。

訪れた先はカターニア郊外、活火山であるエトナ山の南側。温暖な気候が印象にあるシチリアのなかでこのエトナ山の及ぼす自然の力はこの地域の気候に大変影響を与えている。

特に特徴的なのは冬季の気候。最も寒い1月2月は0度近くまで気温が下がり、そして最高気温はときには20度をも超える。
この温度の違いで美味しく生育するのが、オレンジ。シチリアを、というよりもイタリアを代表するフルーツのひとつともいえる。

ブラッドオレンジとしてよく知られているが、そのなかでも数種あり、種類を変えることにより、収穫期が少しずつずれるため、全体として収穫期間を長く保つことができる。ちなみに今日現在、日本にフレッシュで輸入が許可されているのは、タロッコといわれる品種の一部が唯一。

さて、カーナビもあやふやな感じの周囲に何もないような少し山に入ったところがこの日の目的地。オレンジを中心としたかんきつ類を生産しながらアグリトゥーリズモを営むドメニコさんのところ。

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彼はお父さんの時代に現在の畑のある10ヘクタール弱の農地をオレンジ、レモン、オリーヴなどの木ごと買い取り、現在はビオロジコ、つまり有機栽培のかんきつ類を生産しているご主人。

彼のもつ畑の80%がオレンジの木各種、他にレモン、クレメンティーナ、チェードロ、アーモンド、オリーヴ、そしてサボテンなどを育てている。(サボテンの場合は勝手に育っている、という感じだが)

今年は北側は雨続きで農作物に多大な影響を及ぼしたのだが、ここはなんと逆に水不足。敷地内でも土の状態が異なり、石がごろごろしているところは水はけがよく、オレンジの成育に適してはいるが、雨が少なくなるとその影響がテキメンだとか。

私たちの滞在したたった一日だったが、気持ちの良い晴天に恵まれて、「今日はいい天気ね~」と朝の挨拶をしたら、「僕にとってはイマイチ」との答え。

敷地内を2日間に分けてじっくりと説明して歩いてくれた。

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オレンジとレモンの成育地域の気候の違いについては、彼の説明でよく理解できる。そして、品種改良もしくは量産を目的のつぎ木、古木対策の何年後かを見越しての新苗の手入れ、など。

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こちらはオレンジ収穫専用はさみ。慣れていないと使い勝手が悪くてもたもたするが、さすがに彼は片手でどんどん切っていく。

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そして、レモン。

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レモンはオレンジと違って年に数回収穫がされる。今の時期のものは冬後期と夏場の始まりのもの。花が咲き、それが落ちたところに新たな実をつけるのだが、これくらいのものが立派な実になって収穫されるのは6-7月。現在これよりも一回り小さいくらいのものが10月ごろの収穫にあたる。

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そして、オレンジの木とともにあちらこちらにオリーヴの木も成長していたが、800年にもなる大木もそのなかに含まれている。

さらには実り始めたアーモンドの木。実をとって石の上でもうひとつの石をもって割り、中を取り出してジューシーなアーモンドの実を食べる。簡単そうに見える作業だが、実際にやってみると、うまくパカリと殻が割れるというわけでもない。もちろん、生産工場では、手で割るなんてことはしていないのだけれど。

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こちらは、サボテンの木(?)。サボテンは生命力抜群なので、ほおっておいてもどんどんと増えていくらしい。落ちた葉でさえも、そこから根が生えてきてくるくらい。

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この時期、実がたわわになっているが、これは一度、棒で全てをたたき落とすらしい。その後、もう一度出てきた実は今ほど密集しては出てはこないものの、味がぐっと凝縮し、雨なども含まれてジューシーな実となり、夏の終わりごろからが美味しくなる。イタリアでは、サボテンの実はフィーキ・ディ・インディア(=インドのイチジク)と呼ばれている。

農産物の生産をしながらアグリトゥーリズモも営むご主人のところには宿泊以外にも、農園訪問の大型バスもイタリア国内はもちろん、近隣ヨーロッパからも到着する。

昼食をそうしたお客様に振舞うのだが、自分たちの土地ならではの素材を使った料理がずらりと並ぶ。

野菜やオリーヴを使ったアンティパスト。

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そして、オレンジのサラダ。

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この日は私たちは食事の予約などしていなかったのだが、お昼御馳走するよ~、との一言にもちろん従わせていただいて、アンティパストをひと皿お裾分けしてもらう。

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そして次に出されたレモンのパスタ。

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どれもこれも、美味しくてあっという間に平らげた。

朝食にはここで採れた各品種ごとのオレンジやレモンのマルメッラータ(ジャム)で。

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オレンジの畑に囲まれた、自然いっぱいのなかなか素敵な滞在地だった。

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とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
  1. 2013/10/24(Thu) 09:39:31 |
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