パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ゴルツィア丘陵の地ワイン、リヴォッラ・ジャッラRivolla gialla :: 2013/08/08(Thu)

少し前になるが、フリウリのゴリツィアの丘陵地帯にて、リヴォッラ・ジャッラの生産者を訪ねた。

リヴォッラ・ジャッラはゴリツィア周辺のDOCワイン。この地域にて添加物などを一切、または極力抑えた生産者2軒を訪問。

丘陵地帯には見渡す限りの斜面にブドウの木の広がる畑。ここら辺はイタリアとはいえ、スロヴェニアとの国境目にある地域。言語もイタリア語ではあるが、スロウェニア語も普通に使われている。学校でも、スロヴェニア語での授業をするところもあるくらい。

ぶどうの品種としては非常に古く、リボッラRibollaという品種としてローマ時代に遡るもの、そしてロボーラRobolaというギリシャの島で栽培されていたものを12世紀ごろにヴェネツィア共和国時代に商人によって持ち込まれたものともされている。おおまかには、土着品種としてのリボッラ説が強いようだが、いずれにしても古くからこの土地で栽培されてきた品種であることはいうまでもない。

まず、訪れた先は、完全にスロヴェニア人家族のラディコンRadikon家。

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13ヘクタール弱の斜面だらけのぶどう畑を所有している。火山灰質のミネラル分豊富な土、斜面に沿って並ぶぶどうの木は、どこも平均して日の光が当たる、という、自然の力を最大限に借りたブドウ栽培。

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生産者のラディコンさんの話を聞くと、夏のこの時期は、葉の剪定、そして房を選定して、厳選したぶどうを大切に収穫まで健康な状態で育てるように、自然に手助けしている、という感を受ける。1本の木になるブドウは4-5房にまで絞り込む。

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興味深いのが醸造法。白ワインとはいえ、8年ほどの年月をかけてできあがるワイン。皮も一緒に1カ月弱の発酵期間の後、木の樽に移してそこから3-4年、さらに樽を変えて2-3年、という、出荷までに8年ほどかかるものまである。仕上がりの色は茶のかかったウイスキーみたいな色。冷た~く冷やして飲むのではなく、ちょっと冷たい、くらいがこのワインの味をよく知ることができる。

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この長い期間をかけての発酵→熟成は、彼らの今までの経験を踏まえた技術、そして彼らの理念ともいえる、“自然派”のワイン。ただし “有機”ではない。

理念に基づく独特な製法をとるこのワイン、風味も非常に個性的。白ワインの概念から離れた製法と仕上がりは、彼ら独自のオリジナルの哲学。何年もかけて仕上げてきた彼らならではのワインは、決して一般受けするものではない、と彼ら自身も自覚しつつ、それでもかたくなに、彼らなりのワイン造りが進められている。

そして、この辺一帯で作られる地ワインとして知られる、トカイ・フリウラーノ。現在、トカイという名称では呼ぶことができなくなってはいるが、実際には、トカイとして知られているもの。

これは、トカイが眠っている樽。

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商品名はヤコトJakot。トカイを反対読みにしてそのまま商品名にした、というジョーク。ちなみにイタリア語だとトカイはTocaiとなるが、スロヴェニア語が中心なので、CがKに、IがJとして表記されている。

畑も自然なら、カンティーナも自然。自然水がちょろちょろと流れ、自然の岩がむきだしになった地下のカンティーナは年間を通して温度、湿度がほぼ一定に保たれている。

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さらに2軒目、ここラディコンからほど近いカンティーナであるラ・カステッラーダLa Casterrada。こちらもラディコン同様のラヴォッラ・ジャッラを中心にしたワイン造りをしている作り手。

リヴォッラ・ジャッラの製法はラディコン家とほぼ同様。聞くところによるとほぼ同様のこの製法を取り入れている製造者はこの地区でも4-5軒ほどだという。

製造中の年代の違いを熟成度を確かめながらほぼ1年ごとに飲み比べさせてもらう。確実に色、風味の変化を感じることができる。時間をかけて樽の中で休ませることの大切さやらを丁寧に説明してもらい、頭の中はラヴォツラの魅力で満杯になった。

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カンティーナに入る前に、彼の持つ畑も見せてもらう。坂道、草だらけの道をどんどん突き進んであっちこっちを案内していただいた。

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ここら辺はイノシシの成育地でもあり、早朝はイノシシ狩りに最適な場所だとか。これは狩猟用小屋。

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何種類を味見させてもらったのだろうか、でも、最後にテーブルで飲ませてもらったシャルドネの、感覚に慣れた味、風味にホッと安堵感を覚えたのは、胸の内に…


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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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