パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



アマローネの父『ジュセッペ・クインタレッリ』 Azienda agrigola Giuseppe Quintarelli :: 2014/03/13(Thu)

イタリアワイン通であれば、よく知る名かもしれない。ジュセッペ・クインタレッリGiuseppe Quintarelli。
ヴァルポリチェッラ、アマローネの伝説ともいえる作り手の名だ。

ヴァルポリチェッラの生産地イコールと呼ぶべき、ネグラールNegrarという地区に同カンティーナは位置する。

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ネグラールとは、その昔、ローマ時代にここは黒人(ネグロ)が住んでいたことから、この土地の名となったとか。カンティーナの大きな樽に彫られたこの模様は、同地ネグラールの町の紋章でもある、中心に黒人女性、その周囲をブドウで囲んだものとなっている。

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同カンティーナの所有する畑は合わせて12ヘクタール。年間を通して丹念に手入れが施され、周囲は(もちろん別畑もあるが)整然としかも見るからに丁寧に手が入れられていることが解る美しい畑が広がっている。

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地上2階建てとなったカンティーナでは、収穫されたブドウは選別されて、上階の木枠で囲んだ大きな竹の棚に並べられて数か月置かれる。
時間の経過とともに、摘まれたブドウの実からは水分がぬけ、糖分度が高まる。最終的にヴァルポリチェッラは2か月、アマローネには4か月、ここで時を過ごすことで、前者は20%、後者は40%の水分がぬける。

ここは、その干される部屋。この時期は次の収穫の待機時。

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そのあとに実際のいわゆる製造過程に入り、発酵などの工程を済ませたものは、ステンレスの樽から木製の樽に入れて熟成に入る。

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木製の樽は大きいもので11000リットルのもの。スロヴェニアからのabete。ここで6年間寝かせられる。とにかく時間をかけてじっくりじっくり。
あくまでも樽の香りをつけるのではなく、ここで必要な醸造…熟成、発酵、糖化がゆっくりとゆっくりと、時間とぶどうと様々な要因の相互関係で、だんだんとクインタレッリのワインになっていく。

年によってブドウの出来・不出来というのはあるものだが、同カンティーナでは、もちろん丹精かけて育てたブドウを同じようにワインとして作り上げていくわけだが、アマローネとしてラベルが貼られるものは、そのブドウの質にもよっておのずと分けられてしまう。

つまり、ここではアマローネが生産できない年があるのだ。それを 「ヴィーノ・デル・ペッピ(Vino del Bepi)」と彼らは呼ぶ。いわゆる、ベッピ(=ジュセッペ)のワインと呼んでいる。アマローネとして十分に世に送ることができそうなものだが、そうではない、というためだ。

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ちなみに2013年、一番新しいブドウはおそらくベッペになるだろう…とのこと。それがはっきりとするのもあと数年かかる。

現在、このカンティーナを主導しているのは、亡くなった3代目の孫にあたるフランチェスコさん。

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若いながらも静かな物腰しに、良品、いや最良品、いやいや最高級品を造り続ける風格たっぷり。

カンティーナ地下がその試飲場となる。

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おごそかに試飲をさせていただいたが、なんと表現していいのやら。ワイン用語に乏しい私が表現するのはなんともいたたまれない気分だが、それぞれに野生の草の香りやらフルーツの香り、スパイスの香り…としっかりとした香りを持ちながら、それでいてすごく丸くまとまりがある。

なんでも、この土地はブドウ生産を始めるまでは、一面のさくらんぼ畑、オリーヴ畑だったのだそうだ。

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そしてそして、同カンティーナの目印ともいえるエチケット(ステッカー)。その昔は、ジュセッペ氏自身の手書きから始まったとか。おそらく多くのカンティーナがそうであったとは思うが、それがなんとも素朴で美しく、風格あり、そしてこんな言葉はあてはまらないだろうが、お茶目さがある。

これが1番はじめとは言わないが、初期のラベル。

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海外からも様々な取材を受けており、販売先もある。本物を造り続けているからこそ、多くのしかも目の効くワイン通から注目され続けている造り手である。

年間の生産本数は60,000本のみ。今しばらくするとこの土地のあるヴェローナではイタリア最大のワインの展覧会であるVinitalyが始まる。
もちろん、そこには彼らの瓶は置かれることはない。必要がないから。

聞くところによると、ヴェローナはイタリアのなかでも最大のワイン消費県だそうだ。

「Veronesi tutti matti」(ヴェロネージ・トゥッティ・マッティ ヴェローナ人はみんなクレイジー)とはヴェネトの人なら誰もが知るフレーズ。…はここから来ているのかな、などと帰りにボーッと考えたりしていた。

…あ、だいぶ話が俗っぽくなってきたので、ここら辺にて…

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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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