パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



ポレンタの夕げ :: 2014/03/20(Thu)

北イタリア、特に私の住むヴェネトはポレンタを食べることでよく知られている地域。

そもそもは、小麦の生産じすらい土壌があってのことなのだろうが、ヴェネトとトウモロコシ(ポレンタ)食との関係は深い。

ヴェネトのトウモロコシ栽培の歴史はそれほど古いことはなく、戦中・戦後の頃にアメリカによって持ち込まれた種から栽培の本格化がされている。

トウモロコシは品種改良のターゲットとなりやすいのも、人間の食用であり、家畜の飼料にもなるものであるゆえ、大量商用栽培に変種の影響を受けやすいものともいえる。そもそもそれらは別種として栽培はされてはいるが、という前提にて、だが。

そのなかでも古代品種を守ろうという生産者の動きもあり、この夜はその決起集会的意味を持つ夕食会。

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ということにて、料理のメニューはすべてポレンタをベースに構成されている。

前菜には白トウモロコシと地元の熟成チーズ。ポレンタってこんなに美味しいの?!と以前に私が驚かされたシンプルなのに、魔法みたいな一皿。

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ポレンタ=クチーナ・ポーヴェラ(貧しい料理)としばしば言い換えられることの多いものだが、このポーヴェラ料理の代表みたいなのが、川及びラグーナの淡水魚(ヴェネトの大地はヴェネツィアのラグーナに流れ込む川の流れの恩恵を強く受けている)。
スキエschie(小エビ)、マゼラネーテmasenete(沢ガニ…みたいなもの)、モエーケmoeche(脱皮ガニ)、エビ類gamberi、バッカラbaccalà…。

今でこそ、ヴェツィア及びヴェネトを代表する素材であり、しかも高級素材。その昔は、沢で捕れる小魚たちであったもの。これらの素材とポレンタとの組み合わせは相性のよいもの同士。

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このセコンドに使われているポレンタの上に乗っかったフリットは、コイとコイの卵をポレンタを衣にして揚げたもの。
こちらは黄色い地元ポレンタ。これも驚くほどに香り高い。

ポレンタを使ったパスタ2種、さらに続くポレンタも姿を変え、形を変えてワインを合わせながらの興味深い皿が並んだ。

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最後に出されたドルチェももちろんポレンタ。

白ポレンタを使ったザエティ。

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ポレンタのトルタ。

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そして、揚げたポレンタと合わせたイチジク。これの組み合わせが非常に絶妙で、この日のドルチェの一番の人気者。揚げたてのカリッとしたポレンタの食感と、柔らかく煮たイチジクが非常によく合う。

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原材料、そしてそれらを使っての料理担当者、提供されたワインなどなど、それぞれの分野のこの夜の協力者たち。

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この会場に使われたパドヴァ郊外のアグリトゥーリズモでも、守るべきトウモロコシの品種の栽培に協力している。
よく近くを通っていたこの場所に、見落としていた素敵な空間。美味しい料理と温かい空間とそして同じテーマを共有する人々との時間は、何にも変え難い貴重な時間だ。

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素敵な時間と空間をありがとう、と心から思った夜。


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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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