パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



バッサーノのグラッパ蒸留メーカー ナルディーニ(Nardini)のボッレ(Bolle) :: 2014/05/17(Sat)

バッサーノ・デル・グラッパは、グラッパの製造が非常に有名な地域。いくつかある製造メーカーのなかでも最も古く、由緒正しく、そして人気も高い製造者がナルディーニ(Nardini)。

1779年創業、ボルトーロ・ナルディーニBortolo Nardini氏により、バッサーノ・デル・グラッパの街のシンボルである、ブレンタ川にかかる橋、ポンテ・ベッキオ(通称アルピーニ橋)の麓に今も残る“グラッペリア(=グラッパ飲み屋)”がこの会社の歴史の始まり。

グラッパのことを“アクアヴィーテacquavite”と呼ぶ。グラッパのことを…というのは語弊があるかもしれない。正しくは、アクアヴィーテと呼ばれていたのが、現在、グラッパと呼ばれている、というのが正しい。いわゆる“命の水”。
グラッパという名称が通例になったのは、いつの頃からか。ブドウの房を“グラッポロ”と呼ぶことから、それが語源となっているという。

現在でも同社のグラッパのボトルには“Acqua vite”と記されている。

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さて、街の郊外にある同メーカーの本社。同社の実際のグラッパの製造は、街の郊外に本社を含め2か所で行われているが、2004年に同社の創業225年の記念に建てられたのが、今やナルディーニのシンボルともなっているボッレBolleだ。

建築には、ローマ生まれにて、現在イタリアが誇る現代建築家、マッシミリアーノ・フクサスMassimiliano Fuksas氏により全てを手掛けられた。

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敷地に入るとすぐにその全容が目に飛び込んでくる。卵型の変形型。これはグラッパ蒸留の行程の際に出る泡をイメージしている。全体の建物の素材は、ガラス、木(外観からはあまり見えないが)、ステンレスなどを多く使っているのは、グラッパの製造中から製品に至るまでに使われる道具や器具の素材を再現したことにも通じる。もちろん、水面に浮かぶこの建築物の“水”もその要素に含まれている。
全体でグラッパのストーリーをインスピレーションさせる造りだ。

「伝統と刷新」
この建物を、ボッレを訳する意味として使用される言葉。

建物の内部には、研究及び品質管理室、会議室、視聴室、そしてテイスティングのできる空間などなどとグラッパを巡る様々な環境に対応可能な造り。

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イタリア人ならではの“美しく見せる”ことに対する感覚が往々に感じられるごとく、全体にシンプルなラインのなかに、センスよく設えられたそれぞれのコーナーの家具のデザインや色遣い。

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そして、ハイテク。(…と言ってしまおう…)

トイレだってスゴイ。(写真ボケボケだけど)

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メディアルームは…

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目の前で椅子が椅子として自動整列したり、スクリーンがギューンと出てきたり…。

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伝統を守ることに古さを感じさせることの微塵もない、堂々とした小さな北イタリアの街に生き続ける、健全企業の姿のごく一部。伝統の自社製品を、時代の流れや志向に基本的な部分を揺るぐことなく作り続ける同社の意思と誇りの表現、と受け取った。



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テーマ:イタリア - ジャンル:海外情報

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