パドヴァのとっておき。

北イタリア・ヴェネト州パドヴァより、料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを綴ります。



パン・ディ・ソルクPan di Sorc :: 2014/06/08(Sun)

フリウリの地にて出会ったもののひとつ。パン・ディ・ソルク。

ソルクとはマイス(トウモロコシの粉)のこの地方独特の言い方。つまりはマイスを使用したパン、ということ。

そして、さらには、ソバ粉、小麦粉、乾燥イチジク、干ブドウ、フェンネルの種などなど、多種の素材を混ぜ込んでつくりあげる。
全体的にずっしり、そして甘いパンとなるのだが、この土地はその昔、ハプスブルク家の領地であったことから、オーストリア風にパンドルチェとして確立しているものだとか。

そして、もともとは、このリッチなパン(パンドルチェ)は、ナターレの際、もしくはお祝い事の際などに食べられていたもので、各家庭にそれぞれのリチェッタが存在したという。

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形は丸くて周囲の皮の部分は薄く、パンの内部自体は、モロモロとした感じに仕上がっている。

パン自体は甘めではあるが、お伴となる食事には、土地特有のサラミ、クラウト(キャベツの酢漬け)、ポルペッティ(土地のものは豚のレバーが入るそうだ)など塩気のものにもよく合う。日が経ってしまったパンは、牛乳に浸したりて食べたり、ズッパの上にボソボソのパンをのせて混ぜ込んで食べたりもする。

大きな特徴となり、粉の割合の多くを占めるマイスは、チンクアンティーニcinquantiniと呼ばれる種のマイスが土着品種。チンクアンティーニ(=50くらい)と呼ばれるが如く、50日で栽培ができるトウモロコシとして知られているもの。

現在は、このパンもスローフードに認定されているもので、トラディショナルな材料と製法、そして木の焼き窯でつくられている。

この日に訪れた際には、1個だけが残っていたのでそれを頂いたのだが、週に2-3回、それも全て予約生産なのだとか。

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こちら、お店の看板。店の中はここで焼かれる(普通の)パンや焼き菓子などとともにオーガニック食材が並び、自然派愛好家たちが訪れる小さな店のようだ。

そしてそして、このあとに訪れた先がトウモロコシの製粉所。

いわゆるモリーノmolinoと言われる、川の水流を利用した粉ひき場がこの土地にあったものを30年代に私たちが訪れた現在の位置に建てられたもの。

何世代と時代を経るにつれて、残念ながら昔の面影が当時の建物の半分以下になってしまっているのだが、現在このモリーノを守っているご主人はそれでも挽く粉(トウモロコシの粉)や挽き方にこだわって、残された一部のモリーノを将来も継続していくべくしている。

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周囲は見渡すばかりのトウモロコシ畑。ヴェネトの風景もそうだが、ヴェネトはほぼ平野にてまっ平らな土地に広大に続くトウモロコシ畑、というのとは違い、段々畑的にトウモロコシ畑が広がっている景色はこれまた見応えのあるものだった。


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